羽田空港到着便、板橋区上空を2分に1回飛行
国土交通省は「国際競争力強化」や「2020東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催」などを目的に、羽田空港の機能強化の検討を進めています。
昨年7月に公表された案では、これまでの東京湾の上を飛ぶ経路から、国際線が集中する午後3時から7時までの間は、都心上空も活用することとしていました。板橋区では、着陸時に赤塚・成増上空を高度1220mで、通過する案が示されました。その際の住民説明は、板橋区では行われていません。
しかし、今年4月になって、国土交通省は、突如、さらに悪い修正案を発表。修正案では、赤塚・成増上空を飛ぶコースに加えて、小豆沢から、常盤台を通り向原上空へという経路を追加しています。高度は1220mで、1時間に31回(2分に1回)通過する計画です。騒音は、国交省の資料では61~69デシベルとのことで、ほぼ幹線道路沿いの音に匹敵します。しかも、成田空港周辺では過去10年間で18件の落下物が確認されており、安全面でも不安が広がっています。
多くの区民には説明なし
板橋区は、国土交通省に対し、板橋区民に説明するよう求めてきました。今年4月の変更にあたっては、区長名で直接国交省に説明会を要求。ようやく、6月3、4日(教育科学館)、6日(成増アクトホール)で説明会が行われました。しかし、区が求めていた教室型の説明会ではなく、※オープンハウス型で行われ、参加者は3日間でたった159名。影響を受ける住民に丁寧な説明が行われているとは到底いえません。区議会は、全会派一致して国交省に区議会への説明を要請することになりました。
※オープンハウス型説明会
説明パネル等を展示し、担当者が参加者の質問に対して、個別に説明し意見を聞くという形式の説明会。
写真:教育科学館での説明会