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いたばし元気帳 2017年3月号(No.37) TOPIC

ホタル館元職員の残業代未払い裁判「和解」が可決

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 区のホタル生態環境館に関する疑義は、2014年2月の区調査から始まった。区は、ホタルの累代飼育が行われていなかったことや外部から持ち込まれていたことの可能性を区議会へ報告。区議団は、独自の調査も行い、施設存続の立場を転換し、真実の究明と区の管理責任を追求。その後、区が訴えられた3つの裁判のうちの一つが昨年12月和解に……。

残業代未払い訴訟に和解勧告

 裁判は、懲戒免職処分となったホタル生態環境館元職員が、区に①残業代未払い金の支払いを求めた訴訟②懲戒免職の撤回を求めた訴訟です。そして、区が契約を打ち切った委託事業者が区を相手に③委託金の支払いなどを求めた訴訟の三つです。
 昨年12月、残業代未払いの件に対し裁判所から、区が解決金500万円を支払う和解勧告が示されました。そのため、和解に関する議案が、第4回定例会に提出されました。

和解議案が「可決」

 和解議案は、12月12日の本会議で賛成多数により可決。議案には、一人の無会派議員が反対し、生活者ネットの議員が退席しました。日本共産党は和解に「賛成」の立場で討論を行いました。
 元職員は、「毎日早朝5時から深夜1時まで勤務していた」と主張し、未払い分と付加金総額で約6千万円もの支払いを求めていました。しかし、元職員が主張する勤務時間は、常識ではありえない主張です。実際、区が調査を行った日には施設に存在していなかったことが報告されています。
 同時に、裁判所からの和解勧告は、長期に渡り原告の裁量を容認し、管理者としての適切な監督指導を怠ってきたことを前提としています。勤務時間を報告する取り締まり簿も、管理職の捺印があり、裁判所の判断は、証拠上、施設にいたということは否定できないとしています。

区の責任で、事実を明らかにし、区民へ説明を

 ホタル生態環境館を巡る様々な疑惑について、区議団の調査では、元職員がホタル生態環境館館長などと名乗り、全国各地でホタル飼育の事業に携わっていたこと、また、科学的根拠のない放射能除染の研究・開発など、区とかかわりのない事業を行っていたことなども明らかにし、追及してきました。現段階で明らかになっていることだけをもっても、元職員について、擁護する立場に立つものではありません。また、無会派議員の討論で、あたかも個人と特定政党との関係を結びつけるような発言をしたことについて、抗議し削除を申し入れました。
 区の裁判を理由に明確な答弁を避け続ける姿勢では疑惑の解明はできません。区自身が総括し、区民へ説明する責任を果たすべきです。