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いたばし元気帳 2017年5月号(No.39) TOPIC

子どもも教員も追いつめられる
新・学習指導要領改訂案

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 文部科学省は、学習指導要領の改訂案を発表し、小学校は2020年度、中学校は2021年度から全面実施されます。今回の改訂では、新たに前文が加筆され「国を愛する態度」や「公共の精神」「道徳心」を重視する理念が示されています。これは、改悪された「教育基本法第2条」に基づくもので、現政権の意向を色濃く反映するものとなっています。また幼稚園教育要領及び保育所保育指針も改訂案が示され「国旗・国歌に親しむ」との内容が盛り込まれています。

押し付け懸念の声

 竹内愛区議は、3月7日の代表質問において、専門家からの「過度の押し付けになってはならない」など、懸念の声を示しながら、区長及び教育長の認識を質しました。区長は「国旗・国歌に親しむことは強制を伴うものではないと考える」としながら、「改訂されれば、取り組みを検討する」と答えました。また、教育長も「新学習指導要領に基づいた活動を行う」と答弁しました。

教育条件の改善こそ

 さらに、今回の改定案により、小学校3年生からの英語教育導入と、5、6年生の英語教科化など、学習内容の増加が行われます。3、4年生で年間35単位時間、5、6年生では、現行の倍に匹敵し、授業時数の増加も行われます。しかし、少人数学級の拡大や教職員の増加は行われません。現状においても、教職員の負担が重く、多忙化解消が喫緊の課題とされています。教育条件の改善なしに教育の充実はあり得ません。
 新学習指導要領は、国家のための人づくりが強調されている一方で、教職員の増員や少人数学級の拡充など、条件整備は改善が図られず問題です。区議団は、教育条件改善こそ進めるよう求めました。

写真:竹内 愛区議