ホーム > いたばし元気帳TOPICS >TOPIC
いたばし元気帳 2017年8/9月合併号(No.42) TOPIC

「住まいは人権」の立場へ
いまこそ住宅政策の転換を

写真

 区が「住宅マスタープラン(第5次)」の策定を進めています。区の検討は、「ずっと住むなら、板橋区」をキーワードに子どもから大人まで誇れる町を創出するとしています。名称を「(仮称)板橋区住まいの未来ビジョン2025」に変え、今年度中の策定を目指しています。今年秋ごろに策定案を発表し、パブリックコメントを募集する予定です。

住まいから見る貧困

 区は、計画策定のために「区民アンケート(2016年6月、区内在住の20歳以上2500人を対象に無作為抽出)」を実施しました。20代の44・1%と70代以上の約6割が年収300万円未満の低所得世帯にあたる結果です。住宅費負担について70代以上では「生活必需品を切り詰めるほど苦しい」が17・4%です。また、最低居住面積水準を満たしていない世帯が10・7%もあることが明らかになっています。

20代の6割が家賃助成を求める

 若い世代が、低賃金と家賃負担を理由に自立できない実態は深刻です。就職しても37%が非正規、ブラックな仕事の広がりと数百万円もの奨学金返済の負担に苦しむ若者への支援は待ったなしです。区民アンケートでは、20代の60・2%が「住まいの確保や家賃負担軽減への支援」を求めています。
 年金生活の高齢者層でも70代以上の38・6%が「低所得者のための公営住宅の整備」を希望しています。値上げを続けるUR賃貸住宅の蓮根団地では、「家賃が月15万円になって、年金ではとても暮らせない」と悲鳴が上がっています。

住まいは生存権の土台

 区議団は、公営住宅の増設と賃貸住宅への家賃助成の実施を求めて質問や条例提案を行ってきました。区は「公営住宅は1戸も増やさない」「現金給付は行わない」として、区民の声に背を向け続けてきました。今後の計画も、公営住宅の供給戸数は増やさず、高齢者けやき苑などの民間借上げ住宅は順次返還し、区営住宅の建替え時に集約する方針です。
 住まいは、生活の基本です。憲法25条が保障する生存権の土台として、負担可能な費用で文化的な住宅に住む権利を保障する立場で、住宅政策の転換こそ必要です。

写真上:相談者と対話する山内区議