保育園待機児童対策に対する緊急申し入れ
日本共産党板橋区議団
この4月からの保育園入所を希望しながら、第一次審査の結果で不承諾となった児童は、1264名に上ることが明らかになりました。多くの待機児童の発生が見込まれます。
仕事を持ちながら子どもを育てる上で、保育園への入所は欠かせないものです。入所がかなわなければ、仕事を辞めざるを得ない事態を招き、生活そのものが成り立たない状況も生み出しかねません。
私たち区議団にも多くの相談が寄せられ、二人目の子どもが入所できず、育児休暇の延長を選択すると上の子が退園となるケースや、フルタイムやひとり親でも入所できなかったケースもあります。
新制度への移行により、今年の申請から、認可保育園に加え、小規模保育所、家庭福祉員など、区が利用調整する保育施設は、一斉申し込みとなりました。このことで、特に0から2歳児では、第二次の申し込みの時点で、ほとんど空きがないという状況です。
区は、認証保育所や無認可の保育施設を案内するとしています。しかしながら、認証保育所もすでに待機が発生し、無認可の保育施設については、区は、定員、住所、連絡先さえ把握していません。結局、保護者が小さな子どもを抱えながら、捜し歩かなくてはならないのが実態です。また、保育料は収入に応じたものとなっていないため、高額な負担が求められます。
国も、緊急対策を発表しましたが、施設の定員や保育者の資格などの規制を緩和するもので、保育の質の低下が指摘されています。
児童福祉法第24条では、自治体には保育の実施に関する義務があることが明記されています。安心・安全な保育を前提とし、待機児童解消のための緊急対策を講じるよう、以下の項目について、強く要請するものです。
①認可保育園の新設増設計画を抜本的に見直し、重点地域だけでなく、区内全域で増やすこと。
一次で不承諾になった児童数を前提にし、1300名分の定員を拡大すること。
・100名規模の認可保育園であれば13カ所以上
・加えて、不足する0〜2歳児の受け入れ先として、小規模保育所を24カ所以上
②現在建て替えを行っている私立園の内、仮園舎を引き続き認可園として使用できる施設がある。当該施設の認可を行うこと。
③区立保育園の新設、分園などによる増設を図ること。
④保育施設誘致のため、区が民有地の借り上げを行うこと。また、区の空き施設を活用すること。
⑤再開発や再整備が予定されている用地を含む、区有地を活用すること。
⑥区として保育士の処遇を改善すること。また、保育士確保のため、保育士の児童を優先的に保育すること。
⑦認可外保育施設の情報を把握すること。また、一時保育・定期利用保育を増やすこと。これら施設利用の保育料の負担をさらに軽減すること。
⑧ ベビーシッター等を利用する場合の利用料の負担軽減を図ること。