日本共産党板橋区議団は、「板橋駅前用地(B用地)の一体的活用に関する基本協定締結の中止を求める申し入れ」を行いました。
板橋区長 坂本 健 様
2018年2月27日
日本共産党板橋区議団
◉板橋駅前用地(B用地)の一体的活用に関する基本協定締結の中止を求める申し入れ
板橋区は、板橋駅前用地(B用地)の一体的活用に関する基本協定を、JR東日本との間で、年度内(答弁では2018年2月中)にも締結するとの報告が、1月23日の企画総務委員会で行われました。
基本協定の内容は、板橋区はB用地(約1,675㎡)の所有権を維持するものの、整備するとしている施設は、「商業施設は、JR東日本が選定した者が貸借し運営」「公益施設は、民間活力による運営」「住宅施設は、共同事業者が定期借地権住宅として分譲または賃貸」とされ、計画の全体は、JR東日本と共同事業者の手にゆだねるものとなっています。
共同事業者の募集は、区とJR東日本が共同で行うとしていますが、そこで行う市街地再開発事業(個人施行)は、JR東日本と共同事業者による施行とされています。計画では、地上35階、地下3階、高さ約130mの超高層マンション建設計画です。
1992年に板橋区が、国鉄清算事業団から約36億円で買い受けた区民の財産である公有地を、JR東日本による超高層マンション建設用地として提供するものに他ならないものです。
基本協定では、板橋区は「公益施設を借り受ける場合は、公益性に配慮し賃借にかかる費用を協議する」としています。区は公益施設について、「インターフォーラム構想」の実現をめざすとし、「マルチファンクショナル」な「知と文化の交流拠点」として、多用途に利用できる交流スタジオ、情報発信と交流拠点となる区民プラザを、共同事業者の提案によって具体化するとしています。かかる費用はまったく明らかにされておらず、「ホール等に要する面積の賃借料を積算すると、地代収入以上の支出が想定される」(2017年9月企画総務委員会資料)との見込みが示され、また、支出総額を70年でならすと年間9千万円程度になるとの答弁が行われています。保育施設や介護施設、集会施設など、区民要望や地域住民の声も聞かずに、民間事業者の提案を待つという姿勢は、区民の財産は区民福祉の向上のために使うという原則から大きく逸脱したものです。
板橋駅のバリアフリー化は、長年の区民の強い要求でした。区は、西口側のエレベーター設置は、一体開発の計画の中で確定していくと説明してきました。しかし、この度、2018年2月25日に、西口、東口とも、改札口からホームまでのエレベーター及びエスカレーターが供用開始となりました。駅のバリアフリー化は、一体開発とは関係なく実現できたことが明らかとなりました。住民に対するこれまでの説明は、区の開発優先の姿勢の表れと言わざるを得ません。
板橋区は「JR板橋駅舎改築との一体的な開発の機会を逃さず」計画を推し進めるとしていますが、板橋駅前用地(B用地)は、区民の財産です。70年もの定期借地権付きで所有権を維持したとしても、その内容は、区民福祉の向上につながるものではなく、事実上、JR東日本の開発事業に差し出すに等しいものです。また、区民の合意も、議会の合意も得られないまま、基本協定締結を行うことは、必ず禍根を残すものになります。2017年度内の基本協定締結を中止し、計画内容を再検討することを強く求めます。
写真:日本共産党板橋区議団による申し入れ