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2019/11.26

2020年度予算編成に関する要望書提出にあたって

板橋区長 坂本 健 様

2020年度予算編成に関する要望書提出にあたって
本日、日本共産党板橋区議団と同地区委員会は、2020年度予算編成に関し、区政全般にわたる要望をまとめましたので、ここに提出いたします。


 内閣府が発表した今年の8月の景気動向指数の速報値は、前月より0.4ポイント低下し、基調判断も4カ月ぶりに「悪化」に引き下げられました。消費税を8%に増税した後続く消費の不振と米中貿易摩擦の長期化による生産の落ち込みが顕在化したためです。その上10月からの消費税増税は、景気の悪化に追い打ちをかけています。世界経済が悪化する中で欧米の主要国で進められているのは「庶民減税」です。
 所得が増えず社会保障も削減される中、区民生活において貧困が広がっています。高齢者や障害者、ひとり親家庭などの社会的に弱い立場の層だけでなく、非正規で働く女性や若者の貧困も深刻です。住民にとって一番身近な自治体による経済的支援は待ったなしに求められています。まさに自治体の使命、役割は、住民の福祉の向上を追求することにあります。区民を苦しめる政治に対し、地方自治体が歯止めとなって、区民に寄り添う政策の実現が求められています。
 この間、行政サービスの削減や区民の負担増が強められる一方で、基金への積み増しと再開発事業への傾斜が懸念されています。私たちは、区民の暮らし、福祉の向上を最優先することを求めます。 また、教職員、区職員の深刻な過重労働の解消も急務です。職員定数を抜本的に拡充し、超過勤務の解消も待ったなしです。
 一方、核兵器禁止条約が制定されても唯一の被爆国である日本は、条約の参加を拒み続けています。平和都市宣言を行っている自治体として、核廃絶への強いイニシアチブを区が発揮することが求められています。
 この度の要望書は、区内の団体や個人の方々から広く意見をいただきまとめたものです。一つひとつしっかりとご検討いただき、新年度予算へ反映されることを要望いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

2019年11月20日

日本共産党板橋区議会議員団
同  板橋地区委員会


2020年度当初予算に対する重点要望 

1.貧困対策について

区民生活における貧困問題は、子ども・若者・女性・高齢者など、あらゆる世代、あらゆる世帯に広がっている。それぞれの部署ごとの連携を図るため、新たな部を設置すること。


2.生活保護について

2018年10月からの新基準によって、それまで受けられていた税金や国民健康保険料、介護保険料の減免・軽減制度、さらに就学援助が受けられなくならないよう引き続き対応すること。
区としてエアコンの使用に伴う電気代の軽減のために夏季加算を法外援護事業として実施すること。


3.障害児者の福祉施策について

児童発達支援センターの設置は令和2年度までとなっています。予算措置を必ず行うこと。
障害者総合支援制度におけるサービスについては、本人非課税まで無料とすること。
「親亡きあと」の対策として区内に入所施設、重度重複のグループホーム、緊急一時保護施設を設置すること。また赤塚ホームを重度重複児者が利用できるように、人の配置を増やすために指定管理料を引き上げること。
区立福祉園の民営化を行わないこと。また職員の専門性を高めることができるよう、支援を強化すること。
発達障害者支援センターについて、土・日・平日夜間の開所を前提として、職員の配置を増やし、法に明記されているように経験を積んだ専門の相談員など、ソーシャルワーカー、社会福祉士などを配置できるよう、予算を確保すること。
発達障害者支援センターを4月から開設できるように、代替施設等の対策をとること。
保育園において、保育士が障害児の発達やそれぞれの障害別特性など、障害に関わる専門性を確保するための研修や人材育成など対策を行うこと。
就学前の療育施設に通所している障害児の給食費を無償とすること。

4.医療・介護について

国民健康保険料を引き上げないこと。また多子世帯については、均等割り額の減額措置を独自対策としてとること。
高齢者や障害者の福祉現場で働く人の確保のために、人材育成事業として職員の処遇改善や研修費の助成などを実施すること。
ホームヘルパーの派遣など介護保険外の施策を実施すること。
居宅での家族介護に対し、家族介護手当などの支援策を実施すること。
区立特別養護老人ホームは民営化しないこと。


5.子育て支援について

区立保育園の民営化方針を撤回すること。
認可保育園の新増設を中心とした待機児童対策を実施すること。
認可保育園の保育料の引き下げを図ること。認証保育所保育料への助成制度は、認可保育園保育料との差額補助とすること。
あいキッズは、学童機能と全児童対策を分けて実施し、必要に応じて連携する運営に改めること。
児童館は、児童厚生施設としてふさわしく、0歳から18歳までのすべての児童を対象とし、発達・成長段階に応じた、事業の充実を図ること。
家庭福祉員の4月当初の定員未充足分に対する保障を定員に達するまで行うこと。
子ども家庭支援センターの体制を強化すること。
18歳までの医療費の無料化を実施すること。
子ども家庭支援センターの相談員一人当たりの件数は40件以下に下げ、きめ細かな対応が行えるよう、相談員の増員、正規職員の増員を行うこと。


6.教育環境の充実について

学校教育にかかる保護者負担を把握し、負担軽減をはかること。
学校給食費を無償化すること。
学校施設改修について、実施計画の件数及び対応校を増やすこと。また、給食調理室の冷房及びトイレ洋式化について、実施計画を策定し、早急に改善すること。
教職員の超過勤務を解消するために、教職員の増員をはかること。
教職員の変形労働制を導入しないこと。
特別支援教室の巡回指導を充実させるため、複数教室の確保、教員及び補助教員の増員を図ること。
特別支援教室、特別支援学級の担任、担当の教員に対し、障害児の発達、障害別の特性など、専門性をきちんと兼ね備えた教員配置ができるよう、職員研修の強化、人材育成の強化をはかること。
子どもの数が増えている状況や過密・過大校対策、あいキッズ活動室や特別支援教室の確保などを踏まえた「魅力ある学校づくりプラン」に見直すこと。
30人学級を区として実施すること。


7.産業支援について

区内の中小零細事業者への生活実態も含めた悉皆調査を区職員が行い、政策に反映させること。
小規模事業者登録制度の発注拡大を図り、事業量を増やすこと。
住宅リフォーム助成、商店リニューアル助成を検討、実施すること。
公契約のもとで働く労働者の賃金が適正に支払われるよう、公契約条例の制定の検討を行うこと。
区内公衆浴場の菖蒲湯、柚子湯、レモン湯、リンゴ湯、文旦湯、ハーブの湯等への補助金を108万円に戻すこと。
東京都公衆浴場地域交流拠点事業について、都の要領に合わせて38万円に引き上げて予算化すること。


8.災害対策について

災害対策基金を予防対策に活用すること。
家具転倒防止取り付け工事助成金の対象者を拡大し、助成額を増額すること。
感震ブレーカーの設置を促進するため、助成事業を創設すること。
避難所については風水害もふまえ、国の指針に沿って「プライバシーの確保拡充」「トイレの洋式化」「エアコンの設置」「備蓄品の拡充」など、環境整備を進めること。


9.文化・スポーツについて

集会所等の文化施設及び体育施設の利用料金を軽減すること。
区内文化団体への支援を拡充すること。
区立体育施設における区民の利用枠を拡大すること。
区立文化会館など、プロの音楽家の演奏ができるように設備をそなえた施設へ改善をはかること。


10.区の基本方針に関して

行財政について
基金への積み立て優先をやめること。
金銭給付事業を実施すること。
国保年金課や福祉事務所の窓口委託、及び事業の民間委託の拡大を行わないこと。
生活権を奪う差押えは行わないこと。
職員に関して
会計年度任用職員制度の導入にあたっては、現場の実態を反映し、現在雇用されている非常勤職員を含め、不利益を生じさせないこと。また、任用の上限を設けないこと。
職員の出退勤時間を客観的に把握し、恒常的超過勤務や長時間労働の解消や不払い残業をなくすこと。
職場並びに管理職の男女均等配置の方針を持つこと。
まちづくりについて
未整備となっている都市計画道路については、道路建設の申請を行わないこと。
大山のまちづくり・JR板橋駅・上板橋駅南口・高島平グランドデザインの再開発事業は見直し、再検討にあたっては住参画を保障すること。
公共施設の再編整備計画について
公共施設の再整備計画(エリアマネージメントおよび旧高七小周辺の公共施設については、区民にとって必要な機能と量を確保し、区民参画で計画を見直すこと。


11.平和について

核兵器禁止条約締結の意義を踏まえ、核廃絶に向けた取り組みや平和事業を強化すること。
区の実施する事業における自衛隊との連携については見直すこと。



▶︎2020年度当初予算に対する要望書(全文PDF)