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2019/8.24

2019年度補正予算に対する緊急要望
および2020年度当初予算に対する重点要望

板橋区長 坂本 健 様
2019年7月11日
日本共産党板橋区議会議員団
同    板橋地区委員会


 2019年度補正予算に対する緊急要望、及び2020年度当初予算に対する重点要望をまとめましたので、本日ここに提出いたします。
 内閣府が7月8日に発表した6月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数(季節調整値)は、前月比0.1ポイント低下の44.0でした。2カ月連続の悪化で、3年ぶりの低水準とのことでした。さらに5月の「毎月勤労統計調査」によると、実質賃金だけでなく、名目賃金(現金給付総額)も5カ月連続で引き下がっており、より深刻な実態が明らかとなっています。国民の暮らしを立て直さない限り経済再生は実現しません。
 今年も区民のもとに、国民健康保険料額の通知が届き、電話、窓口での問い合わせが殺到しました。ますます社会保障にかかる負担が区民の生活を圧迫しています。
最も身近な自治体として、区民の暮らしに寄り添う姿勢が板橋区に強く求められています。民間の儲け優先で進められる不要不急の再開発ではなく、保育園待機児童対策や高すぎる保険料などの区独自の軽減策等、区民が切実に求める施策実現への転換が必要です。
 今回も提出する要望は、区内の団体や個人の方から寄せられた声をまとめたものです。一つ一つの切実な要望を真摯に受けとめていただき、ぜひ実現していただきますよう、強く求めます。

2019年度補正予算に対する緊急要望 

1.貧困対策について

ひとり親家庭の生活支援につながる育児ヘルパー利用券の配布を実施すること。
低所得者世帯に対するエアコン設置費助成と電気代助成を行うこと。


2.生活保護について

平成30年4月以前からの生活保護世帯に対して、エアコンの設置助成と修繕費助成を法外援護事業として実施すること。


3.障害児者の福祉施策について

障害者総合支援制度におけるサービスについては、本人非課税まで無料とすること。
重度重複障害者のグループホームに対し、区独自の財政支援を実施すること。
区役所における雇用確保に向けて、障害の特性に合った方法に改善すること。
手をつなぐ親の会が運営している「まえの福祉作業所」について、一日も早く代替施設、あるいは改築含めて親の会、作業所と協議を行い、改善、解決すること。
老朽化している区立福祉園について、緊急に改築・大規模改修等の計画をたてること。
区立福祉園は民営化しないこと。

4.医療・介護について

国民健康保険事業において、資格証明書の発行はやめること。
差し押さえによる徴収強化は行わないこと。
介護保険事業で区独自保険料軽減事業の要綱について、元に戻して第3段階の保険料は第1段階の額に軽減すること。
介護保険事業において、23区中13区が実施しているように独自の利用料軽減策を検討すること。
夜間巡回型訪問事業を復活すること。
訪問介護の回数について、上限を押しつけず必要な介護を保障すること。


5.子育て支援について

空き施設や公有地の活用など、認可保育園の新増設を中心とした待機児童対策を含め、さらに計画の前倒しをすること。
区立仲宿保育園を存続すること。また園児に転園を強制しないこと。
あいキッズで過ごす夏の活動場所について、冷房機器の設置を確保すること。
保育園給食調理室の適切な室温が保てるよう、冷房機器の改善をはかること。
児童相談所との情報共有を強め、虐待の対応をきめ細かに強化すること。
保育園・幼稚園の園外活動で通行する道路のガードレール設置など、安全点検及び安全確保すること。


6.教育環境の充実について

各学校で要望されている補修に関する緊急要望について、未実施がないよう、できる限り要望に応えること。
通学路の安全対策について、再確認を行い、ガードレールの設置など改善をはかること。
学校給食調理室について、作業時間内の室温を計測し、適温を保てるよう、冷房機器の改善をはかること。


7.産業支援について

小規模事業者登録制度の発注拡大を図り、事業量を増やすこと。
緊急融資及び利子補給の拡大を実施すること。


8.災害対策について

木密地域を対象として、家具転倒防止取り付け工事助成の対象者を拡大し、助成額を増額すること。また、感震ブレーカーの設置を促進するため、助成事業を創設すること。
がけ・よう壁安全対策工事助成金事業については、危険度に応じて、助成割合、助成額を増やすこと。
民間施設へ危険なブロック塀、コンクリート板等の撤去した後のアルミなどの新設工事に対する工事助成をはかること。


9.文化・スポーツについて

小豆沢テニスコートに設置するレストハウスにシャワールームを設置すること。
小豆沢プールの更衣室の改善をはかること。
公共施設予約システムが5月18日以降、新たなシステムとなったために「時間がかかる」「ネットでとれない」「不便になった」など、利用者へのサービス低下をきたしている。緊急に改善を行うこと。


10.行財政について

基金への積み立て優先をやめること。
大山まちづくりは地域住民と一緒に見直すこと。
JR板橋駅のJRとの一体開発は白紙撤回すること。
旧高島第七小学校周辺の公共施設の施設整備を進めること。
福祉事務所の窓口委託は行わないこと。
生活権を奪う「差し押さえ」は行わないこと。
「個別整備計画」の見直しは区民参画で行うと同時に、その内容は素案の段階で施設ごとに区民へ知らせること。
区役所周辺公共施設の見直しについては、民間優先ではなく、区民の要望優先にすること。
民間委託のさらなる拡大は行わないこと。


11.平和について

今年の広島・長崎での平和式典に板橋の長として参加すること。



2020年度当初予算に対する重点要望 

1.貧困対策について

区民生活における貧困問題は、子ども・若者・女性・高齢者など、あらゆる世代、あらゆる世帯に広がっている。それぞれの部署ごとの連携を図るため、新たな部を設置すること。


2.生活保護について

昨年からの新基準によって、それまで受けられていた税金や国民健康保険料、介護保険料の減免・軽減制度、さらに就学援助が受けられなくならないよう引き続き対応すること。
区としてエアコンの使用に伴う電気代の軽減のために夏季加算を法外援護事業として実施すること。

3、障害児者の福祉施策について

障害者総合支援制度におけるサービスについては、本人非課税まで無料とすること。
区が採用する障害者の雇用枠は、精神障害者・知的障害者に広げるにあたり、各課の職員体制を強化すること。
「親亡きあと」の対策として区内に入所施設、重度重複のグループホーム、緊急一時保護施設を設置すること。また重度障害者が利用できる緊急一時保護施設を設置するとともに、赤塚ホームを重度重複児者が利用できるように、人の配置を増やせるよう補助金を引き上げるなど対策を強めること。
水漏れなど老朽化著しい区立福祉園については、緊急に改築・大規模改修等の計画を立てること。
区立福祉園の民営化を行わないこと。また職員の専門性を高めることができるよう、支援を強化すること。
発達障害者支援センターで、区の計画よりも職員を増やし、あわせて専門性のある職員の確保ができるよう、必要な予算を確保すること。
保育園において、保育士が障害児の発達やそれぞれ障害別の特性など、障害に関わる専門性を確保するための研修や人材育成など対策を行うこと。
就学前の療育施設に通所している障害児の給食費を無償とすること。

4、医療・介護について

国民健康保険料を引き上げないこと。また多子世帯については、均等割り額の減額措置を独自対策としてとること。
高齢者や障害者の福祉現場で働く人の確保のために、人材育成事業として支援施策を検討し、実施すること。
介護保険外の介護施策を実施すること。
居宅での家族介護に対し、家族介護手当などの支援策を実施すること。

5、子育て支援について

認可保育園の新増設を中心とした待機児童対策を実施すること。
認可保育園の保育費用の引き下げを図り、認証保育所保育料への助成制度は、認可保育園保育料との差額補助とすること。
あいキッズは、現在の仕組みを変更し、学童機能と全児童対策を分けて実施し、必要に応じて連携する運営に改めること。
児童館は、児童厚生施設としてふさわしく、0歳から18歳までのすべての児童を対象とし、発達・成長段階に応じた、事業の充実を図ること。
家庭福祉員の4月当初の定員未充足分に対する保障を定員になるまで行うこと。
子ども家庭支援センターの体制を強化すること。
18歳までの医療費の無料化を実施すること。

6、教育環境の充実について

学校教育にかかる保護者負担を把握し、負担軽減をはかること。
学校給食費を無償化すること。
学校施設改修について、実施計画の件数及び対応校を増やすこと。また、給食調理室の冷房及びトイレ洋式化について、実施計画を策定し、早急に改善すること。
教職員の超過勤務を解消するために、教職員の増員をはかること。
特別支援教室の巡回指導を充実するため、複数教室の確保、教員及び補助教員の増員を図ること。
子どもの数が増えている状況や過密・過大校対策、あいキッズ活動室や特別支援教室の確保などを踏まえた「魅力ある学校づくりプラン」に見直すこと。
特別支援教室、特別支援学級の担任、担当の教員に対し、障害児の発達、障害別の特性など、専門性をきちんと兼ね備えた教員配置ができるよう、職員研修の強化、人材育成の強化をはかること。
30人学級を区として実施すること。

7、産業支援について

区内の中小零細事業者への生活実態も含めた悉皆調査を区職員が行い、政策に反映させること。
小規模事業者登録制度の発注拡大を図り、事業量を増やすこと。
住宅リフォーム助成、商店リニューアル助成を検討、実施すること。
官製ワーキングプア―根絶に向け、公契約条例を制定すること。
区内公衆浴場の菖蒲湯、柚子湯、レモン湯、リンゴ湯、文旦湯、ハーブの湯等への補助金を108万円に戻すこと。
東京都公衆浴場地域交流拠点事業について、都の要領に合わせて38万円に引き上げて予算化すること。

8、災害対策について

災害対策基金を予防対策に活用できるようにすること。
がけ・よう壁安全対策工事助成金を増額すること。
家具転倒防止取り付け工事助成金の対象者を拡大し、助成額を増額すること。
感震ブレーカーの設置を促進するため、助成事業を創設すること。
避難所の環境整備として「プライバシーの確保拡充」「トイレの洋式化」「エアコンの設置」などを進めること。

9、文化・スポーツについて

集会所等の文化施設及び体育施設の利用料金を軽減すること。
区内文化団体への支援を拡充すること。
区立体育施設における区民の利用枠を拡大すること。
区立文化会館など、プロの音楽家の演奏ができるように設備をそなえた施設へ改善をはかること。

10、区の基本方針に関して

◉行財政について
・ 基金への積み立て額を縮小すること。
・ 金銭給付事業を実施すること。
・ 国保年金課や福祉事務所の窓口委託をやめること。
・ 生活権を奪う差押えは行わないこと。
◉職員に関して
・ 会計年度職員制度の導入については、現場の声を把握すること。
・ 区職員の超過勤務を是正すること。
・ 職場並びに管理職の男女均等配置の方針を持つこと。
◉まちづくりについて
・ 未整備となっている都市計画道路については、道路建設の申請を行わないこと。
・ 大山まちづくり・JR板橋駅・上板橋駅南口・高島平グランドデザインの再開発事業を住民参加で見直すこと。
・ 区役所周辺の公共施設の再整備については、民間の儲け優先の計画ではなく、区民にとって必要な機能と量を確保し、区民参画で計画を見直すこと。
・ 区立公園の在り方について、住民の声を聞くことを優先すること。
◉人権について
・ 男女平等推進センターについて、機能の分散を解消すると同時に、相談機能の拡充をはかること。

11、平和について
・ 核兵器禁止条約締結の意義を踏まえ、核廃絶に向けた取り組みや平和事業を強化すること。