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2020/6.15

第4次 新型コロナウイルス感染症に関する要望書
2020年5月22日
日本共産党板橋区議会議員団

新型コロナウイルス感染拡大への不安は未だ解消されず、日常生活や経済活動にさまざまな支障を広げています。依然として、医療現場における体制強化や新型コロナウイルス対策は、不十分です。そのため、新型コロナウイルス感染症以外の病気の発見や治療が遅れることまで指摘されています。
また、様々な支援が始まる中で「どこに電話してもつながらない」という声が相次いでいます。東京都は、「依命通達」で住民への支援を優先するため、「生命、財産への直接の関連性が低く、直ちに取り組む優先度が低い」として、都市開発などの事業を休止するよう求めています。合わせて、学校再開への動きが始まる中、子どもたちへの教育保障と一体に、感染防止策などの新たな対応も求められます。
当区議団は、関係機関や現場への聞き取り、日々の相談活動の中で寄せられたことを取りまとめ、以下の内容について、区として早急に対応することを要望いたします。


1、区職員の配置について 

東京都の5月5日付「依命通達」で示されたように、再開発事業などをただちに休止し、区職員を区民や区内商業・産業などの実態調査や緊急支援に配置し、区民の生命・財産を守る事業に集中すること。また、職員を新たに採用することも含め、今後の対応に備えた人材確保を図ること。



2、感染予防対策について 

(1)PCR検査等の改善と拡充について

PCR検査センターだけでなく、民間病院などで実施しているものも含めて、PCR検査の相談件数、実施件数について日々公開すること。
区「PCR検査センター」に「発熱外来」を設置すること、また、区内の複数箇所にPCR検査センター増設置すること。その際に、ドライブスルー方式などを導入し、希望する人がPCR検査を受けられるようにすること。
医療従事者、福祉現場や教育機関、公共交通機関などで働く労働者や妊産婦が、優先的にPCR検査などを公費で定期的に受けられるようにすること。
PCR検査の結果が出るまでの期間が3~4日かかっているため、早期に結果が出せるように、体制の拡充などできる手立てをうつこと。
PCR検査会場までの移動手段を受診者任せにせず、全ての人が車で移動できるよう、区として車を確保し対応すること。
抗体検査、抗原検査が早期にできるよう、国や東京都と連携し検討すること。


(2)福祉施設への支援について

民間の障害者通所施設の休業、縮小などの実態を把握し、必要な支援を実施すること。また、休業となっている施設に対し、規模を縮小するなどして、開所するよう働きかけること。
区内介護事業所の休業、縮小などの状況とその影響について把握し、必要な支援を行うこと。
高齢者、障害者が利用している施設に対し、経営や労働者への影響を最小限にするために、なんらかの「特別手当」など、なんらかの緊急支援を実施すること。



3、経済的支援について 

(1)各種相談窓口の対応について

「緊急小口資金」や「住宅確保給付金」などを対応している社会福祉協議会や生活仕事サポートセンターの電話がつながらない状況を一日も早く改善するため、人員増など体制強化ができるよう予算措置を行うこと。
「特別定額給付金事業」を含む、区の相談窓口について、電話がつながらない状況とならないよう体制強化を図ること。
都が実施している「感染拡大防止協力金」なども含め、区産業振興公社で、手続き上の支援が始まっているが、週二回の開催では十分とは言えません。困っている人が待ち続けることがないよう、ただちに体制強化と支援事業の周知を徹底すること。
国や都が実施しているものも含めて新型コロナウィルス関連の支援事業の情報提供を、ホームページだけでなく、区掲示板や全戸配布など、全ての住民や働く人へ届くよう手立てをとること。


(2)緊急的な支援拡充について

新型コロナウィルス感染による中小零細業者への影響と、現状の課題について、区として聞き取り調査を実施し、ただちに必要な支援策をとること。
中小零細業者へ家賃や印刷機、機械のリース料など固定費への助成を区として実施すること。
国の「持続化給付金」、都の「感染拡大防止協力金」について、区として受け付け代理申請ができるようにすること。また、国の「持続化給付金」を電子申請だけでなく、書面で申請できるように国に要請すること。
東京都「感染拡大防止協力金」の対象となっていない店舗であっても、感染拡大防止に協力している店舗であれば区独自で協力金を支給すること。
国の「持続化給付金」の要件である売上5割減には該当しないが、売上が3割4割減少した店舗に対しては区独自で支援金を給付すること。
「特別定額給付金事業」の一人10万円1回では、生活の維持にはほど遠い状況です。区として独自に生活支援の支給を行うこと。
学生のアルバイト休止などによる影響で、大学や専門学校の退学を検討している学生は少なくありません。学業をあきらめることがないよう、区として、授業料や生活費などへの支援を行うこと。
児童扶養手当及び児童手当受給世帯へ、区として独自の「生活支援金」を支給すること。
ひとり親世帯と就学援助世帯へ、区として独自の手当などを支給すること。
要保護世帯及び準要保護世帯に対し、休校中の昼食代を助成すること。


(3)文化芸術団体及びその関係者への支援について

文化芸術団体は、2月末よりイベントなどの自粛等により、収入が絶たれています。それは、フリーランスの芸術家や実演家も含めて、音響や照明、イベント企画業といった舞台芸術を支えるスタッフも含めて広い範囲で影響が広がっています。一方、その支援は生活を維持するものとしては未だ不十分です。区として、ただちに実態調査を行い、必要な支援策をとること。
東京都「感染拡大防止協力金」は、劇場は対象になっているが、劇団は対象外です。劇団も対象とするよう都へ要請すること。



4、学校再開に向けて 

すでに、分散形式の自主登校による「学習支援」が始まっていますが、今後の学校再開において、授業のやり方など、子どもの負担を最優先に考えること。
分散登校などの方法や形式は、子ども自身にとってわかりやすい形式にすること。
学校再開後の授業時間などは、約3カ月間自宅などで過ごしていたことからくる影響を考慮し、6・7時間授業としないなど、配慮した時間割にすること、また、授業内容もこどもがゆっくり始められるようにすること。
学校再開にあたって、登校への不安や体調変化、不登校など、心のケアも含めて、全ての子どもに対する観察や声掛け、家庭とのやり取りなど丁寧な対応を取れるよう、十分な体制を確保すること。
子どもたちの成長や発達に必要な行事や特別活動を減らさないこと。
休校の期間の影響は、長期間でてくることを考え、全ての子どもへの配慮がゆきとどくよう、教職員を抜本的に増員し、ひとクラスの規模を縮小できるよう検討すること。
再開後の教育現場で教員が悩んだ時に、いつでも気軽の相談し合える時間の確保や体制強化、休養・休暇を保障すること。
給食を一日も早く再開できるようすすめること。そのために、給食調理職員の体制強化、委託事業者への支援を図ること。



5、保育について 

認証保育所以外の、区内認可外保育所についても休園及び登園自粛している場合には、保護者に対し利用料の補助を行うこと。
感染症対策を目的として、一時保育及び延長保育を行っていない事業者に対して運営費の補助を行うこと。
緊急事態宣言後の登園については、子どもの心のケアに努めると同時に、職員への聞き取りや保育のあり方についてのフィードバックを行うようにすること。
育休中の保護者の職場復帰について、現在6月末までとなっている期限をさらに延長すること。



6、こども全般について 

分散登校や登園自粛について、子ども自身が理解できるようわかりやすく伝えること。
新型コロナウイルス及び感染症予防に関する正確な情報を、子どもに優しく、かつすべての子ども(障害のある子ども、移住者である子ども及びインターネットへのアクセスが限られている子どもを含む)にとって理解できる言語及び形式で伝えること。
子どもたちへの学習支援として「図書カード」を配布すること。



7、その他 

これから熱中症が発生する季節になることを考え、新型コロナウィルス感染防止のため、自宅で過ごすことができるようエアコン設置助成を行うこと、また、低所得世帯に対し光熱水費への負担軽減として、「夏季手当」を支給すること。
地震や集中豪雨などで、避難所がいつ設置されてもおかしくありません。避難所における「感染症」対策を抜本的に見直し、防塵マスクの大量備蓄や隔離ができるよう対策をただちに行うこと。
政府が配布したガーゼマスクについて、不要な人などが廃棄しているため、区として回収し、ホームレス支援団体や介護施設など、必要としているところへ届けること。