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荒川なお議員の一般質問
2017.02.15 : 平成29年第1回定例会(第1日)

 おはようございます。ただいまより、日本共産党板橋区議団の一般質問を行います。
 初めに、高校生・大学生等の学費負担軽減を求めて質問します。
 東京都から「教育格差があってはならない」という立場が示され、私立高校に通う生徒の保護者負担軽減のため、年収760万円未満の世帯に国の制度とあわせて平均授業料に相当する額を補助することが来年度の予算案として発表されました。
 また、政府がこれまで年収250万円以下の世帯と生活保護世帯に対して給付型奨学金制度を実施してきましたが、国の奨学金制度に上乗せする形で東京都が年額3万円を助成する考えを示しました。さらに、年収250万円から350万円の世帯にも年額5万円を給付するための予算案を発表しました。
 私立高校生の授業料負担軽減、都立高校生給付型奨学金は、私たちが都民の皆さんと力を合わせて要求してきたものであり、歓迎します。しかし、私立高校に通う世帯にとっては授業料だけでなく入学金や施設費なども重い負担となっています。一方で、「国公立以外に高校へ通わせる選択肢がない」という家庭が増えています。「我が子には、せめて高校ぐらいは卒業してもらいたい」と高い学費などを払い私立高校に通わせている家庭も少なくありません。生活の苦しさは、板橋区内で就学援助を受けている家庭は小学校で29%、中学校では39%にまで達していることにもあらわれています。
 来年度から東京都で予算化される私立高校生に対する「授業料無償化」と「給付型奨学金制度」実施について板橋区としての認識を伺います。
 政府は来年度から、低所得世帯の大学生・専門学校生に対する返済不要の「給付型奨学金」の導入を正式に決めました。返す必要のない奨学金は、世界でも異常な日本の高学費に苦しむ学生、父母、関係者らが強く求めてきたものです。制度実施に当たり、国公立大学の下宿生と私立大学の自宅生は3万円。私立大学の下宿生には4万円がそれぞれ給付されます。しかし、2017年度から始まろうとしていますが、本格実施となる2018年度でも対象となる住民税非課税世帯のうち大学進学者は1学年で6万1,000人、そのうち約2万人だけを対象とした給付型奨学金制度です。
 給付対象となる学生の比率は学生全体の2.5%にすぎず、十分ではありません。欧米などの先進国では30%から50%となっており、ほかの国よりも極端に少なくなっています。
 区長は、昨年9月の本会議で「既に全国市長会から給付型奨学金の創設などを要望している」と答えています。
 改めて区独自の給付型奨学金制度の実施を求めます。

【区長】皆様、おはようございます。早速、荒川なお議員の一般質問にお答えいたします。
 最初に、東京都の私立高校の授業料無償化等についてのご質問であります。
 高校の授業料につきましては、平成22年度から国が就学支援金を所得に応じ、年額11万8,800円から29万7,000円を支給しております。東京都につきましては、これに上乗せをして実施をしておりました特別奨学金の拡充を行うものでありまして、自己負担が発生していた低所得者の負担軽減となり、教育の機会均等に寄与するものと考えます。
 また、給付型奨学金は、勉強合宿や英語検定試験の受検料などの学習活動経費を支援するものでありまして、子どもの資質や能力を伸ばすことに寄与するものと考えています。
 次は、区独自の給付型奨学金制度の実施についてのご質問であります。
 国は、住民税非課税世帯を対象として月額2万円から4万円の給付型奨学金を平成30年度から本格導入することとして、平成29年度には特に重い負担の方に絞り先行実施すると聞いております。
 区独自の給付型奨学金制度の実施につきましては、財源の確保など課題が多いと考えています。国の動向を注視しながら、必要に応じ、給付型奨学金の拡充について、全国市長会等を通じて要望を上げてまいりたいと考えています。

 次に、公共施設等の整備に関するマスタープランについて質問します。
 2015年6月に、どこの施設を廃止・有料化するのかを示した個別整備計画が発表されました。公共施設はそれぞれの特定の公共目的を持って運営されています。私たち住民はその時々の必要・関心に応じてさまざまな公共施設を利用し、そこでの活動を通じて一人ひとりの人間としての発展を遂げています。現在、区は公共施設の廃止や有料化について、さらに計画を具体化しようとしています。
 昨年、私は総括質問で、公共施設の廃止計画、または有料化計画についてまだ知らない人が多くいること、計画に納得いっていない区民が大勢いることを指摘しました。公共施設というのは、区の財産であるとともに、区民の財産でもあり、個別整備計画が十分に区民の理解が得られたと考えているか質問をしました。パブリックコメントを行い説明会を何度も開催し、「丁寧な説明をおこなってきた」と成果を強調しました。しかし、説明会での区民からの意見を受けて変更する姿勢や、意見を受け入れる姿勢はまったくありませんでした。
 公共施設等整備マスタープラン策定後に、個々の施設について「廃止や値上げをしないでほしい」という声が寄せられています。それは個別整備計画が理解されていないからではありませんか。
 また、清水町集会所のようにまだ使える施設まで廃止の対象にしています。区は、その場所を防災備蓄倉庫などに活用しようとしていますが、使用できる施設はその目的どおり使用するべきです。あわせて答弁を求めます。
 長野県飯田市では、市内20地区で地区別の施設一覧表に基づいて「地域別検討会議」を設置し、利用者や関係団体、地域住民と十分な意見交換と議論を行い、地区ごとの施設整備の方針を策定しています。当初は、板橋区と同様に一律2割削減の方針を検討していたものの、住民自治を優先し、一律に削減量を決めて検討するやり方をやめ、時間をかけてでも、住民と話し合うことを選択しています。それは、行政の役割が地域住民の住民自治を行える環境の整備をすることであるという姿勢です。
 長野県飯田市のように、住民が「自分たちの公共施設は自分たちで決める」、この立場に立つべきではありませんか。

【区長】 次は、公共施設等の整備に関するマスタープランに関連いたしまして、計画の理解及び施設の利用についてのご質問であります。
 計画の策定に当たりましては、区議会特別委員会においてご審議いただくとともに、計画素案の段階において、パブリックコメントや区民説明会を実施、計画策定後も説明会を実施するなど、区民の皆様のご意見を伺い、理解を得られるように努めてまいりました。
 行政目的の終了した廃止施設について、建築物としての継続使用が可能なものについては、行政需要を勘案しながら施設活用の方向性についてを決定していきたいと考えています。  次は、住民参画についてのご質問であります。
 今後も、施設利用者の視点に立ったよりよいサービスの提供を目指してまいりたいと考えています。また、施設整備を進めていくに当たりまして、計画段階において、可能な限り地域住民の声を十分に伺いながら整備を進めてまいりたいとも考えています。

 次に、中央図書館の平和公園への移転について質問します。
 現在、常盤台にある中央図書館を再来年度以降に平和公園に移設させる計画が示されています。昨年11月の説明会では、来場者のための駐輪場設置場所などの案が示されました。
 駐輪場は、屋根がついていれば建築基準法で限定された面積の範囲に含まれます。しかし、屋根がついていない範囲には、図書館建設の面積基準とは別であり制限がありません。駐輪場の面積の大きさによっては、子どもたちの遊ぶスペース、緑地などを削ることにもなりかねません。現在の区の計画をお示しください。
 今年度に入り、今日までに6回、「中央図書館の平和公園への移転」についての説明会が開催されました。この間、私も説明会に参加をしてきましたが、新たな中央図書館のあり方についてはさまざまな意見が出されていました。公園内のどの位置に図書館が設置されるかによって、個々の要求が実現するか、説明会参加者や住民の意見がまとまっているとは言えません。しかし、来年度の予算案には新たな中央図書館の基本設計・実施設計が盛り込まれています。
 現在の板橋区立中央図書館は、全図書館を統括する中央機能と地域図書館の役割をあわせ持っています。しかし、中央図書館のあり方についての説明会開催については、「広報いたばし」とホームページで周知されていたものの、そのほかの周知方法では現在の中央図書館の場所と平和公園から半径1キロの範囲のみに限定されました
。  中央図書館の問題について、区民全体を視野に入れて図書館にかかわる市民検討会を開催することを求めます。
 また、これまで平和公園を利用してきた団体から「今まで定期的に利用してきたが今後、利用できなくなるのか」と心配の声が寄せられています。板橋区は平和公園の利用団体を把握しています。しかし、今度の計画については昨年度の利用団体に限定して説明を行っています。  平和公園を利用する全ての団体に対して中央図書館の移転について説明・意見聴取を行うことを求めます。
 公共施設のマスタープランでは、現在の中央図書館の土地に常盤台地域センターが移設される計画となっています。しかし、常盤台一丁目の住民を中心に「地域図書館として残してほしい」という声が寄せられています。また、「概ね半径1キロメートルを奉仕圏域として、中央図書館、地域図書館を建設する」としている区の方針は改善されないまま、中央図書館の移転だけが先行して議論されています。
 教育委員会は「とびだせ!としょかん!~絵本の世界へようこそ」という絵本づくりの工作コーナーの設置、保護者を対象とした講演会の開催などを行う新年度の事業を予定しています。しかし、「概ね半径1キロメートルを奉仕圏域として、中央図書館、地域図書館を建設する」とした方針を補えるものではありません。教育委員会は一昨年の本会議で「新中央図書館の建設にあわせ、図書館から離れた地域のあり方についても研究していく」と答弁しています。その後、どのような研究・検討をされたのかお示しください。

【教育長】 皆様、おはようございます。それでは、荒川なお議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、新たな中央図書館の駐輪場の計画についてのご質問ですが、新たな中央図書館の自転車駐車場については、現在、板橋区立中央図書館基本計画において施設規模とあわせて検討を行っているところです。
 基本計画では、板橋区大規模建築物等指導要綱に規定される施設規模に応じた必要台数分の自転車駐車場の確保も含めて、さきに板橋区立中央図書館基本構想で提示しました新たな中央図書館の建築面積範囲内におさめるよう検討を進めています。
 なお、自転車駐車場の設置台数、場所等の具体的な計画につきましては基本設計時に定めることとなりますが、公園利用者、図書館利用者双方に十分配慮した利用しやすい駐車場を設置してまいります。
 次に、区民全体を対象とした意見交換会についてのご質問ですが、新たな中央図書館の建設に向け、平成28年度はこれまでに区民との意見交換会を6回、区民懇談会を2回、出張意見交換会を10回実施し、板橋区立中央図書館基本計画の検討状況に関する情報提供と意見聴取を行い、区民ニーズの把握に努めております。
 いずれも区民全体を対象とし、開催案内については、広報いたばし、ホームページ及び全図書館窓口で周知しており、舟渡や高島平などの地域から参加された方もいらっしゃいます。
 また、魅力ある中央図書館建設だよりを5回ホームページに掲載し、区民の意見の紹介や建設計画の進捗状況について、情報提供を続けてまいりました。
 これらに加え、建設場所周辺にお住まいの方や、周辺の保育園、幼稚園、小中学校、全家庭へ意見交換会の開催案内と建設だよりを配付しており、地域の声の収集にも努めております。
 次に、平和公園利用団体への説明及び意見聴取についてのご質問ですが、平和公園利用団体への説明及び意見聴取に当たっては、平成27年度中に利用申請のあった団体や、運動会やイベント、散歩等で利用する保育園、学校などを対象に、平成28年6月に利用状況調査を実施いたしました。この調査では、公園内の利用場所や内容、時間帯、来場者の状況を把握したほか、新たな中央図書館に対する要望などをお伺いしており、調査結果は、公園内の建設場所や施設概要を定める中央図書館基本計画に反映しております。
 さらに、団体や保護者の集まりなどに図書館職員が出張して建設計画についての説明やご意見を伺う出張意見交換会を実施するなどして意見聴取を重ねており、今後も丁寧な説明と意見交換を継続し、公園と図書館双方の魅力を高める新たな中央図書館の整備を進めてまいります。
 次に、区立図書館の配置についてのご質問ですが、区立図書館の建設に当たっては、概ね半径1キロメートルを奉仕圏域として、中央図書館、地域図書館10館を整備しており、中央図書館を核として地域図書館をネットワーク化し、区立図書館全体で区民への図書館サービスを提供しております。
 図書館から離れた地域には、返却ポストの設置や図書資料の団体貸し出し、各地域図書館からの出張サービスを充実することで、図書館利用の利便性の向上に努めております。  新たな中央図書館については、区立図書館の中心館として図書資料の充実など地域図書館を補完する機能を強化し、区内全域のサービスを向上する予定です。
 加えて、図書館から離れた地域へのサービス向上にすべく、電子書籍の提供など、非来館型サービスの導入について検討を進めているところでございます。

 次に、子どもの外遊びについて質問します。
 1月16日、日本共産党板橋区議団は世田谷区のプレーパーク事業を視察しました。世田谷区では、「屋外での自由な『遊び』を通して得られるさまざまな体験や交流を通して、子どもたちに自主性や主体性、社会性やコミュニケーション能力をはぐくんでもらうこと」を目的に外遊び事業を行っています。プレーワーカーと呼ばれる大人の常駐スタッフがいるときは、たき火やのこぎりを使った工作などを行います。プレーワーカーや地域のボランティアが危険なことは注意しますが、自分の責任で自由に遊ぶことを基本としています。
 日本冒険遊び場づくり協会は、次の5つのことを大切にしています。「子どもの生活圏にあること、いつでも遊べること、だれでも遊べること、自然素材豊かな野外環境であること、つくりかえができる手づくりの要素があること」と子どもが生きる力を育むことを支え、「冒険遊び場づくり」を推進しています。
 外遊びの大切さについて板橋区の認識をお聞きします。
 現在、板橋区では、まなぽーと成増で「おそとカフェ」という事業を行っています。乳幼児とその親を取り巻く外遊び環境の改善や子育て支援、コミュニティ・エンパワメントを目的としたプログラムが、東京家政大学の大学教員や学生や地域住民と多世代交流を通じてコミュニティ活性化に取り組んでいます。
 現在は、年に4回、赤塚しのがやと公園で事業を行っています。2月5日に行われた「おそとカフェ」事業を私も見てきました。とても楽しげな雰囲気で子どもたちが遊んでいました。しかし、板橋区が行っている「外遊び事業」はこの1か所だけです。世田谷区では、4か所でプレーパークを実施しています。ほかにも、就学前の子どもを対象に、プレーリヤカーという小さなリヤカーに遊具を積んで公園に仮設の遊び場をつくっています。1キロ圏内に1か所で「外遊び事業」を行い、外遊び事業が実施できていない地域の対策についても検討がされています。  現在の「おそとカフェ」事業について板橋区がどのように評価をしているのかお答えください。  また、おそとカフェに限らず「外遊び事業」を全区的に取り組むことを求めます。併せて答弁を求めます。
 「板橋区内に、子どもたちにとって魅力ある公園をつくってほしい」という声が多く寄せられています。しかし、区内の公園は近隣住民に迷惑をかけないために禁止事項ばかりが目立っています。そのために子どもが外遊びを選択できずにいることも少なくありません。  日本冒険遊び場づくり協会は、冒険遊び場の運営のために、住民によって運営すること、住民と行政のパートナーシップを築くこと、専門職のプレーリーダーがいること、これら3つの方法を提案しています。このようにして子どもの自由な遊びを支えることで、「遊び」があふれる暮らし豊かなまちをつくっていくことを目指しています。また、子どもの自由な遊びを支えるために重要な役割を持つ「人」の育成・研修を行っています。
 子どもたちが自由に遊び自然に親しめる環境を持続させるためにも、その環境を支えるプレーリーダーの存在が欠かせません。プレーリーダーの育成について区として検討してください。

【区長】次は、外遊びの大切さについてのご質問であります。
 子どもは、外で体を使って遊び、同世代や異世代の友達とコミュニケーションをとりながらさまざまな体験をすることによって、心身ともに成長するものと考えます。
 区では、学校の校庭開放、青少年健全育成事業、保育園、幼稚園等における活動や行事等、さまざまな場を通じて外遊びの推進をしているところであります。
 次は、外遊び事業の拡大についてのご質問であります。  外遊び事業の実施に当たりましては、公園をはじめとした遊び場や担い手の確保が必要となると考えます。区では、現在、パークマネジメントについて検討を行っておりまして、こうした中で、外遊び事業のあり方につきましても組織横断的に検討を進めてまいりたいと考えています。
 次は、プレーリーダーの育成についてのご質問であります。
 プレーリーダーは、プレーパークを安全かつ楽しく利用していくためには不可欠な人材であると認識しています。プレーパークの設置やプレーリーダーの育成については、パークマネジメント基本方針の策定の中において、そのあり方についてを検討してまいりたいと考えています。

【教育長】次に、子どもの外遊びに対しまして、おそとカフェ事業の評価についてのご質問ですが、おそとカフェは、区立公園を会場として、まなぽーと成増と東京家政大学の共催で実施しており、未就学児から小学生と、その保護者を対象とした外遊びを楽しむ事業です。指導者のもとで安全に配慮しながら、火を使った調理、段ボールを使った秘密基地づくり、公園に住む生き物の探索など、子どもたちがさまざまな外遊びを体験できる事業であると捉えています。
 一方で、この事業の実施に際しては、地域の皆様からのご理解、事業の安全な実施、指導者や活動支援ボランティアの確保など、困難な課題も存在しております。

 次に、小豆沢公園について質問します。
 小豆沢野球グラウンドに設置されているクラブハウスは、野球グラウンドだけでなくテニスコートを利用する人たちのための更衣室・シャワー室としても設置がされています。しかし、クラブハウスまでの間に観客席があり、バリアフリールートさえ確保されていません。また、クラブハウスは築25年以上経過しており老朽化も進んでいますが、建て替えを行うことは構造上難しいと聞いています。小豆沢グラウンドは、毎年9月、「障がい者スポーツ大会」の会場としても使用されています。
 しかし、現状のまま使用し続けることは障害者差別解消法の立場からもふさわしい環境とは言えません。現在、クラブハウスは立地にも問題がありますが、バリアフリールートや休憩所など必要なスペースの確保ができません。来年度以降に解体予定の公園スペースには、武道場が移転するために現在のスペースよりも余剰スペースが広くなります。現在のテニスコート付近に建設すれば、野球場からも階段などを通ることなくクラブハウスにたどり着けます。
 小豆沢野球グラウンドのクラブハウスの今後のあり方について、区の考えをお示しください。
 また、テニスコートの利用者などが使用できる休憩スペースを確保するとともに、更衣室とシャワー室など誰もが安心して利用できるようなクラブハウスの環境を整備することを求めます。
 小豆沢野球グラウンドの観客席の下に位置する公園・公衆トイレには男女とも洋式トイレが1つしか設置されていません。野球グラウンドは、春には志村坂上地区の「桜まつり」の会場としても使用されます。毎年、多くの人たちでにぎわっています。現状のままでは、高齢者や障がい者にとっては利用しにくい環境だと言わざるを得ません。全てのトイレを洋式化することを求めます。
 2018年度までに、グラウンドに隣接する武道場が、小豆沢体育館プール棟に移設をされます。また、同公園内にあるこどもの池は20年前から、運営協力委員の人数が足りないことを理由に半分のスペースしか使用されていません。そういう中で、来年度の予算案には、小豆沢公園再編整備設計のための予算が組まれました。ついては、区民や利用者の声が反映されることが重要です。
 今後、公園のあり方について、地域住民・スポーツ団体や公園を利用する子育て世代との協議の場が必要です。区の認識を伺います。

【区長】次は、小豆沢野球場のクラブハウスについてのご質問であります。
 小豆沢野球場の管理棟につきましては、平成2年に設置され、1階部分には防災用施設も併設がされております。管理棟は設置後25年以上経過しており、一部施設で老朽化によるふぐあいが生じるなど、利用者の皆様にご不便をおかけしているところでもあります。
 また、例年、障がい者スポーツ大会なども開催をされていることからも、誰もが利用しやすい施設となるように検討してまいりたいと考えています。
 次は、小豆沢公園内のクラブハウスの整備についてのご質問であります。
 小豆沢公園については、プール棟改築工事終了後に実施する武道場の撤去に合わせ、庭球場も含めた公園中央部分の一体的な整備について、現在検討しているところであります。このエリアにつきましては、豊かな緑を生かし区民の誰もが健康でスポーツに親しめるよう、開放的な空間にしたいと考えています

 ご提案をいただきました休憩スペースやクラブハウスの設置につきましては、小豆沢野球場管理棟の整備を勘案しながら検討してまいりたいと考えています。 次は、全てのトイレを洋式化することについてのご質問であります。
  公園や公衆トイレを洋式化することにつきましては、誰もが使いやすいトイレとなり、必要なことと考えています。公園や公衆トイレのユニバーサルデザイン化は、板橋区基本計画2025及びいたばしNo.1実現プラン2018に基づきまして、計画的に進めております。観客席の下にございますトイレにつきましては、現地の状況を確認した上で、公園再整備計画も踏まえて総合的に検討してまいりたいと考えています。
 次は、公園のあり方について協議の場が必要と考える、区の認識を求めるとのご質問であります。
 小豆沢公園の再整備につきましては、今後、地域住民の方や利用者の方を対象とした説明会を予定しておりまして、その中においてご意見を伺いたいと考えています。

 次に、学校トイレの洋式化を求めて質問します。
 学校トイレの洋式化は、2013年度の補正予算が成立し、各学校で洋式トイレの設置が進みました。文部科学省の調査では、全国の公立小・中学校での洋式便器の割合は2016年4月1日現在で43.3%となっています。板橋区の小・中学校は70.5%まで洋式化が進んでいます。しかし、学校によっては必要な場所に洋式化が実現していないところもあります。先日、「特別支援学級で働いていた経験がある」という方からお話を聞きました。「近年、特に発達障害の児童の人数が増えているので、児童が、より落ち着ける環境が求められている。発達障害を持つ児童にとって教室はもちろん学校設備の充実は必要不可欠だ」という声が寄せられました。  さらに、学校要望でも少なくない小・中学校から改善が求められています。また、「自分の教室の近くに洋式トイレが存在しない。汚いトイレしかない」という理由で「綺麗な洋式トイレに利用が集中する」ケースがあるそうです。東京都も小・中学校・都立学校のトイレの洋式化を来年度予算案に盛り込んでいます。
 区内の小・中学校のトイレ洋式化を急ぐ必要性について、教育長の認識をお聞きします。
 板橋区は再来年度から、情緒障害等通級指導学級が設置をされている中学校3校を特別支援教室の拠点校として整備するとしています。また、別の中学校3校を特別支援教室巡回校の指定にし、巡回指導の施行を開始するとしています。しかし、学校によっては教室の数が不足しているために特別支援教室の近くに洋式トイレを設置できない可能性もあります。学校要望でも出されており、整備する際、設置する必要があると考えますが、板橋区としての対策をお答えください。

【教育長】次に、学校トイレの洋式化の取り組みの迅速化についてのご質問ですが、学校トイレの洋式化については、直近のデータでは、小中学校の校舎において71.4%まで進んでおります。
 一方で、体育館については、授業や学校行事だけでなく、指定避難所や選挙投票所等でも利用することから、平成28年度、29年度で全ての小中学校で洋式化できるよう、対応が必要な34校の取り組みを進めております。  なお、学校トイレの洋式化については実施計画に位置づけており、平成30年度以降、引き続き校舎の洋式化率引き上げに向け取り組んでまいります。
 最後の質問ですが、特別支援教室に隣接したトイレの対応についてのご質問です。
 中学校の特別支援教室については、平成30年度に拠点校3校、巡回校3校で取り組みを始め、順次拡大してまいります。既に6校のうち4校において、当該教室に隣接したトイレの洋式化が完了しており、残り2校についても対応する予定です。今後も特別支援教室の全校展開に向けても同様に対応してまいります。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。

 次に、「保育園での事故をなくすこと」を求めて質問します。
 昨年9月、区内の認可保育園で午睡中に赤ちゃんが死亡する事故が起きました。
 区長は死亡事故を受けて「午睡チェックの徹底、午睡中の職員配置の再確認など、安全安心な保育を担保する上で必要な措置について指導及び注意喚起を行ったものであります。今後につきましても、必要に応じた指導、監督に努めてまいりたいと考えております」と答弁しました。しかし、指導や注意喚起だけでは個々の保育園、保育士の自己努力にとどまります。どこに原因があり、区としてどのような対策が必要なのか検証しなければ、再び同じことを繰り返すことにもなりかねません。また、事故の情報について、板橋区は「現在、調査中」であることを区のホームページに掲載するにとどまりました。これだけの情報では、事故に関することや、その後の対応等について全く知ることができません。
 事故の情報について、区の対応や調査の状況、安全対策について徹底していることなどについて公表するべきです。
 国のガイドラインにおいては、検証結果、提言を盛り込んだ報告書を公表し、国に提出するとされています。保育施設、保育者、保護者等が情報を共有し、互いに認識することで子どもの状況を正確に伝え、把握することにつながると考えます。個人情報にかかわらない範囲で保育施設、保護者への公表の方法について検討してください。
 厚生労働省は、昨年3月に、教育・保育施設等において重大な事故の再発防止のガイドラインを各自治体に通知しました。保育園での死亡事故、意識不明等などの事故は、地方自治体において検証が必要と判断するときには、外部の委員で構成する検証委員会を設置し実施するとされています。あくまでも設置の判断は自治体に任されています。
 板橋区としての死亡事故などの事故の検証について、検証委員会設置の基準を示してください。
 また、赤ちゃんの急死を考える会は、「あずかっている子どもの命と安全を守ることは保育の最低条件であり、これ以上の重大事故を防ぐためにも、認可・認可外問わず全ての保育施設に0歳から1歳児は絶対にうつ伏せに寝かせないこと、子どもが睡眠中の部屋を保育者不在にしないことなど緊急に周知徹底すること」を要望しました。「赤ちゃんの急死を考える会」が把握しているだけでも、2015年9月から1年間に板橋区で起きた死亡事故と同様の事故が全国で6件起こっています。
 事故の検証なしに死亡事故をなくすことは困難です。死亡事故については、検証の対象を原則全ての件とするべきと考えます。区の考えをお示しください。

【区長】次は、保育園で事故をなくすためにの項目に関連いたしまして、事故の情報の保護者等への公表の方法についてのご質問であります。
 事故が発生した場合に、事故の概要や安全対策といった状況を保護者の皆さんに伝えることは、子どもの保育の安心につながるものと考えているところであります。事故情報は原則公表していくものといたしますけれども、公表の方法等につきましては、調査の状況などを勘案しながら進めてまいりたいと考えています。
 次は、検証委員会の設置基準についてのご質問であります。
 死亡事故があった場合に設置する検証委員会は、国のガイドラインをもとに警察や医師の意見、当該保護者の意向などを総合的に勘案しながら設置をする考えであります。  次は、全ての死亡事故の検証についてのご質問であります。
 検証委員会の設置につきましては、ケース・バイ・ケースで判断してまいりますが、全てのケースについて、事故発生の経緯や対応状況など、事実の把握や事故発生の原因分析を行い、再発防止に努めていく考えであります。

 次に、核兵器廃絶について質問します。
 昨年11月に行われた全国で1,643都市が加盟している平和首長会議の総会で「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に対して賛同協力することとした総括文章が全会一致で採択されました。
 1月26日、長野県原爆被害の会が、県民過半数を目的に「ヒバクシャ国際署名長野県推進連絡会」を3月に結成することを発表しました。県内77市町村長のうち、昨年12月末時点で75人が署名をしています。ヒバクシャ国際署名は、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを目指し、9人の被爆者が呼びかけたものです。昨年夏には運動を全国規模で進めるための「推進連絡会」が発足され、海外の平和団体の署名と合わせて2020年までに世界数億人の賛同を目指すとしています。
 また、23区でも世田谷区長、新宿区長が自らヒバクシャ国際署名にサインしています。
 昨年10月には、国連で2017年に核兵器禁止条例を交渉する国際会議を開くことを求める決議、多国間核軍縮交渉の開始が123か国の多数で採択されます。
 板橋区は「非核三原則を堅持し核兵器の廃絶を全世界に訴え平和都市となることを宣言する」とした平和都市宣言を持つ自治体です。
 世界でも核兵器廃絶の動きが大きく広がる中で、ヒバクシャ国際署名について、板橋区長の考えをお聞きします。
 また、区長は「平和首長会議や日本非核宣言自治体協議会と連携を密にしながら、適切な事業展開を図っていく」と答弁をしていますが、具体的にどのような事業を展開していくのかお答えください。

【区長】次は、ヒバクシャ国際署名についてのご質問であります。
 ヒバクシャ国際署名は、広島、長崎における悲惨な被爆体験を通じて、全ての国に対し核兵器を禁止、廃絶する条約を結ぶことを求めております。取り組みの方策はさまざまではありますけれども、核兵器の廃絶という方向性は板橋区平和都市宣言と同一のものであると考えています。
 板橋区としましては、今後とも、各種平和事業を通じて核兵器のない平和な世界の実現に寄与できるように取り組んでまいりたいと考えています。
 次は、平和首長会議等との連携事業についてのご質問であります。
 平和首長会議及び日本非核宣言自治体協議会は、都市相互の緊密な連携を通じて核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に寄与することを目的に活動しております。私も加盟自治体の首長として、平和首長会議へ平和メッセージを寄稿するなど、連携を深めてきております。今後につきましても、中学生平和の旅において、平和首長会議を行う事業への参画や、平和絵画・原爆展における展示物の提供など、さらなる連携を深めながら事業展開を図っていきたいと考えています。

 次に、差別をなくすことを求めて、質問します。
 昨年、相模原市で「障がい者を意図的に排除するつもりで起きた殺人事件」や「原発事故で福島県から横浜市に自主避難した男子生徒がいじめを受けた問題」など、差別や偏見が原因となった事故や事件が後を絶ちません。  小田原市の生活保護担当職員が「保護なめんな」「不正受給はクズだ」などとプリントしたジャンパーを着て、相談業務や同受給世帯の訪問をしていたことがわかりました。今回の事態は生活困窮している人たちを萎縮させ、生活保護受給者・申請者の正当な権利を抑えることにもなりかねません。憲法の基本的人権や個人の尊厳、生存権を脅かすものです。
 憲法11条で定められた、「国民は、すべての基本的人権の享有をさまたげてはならない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」とした基本的人権や、憲法25条にある「人間が人間らしく生きる権利」、生存権を脅かすことにつながりかねない今回の事態について、区長の認識をお聞きします。
 第2回定例会の本会議で、福祉事務所の職員について「職員の研修について、どのように実施されているのか、生活保護受給者とケースワーカーとが対等・平等な立場に立つことの必要性」について質問しました。区長は「福祉事務所職員全員を対象とした3福祉事務所合同研修におきましては、生活保護制度のみならず、おとしより保健センター職員を講師とした認知症対応研修などを実施し、多様なケースに適切に対応できるよう研さんに励んでいる。福祉事務所の職員には高い使命感と倫理観、また、もてなしの心を持って、相手の立場、目線に立って、心温まる対応することが特に必要であると認識している」と答弁しました。
 しかし、現実には、生活困窮状態にある人が生活保護受給を希望したことについて、ケースワーカーから「学校に行く時間があるなら、働く時間を増やすべきだ」など、生活保護受給を希望する人を萎縮させるような発言が報告されています。このような発言が相手の立場、目線に立っていると言えるのか、区長の認識をお聞きします。

【区長】次は、生存権等についての認識に関するご質問であります。
 小田原市のジャンパーの問題につきましては、ご指摘のとおり、基本的人権や生存権の理念を侵しかねないものであり、公務として不適切であったと考えます。
 次は、相談者への対応についてのご質問であります。
 福祉事務所の職員には、高い使命感と倫理観、また、もてなしの心を持って、相手の立場、目線に立って心温まる対応をすることが必要であると認識をしております。生活保護の相談者に対しましては、尊厳と人権を尊重し、寄り添いながら自立助長を支援すべきであると認識をしておりまして、改めて相手の立場、目線に立った対応に心がけていくように徹底をしてまいりたいと考えています。

 次に、上板橋駅南口まちづくりについて質問します。
 1月に出された検討案では、上板橋駅南口前に27階建てのビルが建設されようとしていることが示されていました。1階部分には商店街のにぎわいを維持しつつ、地域に必要な施設として防災機能を持つ施設、高齢者施設、子育て支援施設、集会所施設などを導入することが提案されています。
 しかし、決算の都市建設分科会で「提案を受け入れ続けるための保障はあるのか」という質問に、板橋区は「ちゃんとビジネスが成立するものを入れることになる。立ち行かない場合には違った業態のものを入れることになる」として、「商店街のにぎわい」「地域に必要な施設」を維持し続ける保証はないことが明らかになりました。現状では「商店街のにぎわい」がなくなれば、上板橋南口周辺のまちのよさが失われます。
 2013年にまちづくり調査特別委員会で、京成曳舟駅周辺を視察しました。駅周辺のビルに大型チェーン店が店を連ねていました。京成曳舟駅周辺を視察して、近隣商店街への影響について、板橋区の認識をお聞きします。  また、自治体としての保障がなければ、「大手スーパーやチェーン店など」が駅前ビルに入ることになれば、現在のように個人商店が連なる商店街を守ることはできないのではありませんか。答弁を求めます。
 以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

【区長】次は、上板橋駅南口のまちづくりに関連いたしまして、大型チェーン店による京成曳舟駅周辺における近隣商店街への影響についてのご質問であります。
 平成25年10月7日、まちづくり調査特別委員会において、墨田区の京成電鉄押上線連続立体交差事業の現地視察を行ったところであります。京成曳舟駅周辺においては、連続立体交差事業や市街地再開発事業によるまちづくりが進められております。京成曳舟駅のまちづくりにつきましては、今後のまちづくりを進めるための先行事例の一つとして参考にしていきたいと考えています。
 次は、自治体としての対策についてのご質問です。
 市街地再開発を契機に、商店街の活性化やにぎわいのある街並み形成を図ることを目的として、上板南口銀座商店街において、まちづくりガイドラインが昨年12月に策定されました。このガイドラインでは、商店街の活性化に向けて、駅前から旧川越街道までの商店街沿道の建物の1階部分を店舗にすることや、買い物客の安全性向上のためセットバックして店先空間の確保を図るなどのまちづくり方針を定めたものであります。
 区では、このガイドラインが実効性のあるものとなるように、地区計画の導入を目的として商店街の取り組みを支援してまいりたいと考えています。