[シリーズ]子どもの貧困
①抜本的な経済的支援こそ
子どもの6人に1人が貧困状態におかれ、ひとり親家庭では貧困率は5割を超えています。
2013年に閣議決定された「子どもの貧困対策大綱」には、貧困率をどこまで下げるかという数値目標も、具体的な方策も明示されておらず、抜本的な対策につながっていないのが現状です。
区議団は、必要な支援が行き届くよう、実態をつかむための調査を繰り返し求めてきました。しかし、区の調査は子どもの貧困の実態に焦点を絞った内容ではありません。
また、今年度の子育てに対する経済的支援策は、寡婦・寡夫控除のみなし適用(※)だけであり、不十分と言わざるを得ません。
対策進める3自治体を視察
視察した自治体では、数値目標を明確にしており、法律や制度上困難なことに対し、どうしたら事業を実現できるか、あらゆる方向から検討する姿勢が貫かれています。
群馬県太田市では、就学援助制度の新入学学用品費の入学前支給について、「必要な家庭に必要な時期に援助できるように」という観点で、入学前の2月中旬から3月中旬に支給実施を決定しました。このような取り組みは大変参考になりました。
区議団は、子どもの貧困対策として具体的な支援に踏み込むことを求めて2017年度予算案審議に臨みます。
(※)未婚のひとり親に対し、これまで適用されていなかった寡婦・寡夫控除の相当分を所得から減額する制度。保育料の算出時などに、既婚と未婚によって負担が異ならないようにするため。
[視察内容]
兵庫県明石市:第二子以降の保育料完全無料化、待機児童解消に向けた保育士確保、児童扶養手当の毎月支給
大阪府大阪市:子どもの貧困対策に係る世帯調査
群馬県太田市:子ども食堂、就学援助の入学金前倒し支給、入学準備金の支給額倍増
写真:群馬県太田市を視察(1月19日)