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荒川なお議員の一般質問
2017.09.22 : 平成29年第3回定例会(第2日)

1 核兵器廃絶を求めて
2 障害者スポーツについて
3 小豆沢公園について
4 保育について   
 (1)保育における安全対策について
 (2)保育料について
 (3)待機児童対策について
5 教育の機会均等を目指して
6 東京都中央卸売市場について
7 図書館のトイレ洋式化を求めて
8 公契約条例について

 おはようございます。ただいまより、日本共産党の一般質問を行います。
初めに、核兵器廃絶を求めて質問します。
 7月7日、ニューヨークで行われた「核兵器禁止条約の国連会議」で国連加盟193か国の63%に当たる122か国の賛成で「核兵器禁止条約」が採択されました。法的拘束力を持つ核軍縮関連の条約としては、実に20年ぶりの交渉成立となります。
 毎年、原爆死没者への追悼とともに核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願って行われる平和宣言で、広島市の松井一實市長は、7月に国連で採択された核兵器禁止条約に触れ、「各国政府は『核兵器のない世界』に向けた取り組みをさらに前進させなければなりません」と挨拶しました。長崎市の田上富久市長も、国連で採択された核兵器禁止条約の交渉会議に参加しなかった日本政府の姿勢を「被爆地は到底理解できない」と厳しく非難し、条約を批准するように政府に迫りました。
 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮とアメリカとの軍事的な緊張が高まる中、平和的、外交的努力を求めることと同時に、核兵器を違法化する国際条約の締結は、核による威嚇を許さない国際的な包囲網をつくる上で重要な役割を果たしています。
 現在、16県知事を含む800を超える区市町村長がヒバクシャ国際署名に協力しています。山梨県南アルプス市では「非核平和都市宣言をして賛同は当然」という立場を示し、市長・市議会議長・教育長・JA組合長・自治会長ら地域の有力者がヒバクシャ国際署名に協力しており、多くの自治体で核兵器廃絶を求める世論が広がっています。条約の前文には、核兵器の非人道性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、その違法性を明確にする太い論理が述べられています。国際社会がこうした認識に到達する上で、「ヒバクシャ」をはじめとする「市民的良心の役割」が強調されていることは、この条約をつくり上げた力が世界の草の根の運動にあることを示すものとして極めて重要です。
 「核兵器禁止条約が採択されたこと」の重要性について区長の考えをお聞きします。

【区長】
 それでは、荒川なお議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、核兵器禁止条約の重要性についてのご質問であります。
 核兵器禁止条約が国連で採択されたことは承知をしております。条約が採択された背景には、核兵器の廃絶に向けた各国の願いがあるものと受けとめておりまして、平和都市を宣言しております板橋区としましても、強く共感をするものであります。

 昨年の板橋区中学生平和の旅報告集で、坂本区長は「世界には今でも多くの核兵器が存在し、人類の滅亡さえ危惧される核戦争がすぐにでも起こる危険性の中で私たちは生きています。また世界では民族・地域紛争などにより、子どもを含める多くの死傷者が後を絶たず、私たちの願いである世界平和の実現をより困難なものにしている」と挨拶しました。
 非核三原則を堅持し核兵器の廃絶を全世界に訴え、平和都市宣言を行っている自治体として政府に核兵器禁止条約を批准するように求めていただきたいが、いかがでしょうか。

【区長】
 次は、核兵器禁止条約を批准するよう、政府に求めることについてのご質問であります。
 報道によりますと、日本が採択に加わらなかった理由として、本条約は核兵器のない世界を目指す我が国の考え方とアプローチを異にしており、核兵器国と非核兵器国の対立が深刻化する中において、両者の信頼関係の再構築が最大の課題であるとしております。核兵器禁止条約の批准をはじめとする国家間の政策は、政府が判断すべき事項でありまして、区としましては平和都市宣言実現の立場から、政府の動向を見守りたいと考えております。

 次に、障がい者スポーツについて質問します。
 この間、私自身もさまざまなスポーツに取り組み、スポーツ愛好者の皆さんと意見交流を行ってきました。障害者差別解消法の施行や2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催も影響し「自分がスポーツに親しむだけでなく障がい者スポーツ支援に携りたい」という声が広がっていることを感じています。これまで障がい者スポーツに携わってきた区民の多くは、北区にある都立障害者スポーツセンターを利用しています。スポーツ基本法がうたう「スポーツをおこなうことは、全ての人々の権利であり、自発性の下に、各々の関心、適性等に応じて、日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、又はスポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならない」とした立場から、板橋区でも障がい者がスポーツを行える環境が求められています。
 江東区では、公益財団法人江東区スポーツ健康公社が主催し、障がいのある方々へのスポーツ・レクリエーションの振興・普及を行っています。障がいのある方の健康の維持、指導者の養成と、資質・指導力の向上を図ることを目的としています。また、一般の人たちにも障がい者スポーツの支援者としての資格を取るための講習を行っています。昨年の講習には、障がい者施設で働く若者などが参加をしています。
 区長は、2年前の本会議で「今後、一般区民の方へも講習会の周知を行い、障がい者スポーツを支える人材の育成支援に努め、障がい者スポーツのサポート体制の強化を図っていく」と答弁しました。それにもかかわらず、なぜ具体化されていないのか、具体化のための検討はどのように行われてきたのか、あわせて答弁を求めます。

【区長】
 次は、障がい者スポーツ指導員養成講習会への参加についてのご質問であります。
 障がい者スポーツ指導員養成講習会は、東京都等の主催により毎年、開催され、スポーツ指導者や障がい者スポーツに関心がある方などを対象に広く周知がされております。板橋区では、障がい者スポーツ大会など、区主催事業におけるサポート体制を充実させるために、スポーツ推進委員に講習会の参加を呼びかけ、必要な知識や技術を身につけてもらっているところであります。
 次は、サポート体制の強化についてのご質問であります。
 障がい者スポーツを支える人材を育成するには、障がい者と一緒にスポーツの現場で活動できる場が必要であり、板橋区はこれまで障がい者スポーツ大会やボッチャ交流会等において、こうした場を確保してまいりました。さらに、今年8月には、近隣区4区と協力をしながら、東京2020パラリンピック競技大会の機運醸成や障がい者の社会参画の促進を目的としたボッチャ大会を新たに開催をいたしました。今後、ボッチャ大会の拡大をはじめ、障がい者スポーツの普及を図るためにも、一般区民を含めて広く障がい者スポーツ指導員養成講習会への参加を呼びかけ、さらに障がい者スポーツを支える人材の育成に努めていきたいと考えております。

 障がい者スポーツの置かれている現状は依然厳しいものがあります。大会出場経験者でつくる日本パラリンピアンズ協会の調査結果では、選手が競技をする上で年間の自己負担は平均147万円に上ります。車椅子で「体育館の床に傷がつく」など、代表選手でさえ施設利用を断られるといったケースが2割を超えていました。誰もが利用しやすい環境とはほど遠い実態です。障がい者スポーツは、障がいのある人の特性に応じた配慮や工夫が必要であり、障がいの種類や程度に応じたクラス分けを行い、ルールや用具、運動の仕方を変更して、あるいは新たに考案をして実施するというところに特徴があります。また、近年、車椅子ダンス、ブラインドサッカー、車椅子カーリングなど、障がいのある人とない人が一緒に行うスポーツが普及しています。板橋区は「区民の誰もが親しめるスポーツ環境の整備」の実現を目標に掲げています。障がい者スポーツは、障がいのある人もない人も、ともに実践できるスポーツとしての可能性が期待されています。改めて区民等が障がい者スポーツにかかわることの重要性についての認識をお聞きします。

【区長】
 次は、区民が障がい者スポーツにかかわることの重要性についてのご質問であります。
 指導員やボランティアとして区民が障がい者スポーツにかかわることによって、障がいのある方や保護者の方々と親交を深める場が生まれ、障がい者への理解につながる機会となると考えております。障がい者差別を解消する上からも重要な機会と認識をしているところであります。

 板橋区は、毎年3月に板橋Cityマラソンを開催しています。少なくない視覚障がい者が伴走者とともに出場しています。スポーツ振興を進める上で重要な役割を果たしています。しかし、練習する場所や伴走者を確保することなど、視覚障がい者にとって競技を続けるための条件は決して十分ではありません。全国でブラインドマラソンの理解者・協力者をふやすことを目的に活動を行っている日本ブラインドマラソン協会は、毎月、都立公園などで視覚障がい者と伴走ボランティアがペアを組み練習を行っています。毎回、新たにボランティアの活動に参加する人が必ずいるほど多くの人が関心を示しています。それでも視覚障がい者との割合で伴走者の数が足りていません。また、多くの練習場所がほかの競技を練習している人とぶつかる危険性もあり、必ずしも安全とは言えません。例えば区として日時を決めて、その時間は公園の外周を貸し切るなどして支援することもできます。視覚障がい者が安全に練習できる場の必要性について区の認識をお聞きします。

【区長】
 次は、マラソン・伴走ボランティアに関連いたしまして、安全に練習できる場の必要性についてのご質問であります。
 東京2020パラリンピック競技大会の開催が決定し、障がい者スポーツへの関心が高まる中、伴走ボランティアは、視覚障がい者ランナーが安全を確保して快適に走るために欠かせないものと考えます。また、伴走ボランティアは視覚障がい者ランナーとともに走る喜びを分かち合い、障がい者の理解と交流を深めることにつながるものと考えます。伴走ボランティアが伴走技術の向上を図り、視覚障がい者ランナーとの信頼関係を築くために、日ごろから一緒に練習できる場が必要であることも十分に認識をしているところであります。

 練習できる場の必要性とともに、練習したいときに練習できる環境があまりにも不足しています。視覚障がい者は、競技のために1人で練習することは困難です。伴走者と時間をあわせなければならず、一般の競技者よりも練習することに苦労が多いのが現実です。区としても、視覚障がい者も伴走者もともに成長できるような機会を設けてください。見解をお聞きします。

【区長】
 次は、視覚障がい者ランナーと伴走ボランティアがともに成長できるような機会についてのご質問であります。
 日本ブラインドマラソン協会などは、伴走養成研修などを実施し、伴走者の知識、技術の向上と視覚障がい者のランニング手法を実践的に学ぶ機会を与え、伴走ボランティアの普及や育成を推進しております。こうした伴走養成研修などを区が単独で実施することについては、視覚障がい者、伴走ボランティア双方のニーズを踏まえ、関係機関と協議を行いながら検討していきたいと考えております。

 次に、小豆沢公園について質問します。
 板橋区は、2020年5月までに野球グラウンドと体育館の間に位置する公園部分をスポーツ公園にするための改修計画を発表しました。今回の計画は、スポーツ公園として改修するための事業者を決定した後に住民説明会が行われました。第1回定例会で、私は小豆沢野球グラウンドの更衣室とシャワー室など、誰もが安心して利用できるようなクラブハウスの環境を整備することを求めました。しかし、区の答えは「体育館と野球場の間のスペースを改修する」という当初の計画のままでした。スポーツ公園の整備というのであれば、老朽化した野球グラウンドの更衣室や弓道場も整備の対象とするべきです。今回の計画を見直し、小豆沢野球グラウンドの外周と弓道場なども含めて改修計画を行うことを求めます。

【区長】
 次は、小豆沢野球グラウンドの外周と弓道場などについてのご質問であります。
 小豆沢公園につきましては、庭球場や相撲場などのスポーツ施設が集中するエリアを整備対象としておりまして、野球グラウンドの外周等については対象範囲から除かれているところであります。小豆沢野球グラウンドの外周の整備につきましては、区民ニーズや財政状況を踏まえて今後検討をしていきたいと考えております。弓道場につきましては、公共施設等の整備に関するマスタープランに基づく個別整備計画において、老朽化への対策が必要な施設に位置づけられておりまして、平成38年度から10年間の第2期計画において検討する予定でございます。

 7月31日に行われた住民説明会では、「テニスコートを縦列に2面設置をし、その周りをウォーキングやランニングができるループを設置すること」が報告されました。説明会参加者からは「なぜループが必要なのか」「子どもの遊び場とボールを扱える多目的広場の間に境目がなくウォーキングコースがあることは危険である」などの意見が出されました。しかし、区は「現在の計画を大きくは変更できない」という立場を示しました。本来、テニスコートを利用している人たちやスポーツ愛好者の方々の意見を聞き、公園改修の設計計画に生かすべきです。板橋区として、住民の声にどのように応えていくのか、お答えください。

【区長】
 次は、小豆沢公園改修に対する住民の声についてのご質問であります。
 小豆沢公園のうち、東側のアリーナ棟及びプール棟と西側の野球場に挟まれた中央部分に位置するエリアについて、スポーツ公園として改修するための設計を現在進めております。現在、地元説明会や意見交換会、地元小学生へのアンケート調査を行っておりまして、可能な限り地域の皆さんのご意向も踏まえながら設計を進めたいと考えております。

 現在の小豆沢公園は、子どもの遊び場が狭く、遊具も限られており、魅力あるスペースとは言えません。小豆沢公園の最寄りの小学校である志村第四小学校は、校舎を増築しなければならないほど、周辺の住宅では子どもの数がふえています。相撲場、子どもの池、武道場のスペースを子どもたちのスペースとして利用できるはずです。住民説明会や意見交換会で、「計画よりもさらに子どもの遊び場を広げてほしい」という声が寄せられていることは、ある意味当然のことです。現在の計画よりも子どもの遊び場のスペースを広くしてください。

【区長】
 次は、子どもの遊び場のスペースについてのご質問です。
 現在、検討を進めております改修計画におきましては、子どもの遊び場のスペースは現状の施設より広くなる計画となっております。住民説明会や意見交換会などでも、子どもの遊び場を広くしてほしいとのご意見を頂戴しております。現在の計画以上に子どもの遊び場のスペースを広げることができるかについては、他の施設との調整を図りながら検討していきたいと考えております。

 次に、保育についてです。まず、保育の安全対策について質問します。
 8月25日、さいたま市の保育園で、水遊び中に4歳の女の子が死亡する痛ましい事故が起きました。法人の記者会見によると、当時は監視担当者として保育者2名が配置されていましたが、備え付けの滑り台の片づけをおこなうために30秒から1分程度目を離していた間の出来事だったということです。3歳~5歳の子どもたちを混合で入水させていたこともわかりました。また、法人の安全管理マニュアルでは、3人以上で監視をおこなうこと、異才児を同時にプールに入れないことと定められていたとのことでした。
 昨年、消費者庁の消費者安全調査委員会が行った実態調査で、約2割の幼稚園・保育所・認定こども園でプール活動や水遊びの監視体制や訓練に不備があることが明らかになりました。このように、マニュアルがあっても、そのとおりに実行できるとは限らないのが実態です。今年6月、厚生労働省は保育所におけるプール活動に係る事故防止について「十分な監視体制の確保ができていない場合については、プール活動の中止も選択肢とする」という通知を出しました。通知に基づき、区立保育園において十分な監視体制の確保ができずに、プール活動を中止した事例は12園あったと伺いました。本来は、プール活動や水遊びを中止するのではなく、中止しないために必要な人員を配置することこそ行うべきではありませんか、区長の見解をお聞きします。

【区長】
 次は、保育園におけるプール活動についてのご質問であります。
 区立保育園では、その日の園全体の活動を円滑に行う観点や、天候の条件からプール活動を中止することもございますが、人員体制の不足を理由とするものではないと考えております。今後とも、国の通知を踏まえ安全な保育環境の確保に努めていきたいと考えております。

 昨年9月、板橋区内の私立認可保育園において、午睡中に1歳の男の子が死亡する事故が起きました。区長は、再発防止について「認可保育所や小規模保育所などに対し、再発防止の徹底を行った。午睡におけるうつ伏せ寝の防止や午睡チェックの徹底、午睡中の職員配置の再確認など、安心安全な保育を担保する上で必要な措置について指導及び注意喚起を行ったものであり、今後についても、必要に応じた指導、監督に努めていきたい」と答弁しました。しかし、なぜこうした事態となったのか、原因や当時の状態を明らかにしなければ再発防止はできません。2016年の1年間で、保育所などで子どもが死亡した事故の13件のうち、自治体が原因などを検証したケースは5件と半数以下にとどまっています。再発防止を目的に保育事故の検証制度が同年からスタートしましたが、自治体への浸透は道半ばで、専門家からは「法的な裏付けが必要」との声も上がっています。内閣府は9月11日、保育所や幼稚園での死亡事故などの事後検証を徹底するよう、自治体に通知しました。事件、事故だけでなく、病死も対象であることを明示して、検証を求めています。板橋区として、本件について改めて検証委員会を設置することを求めます。

【区長】
 次は、事故検証委員会の設置についてのご質問であります。
 昨年9月の私立保育所で起きました死亡事故につきましては、現在、警察において捜査中でありまして、死亡原因は不明でございます。また、警察から関係資料が返却されておりませんで、現時点では十分な検証を行うことができない状況にもございます。死亡事故の検証に当たりましては、事故発生の経緯、対応状況の実態把握などを行うことが事故の再発防止に極めて重要であると認識をしております。国からの通知の趣旨を踏まえつつ、死亡された児童の保護者の心情などを十分に配慮した上で、事故の検証方法について検討してまいりたいと考えております。

 次に、保育料について質問します。
 本定例会で認可保育所の保育料について、区は「改定率5.7%をもって引き上げる」とする議案を提出しました。保育料は、保育施設や人件費など、保育にかかわる費用全体から保護者負担を算出しています。これでは保育費用が膨らめば保護者負担にはね返ることになります。
 2016年の厚生労働省の調査では、子どもの貧困率は2012年の調査結果である16.3%より12年ぶりに下がったものの、高い水準であることに変わりありません。特にひとり親家庭の子どもの相対的貧困率は50%を超えています。また、山形大学の戸室健作准教授の研究によると「少子化で子どもの数が減少しているにもかかわらず、生活保護費以下の収入で暮らす子育て世帯が過去20年で倍増したこと」が明らかになりました。厚生労働省が公表した2015年の国民生活基礎調査で、生活が「苦しい」と回答した世帯は60.3%に上り、依然高どまりしています。特に子育て世帯の生活の困窮ぶりが深刻で、63.5%が「生活が苦しい」と答えています。経済状況を踏まえた検討を行うべきです。板橋区は、子育て世帯の経済がよくなっていると考えますか、区長の認識を伺います。

【区長】
 次は、保育料に関連いたしまして、子育て世帯の経済状況についてのご質問であります。
 認可保育園を利用する子育て世帯の保育料の階層の状況を見ますと、中間階層でありますD6階層を超えるD7階層以上の全体に占める割合は約49%となっておりまして、近年の40%から10ポイント近く上昇しております。こうした状況から、保育園を利用する世帯において世帯所得の増加がうかがえるところとなっております。

 今回の改定にあっても、説明会も、意見を聞く場も設けられていません。区長は、保育料の値上げの説明会を行うことについて「事柄の性質上、説明会などはなじまない」と答えています。なぜ利用者の負担をふやすことがなじまないでしょうか。説明会を開催し、保護者の声を聞くべきです。保育料についてなぜ区民や保護者の声を聞かないのか、お答えください。

【区長】
 次は、区民や保護者の声の聴取についてのご質問であります。
 保育料につきましては、いたばしNo.1実現プラン2018において、平成30年度に改定する計画を示しているところであります。また、今般の保育料改定につきましては、区民参加規程に規定するパブリックコメントの対象にはならないものと認識をしております。保育料改定を議決いただきました場合には、保護者をはじめ区民の皆様に改定の必要性や保育サービスのさらなる充実について丁寧に説明をし、理解をしていただけるよう取り組んでいきたいと考えております。

 保育料を取る場合は、児童福祉法で家計への影響を考慮すると示されています。2014年度から認可保育園の保育料値上げにより最も多い推定世帯収入450万円から550万円までのD5階層で、第1子が3歳児、第2子が1歳児の場合は、年間9,360円もの負担増となります。さらに時を同じくして、所得が低い人ほど負担が重くなる消費税増税が行われ、区民にさらなる生活苦を広げました。労働政策研修・研究機構の調査では、「子育て世帯は、食費などの生活関連の支出が減っており、多額の教育費が家計を圧迫していることに加えて、老後の不安から財布のひもが固くなっている」と分析しています。子育て世帯の暮らしを圧迫することは、子育て支援に逆行します。改めて来年度からの保育料の値上げ中止を求めます。

【区長】
 次は、保育料の値上げ中止についてのご質問であります。
 区では、増大する保育需要に対応するため、平成24年度から平成28年度の間に3,000名を超える定員を増加してまいりました。これに伴い保育園の運営経費は大きく増加をしております。一方で、運営経費に占める保育料の割合は、大きな変動がない状況であります。今後も待機児童対策のほか、保育サービスの充実に取り組んでいく中において、持続可能で安定した保育を提供していくためには、一定の保育料の引き上げによる財政基盤の強化が必要であると考えております。

 区は、今回の改定に当たり、低所得者の配慮を行うとしています。しかし、その内容は、AからC階層までは値上げしないというもので、負担軽減を図るものではありません。所得割・均等割非課税世帯(B2階層)に対して、近隣の自治体の練馬区、豊島区、北区、杉並区では、保育料は徴収していません。しかし、板橋区では、ひとり親家庭を除き1,000円を第1子のみ徴収しています。区の試算でも、国のモデルケースの世帯でも計算をすると、C3階層までが生活保護の範囲に含まれることが示されています。低所得者対策として、C3階層まで無料にすることを求めます。

【区長】
 次は、低所得者対策についてのご質問です。
 板橋区では、保育料については、低所得者への配慮を持って設定をしてまいりました。C3階層につきましては、3歳未満児の保育標準時間の場合、国が定める保育料の上限額1万9,500円に対しまして4,100円とし、負担軽減を図っております。また、今回の保育料の改定におきましても、C階層以下を据え置くなど、低所得者の負担軽減を行うこととしております。

 次に、待機児対策について質問します。
 厚生労働省の調査では、共働き家庭がふえ続けています。また、ひとり親家庭もふえており、自ら働く以外に選択肢はない場合も少なくありません。児童福祉法24条第1項には、共働き夫婦の家庭などが「保育を必要とする」場合で、認可保育所での保育を申し込んだ子どもについては、原則として市区町村が認可保育所で保育をしなければならないとされています。8月の文教児童委員会では、来年度は572人分の定員増になることが報告されました。しかし、それでも区は、1歳・2歳児の需要がふえることなどを理由に「待機児解消ができない」としています。そうであれば「現在の計画では不十分である」と言わざるを得ません。計画を前倒しして保育園をふやすことを求めます。

【区長】
 次は、待機児童対策についてのご質問であります。
 平成30年度に向けて、実施計画に基づく認可保育所5か所や小規模保育所6か所の整備などを着実に進めております。また、本定例会に上程いたしました第1号補正予算には、定員拡大のための既存保育園の増改修整備事業を計上するなど、待機児童対策に積極的に取り組んでおります。国の定義変更などによる待機児童数の増加要因も見込まれておりまして、待機児童数の状況を見きわめつつ、施設整備計画の拡充や待機児童の多くを占める1歳児対策などを総合的に検討しながら、今後とも待機児童の解消に向け努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、教育の機会均等を求めて質問します。
 大阪府堺市の調査によると、生活保護世帯で育った子どもが大学や専修学校に進学した場合、学費や生活費の7割を奨学金に頼らざるを得ない実態が明らかになりました。調査に答えた学生の半数が400万円以上の奨学金を借りており、重い負担を抱えています。区長は、第2回定例会で「今年4月からは、給付型奨学金を受給し進学する子どもがいる世帯も世帯分離が認められるようになった。これを活用して支援の充実を図る」としています。しかし、「給付型奨学金を受給し進学する子どもがいる世帯も世帯分離が認められたから」といって、それで支援が十分ということにはなりません。足立区では、低所得世帯への援助策として、奨学金制度を拡充させる計画が発表されました。高校生らが大学などに進学する際の資金を助成するもので、返還の必要はありません。対象は、大学などに進学する生活保護受給世帯の子どもや児童養護施設の入所者らで、区内に6か月以上在住するなどの条件を満たした場合、入学金の金額に応じて15万円を上限に支給するとしています。
 大阪府堺市では、「生活保護世帯の大学生等の生活実態や奨学金の借入状況などを明らかにすることで、大学生等の支援体制の充実を図ること」を目的に生活実態調査を実施しました。また、堺市は、日本学生支援機構が全国の学生を対象に2014年に行った生活実態調査で大学の昼間の部の自宅生と生活保護世帯の大学生などの結果と比較したものです。その結果で明らかになったことは、生活保護世帯は家庭から給付されている額が一般家庭に比べて10分の1となっています。その分アルバイトに費やす時間は多くなり、授業に出られない上に、文化や娯楽に使える予算も限定されています。
 板橋区では、生活保護世帯と同居をしながら世帯分離をしている学生は、今年の4月現在で139人います。学生たちに対して、今、何が必要なのかを区として把握することは、支援体制の充実を図るきっかけになります。大阪府堺市が行っているように、生活保護世帯と一般世帯の生活実態について比較をして、板橋区で実態調査を行うことを求めます。

【区長】
 次は、生活保護世帯の大学生等に対する実態調査の実施についてのご質問であります。
 生活保護世帯と同居をされております大学生等は、制度上は世帯分離しているため、詳細な生活実態について把握が困難な状況であります。大阪府堺市の実態調査を踏まえ、厚生労働省におきましては、本年11月に、全国の生活保護受給世帯の大学生等を対象に実態調査を行う予定となっております。この厚生労働省の実態調査を通じ、区でも生活保護受給世帯の大学生等の生活実態の把握に努めていきたいと考えています。

 高校卒業後、生活保護世帯と一般世帯とでは大学などの進学率にも大きな差があります。生活保護世帯では、大学進学率は19%ですが、一般世帯では52%です。高卒では低賃金労働、非正規労働が多くなっており、就職してから3年以内に離職する率が4割から5割と高く、年々ふえ続けています。全ての子どもたちに教育の機会を保障し、子どもたちに大学や専門学校に進学するための支援制度を区としてつくることを求めます。

【区長】
 次は、大学や専門学校へ進学するための支援制度の創設についてのご質問であります。
 板橋区では、次世代育成支援として、生活保護受給世帯の子どもが学習塾に通う際の費用を助成しておりまして、平成29年度からは対象を高校生に拡大するとともに、大学等の受験費用についても助成対象としたところであります。また、国におきましても来年度から、大学等への進学支援策として、入学時に一時金を支給する方針と聞いておりまして、こうした国の動向にも注視していきたいと考えています。

 次に、東京都の中央卸売市場の問題について質問します。
 区長は、第2回定例会で「食の安全・安心についての認識」を問う質問に対して「食の安全・安心は、区民生活を大きく左右するものである。今後の動向に注目していきたい」と答弁しました。「区民の生活を大きく左右する」と言うのであれば、豊洲移転について今後の動向を注目している場合ではありません。9月14日に豊洲新市場予定地の地下水から発がん性物質のベンゼンが土壌汚染対策後最大となる環境基準の120倍検出されたことがわかりました。これまでも都の移転方針に対して、多くの市場業者や科学者から「食の安全・安心は確保できない」「移転は中止し、築地で再整備を」との批判が上がってきました。これまで東京都は、豊洲移転の条件として無害化することを挙げてきました。しかし、来年6月以降に「無害化」という約束をほごにして、豊洲移転を行うことを小池知事が発表しました。この間、水産仲卸売場棟、青果棟など96店舗でカビが多数発生していることも明らかになりました。豊洲新市場予定地の土壌も地下水も環境基準以下にする「無害化」を達成できないままであり、専門家会議の提言に基づいて860億円もかけて行った土壌汚染対策は失敗に終わったことは明らかです。都民への約束を守るためにも、食の安全を守るためにも、区として東京都に対して豊洲への移転中止を求めてください。

【区長】
 次は、東京都中央卸売市場についてのご質問であります。
 東京都中央卸売市場につきましては、本年7月、豊洲移転の前提としていました土壌や地下水を環境基準以下に無害化する方針を撤回し、専門的、科学的で妥当な対策を講じ、都民や事業者の理解を求めるとする新たな移転方針を明らかにされました。今後は、この新たな移転方針に基づき、東京都の責任において安心・安全対策が適切に講じられていくものと考えており、その推移を注視したいと考えております。

 次に、図書館のトイレ洋式化を求めて質問します。
 これまでにもたびたび公共施設のトイレの洋式化を求めてきました。今年3月には、公園・公衆トイレを洋式にすることを求める陳情が全会派一致で採択されました。学校トイレの洋式化についても、第1回定例会で「実施計画に位置づけられており、平成30年度以降、引き続き校舎の洋式化率引き上げに向けて取り組んでいく」と教育長から答弁がありました。区民集会所についても、今年度から3か年計画で23か所の集会所で43個のトイレが洋式化されることになりました。トイレの狭さや、男女別で利用できないところも残されており、課題はあるものの一定の改善がされていることになりました。しかし、区立図書館だけは、今も改善されているとは言えません。私の地元の蓮根図書館は一般用のトイレと児童用のトイレがそれぞれ男女別にあります。しかし、誰でもトイレのみが洋式で、あとは全てが和式です。現在の環境が子どもから大人まで誰もが利用しやすい環境とは言えません。現在12館ある板橋区立図書館のトイレの洋式化がどのように進んできたのか、お答えください。

【教育長】
 荒川なお議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、現在の板橋区立図書館のトイレの洋式化の状況についてのご質問ですが、現在の板橋区立図書館12館内の個室のトイレ146基のうち、和式トイレは67基、洋式トイレは65基、誰でもトイレは14基でございます。
 このうち、赤塚図書館、清水図書館、成増図書館につきましては全て洋式トイレを設置していますが、蓮根図書館については、現在、誰でもトイレ以外は和式トイレとなっています。

 図書館は、子どもから高齢者まで幅広い世代の人たちが利用しています。全ての人にとって暮らしやすい地域社会の実現を目指すユニバーサルデザインへ考え方を発展させ、区政のさまざまな分野の取り組みにハード・ソフトの両面からこの考え方を取り入れ、自由に行動できるまちを推進することを実現するためにも、トイレの洋式化は急務です。板橋区立図書館の洋式化について今後の計画をお示しください。

【教育長】
 最後に、今後の洋式化の予定についてのご質問ですが、今年中に蓮根図書館の和式トイレ4基と高島平図書館の和式トイレ8基を洋式トイレに改修する予定です。今後も、ユニバーサルデザインによる、誰にとっても利用しやすいトイレの空間づくりを目指し、既存のトイレのスペース等を検証の上、トイレの洋式化を進めてまいります。
 いただきました教育委員会に関する質問の答弁は以上でございます。

 最後に、公契約条例について質問します。
 公共工事は、その多くが経済活動や国民生活の基盤となるものであり、その入札及び契約に関して国民の疑惑を抱くことのないようにすることとともに、適正な施工を確保することが求められています。新国立競技場の建設作業員が過労自殺した問題で、別の元作業員が「現場で予定変更が相次ぎ、作業員に負担がかかっている。まれに見るひどい現場だ」などの証言がありました。男性が働いていた新国立競技場の地盤改良工事で施工管理をしていた建設会社は、管理体制に不備があったことを認めました。男性が自殺する直前1か月の時間外労働は200時間を超えていたことを会社は把握していませんでした。工事現場での労働は、工期が定められており、工事が遅れることは許されません。そのために、今年2月中だけで3回の徹夜勤務があったことも明らかになりました。本来、公契約の入札に当たって、各事業者は下請、孫請を含めて適正な人件費の確保がなされなければなりません。下請代金支払遅延等防止法4条では、下請業者に対して、契約の仕事内容の仕事に対して通常支払われる対価よりも著しく低い下請代金を定めることを禁じています。しかし、板橋区は契約事業者と下請事業者とが適正な契約が行われているのか、実態を把握していません。公共工事では、建設労働者の賃金の平均日額が民間工事を下回る場合が多く、しかも年々引き下げられている例も少なくありません。民営化された保育所や民間に委託された清掃など、自治体が発注する委託・契約では、年間の所得が200万円にも及ばない不安定な労働が広がっています。同じ事故を繰り返さないためにも、板橋区の公共工事においてサービス残業や長時間労働をなくすためにも、施工管理責任者をはじめとした現場労働者の実態をつかむべきではありませんか。

【区長】
 次は、公契約条例に関連いたしまして、現場労働者の実態把握についてのご質問であります。
 公共工事におきましては、建設業法に基づき、受注者の施工体制台帳の作成と発注者である区への提出が義務づけられております。引き続きこれまで同様に、区として現場労働者の実態把握に努めていきたいと考えています。

 あわせて、低賃金労働やサービス残業、長時間労働をなくすためにも、板橋区でも公契約条例を制定することを求めます。

【区長】
 最後であります。公契約条例の制定についてのご質問です。
 労働条件につきましては、労働関係法令を遵守し、労使関係の中で解決されるべき問題であり、公契約条例による労働条件の規制は考えていないところであります。事業者に対しましては、事業者連絡会等を通じ、適正な賃金の支払いや社会保険の加入の徹底などを働きかけておりまして、あわせて発注時の適正な契約期間の設定にも努めていきたいと考えております。

  以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)