ホーム > 板橋区議会における日本共産党板橋区議団の一般質問・代表質問 > 石川すみえ
石川すみえ議員の一般質問
2019.6.6: 令和元年第2回定例会

 ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、区政に対する一般質問を行います。

 初めに、子育て支援の充実を求めて質問します。
 まず、認可保育園の増設と待機児童対策についてです。


 私は、区内で出産し、働き始めるために子どもが0歳のときに認可保育園を申し込みました。しかし、入れませんでした。その後、家庭福祉員さんに預け、非正規雇用で働き始めることができました。板橋区を初め23区の待機児童が深刻なことは、保活の中では常識です。私自身、板橋区で専業主婦が保育園に子どもを預け、働き始めることは、夢のまた夢だと思った時期がありました。待機児童が解消しない中では、21世紀になっても女性が働き続けることが難しい現実があります。孤独なワンオペ育児の中で、子育てやこれからの自分の人生、家族のこれからを不安に思う気持ち、私自身も経験しました。そしてこれまで、保育園に預けられるか不安、認可保育園に落ちて仕方なく認可外保育所に通っているが、保育の質が心配、こういった声をたくさん聞いてきました。保育の量だけではなく、安心して預けられる質の高い認可保育園が求められています。
 区は国の基準に照らし、何らかの保育施設を利用している児童を除いた108名を実質待機児童としていますが、今年度4月1日の保育所等入所状況では、希望する保育園に入れなかったお子さんは779名となっています。この779名が本来の待機児です。保育は社会福祉であり、親の就労権と、そして何より子ども自身の権利のために保障されるべきであり、自治体は、待機児童ゼロに向けて真剣に取り組まなければなりません。
 待機児は昨年度より少なくなっていますが、待機児童ゼロとはほど遠い状況です。さらに779名のうち755名が認可保育園を希望しています。一方で、小規模保育所は177名の欠員が生じています。このことは認可保育園に高いニーズがあることを示しています。3歳児の待機児童がふえていることを踏まえ、小規模保育園に空きがある状況を区としてどのように考えているのか、見解を伺います。
 779名の待機児のうち755名が認可保育園を希望している現状、小規模保育園に欠員がある現状を踏まえると、6年保育を保障する認可保育園の増設が急務の課題です。区は、2歳児で小規模保育園から認可保育園に転園しようという人や、育休延長の人を除いた実質待機児童をゼロにする計画を立てています。しかし、それでは希望する保育園に入園できない状況を改善することはできません。実質待機児童数をもとに保育園の新設計画を立てるのではなく、希望する保育園に入れるように、抜本的に保育園新設の計画を見直すべきです。区の見解を伺います。


 次に、区立仲宿保育園の存続を求めて質問します。

 区立仲宿保育園は、都営母子アパートの1階部分に併設されており、廃園方針が出されています。この問題は、2018年9月に文教児童委員会で、2020年3月末をもって廃園するため、2019年度の新規募集は行わないと報告されたことが始まりです。保護者に対しては、2018年9月末に説明会が開かれ、2019年4月の新規募集を停止すると突然報告がされました。説明会後、区の説明に納得がいかないと保護者の方々から保育園の存続を求める陳情が出され、区議会で審議されました。その中で、区が庁内や都と十分な調整や話し合いを行っていないことがわかり、陳情は不採択となったものの、区議会でも賛否が分かれる結果となりました。
 区の資料によりますと、区は2016年から民営化を前提として代替地の確保について検討を始めています。このことについて保護者の方々への説明もなく、議会への報告さえなく、都と十分な協議も行わず、計画を進め廃園方針を出したことに大変な憤りを覚えます。区は、都営アパートを区営住宅にするべく移管協議を始めていることがこの間の質疑の中で明らかになりましたが、新たな区営住宅に保育施設を入れることを全く検討していないこともわかりました。
 そこでお伺いします。都からの使用期限は平成32年度末となっていますが、そこまで仲宿保育園を継続するのでしょうか。区の計画をお示しください。
 今年度の待機児童の状況を見ますと、仲宿保育園周辺である板橋地域の待機児童はふえています。廃園は待機児童対策から見ても逆行しています。今からでも廃園方針を撤回すべきです。現在、1階部分に福祉施設等が入る計画になっていますが、新しく福祉施設を入れるのであれば、区立保育園を廃園にせず、存続させればいいのではないでしょうか。仮園舎の場所には、近くに板橋第九小学校跡地もあります。板橋区では、耐震上問題があるとした区立栄町保育園の廃園を撤回し、仮園舎をつくり、保育園を存続させた経験があります。この経験を生かし、仲宿保育園を廃園とすることなく区立園として存続させるよう検討すべきです。区の見解を求めます。


 次に、区立保育園の民営化について質問します。
 
 区はこの間、区立保育園の民営化を進めてきました。これまでに8園の民営化が進められ、2020年4月には大山西町保育園の民営化も予定されています。一方、公立保育所のあり方についてには、区立保育園に新たな役割を課す内容が示されています。それは、これからの公立保育所は、地域の保育施設間のネットワークの中心を担い、板橋の保育をリードするという役割です。加えて、公立保育所が取り組むべき重点的な課題として、子育て支援の充実、児童虐待や子どもの貧困などの社会的問題への対応、要支援児保育ニーズへの対応、保育の量をふやしていくことなど、そして、保育所保育指針の改定にも対応していくことが求められています。その課題を達成する枠組みとして育ちのエリアが提唱され、保幼小中連携教育の枠組みである学びのエリアと連続した関係となるよう機能させていくともあります。このように区立保育園の役割がますます重くなる中で、その役割を十分に果たしていくには、現状の数では全く足りません。既に育ちのエリア内に区立園がない地域が生まれています。
 民営化に当たっては、保育の質の低下を招かないような事業者を選ぶことを大前提としています。しかし、区が行った指導監査では、保育従事者が適正に配置されていない小規模保育園が5園あります。乳幼児突然死症候群の事故防止対策のやり方について、区から口頭指導を受けている私立の認可園が16園あったことも示されています。区は今年度から私立保育園の巡回指導をふやしています。指導監査を行う中で、板橋区が区立園と私立園で保育の質に差があると考えているからではないでしょうか。現状の認可園でもこれだけ課題がある園があるのです。通う子どもは区立園でも私立園でも自分らしく発達していく育ちの権利を持っています。しかしながら、現実には、区立保育園と私立園では、保育士配置や保育士処遇、研修、保育の経験の継承など、保育の質にかかわる内容に差があると考えます。区の見解を求めます。
 こうした環境の改善こそ急務の課題であり、それを行わないまま民営化を進めるべきではありません。区立保育園の民営化方針は撤回し、新たに区立園こそ開設すべきです。区の見解を伺います。


 次に、私立認可保育園における園児死亡事故の第三者検証委員会について質問します。

 2016年に区内の私立認可保育園で園児の死亡事故が起きました。日本共産党区議団は、事故の検証委員会を直ちに設けるよう求めてきました。しかし、板橋区は委員会の設置をすぐには行わず、2018年になってからようやく検証委員会を立ち上げ、実施しました。区のホームページでは、第6回までの概要が示されています。概要には、開催日時、議題、配付資料が記されているだけです。会議内容は非公開で、概要を見ても、区民、また区内認可園に子どもを預ける保護者には、なぜ死亡事故が起きたのか、再発防止のためにどんな提言が出されるのか、知ることはできません。
 そこで区にお聞きします。検証委員会から区長への報告はあったのか、お答えください。
 検証委員会の報告書は、保育に対する必要な改善をするために直ちに公開すべきだと考えます。公開の時期についてお答えください。
 事故後、区として当該園にどのような指導監査等を行ってきたのでしょうか、お答えください。
 板橋区保育施設等における事故検証委員会設置要綱には、検証委員会の目的は、重大事故に遭った子どもやその保護者の視点に立って発生原因の分析等を行うことにより、必要な再発防止策を検討し、提言を行うこととあります。この目的が達成されるよう、直ちに報告書を公開すべきです。この間の区の取組みを区ホームページに載せ、かつ区内認可園の保護者と保育に関係する諸団体に通知するよう求めます。いかがでしょうか。

 次に、幼児教育・保育の無償化について質問します。

 国は、消費税10%増税と抱き合わせで幼保無償化を行う予定です。板橋区でも幼児教育と保育の無償化を実施する補正予算が提出されています。しかし、法律に無償化の文字はありません。また、無償化の対象は、3歳から5歳は原則全世帯、0歳から2歳は住民税非課税世帯と限られています。対象となる施設は、認可保育所・幼稚園・認定こども園であり、認可外保育施設は上限をつけて補助する計画です。この計画だと、費用の多くは比較的所得の高い世帯に偏り、低所得者への恩恵は少なくなります。また、保育園入園を希望するも、全く保育を受けることのできていない区内に108名いる実質待機児童世帯は、この制度の恩恵を受けることができません。さらに、財源を消費税に求めることは、出費がかさむ子育て世代の暮らしを圧迫することが必至であり、子育て支援にはなりません。また、今後、保育士の処遇改善や保育基準の改善、0歳から2歳の無償化などを進める財源確保のために、消費税の引き上げが常に求められることになります。認可外保育施設の利用者も対象となるため、保育の質が保てない施設にお墨つきを与えてしまいます。保育に対する公的責任の後退となるのではないでしょうか。保育の質を度外視した制度です。区立保育園を含めた認可保育園の増設、保育基準の確保、保育士の処遇改善などの対策を抜本的に強化することなしに無償化を進めれば、待機児童問題はさらに深刻化します。
 今回の無償化は、その財源が消費税増税とセットになっていることが問題であるとともに、自治体が運営する公立園に通う児童に対する国の財政支出がないため、公立園の廃園・民営化が加速することが懸念されています。幼児教育・保育の無償化は国際的な流れであり、先進国である日本は大きく立ちおくれている現状です。こうした点においても、国として無償化を進めることは当然のことであり、その財源は全額国が負担すべきです。区の見解を伺います。
 無償化に伴い、主食費以外の副食費を園ごとに徴収することとされています。そもそも保育園での食事は、家庭生活と同じで、1日の流れの中で行うものであり、切り分けるものではないと強い批判が寄せられています。現在、保育園では、副食費などの徴収は行っておらず、園での個別徴収となれば事務量が増大し、新たな体制を整える必要が生じるなど、現場で混乱すると指摘されています。また、副食費を徴収するとなれば、特に低所得世帯の負担が増加する逆転現象が起きることも明らかになっています。副食費について、保護者の負担としないよう、公費により負担するよう求めます。区の見解を伺います。
 無償化の対象外となる0歳から2歳の課税世帯は、引き続き保育料の負担が重い状況となります。保育料は、保育に係る運営費を算出根拠としており、保育園がふえればふえるほど保育料が引き上がる仕組みとなっています。今後も改定のたびに引き上がることが予想され、無償化の対象世帯との格差がさらに広がることになります。新たに東京都の制度により、第2子以降の補助が拡大されますが、第1子の負担が重いことは解消されません。1人目が出産できなければ少子化も改善することができません。保育料の算定根拠を見直し、抜本的な引き下げを求めます。区の見解を求めます。


 第2に、区立公園の環境改善を求めて質問します。
 まず、大谷口児童遊園、通称大谷口かいじゅう公園について質問します。

 大谷口かいじゅう公園は、改修工事が行われ、きれいに整備されました。地域の人や子どもたちでにぎわう公園となっています。一方で、イメージと違った、舗装部分が多く、子どもが転ぶとすぐけがにつながり危険などの声が寄せられています。この公園の改修に当たっては、地域の皆さんの声を反映する取組みが行われました。2016年10月にアンケート調査を行い、地元5町会役員会で準備会を行った後、11月から翌年の2月まで、計4回ワークショップを行っています。このワークショップの中でどんな公園をつくっていくかが話し合われました。
 ワークショップに先立ち行われたアンケート調査で、子どもたちから出た最も多くの意見は、ダイナミックに遊べる公園が欲しいという意見です。具体的には、アスレチックやターザンロープの設置が求められています。子どもたちは、体をたくさん動かしたいと願っているのです。現在のかいじゅう公園にはこれらの設備はありませんが、なぜこうした声が反映されなかったのでしょうか。お答えください。
 今回のワークショップのアンケートを見ると、子どもたちの体を思い切り動かしたいという人間としての欲求があらわれています。この子どもたちの希望をかなえるには、遊具やプログラムの提供ではなく、みずから遊びを生み出す環境を整備することが重要になってくるのではないでしょうか。そのためにも、子どもたちも含む公園利用者や地域の方々との話し合いを丁寧に行うことが求められます。
 今回の整備に当たり、ワークショップ開催後は工事について説明会を開いていません。なぜ開いていないのでしょうか。ワークショップ終了後、区から基本設計平面図が地域の皆さんに示されていますが、平面図から実際にどんな公園ができ上がるか、読み取れる人はどのくらいいるのでしょうか。地域の皆さんとせっかく取り組んだワークショップです。きちんと最後まで地域の皆さんに報告をすべきではないでしょうか。地域で公園を見守っていく上でも、工事の竣工図の説明、竣工後の説明も行うべきだと考えます。いかがでしょうか。
 公園は迷惑施設ではありません。都会の中の緑、地域の皆さんの憩いの場、そして、子どもたちにとっては、体力・運動機能を伸ばし、社会性を身につけ、意欲的な心を育てる大切な場所です。大切な場所として機能させ続けるためにも、最後まで住民参加型の取組みを続けるよう求めておきます。


 次に、プレーパークの実施を目指して質問します。

 板橋区の近隣の自治体では、プレーパークの開催が始まっていますが、板橋区ではまだ始まっていません。子育て中の方々から、思い切り遊べるプレーパークが近所に欲しいとの声を伺っています。しかし、日々の生活に追われ、自分たちがプレーパークの担い手となり活動していくことに躊躇する声もあります。何かしてみたいけれども、どう一歩を踏み出したらいいのかわからない、活動を始めたいけれどもどうしていいのかわからない、自分にできるか不安、こうした人たちの背中を押すような取組みをぜひ行政から始めていただきたい。板橋区パークマネジメントガイドラインには、プレーパークの整備に向けて、プレーリーダーの担い手を探すとあります。現状どこまで進んでいるのか、お答えください。
 外遊びの重要性について、近年さまざまな指摘がされています。2018年の子どものからだと心調査では、次に紹介するような子どもたちの身体の異変が報告されています。すぐに疲れたと言う、夜なかなか眠れず朝起きられない、いつもそわそわ、きょろきょろして落ち着きがない、よく転んで骨折しやすい、あまりトイレに行かない、貧血やアレルギーがふえたなどです。
 日本体育大学の野井真吾教授は次のように述べています。体力・運動能力調査の結果を見ると、特に低下しているわけではなく、むしろ年々少しずつ上昇している。体力・運動機能が低下していないのであれば、自律神経や免疫、ホルモンに問題があると考えることができる。日中にたくさん運動をすると体もほどよく疲れて、また、太陽の光を浴びることで眠りのホルモンと呼ばれるメラトニンが夜に分泌され自然と眠くなってくる。さらに、やる気や意志、集中力、判断力、コミュニケーション能力などの働きを司るのが脳の前頭葉の部分である。調査の結果、十分に発達していない子どもが多いこともわかってきた。子どもたちを見てみると、毎日塾や習い事で忙しく、常に誰かと競うことを強いられ、失敗すれば自己責任さえ問われてしまう、そんな状況で子どもたちは毎日を過ごしている。このように、子どもの身体の専門家が警鐘を鳴らしています。
 こうした事態の改善には、外遊びが重要であり、大人が子どもの外遊びの環境を整えていくことが求められています。しかしながら、板橋区の子どもたちは、一体どこで伸び伸びと外遊びができるでしょうか。公園でボール遊びをしていたら近隣の住民の方とトラブルになった。だから公園では遊ばないという小学校高学年の子どもの話を聞いたこともあります。プレーパークで思い切り体を動かし、また、ときには静かに過ごす。そんな子ども主体の場所が必要なのです。子ども家庭部や教育委員会と連携をとり、プレーパークの実施に向けて具体的な準備を進めていくよう求めます。


 第3に、東山公園内集会所について質問します。

 東山公園内集会所は、いたばし№1実現プラン2021において廃止対象となりました。しかしながら、近隣の住民から廃止を撤回してほしいとの声が出されています。
 そこでお伺いします。現在、東山公園内集会所の廃止についての検討がどこまで進んでいるのか、状況を教えてください。
 東山公園は地域に愛され、お年寄りから子どもたちまで、幅広い年齢層の方が多く利用している公園です。公園の花壇や環境整備を地域の方たちが行っています。そして、公園内集会所も地域の方が気軽に利用できる身近な集会所として親しまれています。まずは、地域の方との意見交換会を開くよう求めますが、区の見解を伺います。


 第4に、生涯学習センター、まなぽーとの充実を求めて質問します。

  生涯学習センターは、主に大人のための社会教育の場として長年区民の皆さんに親しまれてきました。まなぽーとと名前が変わってからは、中高生の居場所として新たな役割が生まれ、若者の来所人数もふえています。  まずは、現在の社会教育指導員の体制について質問します。  現在は、成増、大原ともに1名ずつ欠員が出ています。欠員状況が続いていることについて、区としてどのように考えているのか、見解を伺います。  
 社会教育指導員は、教えるのでも援助をするのでもなく、ともに学ぶための専門職です。現在、板橋区では、指導員は皆、非常勤職員です。法律の趣旨によれば、社会教育主事が起案を行い、その補佐をするのが社会教育指導員です。しかし、実態は、指導員が企画・立案・運営を担っており、基幹的な業務を行っています。にもかかわらず、賃金は社会教育会館のときと同じで、特別区の中でも低い状態のままです。例えば、社会教育指導員の賃金を時間単価にすると、台東区では2,107円ですが、板橋区では、社会教育指導員Ⅰは1,587円、社会教育指導員Ⅱは1,638円です。社会教育指導員の賃金は10年以上も上がっていない上に、他区と比べて板橋区は低い現状があります。欠員補充のためにも賃金を上げること、さらに土・日や夜間勤務に対する割増報酬を求めます。板橋区の非正規雇用職員では、短時間保育士には土曜勤務1回につき3,000円の支給があります。社会教育指導員にも同様の支給を行うことは可能ではないでしょうか。区の見解を伺います。  
 新たに若者支援をスタートさせたまなぽーとの開館時間は夜9時までとなっています。夕方5時半以降は、センターに区の正規職員がいない時間帯になります。緊急対応は非正規職員が行うことになります。大人が想定しない行動を起こした子どもたちの対応も非正規職員が行うため、適切な対応がおくれることが懸念されます。若者支援、ユースワークが業務として加わったため、社会教育指導員の仕事量はふえ、さらに土・日や夜間の出勤がふえています。悩みを抱える若者に寄り添い、支えていく仕事がユースワークです。ユースワーカーが正規職でセンターにいることで、夜間の対応や日常の継続的な対応でも専門的な対応が可能になります。区として若者支援に力を入れていくとするならば、専門職は正規雇用であるべきです。ユースワークは、来所した子どもたちとの関係を築いていく専門性の高い仕事です。ユースワーカーとして勤務している社会教育指導員だけでなく、正規雇用でもユースワーカーを採用すべきと考えますが、区としての見解を伺います。

 次に、i-youthの新たな設置について質問します。

 平成31年3月の1か月で、成増のi-youthには1,399人、大原のi-youthには2,280人の子どもたちが訪れています。これだけの来所数になるのは、子どもたちに親しまれており、そして子どもたちの居場所として機能している証拠です。まなぽーとでi-youthが始まり、地域の方や近隣の学校との連携も進み、中高生の居場所として機能してきたと感じています。区内の2か所だけではまだまだ足りません。フレンドセンター、スクールソーシャルワーカーとの連携をさらに進め、板橋区の中高生、若者支援の充実を求めるためにも、新たに社会教育施設としてのi-youthを設置することを求めますが、いかがでしょうか。見解を伺います。


 第5に、向原第二住宅地区の地区計画の提案について質問します。

  小茂根1丁目にある向原第二住宅は、昭和42年に建設された6棟の住宅団地です。駅にも近く緑も豊かな団地です。この団地の建てかえをめぐり、長年住民の皆さんの間で話し合いが行われてきました。平成26年に都市計画法第21条の2に基づく都市計画提案が向原第二住宅団地管理組合法人から提出されてから、区はアンケート調査や意見交換会を行っています。そして、平成30年には、都市計画提案を受け、3年半が経過していることから、都市計画決定の手続を進めています。平成31年3月には、向原ホールにおいて、向原第二住宅地区地区計画等原案説明会を行っています。
 そこで区にお尋ねします。約4年間、住民間での意見交換会を開催するなど、一定の努力を区として行ってきたと聞いていますが、ほかには区として具体的にどういう努力を図っていくのか、伺います。


 第6に、コミュニティバスについて質問します。

 この間、小竹向原駅周辺や桜川、大谷口地域で、足が悪くなってから買い物に行きづらい、区役所や病院に通いづらいといった声を多く聞いてきました。中には、ぐあいが悪いときには病院に行けないといった深刻な相談もありました。交通不便地域である大谷口地域に、それを解消するためのコミュニティバスの整備を行うべきです。区の計画では、赤塚に走っているりんりん号の次は、大谷口地域の交通不便状態を解消するという計画になっています。この計画は現状どこまで進んでいるのか、お答えください。


 第7に、加齢性難聴者の補聴器購入に対する助成について質問します。

 2017年に“難聴と認知症・うつ病”に関する国際シンポジウムが東京で開催されました。難聴は認知機能を低下させ、認知症やうつ病につながることがわかってきました。加齢性難聴は、日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす大きな原因となります。そこで早い段階から補聴器を使用することが重要になってきます。
 日本において補聴器の価格は非常に高額です。片耳でおおむね3万円から20万円であり、保険適用ではないため全額自己負担となります。特に低所得の高齢者に対する配慮が求められます。しかし、現在、板橋区内における高齢者への補聴器の助成はありません。日本共産党都議団が行っている難聴と補聴器に関するアンケートでは、切実な要望が寄せられています。補聴器があることで、高齢になっても生活の質を落とさず、自分らしく生きていくことができます。さらには、認知症の予防、医療費の抑制にもつなぐことができます。補聴器の必要性について、区の認識を伺います。
 現在、23区中8区で助成を行っています。補聴器に対する助成の必要性についてどうお考えでしょうか。区の認識を伺います。


 最後に、自衛隊への個人情報提供について質問します。

 防衛省・自衛隊が、自衛官募集のために募集対象者の情報、氏名、生まれ年、性別、住所を提供するよう、全国の市町村長に要求しています。板橋区では、自衛隊の要請に対し、あらかじめ名簿を抽出して閲覧に協力しています。歴代防衛相は国会答弁で、自衛官募集への自治体の協力には義務はないと述べています。板橋区の統計によれば、15歳から19歳の男性の人口は1万1,029人です。平成30年度、自衛隊の板橋区の個人情報閲覧実績では、6月、11月、12月に閲覧され、年間で合計66時間、自衛隊が個人情報を閲覧していることになります。
 区民は、区が自衛隊へ個人情報を提供していることを知りません。本人の同意なしに個人情報を提供するには法令の定めが必要です。自衛隊に対する適齢者情報の提供に関して法令の定めがあるのでしょうか。自衛隊法97条及び自衛隊法施行令120条は、その根拠にはなり得ません。地方自治体の自衛隊に対する適齢者情報の提供そのものがプライバシー権ないし自己情報コントロール権の侵害に当たると言えます。地方自治や基本的人権よりも防衛相の要請のほうが上だという社会は、とんでもない憲法違反の社会となってしまいます。個人情報保護の観点からも、自衛隊へ名簿を閲覧させることをやめるべきです。区長の見解を伺います。
 以上で、私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)


<区長、教育長の答弁>

◎区長(坂本健君) 議長、区長。

◎区長(坂本健君) 皆様、おはようございます。早速、石川すみえ議員の一般質問にお答えいたします。

 まず初めに、小規模保育所の欠員についてのご質問であります。
 欠員が大幅に増加した要因としましては、認可保育所等の新設で一時的に定員が増加したことによりまして、近隣の小規模保育所に欠員が生じたと考えられております。また、3歳児における認可保育所等への転園に対する不安から利用希望が減少したと想定がされております。今年度、小規模保育所卒園児の認可保育所希望者は全て入園しておりまして、今後とも保護者の不安感払拭に努めて、小規模保育所の利用促進を図っていきたいと考えております。

 次は、保育園新設計画の見直しについてのご質問であります。
 区では、国の子育て安心プランに基づき実施計画を策定し、認可保育所の整備などによりまして、2020年度末の実質待機児童の解消に向けた取組みを行っております。国の定義に基づく待機児童の解消に向け、実施計画による保育施設の整備を着実に進めていく方針でありまして、計画の見直しを行う考えはないところであります。

 次は、仲宿保育園の継続計画についてのご質問であります。
 都営仲宿母子アパートの老朽化に伴い、今年度から仲宿保育園への新規受け入れを停止するとともに、在園児については希望する転園先への優遇措置を進めております。今年度は21名の児童が在籍をしておりまして、引き続き在園児の転園措置を行うとともに、園の継続期間につきましても検討していきたいと考えています。

 次は、仲宿保育園の存続についてのご質問であります。
 仲宿保育園につきましては、建物の老朽化や代替地の安定的な確保、周辺保育園での受け入れなど、さまざまな条件から総合的に判断をした結果、区として閉園を決定したものであります。今後とも在園児童への十分な配慮を行い、保護者への理解を得ながら、優先的な転園措置による対応を進めていきたいと考えております。

 次は、保育の質にかかわる内容についてのご質問であります。
 私立園におきましては、各運営事業者の保育理念や方針に基づき、さまざまな保育が展開をされておりまして、区内の保育の質に具体的な差はないと考えています。区からは、私立保育園保育従事職員の待遇改善を目的とした各種補助金の交付をしているほかに、区立園職員との合同研修会等を実施し、また、今年度から区内認可園に対する巡回支援指導事業を開始いたしました。区では、これらの施策を通じまして、公立、私立にかかわらず、区における保育の質の維持・向上に努めていきたいと考えています。

 次は、民営化方針についてのご質問であります。
 公立保育所は、建築後40年以上の施設が多数を占めておりまして、再整備につきましては喫緊の課題であることから、今般、公立保育所の再整備方針(素案)を策定いたしました。再整備方針におきましては、今後の民営化方針に基づき、民営化を優先して検討を進めていく考え方を明らかにしておりまして、民営化の方針に変更はないところであります。また、待機児童解消につきましては、民営事業者の活用による認可保育所等の整備により対応していくために、新たな区立保育園の新設を行う考えはないところであります。

 次は、私立認可保育園における園児死亡事故の第三者検証委員会に関係しまして、検証委員会の報告書についてのご質問であります。
 本年3月26日に開催されました第6回板橋区保育施設等における事故検証委員会において、認可保育施設における午睡中の死亡事例に関する検証報告書とし、答申を受けたところであります。

 次は、報告書の公表時期についてのご質問であります。
 検証委員会からの検証報告書の答申を受けた後、報告書の内容に関しまして確認を行う必要が生じたために、現在確認作業を行っております。早期の公表に向け、報告書の内容確認を行っていきたいと考えています。

 次は、事故後の指導検査についてのご質問であります。
 平成28年9月2日の死亡事故当日に、区として関係者からの聞き取りを行い、同年9月3日及び5日に児童福祉法等に基づき、東京都と区による合同の特別指導検査を行ったところでありますが、検査に必要な資料が整わないことから、現在検査を中断しているところであります。その後、毎年1回、子ども・子育て支援法に基づく一般指導検査を実施し、保育園の運営全般に関しまして指導を行っているところであります。

 次は、事故後の区の取組みの公表についてのご質問であります。
 事故検証報告書の公表とあわせて、検証委員会からの重大事故再発防止策の提言を受けた区としての対応を検討する必要があると考えています。また、事故の後における区の一連の取組みにつきましては、区の対応策とともに公表を行う考えであり、公表方法等に関しましては検討を行っていきたいと考えています。

 次は、幼児教育・保育の無償化に関連いたしまして、財源についてのご質問です。
 平成30年7月に特別区長会から内閣府特命大臣に対しまして、幼児教育無償化の実施に関する全ての財源を国の責任において確保するよう強く要望をしております。今後とも無償化に必要な財源の確保について、さまざまな機会を捉え、国に対する要望・要請を行っていきたいと考えています。

 次は、副食費についてのご質問であります。
 保育所における副食費につきましては、現在は、保育に係る経費の公定価格に算入されておりますが、無償化後は、公定価格から外され、各保育所が保護者から直接徴収するものとされました。これによりまして、保育に係る経費の中から外出しされることによりまして、低所得階層においては、現在の保育料よりも負担額が大きくなる世帯が生じることとなります。ついては、幼児教育・保育無償化の目的に鑑み、副食費は引き続き区が負担をし、子育て世帯の支援を図っていく考えであります。

 次は、保育料についてのご質問であります。
 保育料は、保育に係る運営経費を算出根拠といたしまして、国が定める保護者負担額に対しまして、区が独自の負担軽減措置を図った額となっております。運営経費は、保育の質の維持・向上、待機児童解消に向けたさまざまな対策をとっていることから年々増加をしております。今後も適切な保育料の算定を行い、一定の保護者負担をお願いしていく考えであります。

 次は、大谷口かいじゅう公園、大谷口児童遊園に関係いたしまして、アンケート結果の反映についてのご質問であります。
 ご質問のアンケートは、大谷口小学校の児童、保護者、教職員に行ったものでありまして、ダイナミックに遊ぶための具体例の1つとしてアスレチックなどの施設が挙げられておりました。一方、施設計画は、多様な世代の方々によるワークショップの中において、区がこれまで蓄積してきた知見も加味しながら、さまざまなニーズを集約して取りまとめたものであります。なお、怪獣をデザインしたすべり台にクライミングウォールやアスレチックネットを備えた複合遊具につきましては、ダイナミックな遊びへのニーズを具現化したものとなっております。

 次は、ワークショップ後の説明会についてのご質問であります。
 公園整備の過程につきましては、地域の皆様に広く公表し、情報共有を図ることは大切なことであると考えています。大谷口児童遊園のワークショップについても、各回ごとにパンフレットを作成し、園内にも掲示をして周知を図ってきたところであります。また、工事内容につきましては、着手前に近隣の皆様にお知らせをしておりまして、竣工時にはお披露目式も行うとともに、区ホームページで写真や経緯を含めて、区民の皆様に広くお知らせをしたところであります。

 次は、プレーパーク整備の進捗状況についてのご質問です。
 プレーパークの実施につきましては、人員の配置やプレーリーダーのスキルなどの点において、区が直接運営することはなじまないために、パークマネジメントガイドラインに記載のとおり、担い手の確保が重要と考えております。これまでのところ、担い手を得る状況には至っておりませんが、東板橋公園及び徳丸ヶ原公園の指定管理者の公募に当たりましては、プレーパーク事業の提案を盛り込む考えであります。

 次は、プレーパークの実施に向けての準備についてのご質問です。
 区立公園でのプレーパーク運営の受け入れにつきましては、既に現行制度の中において可能な状況となっております。一方、安全確保や近隣対応、責任分担などについて、設定すべき条件があるため、それを整えた上において、制度の紹介資料を作成するなど、関係機関も含めた周知の拡大を図っていきたいと考えています。

 次は、東山公園内集会所に関連いたしまして、検討の進捗状況についてのご質問であります。
 東山公園内集会所につきましては、№1プラン2021における公共施設等ベースプランに基づき検討を行っているところでありますけれども、現在のところ、具体的な廃止の時期等は調整中であります。

 次は、地域との意見交換会についてのご質問です。
 東山公園内集会所の廃止に向けた検討状況を踏まえ、意見交換会の開催についても検討したいと考えています。

 続いて、社会教育職の採用についてのご質問です。
 生涯学習センターに配置している社会教育専門職員は、大原、成増ともに正規職員1名、非常勤職員の社会教育指導員8名となっております。正規職員は、ほかに本庁の生涯学習課に1名配属しておりまして、区全体としましては3名となっております。少人数専門職種については、中長期的な視点で事業や当該職種のあり方等を検討した上で、採用の必要性を慎重に判断すべきと考えています。生涯学習センターの運営体制は適正であると考えておりまして、現在正規職員の採用は考えていないところであります。

 次は、向原第二住宅地区の地区計画の提案についてのご質問であります。
 提案制度に基づく地区計画の都市計画手続を進めるに当たり、地域住民のさまざまな意見があり、まず、住民間の合意形成を図ることが望ましいものと考えています。区としましても、提案に関するアンケート調査や、関係権利者の代表による意見交換会の実施など、可能な限りの支援を行ってまいりました。今後につきましては、都市計画の手続の中において、地域住民からの意見書を受ける機会を設け、都市計画手続を進めていきたいと考えています。

 次は、コミュニティバスについてのご質問であります。
 地域の道路状況の調査を行いましたが、道路幅員が狭いほかに、一方通行などの規制が多いため、ワゴン車クラスの車両でも運行ルートを結べず、バスの運行は困難な状況であります。バスの運行につきましては、今後需要の増大、道路環境の整備など、地域内に変化があった場合に改めて検討をしていきたいと考えています。

 次は、補聴器の必要性についてのご質問になります。
 補聴器は、装着してすぐに聞こえるようになるわけではなく、機械音を脳になれさせるためのトレーニングが必要であるとされ、効果に個人差もあると言われております。認知機能の低下を防ぐためには、人とのコミュニケーションが重要であることから、補聴器により聴覚機能を補うことができる場合は、その使用が有効であると考えられております。

 次は、補聴器に対する助成の必要性についてのご質問であります。
 補聴器に対する助成については、医師の判定が要件となるために、医師会との協議など、条件を整備しなければならないと考えています。また、補聴器は、その使用によって難聴が完全に解消するわけではなく、使用に当たっては、医師の指導のもとに時間をかけて調整をする必要があると言われております。これらの点から、補聴器に対するニーズがどれくらいあるのかを把握しながら、他区の状況も参考にしながら研究する必要があると考えています。

 最後のご質問です。自衛隊への個人情報提供についてのご質問であります。
 個人情報保護の意識の高まりがあり、住民基本台帳の閲覧につきましては、住民基本台帳法で厳しい制限が設けられております。しかしながら、同法上、国または地方公共団体の機関が公用のため行う場合においては閲覧ができると規定がされており、閲覧をとめることはできないと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。

◎教育長(中川修一君) 皆様、おはようございます。それでは、石川すみえ議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。

 初めに、生涯学習センター、まなぽーとの充実に関しまして、社会教育指導員の体制についてのご質問ですが、大原及び成増の生涯学習センターに勤務する社会教育指導員の定数はそれぞれ8人ですが、さまざまな事情により退職が重なり、現在1人ずつ欠員が生じている状況です。業務に支障が出ないよう、現在採用に向けた手続を行っており、採用となれば7月1日付で欠員は解消する見込みです。生涯学習センターの機能を拡充していくためには、職員定数を満たすことが肝要と考えており、欠員が生じた場合は、適時適切に募集を行うよう、引き続き努めてまいります。

 次に、社会教育指導員の待遇改善についてのご質問ですが、社会教育指導員の報酬は、区の一般職員の再雇用職員と同額であり、報酬を改定する場合は、再雇用職員の職務内容よりも高度であることを客観的に証明する必要があります。また、土・日、夜間勤務に対する割増報酬につきましては、生涯学習センターが本来的に土・日も開館する施設であり、現在の勤務時間が深夜帯に当たらないことから支給は困難であると考えています。しかしながら、社会教育指導員の募集、採用において、優秀な人材を確保するためにも、待遇の改善について、引き続き関係部署と意見交換を行っていきたいと思います。

 最後に、i-youthの増設についてのご質問ですが、i-youthの利用者は、平成28年度の月平均535人から、平成31年度の1,351人へと2.5倍になっており、若者の居場所として認知されてきていると評価しています。また、スクールソーシャルワーカーの紹介による生徒の受け入れは随時行っており、今後フレンドセンター機能を新たに加えるなど、組織横断的に若者支援の拡充を図っていきたいと思います。

 引き続き、中高生、若者のニーズを見きわめ、生涯学習センターやi-youthのあり方について検証を重ね、中高生、若者支援スペースの拡充について検討してまいります。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。