ホーム > 板橋区議会における日本共産党板橋区議団の一般質問・代表質問 > いわい桐子
いわい桐子議員の一般質問
2017.06.06 : 平成29年第2回定例会(第2日)

 引き続き、日本共産党区議団の一般質問を行います。
 初めに、保育の充実を目指して質問します。
 保育所は、戦前からその歴史をスタートし、日本国憲法によって、戦前の救貧策から、生存権や教育を受ける権利など、社会的人権保障として発展してきました。「ポストの数ほど保育所を」という女性の願い、父母の願いに応えて保育園がつくられてきました。その保育所のあり方には、「子どもは1人の人間として、その主体性を認められる。人間としての成長・発達が保障され、欲求や要求が満たしてもらえる」などの子どもの権利条約の視点をもって、さらに充実することが求められています。
 「保育園に今年も入れなかった」、子どもが生まれてから3年間、保育園に落ち続けた2歳児の母親のつぶやきです。「落ちるたびに、板橋区は私たちを支えてくれるのだろうか。そう考えて落ち込む」と話しています。子どもたちの保育を受ける権利は、いまだ保障されているとは言えません。
 板橋区は昨年度、認可保育園10か所、小規模保育所7か所の設置で1,069人の定員増を図りました。その結果、今年4月の区の実質待機児数は、申し込み者数が112名ふえたものの、昨年から145名減の231名となりました。そのうち突出しているのが1歳児の203名です。
 この結果を受けて、区は5月18日の文教児童委員会で、今後の対策について、「1歳児に限定した何らかの待機児解消対策を検討する」、「施設整備以外の対策を検討する」としています。しかし、それでは待機児の多いゼロ歳から2歳に特化した対策によって、3歳児で待機児が発生した教訓は生かされていません。1歳児に限定した対策を行えば2歳、3歳児でまた待機児が発生しかねません。  同時に重要なことは、認可保育園を希望していて入所できなかった子どもの数が今年も900人を超えているということです。待機児対策は1歳児に限定したものではなく、希望する保育園に入所できるよう対策を行うことを求めます。

【区長】それでは、いわい桐子議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、希望保育園への全員入所についてのご質問であります。国の定義に基づく平成29年4月現在の待機児童数231名の解消を図ることが現時点での最優先課題であります。この方針に基づき、平成30年4月に向けて認可保育所及び小規模保育所の整備等を積極的に進めるとともに、1歳児の待機児童対策を含め、国の定義に基づく待機児童の解消に向けて努力をしていきたいと考えています。

 やっと保育園に入所できた父母からは、保育所における事故への不安の声も上がっています。とりわけ、昨年新設されたばかりの認可保育園で1歳男児が亡くなったことを受けた検証と対策も必要です。
 区は、この3年間で21か所の認可保育園を新設してきました。新設園はゼロ歳から順番に成長してくる子どもの対応とは違い、ほとんどのクラスの子どもは「初めての保育園」です。保育士もかき集められているため、保育士同士の人間関係の構築や保育のあり方の共有など、保育のかなめとなることを同時に進めなくてはなりません。通常でも年度当初は落ちつかない状況にあるものです。殊に新設園では、なおのことではないでしょうか。そこで、区として、新設園において、安定した保育の運営や事故などが起きないよう、一定の期間、保育士を加配できるよう財政支援を行うことを求めます。

【区長】次は、新設園における保育士の加配についてのご質問であります。民間保育所に対しましては、要支援児の受け入れや延長保育など、保育士を加配するための補助を幾つかメニュー化しております。新設園におきましても、こうした補助メニューを活用することで、保育士の加配が可能であるため、新設園に限定した補助は行っていないところであります。区では新設園を対象に、区立保育園のマニュアルを紹介し、開設の準備に活用してもらうなど支援に当たっておりまして、今後もこうした総合的な観点から支援を行っていきたいと考えています。

 区の「公立保育所のあり方について」では、今後の民営化方針について、「老朽化等により改築する際には、原則、民営化を進めることを検討する」としています。しかし、保育園は現在、私立が78園に対し、区立は既に38園です。地域によっては区立保育園がない地域も発生しています。区は公立保育所の役割として、民間保育所等への支援や発達支援の強化などを掲げています。また、区が受け皿になるとしている連携保育は、小規模保育所や家庭福祉員を支えるものです。その実施を進めるためには、区立保育園の一定の量と地域ごとの配置バランスが必要です。区立保育園の必要量と地域ごとの配置について、区長の考えをお示しください。

【区長】次は、区立保育園の必要量と配置についてのご質問であります。現在、公立保育所のあり方については、検討を進めているところでありますが、その中において、公立保育所が果たすべき役割について精査を行っているところであります。公立保育所のあり方を踏まえた必要な量と配置については今後示していきたいと考えています。

 区立保育園の割合が下がる一方で、要支援児の受け皿、アレルギー対策、私立保育所との協働研修など、区立保育園が求められる役割は高まる一方です。その役割を果たすためには、これ以上の民営化は行うべきではありません。民営化方針を撤回し、区立保育園を新設することを求めます。

【区長】次は、民営化方針の撤回についてのご質問であります。公立保育園の民営化につきましては、公立保育所のあり方の素案において、第1次及び第2次の民営化方針に続く、新たな民営化方針を示したところであります。この方針に基づき、今後、老朽化等により公立保育所を改築する際には、原則、民営化を進めることを検討していくものであります。

 区の保育料について、「いたばしNo.1実現プラン2018」では、今年度が「新基準の適用」とされ、2018年度から改定と計画されています。その考え方は「新基準の保育料を全ての利用者に適用する」としています。また、「区の保育料と国の定める標準的な保育料との格差是正を考慮した負担額の見直し」とも言っています。しかし、国の新基準を適用すれば大幅な値上げとなります。保育料が引き上がることは、子育て支援に逆行するものです。値上げではなく、保育料の軽減こそ必要です。
 また、保育料の改定に当たって、利用している父母や、これから利用を予定・検討している区民の声をしっかり聞き、改定の内容へ反映すべきです。  そこで、以下質問します。保育料改定のスケジュールと検討状況をお示しください。また、改定検討の過程において、説明会や意見聴取の機会を設けることを求めます。単純に国基準を適用すれば、大幅な値上げとなる世帯も出てきます。区の保育料改定の考え方をお示しください。

【区長】次は、保育料改定の検討状況についてのご質問であります。保育料は4年ごとの見直しを基本としており、平成30年度からの保育料が見直しの対象となります。現在は保育料に関係する経費などの動向を整理し、改定内容の取りまとめを進めているところであります。事柄の性質上、説明会などはなじまないものと考えておりますが、来年度の改定に向け、議会でご審議いただけるよう、スケジュールを組んでいきたいと考えています。
 次は、保育料改定の考え方のご質問であります。区の保育料は、国基準をそのまま適用した場合の保護者の負担が大きくなることから、区の経費を投入し、国基準よりも負担を軽減したものとなっております。こうした考え方を踏まえ、保育料を取り巻く状況を精査し、改定内容を取りまとめていきたいと考えています。

次に、子どもの貧困対策について質問します。
 貧困家庭の子どもへの教育支援などを国の責務とする子どもの貧困対策推進法は、子どもの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることのないよう、環境の整備と教育の機会均等を図るために制定されました。国の示した大綱では、生活保護世帯の高校進学率の引き上げが明記され、その具体化が求められています。区の生活保護世帯で2015年度に中学卒業後、進学しなかった子どもは7人で、高校卒業後に進学しなかった子どもは60人です。その進学率は一般の世帯より低くなっています。国会では、超党派で結成された「子どもの貧困対策推進議員連盟」が、今年5月、教育の機会確保について厚生労働省に申し入れを行っています。その中で、生活保護世帯の子どもの大学または専修学校への進学率が一般家庭の子どもの半分以下の水準になっているのは、「世帯分離」が前提となっていることが大きな要因であることを指摘し、対策の実施を求めています。  区福祉部長は、3月の予算の特別委員会で、「大学等への進学は、生活保護制度上保障されているものではない」と答弁しています。それでは生活保護世帯の子どもたちの「教育の機会均等」と「貧困の連鎖を断ち切る」ことをどうやって実現しようと考えているのか、区長の見解をお示しください。

【区長】次は、生活保護世帯の子どもの大学等への進学についてのご質問であります。大学等への進学を希望する子どもがいる生活保護世帯に対しましては、高校生のアルバイト収入を進学準備費用に充てる場合は、収入認定から除外する対応や、世帯分離を行い、大学等への進学を支援してまいりました。加えて、4月より給付型奨学金を受給し進学する子どもがいる保護世帯につきましても、世帯分離が認められたため、活用し、支援の充実を図っていく考えであります。
 生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率は、子どもの貧困に関する指標の一つとして設定されており、今後もこれらの仕組みの活用を通じて進学ができることについて丁寧に説明していくとともに、あわせて国の動向も注視をしていきたいと考えています。

 東京都の子供・若者計画では、青年期の社会的自立をゴールとして、将来をよりよく生きるために、「今」を支援することを求めています。東京都が行った15歳から23歳を対象にした「子供の生活実態調査」の若者版では、ひとり暮らしの若者の6割が低所得であり、低所得の若者の学習に必要な場所や手段が確保されていないことが示されています。
 また、就労状況と就労にかかわる困難について、非正規雇用の割合が一般層の約2倍と高く、若者の29.3%が「休憩時間をとらせてもらえない」「長時間労働を日常的に強いられる」など、職場で何らかのトラブルを経験しています。このようなさまざまな要因が、若者世代の貧困状態とつながっています。
 区は、策定中の「子ども・若者計画」の中で、子どもの貧困対策の検討を行っています。計画策定のスケジュールをお示しください。また、その計画において、若い世代の就労状況の実態把握や住宅における貧困対策の視点が必要です。義務教育を終えた16歳から20代へ、実態調査や経済的な支援を含めて具体化を求めます。区長の考えをお示しください。

【区長】次は、若い世代の貧困対策についてのご質問であります。区では現在、子ども・若者計画を策定中であり、今年度上半期において素案を作成、パブリックコメントを実施し、年内の策定を予定しております。本計画では、子ども・若者育成支援施策の一層の推進を図るため、次世代育成推進行動計画、いたばし学び支援プラン等において、支援策が薄いと考えられる義務教育修了後の自立支援体制の整備や貧困対策を重点課題として、施策事業の検討を現在進めているところであります。

 次に、一人ひとりの子どもに行き届いた教育を求めて質問します。
 昨今、子どもを取り巻く環境は複雑で、さまざまな問題を抱えています。一方で、多忙化が高まる教育現場では、激務に追われて、子どもの話にじっくり耳を傾けることや授業の準備がままならない、勉強の遅れている子に丁寧に教える時間がないといった実態は深刻です。そうした実態が、子どもたちに心を寄せる教育の妨げとなっています。一人ひとりの子どもに行き届いた教育を保障するためには、教員1人当たりの子どもの人数を減らし、学校の大規模化の解消が重要です。  区教委が策定した魅力ある学校づくりプランは、2016年度から20年間の計画です。しかし、子どもの人口は、当面、微増傾向が続きます。学校を減らせば、新たな大規模校を生み、ますます一人ひとりに行き届いた対応は遠ざかりかねません。統廃合方針を撤回すべきです。  区教委は、これまで「小規模化」を理由に学校統廃合を進めてきましたが、小規模化となった学校の背景には、学校選択制によって、「将来、統廃合になるのではないか」といううわさや父母の不安から選択肢ではなくなることが大きな要因となっています。実際、この春、入学児童数が少なくなった地域でも、父母や町会、自治会などで、「学校がなくなるのではないか」といったうわさが広がりました。その結果が、来年の入学児童数に影響する心配の声が上がっています。そうした事態を打開するには、教育長自身が「統廃合を行わない」ことを宣言すべきです。
 協議の対象となる学校は当面ないと聞いています。今後の入学数への影響を避けるため、教育長として、「対象校はないこと」を明確に言及することを求めます。

【教育長】 初めに、学校統廃合の今後についてのご質問ですが、現時点では小規模化により、新たに協議会設置の要件に該当する学校は見当たらない状況であります。一方、いたばし魅力ある学校づくりプランは、学校の適正規模及び適正配置だけでなく、学校施設の老朽化の対応について、周辺の学校の状況も踏まえ一体的に取り組んでいく計画であります。現在、いたばし魅力ある学校づくりプラン第2期対象校の検討を行っており、パブリックコメントを経て、年内には方針を固め、お示ししていく予定であります。

 就学援助制度は、学校教育法第19条において、「経済的理由によって就学困難と認められる生徒の保護者に市区町村は必要な援助を与えなくてはならない」と規定されています。  現在、区の就学援助認定者率は小学校で27.7%、中学校で38.6%です。
 文部科学省が要保護者に対する就学援助の入学準備金について、2017年度から制度の拡充を行いました。その内容は、国の補助単価を約2倍に引き上げたこと、入学前から支給することを可能にするものです。このことを受けて、各自治体で準要保護世帯に対して拡充する取り組みが広がっています。区教委として、就学援助の準要保護の入学準備金増額と小学校の入学前支給の実施を求めます。教育長の見解をお示しください。

【教育長】 次に、就学援助制度についてのご質問ですが、準要保護児童・生徒の入学準備金については、都区財政調整における積算基礎に基づき決定しております。そのため、今後の財政調整制度の動向を注視していきます。また、入学準備金につきましては、板橋区では平成23年3月から中学校の入学準備金を入学前に支給しています。小学校の入学準備金の入学前支給については、実施している自治体が少しずつふえてきているため、他自治体での実施方法等を調査し、具体的に検討してまいります。  いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。

 続いて、障がい者支援の拡充を求めて質問します。
 新河岸三丁目に設置されている「重度身体障害者グループホームさやえんどう」は、6名の障がい者が支援を受けて生活しています。このグループホームは、重度身体障がい者が地域で自立した生活を送るため、生活の場の提供と日常生活における援助などを行うものです。厳しい運営となることから事業者の手が挙がりにくく、「さやえんどう」は全国、全都の中でも貴重な施設です。障がい者を高齢の親が介護するという状況が増加するもとで、第2、第3の施設設置を望む声は少なくありません。
 さやえんどうは、これまで区の補助金を受けて、法外の施設として運営されてきました。今年4月から総合支援法の共同生活援助と重度訪問介護の事業として、つまり法内施設としての運営に変わりました。そのため、介護報酬額が月々約200万円から73万円へと大幅に下がり、施設の運営そのものが厳しい状況に追い込まれ、施設の存続すら危ぶまれています。緊急の対策が必要です。そこで、重度身体障がい者グループホームの意義について、区長の認識をお聞きします。また、国や東京都への改善を求めるだけでなく、区として何らかの対策を求めますが、いかがでしょうか。

【区長】 次は、重度身体障がい者グループホームの意義と区としての対策についてのご質問であります。重度身体障がい者グループホームさやえんどうは都内でも数か所しかない施設でありまして、障がい者の地域生活を実現するための重要な場所と認識をしております。区としましては、早急に運営の実情を調査し、運営が円滑に継続できるよう運営法人と調整を図っていきたいと考えています。

  さやえんどうが障害者総合支援法による運営となったことで、介護報酬が大幅に下がるということには、障害者福祉制度と介護保険制度の統合が背景にあることを示しています。
 政府が新たに提案した介護保険法等の改正案は、高齢者、障がい児者などにかかわる31の法案を一括したものです。今回の改正では、介護保険制度と障がい者の制度との統合には本格的には踏み切らないものの、一部統合する内容が示されています。当事者や関係者からは、「介護保険制度との統合に向けた準備のための法改正だ」と心配の声が上がっています。障がい者の福祉制度と介護保険制度との統合には、さまざまな課題があると考えます。区長の見解をお示しください。

【区長】 次は、障がい者福祉制度と介護保険制度との統合の課題についてのご質問であります。障がい者の支援につきましては、障がいの特性が多岐にわたるため、支援のあり方も複雑になるところであります。このため、65歳以上の障がい者は介護保険サービスの利用が優先されることとなりますが、介護保険にないサービスにつきましては、障がい者向けのサービスが利用可能であります。区としましては、このような実態を踏まえ、生活に支障が出ないような制度のあり方を引き続き検討し、必要に応じて国や東京都へも働きかけをしていきたいと考えています。

  次に、駐輪場の一括委託についてです。
 区は、2016年度から放置自転車の一括委託を開始しました。それは、これまで別々に委託していた「自転車駐車場の管理、運営」と「指導、啓発」「撤去、集積」「保管、返還」の4つの業務を1業者に一括して委託するものです。区は区内を4つに分けて、各エリアで一括委託を行うもので、効果を検証するために、1年に1か所ずつ実施して、4年以上かけて、全域で一括委託を進める計画です。昨年度の環七エリアに続き、今年度から高島平エリアが一括委託となりました。このことによって、「目標の共有化、放置自転車の削減、スムーズな連携で区民サービスを向上させる」と区は説明してきました。
 この4月から始まった高島平エリアは、駐輪場に券売機が置かれたことによって、複数箇所で発券していた対応から、1台の券売機で順番に利用券を購入しなければならなくなりました。その結果、混雑が発生しています。区は対策として「回数券」の購入を促しています。しかし、「待たないためには回数券の購入を」と押しつけることは、当日券を利用したい人にとってサービスの低下であり、「当日券利用」の権利は守られません。  現在の券売機の設置によりサービスが低下していることについての区長の認識をお聞かせください。

【区長】 次は、駐輪場の一括委託に関連いたしまして、発券機設置によるサービス低下についてのご質問であります。発券機は各駐車場に1台しか設置していないため、また、購入した券を従事者に取りつけてもらうことから、朝の通勤・通学時間帯に発券機周辺が混雑することがございます。このため、利用者には発券機を経由しなくても円滑に当日利用できる回数券の購入を促し、混雑の解消を図っているところであります。発券機は、公金の取り扱い事故を防ぐとともに、簡素で正確な収納業務が行え、さらに、場内環境の向上に使える時間をふやすメリットがあることから今後も利用していきたいと考えています。今後は、利用者が自ら券を取りつけられるよう、駐車場の利用方法を見直し、場内にステープラを複数台配備するなど対策を進めていきたいと考えています。

  これまでシルバー人材センターに直接委託してきた部分は、一括委託事業者から再委託する仕組みとなるため、人員配置や現場の実態について、これまで以上に把握しづらいものとなっています。区の駐輪場なのに、区として、どこで、誰が、いつ勤務しているのか把握しづらい構造や「偽装請負にならないよう細心の注意を払う」といった仕組みそのものが問題です。先行して始まった環七エリアでは、総雇用人数が年間14人も増加しながら、「歳出をふやすことなく運営できた」としていることからも、現場で働く人の賃金への影響が懸念されます。計画はさらに2つのエリアへ一括委託を拡大することとなっています。公務労働にもかかわらず、区民の声が直接届かず、サービスの低下があっても、その実態が把握しづらい状況です。エリアを拡大する前に徹底した検証を行うべきです。そこで伺います。一括委託において働く人の雇用形態や賃金の実態についてお示しください。

【区長】 次は、一括委託における雇用形態と賃金の実態についてのご質問であります。放置自転車対策業務一括委託は、高齢者の雇用の確保及び放置自転車対策業務に携わってきたシルバー人材センターの経験等を活用するため、受託者が業務を再委託しているものであります。現場には、受託者の統括及び常駐の現場責任者を配置しているため、人材センター会員の人員配置並びに現場の実態等を把握しやすい体制となっていると考えておりまして、業務につきましては、受託者が業務の指示を直接会員に行わないよう、事務局職員の立ち会いによる受託者主催の研修を定期的に実施させるなど、区は適宜、受託者に対して指導を行っているところであります。賃金につきましては、最低賃金法に基づき定められた賃金が同センターから適切に支給されていると考えています。

  次に、性急な再開発の見直しを求めて質問します。大山駅西地区の再開発事業が急ピッチで進められています。その中でも、特定整備路線補助26号線の道路計画とハッピーロード大山商店街が交差する地点となる「大山町クロスポイント周辺地区」の計画は、補助26号線の両側の高さ制限を緩和し、26階、27階などの高層マンションを想定しています。区民に親しまれてきたハッピーロード大山商店街の姿は、大きな道路に分断され、影も形もありません。
 区は、今年3月に計画の「素案」について、5月上旬には「都市計画原案」の説明会を開催しました。10月にはもう都市計画決定を行うスケジュールです。説明会では、大山町周辺の住民や商店街の方々から次々と疑問や批判の声が上がりました。それは、「説明会の開催通知が関係者に届いていない」、「商店街のアーケードは、商店街で作ってきたもの。勝手にアーケードを取り払う計画など認められない」、「こんな高層ビルは大山にいらない」などです。また、長年、ハッピーロード大山商店街で商売をしてきた方の話では、マンションに移ることはできるが、そこで商売はできないため、商売を続けたい場合の代替地として、高島平の外れを紹介されたといいます。「一日3万人以上が通るハッピーロードとは全く違う。納得できない」と話しています。ハッピーロード大山商店街は、約7割が貸し店舗と言われています。こうした地域経済を支えてきたお店は、結局、この再開発で残れなくなるのではと危惧されています。全国市街地再開発協会が作成した「全国の市街地再開発事業の全記録」では、再開発によって土地所有者、借地権者の4割と借家権者の8割がそのまちから出ていく結果となっています。区は、この事業で何割の人が残ることができると考えているのか、お答えください。

【区長】 次は、市街地再開発事業による転出についてのご質問であります。市街地再開発事業における仕組みとしましては、土地所有者、借地権者、借家権者は、本人の意向により残ることができ、全員が残ることも可能で、権利変換計画の認可の際に確定をするものであります。

  クロスポイントA街区に接しているある方は、3・11東日本大震災で家が半壊し、新しく建て替えたばかりです。「目の前に27階建てのビルが建つなんて、どんな被害をこうむるか。うちが建て替えるときは、3階建てもダメだと言われたのに、うちの目の前は、説明もなく27階建てなんて許せない!」と不安と怒りでいっぱいです。補助第26号線の住民合意も得られず、東上線の立体化も10年以上はかかると言われている中で、再開発だけが先行することになれば、くらしも生業も壊されるだけのまち壊しになってしまいます。ハッピーロード大山商店街は、板橋区民にとってもシンボル的存在です。地域住民や利用者の同意、合意のないまま再開発計画を進めるべきではありません。拙速なスケジュールを見直し、近隣地域住民との合意形成にしっかりと時間をかけるべきです。区長の見解をお示しください。

【区長】 次は、住民との合意形成についてのご質問であります。大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業においては、平成27年4月に準備組合が立ち上がり、事業認可の際に必要な法定要件である3分の2を超える合意形成が図られており、本年度は都市計画決定に向けた手続を進めているところであります。 大山町ピッコロ・スクエア周辺地区第一種市街地再開発事業においては、平成27年2月に準備組合が立ち上がり、これまで51回にわたる理事会が開催され、合意形成が進められているところであります。区としましては、十分な合意形成が図られていることを見きわめながら、都市計画決定などの手続を進めていきたいと考えています。

  JR板橋駅と隣接する区B用地の活用は、JR駅舎との一体的活用として検討されてきました。計画は、今年度中に施設の基本計画等を定める基本協定書を締結し、設計に着手する予定となっています。計画の検討から、設計着手までのスケジュールは、「住民の声を反映した区有地活用」とは、ほど遠いものとなっています。地域住民からは「保育園や公営住宅、特別養護老人ホームをつくってほしい」、「コンサートホールや集会所を」など、さまざまな要求が上がっています。地域住民の要求をこの計画にどう反映するのか、区長の考えをお答えください。また、区が考える区有地活用の予算規模についてお示しください。

【区長】 次は、板橋駅前用地の活用に当たっての地域住民の要望の反映についてのご質問であります。板橋駅前用地の活用に関しましては、現在、一体的な活用に向けて、JRと協議を継続して進めております。計画の検討に当たりましては、地元説明会等で地域住民の方々からのご意見を伺ってまいりました。今後も、地域住民の方々からのご意見を参考にしながら検討を進めていきたいと考えています。予算につきましては、定期借地権等による民間活力の活用により大規模な建設費の負担がないように事業を進めていく考えであります。

  続いて、高島平緑地の整備について伺います。高島通りと平行に並んで設置されている高島平緑地は、できてから40年近く、住民から愛されてきた緑地帯です。子どもたちは、夏にはセミを追いかけ、時には今でもカブトムシやクワガタなどの昆虫を見ることができるところです。お散歩をして歩く高齢者にとって欠かせない「グリーンベルト」です。その木が次々と伐採され、住民から驚きの声が上がっています。区の説明では、2013年1月の大雪により緑地帯の木が倒木し、高島通りの車線を塞ぎ、その枝が車に接触したという事故などがあったこと、幹周り120センチ以上の樹木を対象とした「街路樹危険樹木調査」の結果をもとに伐採を行ったというものです。しかし、実際に切られている木を見ると、直径7センチ程度の細い木も軒並みばっさり切られ、住宅地側から高島通りが丸見えになるほど樹木がなくなっています。住民の多くが驚くほどの量を伐採しているにもかかわらず、この計画の説明は、10か所程度に張り紙を掲示しただけです。これでは説明責任を果たしているとは言えません。伐採する木の選別基準、伐採する高さなど、木の伐採に関する考え方をお示しください。また、住民への説明が不足していると考えます。区長の見解をお聞かせください。

【区長】 次は、高島平緑地の整備に関連いたしまして、樹木の伐採の考え方と住民への周知方法についてのご質問であります。高島平緑地の樹木につきましては、幹周り120センチ以上の樹木を対象として樹木医による健全度調査を実施してまいりました。調査結果から、倒木の危険性がある樹木や交通に支障がある樹木について伐採を実施しております。住民の方々への周知方法につきましては、伐採作業中に、現地に告知看板を設置して周知をしてきたところでありますが、今後につきましては、高島平地区の町会・自治会を通じて説明をしてまいりたいと考えています。

  多くの木がなくなったことによって、環境への影響を心配する声は少なくありません。もともと高島平緑地帯は、高島通りから住宅への排ガスや騒音に対する「緩衝緑地帯」としての役割を持って設置されました。その機能は、これからも維持されなければなりません。伐採による排ガスや騒音などの影響についてお答えください。また、この伐採の次は、高島平グランドデザインによって、緑がどんどんなくなるのではないかという住民の不安が高まっています。高島平グランドデザインでは、プロムナード基本構想の一つとして、「高島平緑地の再整備」とされています。構想の中には、「樹木の伐採・移植」、「伐採した樹木の活用」、「切り株の活用」などと書かれています。プロムナード構想に対する住民への具体的な説明も了解もないまま、先行する形で伐採したことに対する住民の不信感が募っています。区は、木の伐採は「グランドデザインとは関係ない」と言っていますが、プロムナード構想に記されている内容からすれば、「関係ない」とは言いがたいものです。今後の高島平緑地の整備についての方針をお示しください。また、今後の計画について、住民説明会を実施すること、伐採した場所へ新たな植樹を行うことを求めます。

【区長】 次は、樹木の伐採の影響についてのご質問です。今回の樹木伐採は、倒木の危険性や見通しの悪い場所の犯罪防止の目的のため伐採をしたものであります。多くの樹木を伐採しましたが、住宅地への音の伝わり方など、大きな影響を与えたものではないと考えています。  続いて、今後の高島平緑地の整備に関連いたしまして、整備方針についてのご質問です。高島平緑地は、高島平地域の都市再生の方向性を示した高島平地域グランドデザインにおいて、緑とにぎわいの空間をデザインしたプロムナード整備の対象エリアに位置づけております。従来の機能に加え、多用途の活用を進めることによって、にぎわいや地域の活動を生み出し、地域の魅力向上に貢献すべく積極的な活用を図っていきたいと考えています。
 次は、計画の住民説明会の実施についてのご質問です。本年3月のプロムナード基本構想素案の段階におきましては、住民説明会、パネル展示、障がい者団体へのヒアリングなど、丁寧に説明を行ってまいりました。今後も整備に当たりましては、必要に応じて住民の方々や利用者の方々に周知をしながら行っていく予定でございます。
 次は、伐採した場所へ新たな植樹についてのご質問であります。高島平緑地の植樹につきましては、今後策定されるプロムナード基本構想に基づきまして、樹木の適正な育成、管理を進めていくために、必要に応じて、植樹を含めた空間整備を行っていく考えであります。また、緩衝緑地帯としての機能が著しく損なわれる場合におきましては、若木の補植などを検討してまいりたいと考えています。

  次に、UR賃貸住宅の家賃軽減を求めて質問します。URの前身である「日本住宅公団」が「住宅に困窮する勤労者のために」を第1条の目的として設置され、60年以上が経ちました。この60年間にその名称を三度も変えて、今日に至っています。公団からURへの60年の歩みは、公的な役割を大きく後退させてきました。URは、近傍同種家賃だとして、2000年以降、5回の改定を実施し、家賃の値上げを実行してきました。URが2015年に行った「団地居住者ヒアリング」では、高島平団地の居住者から切実な声が寄せられています。それは、「高齢者にとっては、現行家賃の3分の1がめいっぱい。4万円でも苦しい」という実態です。年金生活になってから家賃の支払いが大変になっているという声はますます高まっています。高優賃家賃減額制度があるものの、高優賃住宅に入居しなければ受けられません。70代、80代まで人間関係をつくって支え合ってきた今、住んでいるところで家賃負担を減らしてほしいというのは当然の声です。URに対し家賃引き下げを願う居住者の声に真摯に向き合うよう働きかけていただきたいが、いかがでしょうか。
 都市再生機構法第25条の4では、「居住者が高齢者、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者で、これらの規定による家賃を支払うことが困難であると認められる者である場合は、家賃を減免することができる」と規定されています。しかし、その実績は一つもありません。国会では2016年11月、国土交通大臣が「法の趣旨にのっとり、適切な家賃減免措置を講じていく」と、減免対象の拡大も含めた積極的な答弁をしています。区としても、URの家賃軽減への後押しをすることを求めます。

【区長】 次は、UR賃貸住宅の家賃軽減をとのご質問であります。UR都市機構におきましては、低所得の高齢者世帯などの居住の安定化を図るため、家賃改定減額措置や高優賃家賃減額制度などを行っていると聞いております。家賃引き下げの要望につきましては、家賃減免の適切な措置も含め、機会を捉えてUR都市機構にお伝えをしていきたいと考えています。

 最後に、地方自治を守る沖縄への連帯を込めて質問します。沖縄県名護市辺野古では、新基地建設に反対する県民、市民の工事中止を求める行動が続いています。政府は、新基地建設を強行するために、辺野古海底の岩礁破砕更新、サンゴの移植許可、設計変更の承認が、県知事の権限であるにもかかわらず、県に計画を十分に説明しないまま、辺野古沖へのコンクリートブロック投下を行いました。  また、漁業法に明確に反するにもかかわらず、名護漁協から漁業権放棄を取りつけ、岩礁破砕は再申請不要と断定しました。県は、許可なく岩礁破砕工事が行われることを食いとめるために、新たな訴訟と工事中断の仮処分を求める方針と報じられています。沖縄県では、県知事選、市長選、国政選挙、あらゆる選挙で県民の基地建設の反対の世論ははっきりと多数を示しています。にもかかわらず、政府は県民の声を踏みにじって強権を振るうことは許されません。自らの国の地方自治が守れなくて、どうして国を守ることができるでしょうか。区として、法と民意を無視して強行しようとする政府に対し、抗議することを強く求めます。地方自治を守る沖縄に連帯する区長の答弁を求めて、私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)

【区長】 最後のご質問であります、地方自治を守る沖縄と連帯をとのご質問であります。政府と沖縄県が米国米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移転をめぐって対立をするなど、必ずしもお互いの考えが一致していないことは承知をしておりますが、これをもって区が政府に対して抗議をすることは考えておりません。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。