1 2018年度予算編成について
(1)優先すべき予算化について
[1]編成方針に関わって
[2]貧困と向き合う予算編成を
[3]命と健康を守る予算を優先に
[4]第7期介護保険事業計画へ盛り込むべき事業として
[5]障害者・障害児福祉計画は優先して予算化を
[6]職員・教職員の増配置を
[7]行革方針の見直しを
(2)国民健康保険事業の都道府県単位化とかかわって
[1]一般会計からの繰り入れについて
[2]徴収強化優先ではなく社会保障制度としての姿勢を貫いて
(3)都区制度について
2 大気汚染対策の強化を求めて
(1)区立小中学校の児童生徒の健康状況について
(2)東京都の大気汚染医療費助成事業の縮小について異議を
(3)国・道路公団・車メーカーの姿勢の改善を求めよ
3 就学までの健診の重要性と早期発見・早期療育の体制を
4 教育について
(1)魅力ある学校づくりの見直しと子どもたちの発達が保障される条件整備を
(2)総合教育会議について
5 地域のまちづくりについて
(1)東京都健康長寿医療センターと今後開設される高齢者・障害者福祉施設を利用する人と地域住民の安心と安全を求めて
(2)中板橋駅北口のバリアフリーについて
(3)板橋本町駅のバリアフリーについて
(4)大和町バス停(中山道下り側)に屋根の設置を
(5)石神井川の桜の木の管理について
引き続き、日本共産党板橋区議会議員団の一般質問を行います。
初めに、2018年度予算編成についてです。
まず、編成方針にかかわってお聞きいたします。新年度の予算編成の考え方に「歳入環境の改善が望めない状況にあり、加えて、法の改正により設置が可能となった児童相談所の整備や都市計画事業の進展などによる歳出の膨張により、今後の財政運営は厳しい状況が想定される」と、厳しい区財政が強調されています。その上で、「基本計画に掲げられている未来創造戦略を踏まえ、全ての事務事業において聖域のない見直しを行いながら、予算編成を進めていく」としています。また、予算編成過程の公開情報では、「87億4千万円の財源不足。要求額はフレーム額を27億4千万円上回っており、昨年度と比較して非常に厳しい」としています。
そこで、お聞きいたします。地方自治法には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」とあります。基本は住民の福祉の増進です。区の編成の考え方には「都市計画事業の進展などによる歳出の膨張」とありますが、区財政が厳しいと言われるのならば、歳出膨張につながり、住民の福祉の増進ではない「都市計画事業」は一旦見直すべきではないでしょうか。区長の見解をお聞きいたします。
【区長】
それでは、かなざき文子議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、予算編成にかかわってについてのご質問であります。
都市計画事業につきましては、良好な都市環境を形成し、健康で文化的な都市生活を実現するものでありまして、住民福祉の向上に資するものであると考えます。経済も落ちつきを見せており、時機を逸することなく進めていく考えであります。
さらに、87億4,000万円財源不足を受け、あらゆる部署において予算の要求額を減らすよう指示が出されているのではないでしょうか。その影響が区内のさまざまな団体へもたらされたという話も聞いています。区内で活動している団体の力に支えられ、区の多くの事業が繰り広げられています。こうした各団体の運営は守られるべきと思います。区民生活に必要な財源は財政調整基金から取り崩すべきではないでしょうか。お聞きいたします。
【区長】
予算の編成に当たりましては、不断の事務事業を見直し、最小の経費で最大の効果を図ることは当然のことであると考えます。
財政調整基金は、地方財政法に定めてあるとおり、景気の激変等により、財源が著しく不足する場合の年度間調整を行うためのものであると考えます。今後とも適正な予算編成に努めていきたいと考えております。
次に、区民の貧困と向き合う予算編成を求めて質問いたします。大きな社会問題としても指摘されている貧困問題と向き合う予算編成は急務と考えます。特に貧困率19%と、さまざまな世代で最も深刻な実態にある高齢者の貧困にどう区は取り組むのでしょうか。生活保護世帯は高齢者世帯のみふえ続けています。減り続ける年金、引き上がるばかりの保険料と、ますます厳しい生活の実態がもたらされています。高齢者の貧困について、まずその実態への認識をお聞きいたします。さらに、自治体としてどのような対策が必要と考えているのかをお聞きいたします。
【区長】
次は、高齢者の貧困の実態と対策についてのご質問であります。
平成28年国民生活基礎調査におきましては、全国的な状況として、高齢者を世帯主とする世帯の平均所得金額は年間で436万円となっておりますが、生活意識におきましては、「大変苦しい」、「やや苦しい」があわせて52%を占めております。本年1月に実施した区の高齢者ニーズの調査におきましては、暮らし向きについて、「やや苦労している」、「非常に苦労している」という回答が合計で約33%である反面、「非常にゆとりがある」、「ややゆとりがある」という回答があわせて約25%であり、「どちらともいえない」という回答が約39%と最も多くを占めているところでありました。
貧困につきましては、社会保障制度の充実や、国の経済政策によりマクロ的に国民所得をふやしていくことが抜本的な対策であり、自治体の責務は、セーフティネットとなっている各種制度や諸施策を活用し、地域の実情に応じて生計困難な高齢者を支えていくことであると認識をしております。
高齢者の貧困対策として、UR賃貸の家賃についてお聞きいたします。全国公団住宅自治会協議会が実施した「第11回・団地の生活と住まいアンケート調査」の結果が発表されました。それによると、世帯主が65歳以上は68.4%を占め、高島平も含めて高齢化が進んでいます。世帯主収入が「年金だけ」が46.3%、年金とパートやアルバイトなども含めると年金受給者は7割を超えています。2016年の世帯収入353万円未満世帯が約7割と貧困化が進んでいます。「家賃の負担が重い」と答えた世帯は77%に及び、高齢・低所得による生活苦があらわれています。高齢化によって移転も困難となっており、住み続けたいという希望に応えることは待ったなしです。国土交通省、UR都市計画機構が住宅セーフティネットとなっている公団の役割を果たすよう、現行家賃について収入に応じた制度、減免制度の実施など、抜本的に改善を図るよう強く求めていただきたいのですが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、UR賃貸住宅の家賃についてのご質問であります。
UR都市機構では、低所得の高齢者世帯などの居住の安定化を図るため、家賃改定減額措置や、高優賃家賃減額措置などを行っていると聞いております。さらなる家賃減額制度の改善などにつきましては、機会を捉えてUR都市機構にお伝えをしたいと考えています。
国際的にも大きな問題として指摘されているのが日本の「子どもの貧困」問題です。12年ぶりに貧困率が13.9%へと引き下がったとはいえ、主要国では依然最下位です。問題なのは、その貧困率が貧困の連鎖として、その子どもの一生に大きな影響をもたらすことです。区として子育てクーポン券、高校生のいる世帯への現金給付事業など、直接子育てを応援する施策の実施を求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、子育てを応援する施策の実施についてのご質問であります。
区では、子どもの貧困対策として、現在、いたばし子ども夢つむぐプロジェクトに基づきまして、子ども・家庭への支援、地域との連携、支援につなげる仕組みづくりを柱としまして、教育・生活・経済的支援等の総合的な施策・事業を推進しております。子育て世代を応援する施策としましては、各種子育てサービスの利用券を配布する、すくすくカード事業の実施など、子育てしやすい環境づくりを推進しております。新たな経済的支援策の実施につきましては、国や東京都の動向を注視するとともに、将来的な財政負担も考慮しながら、慎重に判断すべきと考えております。
次に、命と健康を守る施策を優先にすることを求めてです。自治体としての最優先課題は、区民の命を守る施策の実施です。「医療費が年々膨らみ続ける、削減を」と当たり前のように言われますが、医療費を少しでも減らす特効薬は、自己負担の増大でもなければ、保険料の引き上げでもありません。原理原則は昔から変わることはないんです。「早期発見・早期治療」です。
そこで、板橋区独自の施策として、区民が生まれてから死ぬまでの一生を通じて、健康についての区民の意識を高めると同時に、その健康度を自分でチェックできる施策の実施として、18歳以上の健康診断の実施を求めます。
【区長】
次は、18歳からの健康診断の実施についてのご質問であります。
区民一般健康診査は、国の指針で対象年齢が40歳以上となっておりますが、現在、区におきましては、35歳から39歳までの健診を受ける機会がない方も対象に実施をしているところであります。若年層からの健診の受診は望ましいとは考えますが、受診対象年齢を18歳まで引き下げることにつきましては、財政上の制約もあり、慎重に考える必要があると考えております。
また、高校生については、医療費助成の実施で健康の維持を保障するよう求めます。
【区長】
次は、高校生の医療費助成の実施についてのご質問であります。
高校生年齢の方への医療費助成につきましては、ひとり親家庭に対しましては、ひとり親家庭等医療費助成制度があり、治療が困難な疾病に対しましては、小児慢性特定疾病医療費助成制度等がございます。このように、高校生年齢の方につきましても、家計が厳しい、あるいは治療が長期にわたるなど、医療費の助成が必要とされる世帯につきましては、一定の医療費助成制度がございます。全ての高校生年齢の方への医療費助成につきましては、将来的な財政負担も考慮しながら、他の子育て支援策との関連において慎重に判断すべきものと考えております。
次に、第7期介護保険事業計画へ盛り込んでいただきたい事業についてです。「介護労働安定センター」が2015年に実施した調査結果によると、賃金は1か月の月給労働者で24万578円、時間給労働者は月9万8,951円。仕事の満足度では、賃金、処遇のあり方などがマイナス指標となっています。このような介護労働者のおかれた厳しい労働実態を打開するために、その処遇改善は待ったなしの課題と考えます。
先日、区議会に報告された第7期の区の介護保険事業計画の中間のまとめには、「介護人材の確保及び育成・定着支援」は位置づけられていますが、詳細な中身については明記されていませんでした。私たち区議団は先日、平成20年度から一般施策として実施している千代田区の「介護保険施設等人材確保・定着・育成支援補助事業」を視察いたしました。内容の1つは、労働環境改善事業です。前年の時給単価との差額を補助する「パート職員の時給単価上乗せ」事業が、また、「契約・非常勤職員等の正規職員化」という補助事業では、その職員の給与総支給額から、厚労省が公表している「賃金構造基本統計調査」の非正規職員の平均賃金を差し引いた金額を補助するという内容が行われています。
また、都心区の物価等を考慮した手当の改善事業として、「年収500万円未満の職員に対する住宅手当・家賃助成等」が行われていました。人材育成事業としては、「職員の資格取得、技術向上」が行われており、各事業者が補助した額の2分の1を区が補助する内容になっていました。この補助事業を利用している事業者からは、「契約社員からの正規化が複数名実現できたことで職員の定着に寄与することができた」「研修参加が増加したことで、職員の意欲向上はもちろんのこと、緊急時のスムーズな対応や機能改善など、サービスの質の向上につながり、利用者が安心して楽しく活動的に利用できる環境づくりができた」など、この事業の成果としての報告もされています。
そこでまず、千代田区のこうした事業について区長の見解をお聞きいたします。また、千代田区のような人材育成事業について、第7期中に検討を実施し、計画を立てるよう求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、介護人材の確保についてのご質問であります。
介護人材の確保が大きな課題となっている中において、千代田区が実施をしております介護人材確保・定着・育成の取り組みは大いに参考になると考えています。板橋区の介護保険事業計画におきましても、介護人材を量と質の両面から確保していくことが課題であるとしているところから、第7期計画期間中には、介護事業所の実態調査や先進自治体の取り組み事例の収集を行うなど、具体的な検討を進めていきたいと考えています。
さて、高齢者の貧困問題と直結するのが高い介護保険料です。毎年引き下がる年金に対し、保険料の引き上げは新たな貧困を広げるばかりです。そこで、第7期の介護保険料については、準備基金を最大限活用もして引き上がらないよう努力することを求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、介護保険料についてのご質問であります。
第7期計画期間中における介護保険事業費につきましては、現在、推計を行っているところでございますが、高齢者及び要介護認定者数の増加や介護離職ゼロに向けた取り組みに加え、医療療養病床から介護保険施設等への転換に伴って生じる介護給付サービス需要の増などの影響もあり、増加が見込まれるところであります。また、第1号被保険者の負担割合も22%から23%に引き上げが決まっているほか、介護報酬の改定については、いまだ不透明な状況ではありますけれども、引き上げになる可能性もあると考えています。これらの保険料が上昇する要因があるために、一定程度の保険料の引き上げは避けられないと考えておりますが、介護保険給付費準備基金を活用しながら、可能な限り上昇を抑えるよう努めていきたいと考えています。
次に、障がい者・障がい児の福祉計画についてお聞きいたします。現在、区は障がい児について第1次、障がい者については第5次の「福祉計画」の策定を行っています。先日、中間のまとめが発表されました。その計画に盛り込むべき事業について質問をいたします。
まず初めに、区は卒後対策についてどう見通しているかです。区の資料によると、今後11年間の障がい児の卒業生は1,061名です。在宅にさせないという、これまで貫いてきた姿勢を変えることはないと聞いていますが、特に重度の障がい者が通う生活介護の通所施設について、今後10年間の需要と供給についてお聞きいたします。
【区長】
次は、生活介護施設の今後10年間の需要と供給の見通しについてのご質問であります。
正確な予想は難しいところではありますが、ここ数年、民間の生活介護施設が急速に整備されたこと等によりまして、昨年度不足していた生活介護施設について、今年度は、欠員が生じる状況となっております。欠員を生じている施設については、定員を超過している福祉園等の入所者との間で、希望者を募り平準化を進めております。今後、向原地区の施設整備等もございまして、平成40年度まで、生活介護施設について過員は生じない見通しと考えております。
今後予定されている向原だけで足りるものではなく、生活介護も就労継続B型も、今後の卒業生の推移を見るならば、不足することが危惧されます。板橋キャンパスへの生活介護の通所施設設置は当初の予定どおり実施するよう求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、板橋キャンパスへの生活介護施設設置についてのご質問であります。
現在、充足が見込まれております生活介護施設につきましては、既存施設の有効活用を図り、新たな設置は行わない考えであります。板橋キャンパスの用地については、利便性の高い場所であり、周辺の医療環境も整っていることから、区内に不足している医療的ケアが必要な障がい児・者の施設を中心に、東京都と協議を進めているところであります。
政府は、障がい者も地域を基本にすべきという方針ですが、それに見合っただけの地域における基盤整備はまだまだ不十分です。「親亡きあと」の対策は、地域にて暮らすことのできる施設が圧倒的に不足していることが指摘されています。そのため、遠方の施設入所を余儀なくされる、年老いた親の介護の限界が来ても入れる施設は地域になし、兄弟にも大きな負担となっている実態です。
この間、区議会には、こうした「親亡きあと」の保障として、区内への「入所施設」「重度重複者の入れるグループホーム」の設置を求める陳情なども出され、各関係団体からの要請も受け続けています。これこそ待ったなしです。そこで、今回の第5次の障がい者福祉計画に、重度重複の障がい者のグループホームの設置、緊急保護施設の増設置、入所施設の設置などの計画を具体化するよう求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、第5期障がい福祉計画における施設整備の具体化についてのご質問であります。
いずれの施設につきましても、設置要望があることは承知をしております。一方、設置に向けては、運営経費や支援員の確保等の課題がございまして、設置実現が果たせていない状況もございます。入所施設につきましては、既に区内に2か所ございまして、都からは、未設置の区市町村との均衡の面で増設は難しいと聞いております。これ以外の施設につきましては、引き続き設置の実現に向け、事業者や東京都とも調整を図り、可能なものから計画策定に反映させていきたいと考えています。
次に、この間も取り上げ続けてきた「手をつなぐ親の会」、にりん草が運営するまえの福祉作業所についてです。先日施設を視察いたしましたが、一層老朽化が進み、待ったなしの状況でした。外壁塗装は、出張所時代を含めて1回も実施していない、外壁がはがれ落ちているところは随所に見受けられました。階段等のピータイルのはがれ、冷暖房の室外機が動かなくなって暖房がとまり、古くて取りかえる部品もない、2階の倉庫は雨漏り、トイレはノブがとれて利用者が閉じ込められることも。雨どいからは草も生え、男子ロッカーは足りないが置く場所もないという状況でした。人が仕事をする環境ではないと思います。一日も早く、人間らしい仕事環境を保障してほしいと願わずにはおれません。
当初、区の方から、手をつなぐ親の会に、「障がい者の就労事業をぜひやってもらえないでしょうか」という要請をして、福祉作業所の運営が始まったという、その経過について、区長はその認識をお持ちでしょうか。
【区長】
次は、手をつなぐ親の会が福祉作業所を運営するようになった経緯についてのご質問であります。
学校卒業後に行き場のない障がい者のために、区が手をつなぐ親の会に働きかけをし、施設を提供し、事業が開始されたと承知をしております。
区の責任には大きなものがあると思います。区は、公共施設のマスタープランの個別整備計画で、まえの作業所はエコポリスセンターへ移す予定を示しました。これは、作業所として適正な環境という観点がまったく抜けていると感じます。エレベーターがあればいいという問題ではなく、きちんとした調理場、食堂、更衣室、材料などの保管する倉庫やでき上がった製品の保管する倉庫などの条件整備が必要です。エコポリスセンターを示した背景には、当事者との協議が前提になっていないことが指摘されます。そこで、移転については、作業所、法人とよく相談、協議の上で決めるよう求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、福祉作業所の移転についてのご質問であります。
老朽化が進んでおり、移転が必要と認識をしております。移転に当たりましては、利用者への配慮も重要であり、作業所及び法人と調整の上に進めていきたいと考えています。
次に、福祉園についてです。既に一番新しい三園福祉園でも雨漏りが発生しています。日ごろのメンテナンスはもちろんのこと、施設改善は、高齢化する利用者の状況からも急務と考えます。障がい者・障がい児の施設の安心・安全性は健常者以上に重要と考えます。区長の見解をお聞きいたします。
【区長】
次は、障がい者・障がい児の施設についてのご質問であります。
障がい特性によっては、病気にかかりやすい場合もございまして、安心・安全には配慮が必要と認識をしております。施設の維持管理につきましては、指定管理者等と連携をしながら、適切な施設管理が行われるよう区としても取り組んでいきたいと考えています。
そして、これら福祉園、福祉作業所の施設改善、条件整備などを優先して予算化するよう求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、福祉園等の施設改善予算についてのご質問であります。
区の財源には限りがあり、特定分野のみ優先することは困難であると考えます。一方、利用者の安心・安全につきましては、重要なことと考えております。区としましては、効率性や経済性も踏まえて適切な障がい者福祉サービスを実施していきたいと考えています。
次に、職員・教職員の増配置を求めて質問いたします。
区の行革による職員削減数は、区の資料によると過去20年間で2,046人減です。こんなに減らして1人当たりの仕事量がふえないわけがありません。過労死ライン80時間を超えて働いてきた職員66人、100時間を超えては29人。このような働き方をしていれば、メンタルも壊れ、健康の維持も難しくなるのは当然です。学校の教職員についても、板橋区が実施した教員の働き方の調査結果では、過労死ラインを超えての労働実態は、小学校で42%、中学校で58.3%という結果でした。一人ひとりの職員、そして教職員がやりがいを持っていい仕事をするには、精神的にも時間的にも経済的にも余裕のある条件が前提と考えます。区はこの間の議会答弁で、所管課に残業時間の申請をきちんとするよう言ってあると答えています。
しかし、実際には、職場の雰囲気として、「全ての残業時間を申請することはできない」という実態が見受けられます。サービス残業があるという実態は直ちに改善すべきです。また、残業代を払えばいいというものではなく、本来は残業がないよう、必要な職員・教職員の配置こそすべきなのです。新年度の予算編成方針において、組織改正や職員の定数管理についてどのような方針となっているのでしょうか。過労死ラインを超えた働き方とならない手立てはとっているのでしょうか。職員の増配置を必要としている部署へ、また、学校現場への教職員の増配置は予定されているのでしょうか。改めて新年度の方針についてお聞きいたします。
【区長】
次は、職員・教職員の増配置に関連いたしまして、区長部局の方針についてのご質問であります。
平成30年度は、いたばしNo.1実現プラン2018の最終年度であり、計画事業を完遂するためには、戦略的に取り組む最適な組織体制を整備するとともに、人的資源を効率的・効果的に配分し、柔軟かつ機動的な執行体制の構築並びに職員定数の最適化に努めていくとしております。職員配置につきましては、職員の能力が最大限に発揮できる職場環境の整備を目指すとともに、業務量や執行体制の有効性等を慎重に査定し、これまでどおり適正な配置に努めていきたいと考えています。
【教育長】
初めに、教職員の増配置に関しまして区教育委員会の方針についてのご質問ですが、区立学校に配置している都費負担教職員につきましては、東京都公立小・中学校教職員定数配当方針により、各小・中学校の教職員数を決め配置しているところです。また、教員の長時間労働の改善などに向けた教員の配置増に関しましては、特別区教育長会などを通じて国や都に強く要望しているところです。
正規の教員を補佐するために配置している区費による学習指導講師につきましては、平成20年度から配置を開始し、平成27年度には定員を154人から183人に増員したところです。区教育委員会としましては、区非常勤職員である学習指導講師や巡回指導講師につきまして、適正な人材を必要数確保するなどの面で現在困難な状況にあることから、現時点では、さらなる増員は考えていないところです。
次に、行革方針の見直しを求めて質問いたします。
平成16年度以降の行革方針から早12年以上たっています。区財政が非常に厳しかった時代を経て、現在の区財政は黒字、基金残高も過去最高の約525億円です。しかし、区民の暮らしの厳しさは一向に改善の兆しはありません。実質賃金は下がり続け、年金受取額も減らされ続けています。子どもと高齢者の貧困は深刻です。こうした事態において自治体が果たす役割とは何でしょうか。現行革方針のもとで、区民の貧困の実態、過酷な職場、学校現場の実態に応えた対応ができるのでしょうか。そうは思えません。
まず、区民の貧困対策として、今ほど金銭給付事業の実施が必要なときはありません。金銭給付事業の復活を求めます。
【区長】
次は、金銭給付事業の復活をとのご質問であります。
区は、平成16年1月に板橋区経営刷新会議の答申を受けて、現金給付事業の廃止を進めてまいりました。現在の区政経営は、少子高齢化の進展や複雑多様化する行政需要によって、選択と集中、効果的な財政支出が一層求められている状況にございます。今後につきましては、金銭給付事業のような消費的行政サービスの提供から、生活保護費の抑制効果を期待した自立支援の推進のような投資的行政サービスへの転換を図りながら、行政需要に応えていきたいと考えています。
業務の委託化の拡大、指定管理者への転換は、公的責任の上から、安上がりの労働、つまり、公務労働がワーキングプアを広げている実態です。民への開放の方針を見直すことを求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、民への解放の方針の見直しをとのご質問であります。
区の業務の委託化や指定管理者制度の導入は、高い専門性や行政とコスト構造の異なる民間の活力を活用し、行政サービスの質の向上と効率的な財政執行の実現を図るために進めているものであります。指定管理者制度の運用につきましては、標準的な人件費を示したり、社会保険労務士による労働条件点検を行うなど、労働者への配慮を行っております。今後も民間活力の適切な活用に努めていきたいと考えています。
次に、国民健康保険の都道府県単位化とかかわってお聞きいたします。
11月20日、板橋区の国民健康保険運営協議会が開催されました。そして、翌日21日には、東京都の国民健康保険運営協議会が開催されました。そこに示された保険料額は、もし板橋区が一般会計から法定外繰入を行わなかった場合、例えば40歳代の夫婦と子ども2人の4人世帯で年収300万円では、今年度の保険料額35万9,851円が新年度は45万1,272円になり、9万1,421円、25.4%もの値上げとなるなど、平均して約25%の引き上げとなることがわかりました。もちろん現段階では、診療報酬がどうなるかなど、保険料額は未確定ですが、一般会計からの法定外繰入がなければ、値上げとなることは間違いありません。社会的弱者が加入者の多くを占めている国民健康保険です。これ以上保険料が引き上がらない手だてをとることは自治体としての責務です。そこで、保険料が引き上がらないように、一般会計から繰り入れ、同時に保険者となる東京都が保険者として応分の財政負担をするよう求めていただきたいが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、国民健康保険事業に関連いたしまして、一般会計からの繰り入れについてのご質問であります。
国民健康保険の広域化において、財政責任を担う東京都は、繰り入れが不要となる保険料水準を標準保険料率として各区市町村に示すところでありますが、これはあくまでも参考値であり、保険者である区としましては、被保険者である区民の理解が得られますようソフトランディングが必要であると考えています。試算で示されました標準保険料率との乖離を考えますと、法定外繰入金を直ちに解消することは難しいところでありますので、区の判断としましては、当面は一般会計からの繰り入れを行っていかざるを得ないと予想をしております。東京都には、平成30年度の施策及び予算に関する要望としまして、低所得者に配慮した財政支援の強化を図るよう求めているところでありますけれども、今後も区市町村に対する財政支援を講じるよう引き続き求めていきたいと考えています。
今回の仕組みでは、各自治体の徴収強化などの努力結果によって補助金額が変わるようになっています。これでは被保険者の人権を守るより、取り立て強化へどうしても走りがちとなります。そうならないよう、職員全体に対して社会保障制度としての国保事業の認識を徹底し、保険料を払うことのできない被保険者の実情をきちんと把握して対応することを求めます。
【区長】
次は、徴収強化優先ではなく、社会保障制度としての姿勢を徹底することについてのご質問であります。
国民健康保険は被保険者間の相互扶助を基本とした社会保険制度であり、未納分は保険料率の上昇を招くという観点からも、負担の公平性は確保しなければならないと考えます。本区におきましては、督促、催告のほか、電話、訪問による通知など、再三にわたり納付相談の機会を設け、それでも応じていただけない場合におきましては、やむを得ず差し押さえを行っております。さらに差し押さえ執行後におきましても納付相談を行っておりまして、広域化になった後につきましても、変わることなく丁寧な対応に努めていきたいと考えています。
次に、都区制度、都区財調問題についてお聞きいたします。
「都区制度」は日本でたった1つの大都市制度です。府県で行う仕事と市町村で行う仕事は、法律でほぼ明確にされていますが、東京23区の場合は、市町村事務の一部を東京都が行っているので、市町村財源の配分が一般の府県とは大きく異なっています。本来は市町村民税である税金ですが、23区では、東京都が固定資産税、法人住民税、特別土地保有税の3税を徴収し、その3税に調整率を掛けて得た金額が財調交付金額として、計算された各区の各事業の需要額をもとに各区に配分し直す「都区財政調整制度」、いわゆる「都区財調」という仕組みになっています。そして、その配分割合は、毎年、東京都と特別区の間で協議して、合意に基づいて決めています。
ところが、1976年から2000年、23年にわたり特別区の取り分は44%に事実上固定され、半分以下でした。その調整率が、2000年の都区制度改革によって事務事業の移管等が行われ、区側の取り分は55%となりました。財調交付金は「一般財源」です。しかし、特別区の必要経費は都と区の間で協議して決めているにもかかわらず、都がどのような市町村事務にいくら使っているのか明らかにされていません。そこで、都と区でそれぞれどれぐらい仕事をしているのかを明らかにすべきです。都が行う大都市事務が何の事業でどれぐらいかかっているのかをきちんと資料で示させるよう求めていただきたいが、いかがでしょうか。都側主張で決着をつけられている現状を変えるべきです。23区として財政自治権を確立できるよう、応分の財源をよこすよう東京都に強く働きかけることを求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、都区制度についてのご質問であります。
財政調整制度の協議におきまして、特別区長会は従前から東京都に対し、特別区との事業割合の確認ができる資料を求めてきておりますが、明瞭なお答えをいただいていないのが現状であります。都市計画交付金の配分割合にも課題があると捉えておりまして、この点に関しましても東京都に対し強く主張をしております。今後も特別区長会として財政自主権を強く求めていきたいと考えています。
次に、大気汚染対策の強化を求めてです。
1996年5月、道路の管理や排ガス規制の責任を負う国・東京都・首都高速道路公団、そして、ディーゼル車を製造・販売している自動車メーカー7社をぜんそく患者が訴えました。2007年8月に和解が成立し、自動車メーカー、首都高速道路株式会社が東京都へ拠出し、都内のぜんそく患者に対する医療費助成制度が2008年8月に創設されました。合意された救済制度は、都内に居住する全ての気管支ぜんそく患者に対して、その医療費の個人負担分を全額助成するものでした。しかし、5年後の見直しにより、東京都以外が打ち切ってしまい、そのため東京都も平成27年度より新規患者を認めなくなり、既に助成を受けている患者に対しては、来年の4月から一部本人負担を導入するなど、助成内容を縮小することを決めています。確かに浮遊粒子状物質は減りました。大和町交差点もさまざまな対策がとられてはきました。しかし、平成27年度のPM2.5測定値は、都内の測定局ではワースト2で環境基準を達成できていない、いわゆる非達成でした。さらに昨年度のPM2.5では都内ワースト1でした。全都で非達成測定局が自動車排気ガス測定局35局中5局にまで減っている中、大和町交差点は依然非達成のままです。まだまだきれいな空気と言えない状況です。
板橋区のぜんそくと診断される児童・生徒は小学校で6.7%、中学校で5.4%です。15年前の平成14年の資料では、区立小学校では5.7%、区立中学校では6.4%と決して減ってはいないと思います。この実態について、区の見解と、どういった対策が必要と考えているか、お聞きいたします。
【教育長】
次に、大気汚染対策の強化に関しまして、区立小・中学校の児童・生徒の健康状況についてのご質問ですが、ぜんそくの原因につきましては、さまざまな説があり明確になってはいませんが、アレルギーはぜんそくになる要因の1つと言われています。ここ数年、アレルギー疾患のある児童・生徒の割合は横ばい、もしくは上昇している状況であり、こうしたこともぜんそくの児童・生徒数が減っていない要因の1つと考えているところです。区立小・中学校では、毎年の健康診断のほか、小学1年及び4年生、中学1年生に対して、気管支ぜんそく等の呼吸器疾患を早期に発見するため、スクリーニング検査を実施しています。今後も児童・生徒の健康管理を適切に行い、疾患を早期に発見し、適切な医療につなげてまいりたいと思います。
医療費助成が廃止・縮小することにより、ぜんそく患者が医療を受けることは厳しくなることが想定されます。医療を受けられなくなることにより、呼吸困難に陥ったときの恐怖を広めてはなりません。改めて、都に対して事業をもとに戻し、新規患者についても認めるよう求めていただきたい。
【区長】
次は、東京都の大気汚染医療費助成事業の縮小について異議をとのご質問であります。
大気汚染医療費助成制度は、東京大気汚染公害訴訟の和解を受けて創設をされたものであります。国と東京都がそれぞれ3分の1、自動車メーカー7社と首都高速道路公団がそれぞれ6分の1を負担した200億円の拠出金を原資として運営をされてきましたが、平成26年で原資を使い切る見込みとなり、平成26年度末において18歳以上の新規認定を終了したものであります。この制度は東京都の条例に基づいて行われているものでありまして、区としましては、今後の動向を注視したいと考えています。
国と道路公団と、車のメーカーに対し、東京都だけに任せるのではなく、責任を認めるよう強く意見していただきたい。そして、何らかの補償の実施に踏み切るよう求めていただきたいのですが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、国・道路公団・車メーカーの姿勢の改善を求めよとのご質問であります。
東京大気汚染公害訴訟におきましては、平成19年に和解が成立しております。その中において、ぜんそく患者等に対する救済制度が創設されておりまして、関係者による必要な拠出がなされております。区といたしましては、今後の推移を見守るとともに、必要な場合におきましては対応を検討していきたいと考えています。
次に、就学前までの健診の重要性と早期発見・早期療育の体制についてです。
早期から障がい特性に配慮した療育を受けた場合、基本的な生活習慣の獲得や好ましい人間関係づくりの基礎が期待され、自傷や他傷、行動障がいなどの二次・三次障がいを予防することができると言われています。それらの取り組みにより、成人または卒業後の社会参加や自立が大幅に改善されることはよく知られています。しかし、早期発見だけすればいいというわけではありません。その後の治療や療育指導が用意されない限り、保護者の不安や苦悩を増長させるだけになりかねません。保護者が安心して子育てできる仕組みづくりが求められています。そこで、まず、さきに述べたように、早期発見・早期療育の重要性について区長がどうお考えか、お聞きいたします。
【区長】
次は、早期発見と療育の重要性についてのご質問であります。
発達障がいを早期に発見し、療育を経験してもらうことによりまして、そのお子さんにとって新しい場面に臨む際の不安が軽減されるとともに、集団活動に参加する意欲も高まるものと認識をしております。乳幼児健康診査などを通じまして早期に発見し、個別に、あるいは小さな集団による療育を受けていただくことは、コミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことも期待できるため、重要なことと考えております。
障がいの発見という点で重要な時期の1つが4・5歳児健診と考えます。保育園、幼稚園に通っている子どもには集団健診がありますが、通っていない子どもはこの4・5歳児健診が重要になります。しかし、実際の実績は、平成28年度で対象となる子ども982名中16名とわずか1.6%でした。さらに、保育園や幼稚園での集団健診といいますが、その内容は健康状態のチェックとなっており、発達の観点からのチェックはないと言っても過言ではありません。保護者が我が子の障がいを受けとめることができる体制と、少しでも早期からの療育につなげる専門機関の設置は欠かせません。そこで、ぜひ4・5歳児健診、保育園と幼稚園における集団健診、日常の取り組みも通じて、障がいを持つ子どもたちへの充実した、特に早期療育としての施策の実施強化を強く求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、療育施策の実施強化についてのご質問であります。
区では従来から、療育事業として児童発達支援事業や放課後デイサービスを実施してまいりました。区立小・中学校はもとより、特別支援学校等とも連携をしております。今回策定する第1期障がい児福祉計画におきましては、各支援機関との連携強化や相談・療育機関の充実、支援事業所の質の向上等に取り組み、療育施策の強化に努めていきたいと考えています。
次に、教育についてです。
まず初めに、「魅力ある学校づくりプラン」の見直しと子どもたちの発達が保障される条件整備を求めて質問いたします。
「いたばし魅力ある学校づくりプラン」が策定されて丸5年がたとうとしています。この間は、前期計画の第1期の計画が実施されてきました。その計画にあった、今年度で廃校されてしまう板橋第九小学校では、この間、あらゆる行事において思いのこもった取り組みが行われています。運動会のプログラム最後で、子どもたち、教職員、保護者、地域の皆さん、そして、元教職員、来賓、みんなで一緒に踊りました。笑顔と涙とがまじった一幕でした。PTAが毎年行っている「かえで祭」はいつになく出店、取り組みが多く、意気込みを感じました。そして、先日は、展覧会がありましたが、板橋第九小学校を思う子どもたちの作品にあふれていました。学校がなくなってしまう現実を真っすぐ受けとめようとする子どもたちの作品に胸の痛みを感じずにはおれませんでした。このようなつらい思いをこれ以上、子どもたちに、そして、どの学校にもさせてはならないと強く思います。
以下、質問をいたします。
板橋第三中学校通学区域内における乳幼児数は、平成24年度と29年度でどうなっているのか、お聞きいたします。
【教育長】
次に、板橋第三中学校通学区域内における乳幼児数についてのご質問ですが、板橋第三中学校の通学区域には板橋第一小学校、板橋第八小学校、板橋第九小学校、中根橋小学校、弥生小学校の全部または一部通学区域が含まれています。これらの小学校の通学区域全体における5月1日現在の未就学児の住民登録者数は、平成24年度が1,493名、平成29年度が1,752名となっています。
子どもがふえている現状を踏まえ、魅力ある学校づくりのプランの第2期として明記されている「上板橋第一中学校、上板橋第三中学校、板橋第一中学校、板橋第五中学校、向原小学校、志村小学校」については、統廃合はやらないよう求めますが、いかがでしょうか。
【教育長】
次に、魅力ある学校づくりプランの第2期計画についてのご質問ですが、魅力ある学校づくりプランは、学校の適正規模及び適正配置だけでなく、老朽化が進む学校施設について、対象校のみならず、周辺校の状況も踏まえ対応を検討するものであります。2期プランでの検討候補となる学校はいずれも、小規模化により統廃合を視野に入れた協議会設置の要件には当てはまらない状況にあります。
区が適正な規模と言っている小学校18学級以上、中学校15学級以上の過密・過大校の条件整備こそ改善計画を立てるべきと考えます。今後子どもが減っていくといって、今現在、学校に通う子どもたちに大きなしわ寄せをもたらしてはなりません。いかがでしょうか。
【教育長】
次に、過密・過大校の条件整備についてのご質問ですが、板橋区では、大規模集合住宅の建設等により児童・生徒数が著しく増加している地域があります。適正規模を上回り、過大規模化が想定される場合は、普通教室化の工事、施設状況を勘案した受け入れ可能数の設定、通学区域の変更、校舎の増築などにより対応してまいりたいと思います。
次に、特別支援教育についてです。
私たち区議団はこの間、特別支援教育の拠点校などを見て回りました。この視察で共通してどの学校からも出されている要望について、特に緊急性のある点に絞って質問いたします。
巡回校先の教室が1つの教室、あるいは相談室等で、パーティションで区切って学習をしている学校があります。特に障がいを持つ子どもたちにとっては、少しでも集中できる教育環境が必要です。しかし、これでは到底学習できる環境にはありません。また、巡回先に教材を置ける倉庫がなく、先生たちが毎朝、ご自分の学校に寄ってから、自転車に載せて出かける、あるいは前日の帰りに持って帰って、翌日、巡回先の学校に行くなど、大変な状況でした。そこで、巡回先の学校へ複数の教室を確保することと、専用の教材を置ける倉庫などの設置を求めますが、いかがでしょうか。
【教育長】
次に、特別支援教室の学習環境改善等についてのご質問ですが、各学校において、学級数や教室数の違いにより、特別支援教室として指導を行う教室の広さなど、環境はそれぞれ異なっています。特別支援教室の学習環境の改善や教材保管場所の確保につきましては、各学校の現状において、特別教室や体育館、格技場、既存の教材室を使用するなど、工夫を凝らして運用していきたいと考えています。
新年度、新たに7校の小学校を拠点校としてふやす計画になっています。この間、視察して痛感をしたことですが、子どもたちは、先生と向き合って学習に集中する時間と、体を動かすことを通じてさまざまなことを学び取っています。改めて、体を動かすためのプレイルームの必要性を感じました。そこで、拠点校となる学校の条件整備として、せめて複数の教室の確保を求めますが、いかがでしょうか。
【教育長】
最後に、特別支援教室の新拠点校の条件整備についてのご質問ですが、特別支援教室の新たな拠点校の条件整備につきましては、校舎の改築や大規模改修が予定されている学校は、指導を行う教室や教材保管庫について整備を行う予定でございます。校舎の改築や大規模改修が近く予定されていない学校につきましては、余裕教室を使用するなどの工夫により新拠点校としての機能を果たせるようにしてまいります。
「魅力ある学校づくりプラン」は、あいキッズや特別支援教育の整備が前提となっていません。また、子どもたちがふえ続けている今の状況も反映されていません。このままでは子どもたちに大きなしわ寄せをもたらすだけです。改めてプランそのものを見直すべきだということは強く指摘をしておきます。
教育の最後は、平成27年度より設置されて行われてきた「板橋区の総合教育会議」についてです。
総合教育会議は、首長と教育委員会との「協議」「調整」の場です。「総合教育会議は地方公共団体の長と教育委員会という対等な執行機関同士の協議・調整の場であり、地方自治法上の附属機関には当たらない」とされたことを踏まえる必要があります。9月7日に持たれた板橋区総合教育会議において、区長は、「教員の長時間勤務の解消、あるいは副校長先生の支援については喫緊の課題であると認識いたしました。」と話されていました。しかし、その改善についての議論はされていません。子どもたちの貧困対策、教職員の過労死ラインを超える働き方など、子どもたちの教育にとって欠かせない条件整備の改善にこそ、この会議が取り組むべき大切な課題と考えます。そうした会議のあり方となるよう強く区長に求めます。いかがでしょうか。
【区長】
次は、総合教育会議についてのご質問であります。
総合教育会議におきましては、首長と教育委員会が教育行政の大綱や重点的に講ずべき施策等について協議や調整を行う場であり、首長が一方的に教育の内容に干渉するものではないと考えています。今年開催しました会議におきましては、校長や副校長の意見を聞くなど、教育現場における課題を共有したところであります。今後につきましても、総合教育会議を通じて、教育行政に密接に関連します諸課題について、首長と教育委員会が施策の方向性を共有をしながら、一体となって区政を経営していきたいと考えています。
地域のまちづくりについてお聞きいたします。
まず東京都健康長寿医療センター、今後、板橋キャンパスを利用して建設されるであろう高齢者・障がい者の施設を利用する人と、そして、地域住民の安全・安心を求めて質問いたします。
東京都の26号線の道路計画は、地下でも高架でもなく、平面の計画です。東武東上線はまだ立体化まで年数がかかります。にもかかわらず、ラッシュ時1時間のうち46分31秒も踏切の遮断機がおりている「開かずの踏切」の状況のもとで26号線が通ると、1日約1万台の車が通ると東京都は想定しており、現在の1日299台が大きくふえ、大渋滞が起きることが想定されます。これでは大気汚染による地域住民への健康被害の発生も懸念されます。さらに、東京都健康長寿医療センターや今後、敷地内に建設される予定の福祉施設に行き来する高齢者・障がい者との交通事故も危惧されます。そこで、東京都と国土交通省は、環境アセスの対象にはならないのでやらないと言っています。しかし、環境影響評価は実施すべきであり、国土交通省と東京都に実施と公表を求めていただきたい。やらないと言うならば、板橋区での実施と公表を求めます。いかがでしょうか。
【区長】
次は、都や国に補助第26号線工事の環境アセスメントを求めることについてのご質問であります。
補助第26号線整備の事業者は東京都でありますが、環境影響評価法及び東京都環境影響評価条例におきましては、今回の事業規模が環境アセスメントの対象にならないと聞いております。また、同法・同条例におきましては、環境アセスメントは、事業者が行わなければならないと規定をされているために、区が環境アセスメントを実施することは考えていないところであります。
あわせて環境影響評価の実施もないまま、自治体として特定整備路線補助第26号線の工事を進めるべきではないと考えます。一旦凍結するよう東京都に求めていただきたいのですが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、都に補助第26号線の工事の凍結を求めることについてのご質問であります。
補助第26号線の整備は、道路ネットワークの形成による利便性の向上と延焼遮断帯の形成による防災性の向上が図られるものであると考えます。また、区も木造住宅密集地域の改善に向けて、補助第26号線沿道一体のまちづくりを東京都と連携をしながら進めております。こうしたことから、補助第26号線の工事の凍結につきましては、都に求めることは考えていないところであります。
次に、中板橋駅の北口と、そして板橋本町駅の残り2か所へのバリアフリー対策を求めて質問いたします。
当初、構造上無理と言われ続けてきた中板橋駅南口にエレベーターが設置され、早12年がたとうとしています。北口改札口の利用者にとっては、南口のエレベーターを利用するにはかなりの距離を歩かなければならないと同時に、踏切を渡らなければいけません。そして、この12年間、地域住民と一緒に東武鉄道に対して、傾斜のきつい北口側へのバリアフリー化を求めて要請を続けてきました。東武鉄道は、「東武の敷地内では無理である。区道の提供が必要」だと。そして、板橋区は、「東武との協議を引き続き行っていく」の繰り返しでした。これでは事態はなかなか進みません。東武鉄道との積極的、前向きな協議を重ね、1日も早く中板橋駅北口側へのバリアフリー化が図れるよう求めます。いかがでしょうか。
【区長】
次は、中板橋駅北口のバリアフリーについてのご質問であります。
東武東上線中板橋駅北口につきましては、東武鉄道にエレベーター設置を要望しているところでありますが、用地が狭いため物理的に難しいというご回答をいただいております。区といたしましても、継続して東武鉄道に働きかけをしてきたと考えておりますが、区民要望を踏まえながら、引き続き働きかけをしていきたいと考えています。
次に、板橋本町駅のバリアフリー化です。
区長もご承知のとおり、板橋本町駅は中山道と環七通りという大きな幹線道路に遮られ、おのおのに出入口があります。まだYUMEパーク側、大和病院側は未整備です。区議会から東京都に対して要望する意見書が提出もされましたが、いまだ動きがありません。都営住宅が多い、YUMEパーク側への設置も、病院に通う患者さんの利用が多い大和病院側も、1日も早く設置されることが求められます。いかがでしょうか。
【区長】
次は、板橋本町駅のバリアフリーについてのご質問であります。
都営三田線板橋本町駅のエレベーター設置につきましては、これまでも東京都交通局に要望してきたところでございます。しかしながら、周辺地下には、大型の埋設物があるほかに、首都高速道路の橋脚基礎が近接をしておりまして、掘削が制限されているために、技術的に設置が困難であるとの回答を得ております。今後につきましても、周辺環境の変化や技術革新等のタイミングを逃さず、東京都交通局と協議・調整を行うとともに、引き続き要望していきたいと考えています。
次に、大和町バス停の屋根の設置についてです。
富士見病院の前にある大和町バス停は、いまだに屋根のない状態です。病院に通う患者の皆さんが利用しており、屋根とベンチの必要性は誰もが認めるところです。さらに、このバス停は、バスの乗りかえや三田線への乗りかえに利用する乗降客が多く、他のバス停よりも乗降客が多い状況です。この間もずっと求め続けてきましたが、地下にライフラインが通っているためにできないという答弁でした。しかし、現在の技術をもってしても本当にだめなのでしょうか。場所の工夫も含めて検討できないかどうか、改めて求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、大和町バス停(中山道下り側)に屋根の設置をとのご質問であります。
バス停の屋根の設置につきましては、歩道の地下に電線共同溝が埋設されておりまして、設置は困難であると聞いておりますが、改めてバス事業者に対して要望していきたいと考えています。
最後の質問は、石神井川の桜の木の管理についてです。
先月の台風のときに、何本か桜の木のこぶが道路に散乱していました。雨が多かったためと推察はできますが、そのこぶのもろさを見るならば、仕方がないでは済まされないと思います。この間、板橋区はようやく桜の木の診断を実施し、一気に多くの桜の木を伐採し、新しい桜の木が植わったところです。他の木はまだ大丈夫だよと言われても、こぶの状況や石神井川沿いの柵にめり込んでいる木の状態を見ると不安を覚えます。これから雪のシーズンも迎えます。以前あったような湿った雪の重みで柵ごと石神井川に落下することも危惧されます。改めて劣化状況などの調査の実施を求めますが、いかがでしょうか。
【区長】
次は、石神井川の桜の木の管理に関連いたしまして、街路樹診断についてのご質問であります。
石神井川の側道の桜につきましては、平成28年度に街路樹診断を実施しておりまして、著しく危険度の高い桜につきましては平成28年度中に植えかえを行ったところであります。再調査を直ちに実施をすることは難しいところではありますが、来年度の桜の剪定時期にあわせて、当該樹木につきましても確認をしたいと思います。
また、新年度の木の管理等の予定についてお聞きをいたします。
以上で、私の質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手する人あり)
【区長】
最後のご質問であります。平成30年度の予定についてのご質問です。
平成30年度は、定期的な剪定と職員の重点的な巡回によりまして、適切に対応していきたいと考えています。