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小林おとみ議員の一般質問
2019.6.6: 令和元年第2回定例会

 石川すみえ議員に引き続き、日本共産党板橋区議会議員団を代表して一般質問を行います。

 初めに、医療・介護の安心を求めて質問をいたします。

 内閣府は、3月の景気動向指数を6年2か月ぶりに悪化としました。景気は後退局面に入ったと報じられています。政府は、こんな経済情勢で本当に消費税の10%増税を強行するつもりでしょうか。消費税は逆進性の強い、弱い者いじめの税金です。収入が全て生活費に消えていく暮らしにとっては、支出の全てにのしかかる税金です。食料品などに軽減税率を導入しても物価高には歯どめがかからず、教育や保育の無償化では不公平が広がること、一部の人にしか影響が行かないことなど、さまざまな問題が噴出しています。低年金で暮らす高齢者、非正規・低賃金で働く労働者、アルバイトで学費を稼ぐ学生たち、そして子育て世代、全ての世代の暮らしに大打撃を与え、貧困格差を広げ、経済をさらに悪化させることにつながる消費税増税はきっぱりと中止をするべきです。
 政府は、消費税増税は、社会保障と国家財政のためなどと言いますが、本当にそうでしょうか。国民には増税を強いながら、全世代に耐えがたい痛みを広げる社会保障の連続改悪・負担増の数々を押しつけ、その上、年金だけでは老後は暮らせないことを覚悟せよとまで言い始めるようでは、政治の役割は終わったとしか言いようがありません。
 社会保障の負担増は、2019年度だけでも、年金給付総額の実質0.9%引き下げ、生活保護の生活扶助費の引き下げ、40歳から64歳までの介護保険料の値上げ、国民健康保険料の値上げ、後期高齢者医療保険料の軽減特例措置の全て廃止、さらに窓口負担を2割にすることが検討されるなど、とどまるところを知りません。社会保障の財源を生み出すと言うならば、消費税に頼るのでではなく、税の不公平や無駄遣いにこそしっかりとメスを入れ、国民一人ひとりの暮らしを支え、温める経済政策への転換こそが必要です。国の悪政によって苦しむ区民の暮らしに心を寄せて、今こそ自治体が区民の命と暮らしを守る防波堤にならなければなりません。


 初めに、最も低所得者を苦しめている国民健康保険料について伺います。

 区民の約25%、世帯数で3割近くが加入する国民健康保険は、かつては自営業者がほぼ7割を占めていましたが、現在は、自営業者に加え、無職や非正規雇用の人など、低所得世帯が多くを占め、60歳から74歳までの高齢者世帯がほぼ5割となっています。国民健康保険料は、年収400万円の4人世帯では42万6,000円となっています。協会けんぽなら年間19万8,000円ですから、2倍以上の格差が生まれています。国民健康保険料は、低所得者の人が多数加入していながら、他のどの医療保険と比べても最も高い保険料になっていることは大問題です。
 国保料が協会けんぽなどと比べて著しく高くなる要因の1つに、均等割という国保にしかない制度があります。均等割額は、2019年度は1人5万2,200円で、家族の人数が1人ふえるごとに5万2,200円ずつ引き上っていきます。この間、均等割額は毎年引き上げられ、5年間で9,000円も引き上げられました。協会けんぽなどの保険料は、家族の人数が保険料に影響することはありません。均等割保険料は、低所得者や家族が多い世帯に重い負担になっており、大きな不公平があると考えます。国の法律によって、均等割の徴収が決まっているもとでも、自治体として均等割の負担軽減を行うことはできないのでしょうか。特に子どもの多い世帯への軽減策が必要だと考えます。子育て支援策として区が独自に実施することに法的な問題はあるのでしょうか。必要な施策だと考えますが、いかがでしょうか。
 昨年の4月から、国保の都道府県化がスタートしました。国は、国保制度の財政基盤の安定化を図るとしていますが、払える保険料にすることよりも、法定外の一般会計繰入金を解消すべき赤字として、これを解消するための健全化計画の実施を迫るものです。区長は、昨年11月の我が党の質問に対して、保険料を軽減するためには、国が責任を持って財政措置をすべきと述べましたが、国が財政責任を十分に果たさないまま、健全化計画の実施だけが進められていけば、当然ながら保険料は上がり続けることになるのではないでしょうか。自治体として払える保険料にすることを大前提にして保険料を算出し、不足する財源は、赤字ではなく国の責任分を補填するものと考えるべきです。厚生労働省は、都道府県化実施後も、一般会計の繰り入れは自治体の判断でできる、生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ないとも答弁しており、自治体の主体的判断に政府が介入できないことも明らかです。板橋区として独自に必要な繰り入れを行って、保険料が引き上らないようにすることを求めますが、いかがでしょうか。
 6月17日から2019年度の保険料の請求書が発送されます。保険料は毎年連続して引き上げられており、2019年度は均等割が引き上げられて、1人当たり前年度比1,200円増、全体で1億2,402万3,000円の負担増が行われました。滞納世帯は2018年5月末現在2万9,011世帯、加入世帯の25.21%に上り、資格証発行世帯は3,488世帯に上っています。滞納を抱えたまま新たな年度の請求書が届き、途方に暮れる人たちがたくさん生まれるのではないでしょうか。相談者の立場に立った親身な相談が必要です。窓口の相談で生活支援にしっかりつながるような制度の情報提供などを充実させることを求めますが、いかがでしょうか。
 また、徴収強化のために行われている預貯金などの差し押さえは、2018年度、672件に上っています。給料や売り上げが入った預金口座を差し押さえられて、あしたからどうやって食べていったらいいのか、どうやって従業員に給料を払ったらいいのかと、窓口で抗議をする区民の姿があります。一方で、あと5万円、あと8万円払わなければ差し押さえは解除できないと迫る職員の姿があります。住民の命を守る区役所の窓口でこんなことがいつまでも続いてよいわけがありません。失業や病気、営業不振などで保険料が払えなくなった加入者に追い打ちをかけるような差し押さえはすべきではありません。保険証がなくて医者が遠のき、手遅れになる事例も医療機関の調査で報告されています。命にかかわる問題に解決の道を開かなければなりません。
 板橋区では、現年分重視で納付相談を行っているということですけれども、足立区では、滞納処分の執行停止に関する判断基準を策定して、過去の滞納への重しを取り除く対策を行っています。国税徴収法の趣旨を生かし、生活困窮の滞納者に寄り添って、生活を著しく窮迫させる恐れがある場合には、滞納処分の執行を停止する措置をとるべきと考えますが、区長の見解を伺います。


 次に、75歳以上の人の医療保険料についてお聞きします。
 
 後期高齢者医療制度は、75歳になると今まで入っていた保険から全て脱退して自動的に加入させられ、保険料は年金から天引きするという制度です。75歳という年齢で線を引いて、医療費の適正化を推進する、高齢者に医療費増大の痛みを実感してもらうといって始まった制度で、高齢者を差別することを医療費抑制の手段にするという許されない制度です。板橋区の加入者は6万690人です。政府は制度開始に当たって、急激な負担増を避けるために、75歳になる前まで国保以外の他の保険の被扶養者だった人は、それまで保険料がかかっていなかったので均等割を5割軽減する措置をとっていました。しかし、その軽減策も2017年4月からは廃止になり、それ以前に軽減の対象だった人の緩和措置は今年で終了します。このことにより、今年1,396人の人の保険料が2万1,600円から4万3,300円へと大幅に引き上がります。後期高齢者医療制度の本則実施によって、高齢者の保険料負担は大変重いものとなってのしかかることになります。
 低所得者に対する軽減策も、今年から来年、再来年にかけて段階的に引き上がり、その影響は2万7,000人近い人たちに広がります。政府は、介護保険料の軽減や低所得者への給付金などが行われるので引き上げ分は穴埋めされると言いますが、本当に全ての人の引き上げ分が穴埋めされるのでしょうか。引き上がらない人が本当に誰もいないのでしょうか。お聞きします。
 年金収入しかない高齢者から保険料を天引きし、被扶養者だった人や低所得者に対する軽減措置もなくなる中で、さらに生活全般にのしかかる消費税の増税です。保険料そのものの引き上げも今後、見通されています。高齢者の生活不安は増すばかりです。長生きすることが罪悪に思えてくるような制度は本当に許されないと考えます。高齢者の生活に対する何らかの生活支援策を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。せめて低所得者に対する保険料の軽減措置を区として継続することを求めます。見解を伺います。また、窓口負担の2割への引き上げは絶対にやめるよう国に意見を述べていただきたいが、いかがでしょうか。


 次に、介護の負担軽減について伺います。

 日本共産党区議団が一昨年行った区民アンケートには1,561人の回答が寄せられました。自由記入欄には、20代から90代まで553人の方々が介護についての切実な声を寄せています。80代の男性からは年金に反比例して保険料はふえ続けています。今が限界です。という声。また、兄が病院から介護施設に移って3か月。月に18万円余かかるので、彼の年金月12万円なので貯金を崩しています。あと何年貯金が持つのか不安です。と60代のアルバイトの男性。40代の会社員の方からは、家族での介護は限界があります。介護のために仕事をやめ、一人の人に負担が周知しがちです。との声。30代の方からは、介護に携わる人たちの賃金をあげてほしい。肉体的にも精神的にも大変なのに、賃金が安すぎると思う。などなど。保険料や利用料の負担の重さや、介護で働く人たちの置かれている苛酷な状況など、どれも痛切な訴えです。
 そこで、区長に伺います。介護保険制度は2000年に家族介護からの解放をうたって始まったにもかかわらず、現実は事業計画が改編されるたびにサービスの削減や負担増につながる見直しが繰り返されてきました。家族介護は限界ですという声が上がり続け、保険料を払っても使えない介護保険という声が上がるのは、必要な人に必要な介護が行き届いていない証拠です。介護の負担は家族へ、家族へとしわ寄せされています。家族介護の実態、老老介護の実態に寄り添って、介護保険外であっても区として必要な介護施策を行うことを求めますが、いかがでしょうか。
 特別養護老人ホームの実質待機者は、2017年10月1日現在1,278名に上っています。2019年度は2か所で開設がされましたが、2020年度以降の計画をお示しください。また、高い介護度でありながら、所得の低い人たちに待機者が多いことは深刻な問題です。家族介護は限界という声が上がるのはこういう実態があるからだと考えます。特別養護老人ホームに低年金でも入れるようにしていただきたいが、いかがでしょうか。
 アンケートの声にもあるように、施設をつくろうとしても、介護に従事する人たちの賃金、労働条件が改善されなければ、計画は進みません。政府は在宅介護を推奨しますが、そこでも事業所に人が集まらない状況があります。介護従事者の賃金、労働条件の大幅な改善が求められます。国に改善を求めると同時に、区としての人材確保の取組みを早急に実施していただきたい。第7期の介護保険事業計画の中で行うこととなっている人材確保・人材育成事業はいつどのように実施するのかお聞かせください。
 政府は消費税増税の緩和策として介護保険料の低所得者対策を打ち出していますが、これにあわせて、区が独自で行ってきた保険料軽減の水準が下回ることがないようにしていただきたい。板橋区では、これまで世帯全員の住民税が非課税で、介護保険料の所得段階が第2段階または第3段階で預貯金が一定額以下の人について、第1段階の保険料に引き下げるという軽減措置が行われてきました。しかし、区は、今回の政府の対策があるからといって、区独自の軽減策について第3段階の人は第2段階までしか引き下げないとしています。これは、板橋区において行われてきた保険料の軽減策の水準を低下させるものであり、問題です。水準を低下させないことを求めます。

 第2に、大学・専門学校の学費について質問します。

 消費税増税を前にして、学費を値上げする大学も生まれています。国立では、東工大は年間9万9,600円の値上げ、東京藝大は20%アップとのことです。ある私立大学では、消費税率の改定は直接的な財政負担を本学に及ぼすことになるとして、安定的な財源確保のために学費を年額6万円引き上げることを決めています。2014年4月の消費税率8%引き上げの際には、日本大学と早稲田大学が大幅値上げを行いました。日大は学部平均で7%以上、同様に早稲田も3%以上の値上げを行いました。大学の授業料は、国立大で年額54万円、私立大では年額平均90万円で、ほかに入学金も含めて入学までにかかる費用は150万から300万というふうにも言われています。
 政府は2020年度から大学・専門学校などの授業料減免、給付型奨学金の拡充を行いますが、対象は住民税非課税の世帯とそれに準ずる世帯の学生となっており、ごく少数の人しか対象になりません。多くの学生の生活の実態はどうなっているでしょうか。2019年2月に発表された大学生協連・第54回学生生活実態調査では、仕送りが減り、奨学金は返済に不安があるので借りるのを控え、専らアルバイトで生活費を生み出している学生の生活実態が浮かび上がっています。そこにこれから消費税増税がのしかかります。
 そこで、区長に伺います。日本国憲法第26条1項は、すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有するとうたっています。少なくとも家庭の所得水準で子どもの学力に格差が生まれたり、経済的な理由で大学進学を諦めたりするようなことがあってはならないと考えます。学生が学費の心配をせずに、学業に専念できるようにすることは、まさに政治の責任だと考えますが、区長の見解を伺います。
 学費や家賃、生活費をアルバイトで補わなければならず、そのために学業に専念できないような大学生の生活実態をどのように考えますか。また、学費の引き下げを国に求めていただきたいが、いかがでしょうか。
 板橋区の子ども若者計画では、義務教育修了後の支援計画が少ないことが指摘されています。大学や専門学校に入る学生への支援策を充実させる必要があります。社会に出て、子育てを始めても奨学金の返済が続いている区民がたくさんいます。区として利子補給などを検討していただきたいが、いかがでしょうか。


 次に、第3に、義務教育の機会を保障することについて質問します。
 初めに、夜間中学の設置の検討についてです。

 2016年12月に公布された教育の機会の確保等に関する法律によって、全ての都道府県及び市町村に対して、夜間中学等の設置を含む就学機会の提供その他の必要な措置を講ずることが義務づけられました。文科省は、2017年3月に基本指針を策定し、全ての都道府県に1つ、さらに各地方公共団体においてニーズを踏まえた取組みが進むよう、夜間中学等の設置に係るニーズの把握や設置に向けた準備の支援、協議会の設置、広報などの推進を求めています。文科省はさらに、2018年8月22日付で、第3期教育振興基本計画等をふまえた夜間中学等の設置・充実に向けた取組みの一層の推進について(依頼)という文書を出し、第3期の教育振興計画策定に当たって夜間中学についての計画を盛り込むよう依頼しています。義務教育を修了できなかった高齢者や日本で暮らす外国人、不登校だった人たちに学ぶ機会を確保することは、現在の社会状況の中で喫緊の課題となっています。全国に広がる自主的な夜間中学の取組みでは、長い間、引きこもりだった青年や、義務教育に一度も通ったことがなく、鉛筆も握ったことがなかった高齢者、公立の夜間中学に通えなくなった外国人の若者、中学を卒業したが、学び直したいと思い通ってくる人など、これまでの学校制度から置き去りにされてきた人たちが学ぶ喜びを獲得している状況が生き生きと伝えられています。
 全国では8都道府県31校、1,700人近くが学んでいます。まだまだ足りないと思います。4月に新たに2校が開校しましたが、そのうちの1つの川口市では、2月末で13か国、15歳から86歳まで79人が入学希望しています。東京23区では、足立、葛飾、墨田、世田谷、大田、荒川、江戸川の7区、都内では八王子を加えて8つの夜間中学が開設をされていますが、板橋区でも身近なところで学び直しの機会をつくることが求められていると考えます。設置に向けた検討を開始すべきです。
 そこで、教育長に伺います。板橋区は、文部科学省の指針についてどのように考えていますか。また、板橋区としての取組みや検討状況はどうなっていますか。見解を伺います。


 次に、日本語学級の充実を求めて質問します。

 区内小学校3校、中学校2校に設置されている日本語学級では、現在小学校で87名、中学校では54名が学んでいます。日本語がわからないために学校生活や学習に困難を抱えている児童・生徒に必要な日本語学習を保障し、日本の生活習慣や文化になれ、学校生活を充実して送れるようにする日本語学級の取組みは一層充実させる必要があります。今年から初期指導が開始されていますが、現在の状況をお聞かせください。また、定員はどのくらいを予定していますか。初期指導が必要だが、参加できない子どもが生まれないよう十分な取組みを要望します。見解を伺います。
 なれない環境の中で新しい言葉を獲得しながら成長していく子どもを励ますためには、たくさんの言葉が必要です。まず母国語で話ができる安心感が必要です。ことば支援員について、教育長は以前に、ニーズのある言語に対応できる人材の確保や日程調整に課題があると答弁をされていますが、その後の進捗状況はどうなっていますか。どのような改善がされ、必要な配置がされているのか伺います。


 第4に、ハラスメント根絶に向けた取組みについて質問します。

 2017年度に都道府県の労働局に寄せられたセクハラの相談件数は約7,000件に上っています。このうち、男女雇用機会均等法に基づく行政救済制度が利用されたのは、紛争解決の援助の申し立てが101件、調停申請が34件とわずかしかありません。男女雇用機会均等法では、勧告に従わない企業に対して企業名の公表制度が設けられていますが、セクハラで企業名が公表された事例は過去に1件もありません。ハラスメント行為が法的に明確に禁止されてないために、裁判でも十分な権利回復が図られていません。ハラスメントは働く人の尊厳、人格を大きく傷つけます。多くの被害者が声を上げることができず、勇気を振り絞って相談しても、事業主から適切な対応がとられず、加害者から謝罪さえ受けられず、心身に不調をきたし、休職、退職に追い込まれたりしています。ハラスメントを防止するためには、ハラスメントを人権侵害と明確に禁止し、独立した救済機関を設置することがどうしても必要です。5月29日、国会で女性活躍推進法などの改定案が可決をされましたが、大変不十分なものです。ハラスメントを人権侵害と捉えて禁止することが中心に据えられておらず、労働生産性の向上のために就業環境を害する言動に起因する問題を解決するという程度の位置づけにとどまっているのです。顧客や取引先など、第三者からのハラスメントも対象とされていません。独立した救済機関の設置もうたわれていません。これでは6月に予定されているILOの総会で採択される予定の条約案にも追いつかないものです。ハラスメントを人権侵害、性差別として捉え、その実態をつかみ、社会全体で根絶していくための行政の取組みがますます重要です。
 そこで、区長に伺います。声を上げられないで苦しんでいる人が安心して相談できる窓口が必要です。板橋区ではハラスメントの相談窓口について、区民に対して及び区職員に対してどのように行われていますか。相談にはどのように対応していますか。ハラスメント根絶に向けた区の考え方をお聞かせください。


 5つ目に、板橋駅前用地(B用地)一体的活用について質問します。

 板橋駅板橋口地区市街地再開発事業は2018年10月11日に都市計画決定がされ、JR東日本と野村不動産の2者の共同で行う個人施行の市街地再開発事業として、2020年着工に向けて計画が進められています。計画は、高さ約130メートル、35階建てのタワーマンションを中心に商業施設や公益施設を入れる計画になっています。板橋区は1,600平米の土地の所有者として、この事業に深くかかわっています。この間、マンションの売り上げの低迷などが報じられる中で事業の進捗が懸念されます。
 そこで、区長にお聞きします。事業認可は2月ごろに行われると聞いていましたが、事業認可の進捗状況はどうなっていますか。権利変換計画はいつごろ示されるんでしょうか。総事業費は幾らになるのでしょうか。公益施設、4階の1,200平米の賃借料は幾らになりますか。お聞かせください。
 公益施設について、この間、出されている区民要求も含め庁内検討会ではどういう検討が行われていますか。建物内に認可保育園を設置する計画はどうなっていますか。お聞かせください。


 6つ目に、マンション紛争について質問します。
 まず、いわゆる紛争予防条例についてです。

 紛争予防条例は、紛争を未然に防止し、周辺の生活環境への影響に十分配慮し、良好な近隣関係を損なわないことを事業主の責務として定めています。手引きでは、事業主に対して単に法律上問題がないというだけではなく、建築主、近隣関係住民双方にとってよりよい計画ができないか慎重に検討することを求めています。そのために条例は、建築主に対して確認申請を行うまでの間に標識を設置し、近隣住民に建築計画のお知らせをし、説明を行うことを求めています。しかし、建築主の計画が既に計画変更には一切応じられない状況での標識設置では、話し合いそのものが成立しません。泉町の217戸のワンルームマンション建設は、周辺道路が狭く、車両制限令で特別に認定を得なければ通行できない工事車両が1,095台も通行して工事が行われました。また、建物の陰が落ちる建設地の北側の住宅地は、都市計画公園用地で、建築制限がかかっている地域であることについて、行政当局も業者もまったく無頓着で計画が進められました。こういう問題は、お知らせ看板が出されて周辺住民が個人的に見ただけでは浮かび上がらない問題です。板橋区は建築主に対して、隣接住民のみに義務づけている現在の説明や話し合いのルールが十分なものと考えますか。一定規模の建築物については、隣接住民だけではなく、近隣の住民に対しても、申し出がなくても説明会を義務づけるべきではないでしょうか。見解を伺います。
 また、工事業者が決まっていない段階だとしても、周辺道路の環境にふさわしい建築計画になっているのかどうかが問題になるため、工事車両が通行することが予想される道路の周辺住民にも説明範囲を広げるべきと考えますが、見解を伺います。
 板橋区では、加賀のまちづくり協議会がまちづくりに影響を与えるような建築物の建設計画に当たっては事前に協議会に説明し、意見をもらう仕組みをつくり上げていますが、この仕組みはとても重要だと思います。大きな工場の跡地の活用などが区内のあちこちで見通される中、地域のまちづくりに影響する行為に対して地域住民が事業者などと協議をできる仕組みをつくることは検討できないでしょうか。見解を伺います。

 次に、緑化推進条例についてです。

 大規模建築物の建設に当たって、区は接道部の植え込み地は、実際に確保した面積(実面積)の1.5倍を緑化面積として算入できるという規定による緑化指導をしています。植え込みを外側にめぐらせば、緑地面積を減らすことができることになっているのですが、なぜなのでしょうか。接道部に緑をめぐらすことで周辺の街並みに緑が見えるようにすることは大事なことだと考えますが、住民や企業がまちの緑化に貢献することは今や社会の趨勢ではないでしょうか。緑地面積を減らして建築面積を確保することを優遇するような措置は必要ないのではないでしょうか。見解を伺います。


 次に、大規模建築物指導要綱についてです。

 大規模建築物指導要綱では、住戸数に応じて来客用・入居者用の駐車場を敷地内に確保することを求めています。しかし、現在、板橋区は、ワンルームマンションでは車の所有者が少ない、保有者が少ないという理由で区長が認める場合として、敷地内に規定の駐車場数を確保しなくても、近隣の駐車場を確保すればいいという緩和が行われています。十分な駐車場の確保がなければ路上駐車や車の乗り降りに近隣道路が使われることなどにつながります。10月からはワンルームの規制条例が施行され、ワンルームは29戸まで、それ以上は家族向けの必置となりますが、その際には要綱どおりの駐車台数を敷地内に確保することを厳守させることを求めますが、いかがでしょうか。
 また、マンションの規模に応じて管理の基準が示されています。100戸以上については、常駐管理が義務づけられています。泉町の217戸のワンルームマンションは3月から入居が始まっていますが、近隣では当初想像できなかったようなことが起きています。深夜11時、12時にわいわいがやがや酔っ払って帰ってくる話し声、タクシーの音、泥酔して嘔吐物がまき散らされるなとの被害、通勤・通学のかばんがわりに小さなキャリーバッグを使う若者がふえているようで、朝に晩にキャリーバッグをがらがら引きずる音が絶えない、周辺での歩きたばこ、ポイ捨てなどの被害です。マンションの管理人に実情を訴えても、管理人は清掃要員で居住者にものは言えないなどと言われています。ごみ出しだけの仕事をする管理人では、本当のマンション管理ができているとは言えません。居住者への注意、指導もできるような管理人を置くことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 また、マンションの入居開始後、周辺道路などでの喫煙がふえていることが問題になっています。子どもたちが通る通学路でもあるため、路上喫煙について一般的なマナー喚起ではなく、少しでも効果の見える対策を行っていただきたいが、いかがでしょうか。


 7つ目に、板橋区役所前駅の公衆喫煙所の設置について伺います。

 2018年7月に健康増進法の一部改正が交付され、東京都においては2018年4月東京都子どもを受動喫煙から守る条例、6月には東京都受動喫煙防止条例が施行され、望まない受動喫煙を防止する取組みが一層強化され、現在、多数の者が利用する公共的空間や職場などでの受動喫煙防止対策が進められています。2019年7月からは、第一種施設に指定された行政機関、学校、病院、児童福祉施設の一部では敷地内の完全禁煙が義務づけられることになりました。


 そこで、板橋区役所周辺での取組みについて伺います。

 5月の連休明けから、板橋区役所前駅A3出口のエレベーター出入り口の横で、公衆喫煙所の設置工事が開始されています。区役所は、敷地内は完全禁煙が義務づけられているにもかかわらず、この土地での設置が可能になったのはなぜでしょうか。お答えください。
 厚生労働省は、喫煙所を設置する際の配慮義務について施設の出入口付近や利用者が多く集まるような場所には設置しないこと。喫煙室を設ける場合には、たばこの煙の排出先について当該喫煙場所の周辺の交通量や周辺の状況を勘案して受動喫煙が生じない場所とすることとしています。東京都では、屋外公衆喫煙所の整備について助成事業を行っていますが、建物の入り口や窓、人の往来が多い区域から可能な限り離して設置する等、周囲の状況に配慮することとしています。今回設置を進めている場所は都営地下鉄の駅の出入り口で、なおかつ高齢者や障がい者、子ども連れの方などが多く利用するエレベーターの出入り口にあります。隣接ビルは、病院、クリニック、薬局、学習塾などが入っています。周辺では透析患者の送迎の車が頻繁に出入りし、銀行などもあり、人の往来の大変多い場所です。区役所周辺には現在、今後の活用を検討している公共用地もあり、ほかにもふさわしい場所があったのではないでしょうか。今回の場所が公衆喫煙所を設置するにふさわしい場所と言えるのでしょうか。見解を伺います。
 今回設置を進めている喫煙所について、区は午前7時から午後8時まで施錠すると聞いていますが、時間外の路上喫煙やポイ捨てが今以上にふえることになることは目に見ているのではないでしょうか。見解と対策を伺います。


 第8に、夏の暑さ対策について質問します。

 昨年は歴史的な猛暑となりました。早目に猛暑に対する対策を立てておくことが必要と考えます。昨年の経験、教訓を踏まえて以下の対策を求めます。荒川区では昨年、猛暑対策として緊急にエアコンのない世帯への設置代の補助を行いました。昨年、200件近い対応が行われ、今年度も制度を改善しながら継続されています。板橋区においても、クーラーのない世帯に対して、申請に基づいて設置費用を助成することを検討していただきたいが、いかがでしょうか。あいキッズでは昨年、猛暑の中、活動に使えるクーラーのきいた場所が限られて、すし詰め状態でした。体育館も蒸し風呂状態で使うことができませんでした。今のうちから、学校内でエアコンが設置されている場所を活動場所として確保していただきたいが、いかがでしょうか。保育園では昨年、クーラーが壊れていて、すぐに使えない保育園もありました。保育園のエアコンを総点検して、きちんと修繕しておいていただきたいが、対応を求めます。
 学校の調理室にクーラーがなく、働く職員の健康への影響も心配されました。学校調理室なども総点検し、未設置校には設置をしていただきたいが、いかがでしょうか。小・中学校の体育館の冷暖房化が少しずつ計画されていますが、土砂災害避難所が開設されてきた志村第四小学校の体育館について計画がありません。他の学校の体育館とは違い、避難所が開設される頻度が高い学校ですので、早急に設置計画をつくっていただきたい。当面、何らかの避難所の暑さ対策を行っていただきたいが、いかがでしょうか。


 最後に、小豆沢体育館の温水プールの更衣室の改善について質問します。

 2019年2月、待望の小豆沢体育館の温水プールがオープンしました。多くの方々に利用いただいて、大変喜ばれていますが、先日、利用者が多い時に更衣室の床が水浸しになるという苦情をいただいて、私も利用してまいりました。更衣室の床が水浸しになるというのは、プールから上がった後、シャワールームから更衣室までの床が水を吸わない同じ材質になっているために、シャワールームで水を浴びて更衣室に入ると、更衣室の床に水がたまってしまい、着がえをするにも足元が水浸しになってしまうという状況であることがわかりました。区の説明では、更衣室は常にモップで掃除して清潔を保つものになっており、更衣室に入るときには体についた水を拭き取ってもらうと言いますが、利用者に対して、プールに入るときにはタオルをプールサイドに持ち込むようにという指示はありません。また、シャワー室と更衣室の間にタオルを置いておくことができるようにもなっていません。更衣室の床は事業者が常に、頻繁にモップをかけて水がたまらないようにする。利用者は更衣室に入る前に水を拭き取って入るという区の言う利用方法はまったく不徹底ですし、現実的でもないように思えます。足元に水がたまり、着がえがしにくいという状況になっている更衣室の状況を早急に改善していただくことを求めますが、いかがでしょうか。
 たくさんの区民の皆さんの要求を受けて誕生した小豆沢体育館の温水プールですので、利用者にとって使いやすく、そして、働く人にとっても働きやすいプールになることを、強く取組みを求めて、私の一般質問を終わります。ご清聴大変ありがとうございました。(拍手する人あり)


<区長、教育長の答弁>

◎区長(坂本健君) 議長、区長。

◎区長(坂本健君) それでは、小林おとみ議員の一般質問にお答えいたします。

 最初は、国民健康保険料に関連いたしまして、多子世帯に対する軽減策についてのご質問であります。
 国民健康保険法には、市町村は、条例又は規約の定めるところにより、特別な理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができるという規定がございます。しかしながら、この規定の趣旨は、個々の世帯の事情等を踏まえて各保険者が判断するものでありまして、一律に軽減を行うものではないとしております。したがいまして、多子世帯であるからといって一律に保険料を下げることは、この特別な理由には当たらないと国は説明をしております。

 次は、保険料を上げないようにすることについてのご質問であります。
 23区では同一の所得、同一の世帯構成であれば同一の保険料となる基準保険料率を策定し、本区でもその保険料率を採用しております。このため平均所得や収納率が低い区は、都へ支払う納付金を賄うため、法定外繰入金が多くなる傾向がありますが、当面はこの保険料率を採用したいと考えています。また、23区基準保険料率の算定では、段階的に法定外繰り入れを削減していく計画でありまして、これに応じた保険料率を設定していく予定でもあります。

 次は、窓口での相談や情報提供の充実についてのご質問であります。
 納付相談に来られる方の中には多様な問題を抱えている方も多く、相談の際にはさまざまな知識が必要であると認識をしております。相談を受ける職員は、OJTや外部研修等を通じて、滞納整理にとどまらず、さまざまな知識を身につけ、情報を整理し、区民に対して適切な相談、情報提供に努めているところであります。今後もこの重要性を認識しながら、より適切で丁寧な窓口対応・相談を心がけていきたいと考えています。

 次は、滞納処分の執行停止についてのご質問であります。
 本区においては、督促、催告のほか、電話、訪問による通知など、再三にわたり納付相談の機会を設け、それでも応じていただけない場合においては、やむを得ず差し押さえを行っているところであります。しかしながら、調査等の結果、財産がない場合や生活困窮など、執行停止に該当することが判明した場合には、速やかに執行停止を行っているところでもあります。

 次は、後期高齢者医療保険料の軽減措置廃止の影響についてのご質問であります。
 介護保険条例の一部を改正する条例が議決されますと、介護保険料が引き下げられ、収入120万円以下の方は介護と後期を加算した保険料の負担は軽減されます。年収168万円以下で120万円を超える方の場合、令和2年度までは負担軽減となりますが、それ以降、保険料改定の額にもよりますけれども、年間2,900円の負担増が見込まれております。

 次は、高齢者への生活支援策についてのご質問であります。
 後期高齢者医療保険料の軽減措置につきましては、東京都後期高齢者医療広域連合の条例で定められているために、区独自で軽減することは困難であると考えています。後期高齢者の窓口負担のあり方につきましては、団塊の世代が後期高齢者入りするまでに検討することが平成30年6月に閣議決定されておりますので、議論の推移を注視したいと考えています。

 次は、家族介護の実態に寄り添う介護施策についてのご質問であります。
 介護を行う家族や高齢者同士が介護を行う世帯においても、介護の課題となっている事柄はさまざまであると考えています。そうした課題に対しまして、例えば地域包括支援センターが介護保険外の介護関連サービスの利用をあっせんするなど、介護における問題解消に努めているところでもあります。今後も高齢者本人や家族の置かれた状況に鑑み、安心した生活が送れるよう介護保険内外のサービスを含め、高齢者の支援に当たっていきたいと考えています。

 次は、特別養護老人ホーム、2020年度以降の計画についてのご質問であります。
 現在の介護保険事業計画2020において整備を予定しております特別養護老人ホームは、本年開設の2か所でありまして、その後の整備計画は次期介護保険事業計画でお示しする予定であります。次期計画につきましては、今後の高齢者人口の推計や要介護認定者数の推移、区内の待機者数の状況、介護保険ニーズ調査の結果等を勘案しながら検討を進めていきたいと考えています。

 次は、低年金でも入れる手だてについてのご質問であります。
 低所得の方が特別養護老人ホーム等の介護保険施設を利用されている場合、申請により食費、居住費の負担が軽減される負担限度額認定の制度があります。さらに生計が困難な方に対しましては、一定の条件はありますが、介護サービス利用者負担及び食費、居住費に係る負担を軽減する制度もございます。板橋区としましては、今後もこれらの制度の周知に努めていきたいと考えています。

 次は、介護従事者の確保についてのご質問であります。
 特別区長会を通じ、国に対し、キャリア形成に応じた報酬を担保するなど、人材の確保・定着及び育成のための継続的な施策を実施することを要望しております。区内における介護従事者の確保・育成の取組みにつきましては、平成30年度から総合事業に従事する人材の確保策として、生活援助訪問サービス従事者確保支援事業を実施しております。今後、他区の取組み事例を参考にしながら、研修受講料の助成などの方策について検討を進めているところであります。

 次は、板橋区の軽減措置の見直しについてのご質問であります。
 政令の改正により、消費税引き上げに伴う低所得者の保険料軽減が強化され、第1段階から第3段階までの方の保険料が軽減されます。この軽減措置は令和2年度に完全実施となります。軽減措置が完全実施された保険料で計算した場合、区独自の生計困難者軽減制度で第3段階を第1段階まで軽減すると軽減幅が大きくなり過ぎまして、第2段階と不均衡が生じてまいります。このため事務処理要綱を見直し、第3段階を第2段階の保険料に減額する旨、規定を定めましたが、経過措置を設け、実際にお支払いいただく金額は見直し前と同額となっているところであります。

 次は、大学・専門学校の確保に関連いたしまして、教育を受ける権利についてのご質問であります。
 国においては、大学等における就学の支援に関する法律が5月に可決され、来年4月から施行されます。真に支援が必要な低所得者世帯に対して、大学や専門学校等における就学に係る経済的負担を軽減するものでありまして、評価をするものであります。経済的理由で進学を諦めることがないよう、また区が進めるSDGsの目標の1つである質の高い教育をみんなにという目標にも大きく寄与するものだと考えています。

 次は、大学生の生活実態についてのご質問であります。
 平成30年3月発表の独立行政法人日本学生支援機構の学生生活調査結果によりますと、アルバイトをしている学生の割合は増加をしているという報告であります。一方で、家庭からの仕送りのみで就学可能とする学生の割合も増加をしている結果を踏まえますと、必ずしも学生生活が苦しくなっているとは言えないと考えております。

 次は、学費の引き下げを国に求めることについてのご質問であります。
 国立大学等の学費は、国が経済情勢等を総合的に勘案して標準額を定め、各国立大学がそれぞれ金額を設定しているものであります。また、私立大学は各大学の経営方針等によって決定されているものでありますので、区として国に引き下げを求めることは現在考えていないところであります。

 次は、高等教育を受ける学生への支援についてのご質問であります。
 大学の授業料や支度金などを学生本人に貸与するものとして、日本学生支援機構などによる奨学金制度がありまして、有利子と無利子のものがございます。奨学金の返還が困難な事情が発生した場合においては、返済期限の猶予や、また減額返還の制度があるため、区として奨学金への利子補給を行う考えはないところであります。今後も国や東京都の動きを注視しながら、学生への支援策について研究をしていくとともに、若い世代に選ばれ、魅力あるまちの実現に向けて取り組んできたいと考えています。

 次は、ハラスメント根絶に向けた取組みに関連いたしまして、区民への対応についてのご質問であります。
 男女平等推進センター相談室においては、ハラスメントに関する相談をお受けしています。男女社会参画課が発行する情報紙においても、しばしばハラスメントの内容を取り上げ、根絶に向けた啓発も行っております。引き続き相談室について周知を図るとともに、相談者に寄り添い、積極的に取り組んでいく考えであります。

 次は、区職員への対応についてのご質問であります。
 ハラスメントに関する窓口を人事課に設置し、ハラスメントの捉え方や具体的事例の相談などを受け付けているところであります。相談窓口では、被害を受けている区民の心情に寄り添いながら、実情を把握し、申出者の匿名性に配慮した上で、必要に応じて改善措置や服務監察につなげているところであります。全ての職員がハラスメントを行わない、許さないという共通認識を持つことが重要であると考えておりまして、そのために研修等の機会を有効に活用したいと考えています。

 次は、板橋駅前用地B用地の一体的開発、一体的活用に関連いたしまして、事業の進捗状況についてのご質問であります。
 工事工程等の見直しや東京都との調整のため遅れは生じておりますが、7月ごろの市街地再開発事業施行認可に向けて、事業者でありますJR東日本と野村不動産が準備を進めているところであります。権利変換計画においては、現在、事業者が詳細な事業費の積算を行っているところでありまして、来年早々の権利変換計画認可を含め、認可を目指しているところであります。

 次は、総事業費及び賃借料についてのご質問であります。
 提出を予定している施行認可申請資料によりますと、総事業費は約240億円となる見込みであります。公益エリアを展開していくフロアとしてJR東日本から借りる商業床の賃借料につきましては、現在協議を進めている最中であります。

 次は、公益施設の検討状況についてのご質問であります。
 公益エリアでの事業内容につきましては、関係課による検討会を開催し、事業者募集で提案のございました内容をもとに、具体化に向けて検討を進めております。また、保育所につきましては、大規模建築物等指導要綱に基づきまして認可保育所を整備する方向で調整を進めております。

 次は、マンション紛争に関連いたしまして、近隣住民への説明についてのご質問であります。
 条例では、建築に伴う日照等の阻害や建築工事による騒音・振動等による争いを紛争と位置づけ、その予防と調整に関し、必要な事項として近隣住民への説明や話し合いのルールについても定めております。隣接住民に比べまして、近隣住民は、建築計画や工事による影響が限定的になることから、建築主等に対しまして近隣住民から申し出があった場合にのみ説明する義務を課しております。区は今後も建築主等に対しまして、近隣住民に対する説明において丁寧な対応を心がけるように指導してまいりたいと考えています。

 次は、工事車両が通行する周辺住民への説明についてのご質問であります。
 建設現場によって工事規模や周辺の道路環境はさまざまでありまして、工事車両の通行そのものによる影響もさまざまであります。そのため、工事車両の通行が予測される周辺住民への説明につきましては、条例で一律に定めるのではなく、関係住民からの相談に応じて建築主等に指導するなど、個別に対応していきたいと考えています。

 次は、まちづくりの仕組みづくりについてのご質問であります。
 よりよいまちづくりを推進していくためには、地域住民が主体となってまちの将来像を示す地区計画やまちづくりプランを定める必要があると考えています。本年度から都市づくりの推進に関する方策の検討を行うとともに、今後とも地域住民が継続的にまちづくりを推進していく取組みが行える仕組みづくりを考えていく考えであります。

 次は、緑化推進条例についてのご質問です。
 区では緑の質の向上を図る観点から、敷地の外側に植栽を配置する接道部緑化を推奨し、その誘導策の1つとして、緑化指導制度の中に割り増し基準を設けております。この仕組みは、緑化による景観形成の促進や、ブロック塀の生け垣化などにより災害に強いまちづくりにも寄与すると考えています。なお、区の緑化条例は、例敷地の条件や建築計画の内容によって一定規模の緑化を業者に義務づけているものでありまして、建築面積を優遇するものではないと考えています。

 次は、大規模建築物指導要綱に関連いたしまして、駐車場の確保についてのご質問であります。
 ワンルーム住戸等の立地は鉄道駅の近傍の場合が多く、自動車保有率が少ない実態もございます。また、一般的にマンション建設において、付置されました駐車場の利用が減少の傾向もございます。要綱の趣旨を踏まえ路上駐車の禁止の徹底が図られるのであれば、駐車場にかえて、より広い緑地等を設けた良好なマンション建設が可能となることから、各地で駐車場を確保する規定は適切なものと考えています。

 次は、管理人の駐在についてのご質問です。
 小規模住戸が集合する建築物の建築及び管理に関する条例、いわゆるワンルームマンション条例においては、既に管理責任者の設置を定めておりまして、適正な管理の実施を求めているところであります。さらに管理責任者氏名、連絡先を記載した表示板を外部から見やすい位置に設置をすることを定めるなど、その運用を規定しているところであります。

 次は、路上での喫煙についてのご質問です。
 改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例においては、路上喫煙についての規定はございませんが、喫煙禁止場所以外で喫煙する際には、受動喫煙を生じさせないよう周辺に配慮する義務がございます。また、東京都子どもを受動喫煙から守る条例においては、いかなる場所においても子どもに受動喫煙をさせないように努めることが都民の責務として定められております。現行のエコポリス板橋クリーン条例においても路上禁煙地区以外での喫煙に対する規制はございませんが、今後、受動喫煙防止の観点から迷惑な路上喫煙への指導強化について検討していきたいと考えています。

 次は、板橋区役所前駅の公衆喫煙所設置に関連いたしまして、区役所の敷地内禁煙についてのご質問であります。
 行政機関の庁舎である区役所本庁舎は、改正健康増進法等によりまして第一種施設に分類され、本年7月1日以降、屋内はもとより敷地内も完全禁煙となります。一方、今回設置を予定しております公衆喫煙所の用地は、建築基準法に基づき本庁舎と敷地を分割し、適法に建築確認を取得したものであります。分割後の敷地は、建築基準法上、第一種施設である本庁舎の敷地には含まれないために、公衆喫煙所の設置が可能となったものであります。

 次は、公衆喫煙所の設置場所についてのご質問であります。
 設置場所につきましては、板橋区受動喫煙防止対策検討会において、東京信用金庫脇の区有地、旧保健所、駅の宝くじ売り場の横、駐輪場など、さまざまな角度から検討した末にようやく決定をしたものであります。また、周辺施設等への受動喫煙を防止する観点から、区ではパーティション型の喫煙所ではなく、粉じんを除去する空気清浄機を備えた密閉式のコンテナ型を採用したものであります。

 次は、時間外の路上喫煙とポイ捨てについてのご質問であります。
 公衆喫煙所の開設時間外において路上喫煙やポイ捨てがふえることにつきましては、区としても懸念しておりまして、その対策の必要性も十分に認識をしております。そのため、公衆喫煙所使用に当たりましてのルールの設定はもとより、ルール等を告知する掲示、利用実態の把握、清掃や巡回指導の強化など、とり得る限りの措置を講じてまいりたいと考えています。

 次は、猛暑対策についてのご質問であります。
 区は、猛暑対策として、ホームページや広報いたばしにおいて熱中症の注意喚起や予防対策を呼びかけするとともに、区施設を一時休憩所や猛暑休憩所として開設をしております。また、民生児童委員が熱中症予防対策のチラシを高齢者宅へ訪問、配布をし、生活上での注意喚起を行っているところであります。エアコンの設置代の補助につきましては、今後の社会状況等により慎重に判断をしていきたいと考えています。

 次は、保育園の冷房についてのご質問であります。
 区立保育園の冷暖房設備につきましては、使用前を含め定期的に保守点検を行い、不具合がある場合においては、修繕または機器の取りかえを行っております。夏の時期を控え、定期保守点検及び職員による冷房機器の確認などによりまして、機器状況を把握し、適切な保育環境となるように修繕等、きめ細やかな対応を図っていきたいと考えています。

 次は、避難所としての暑さ対策についてのご質問であります。
 区では、大規模な災害が発生、または土砂災害などの危険性が高まった場合において、各小・中学校の体育館や教室等を避難所として開設をすることとしております。さきの猛暑時における避難所開設の際には、志村第四小学校も含め冷房設備が完備している特別教室などの避難エリアを優先的に活用しながら、避難者の健康に配慮した対応を行っていきたいと考えています。

 最後のご質問であります。小豆沢体育館温水プールの更衣室の改善についてのご質問であります。
 更衣室につきましては、プール利用後、体の水分を十分に拭き取り、着がえに戻ることを想定し設計されておりまして、床面につきましても衛生面等に配慮した撥水性の高い素材を使用しております。しかしながら、ぬれたままの状態で更衣室に戻る利用者が多く、このことが床の水漏れ、水ぬれの原因の1つとなっていると認識をしております。今後、利用者に対する案内の徹底に加え、更衣室以外に一時的にタオルを置くロッカーの増設など、適切な利用環境に向けて対応策を検討してまいりたいと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。

◎教育長(中川修一君) それでは、小林おとみ議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。

 初めに、夜間中学の設置の検討に関しまして、文部科学省指針への区の考えについてのご質問ですが、指針は教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するため定められたものであり、この中で夜間中学等の設置促進が求められております。指針を踏まえ、区としても夜間中学は教育機会の確保を総合的に進めるための選択肢の1つとして認識しているところです。

 次に、板橋区の取組み、検討状況についてのご質問ですが、夜間中学は23区内で7校に設置されていますが、本区の窓口等への問い合わせについては、年数件にとどまっている現状です。区民からの夜間中学に関する問い合わせに対しましては、連絡先等を案内しており、また板橋区の教育広報などでも周知をしているところです。今後も夜間中学に関する相談などを通じて潜在的なニーズや実態の把握に努めていきたいと思います。

 次に、日本語学級の充実に関しまして、現在の状況と予定定員についてのご質問ですが、区では、外国籍の児童・生徒の増加に対応し、本年度から日本語学級を小・中学校において1学級ずつふやし、あわせて10学級としたところです。また、日本語の話せない児童・生徒には学校生活に必要な最低限の日本語を習得してもらう必要があり、そのための日本語初期指導を本年度から開始する予定です。定員につきましては、小学校児童を対象に、夏休みと春休みに各9日間、それぞれ20人で実施してまいります。

 次に、ことば支援員についてのご質問ですが、ことば支援員は、日本語が理解できない児童・生徒に対し日本語習得のための初期支援、学習の理解促進を目的として、通訳ボランティアとして活動いただいております。課題となっている人材確保につきましては、教育委員会への登録とともに、文化・国際交流財団を通して通訳ボランティア、大学を通して留学生への声かけをお願いしているところです。引き続き区のホームページや広報も活用しながら広く募集を継続してまいります。

 次に、夏の暑さ対策に関しまして、あいキッズの夏の活動場所の確保についてのご質問ですが、あいキッズの活動場所につきましては、専用室を学校内外に確保しているほか、学校と協議し、特別教室や体育館、校庭等を開放していただき、可能な限りの広さを確保しているところです。夏場の活動においては、近年、猛暑日が続くことが多く、屋外での活動が困難なため、学校の協力を得て、図書室など、冷房が備えられたスペースの確保を図っております。今後もあいキッズを利用する子どもたちがより快適に過ごせるよう活動場所の確保に努めてまいります。

 次に、学校給食調理室の冷暖房についてのご質問ですが、給食調理室の冷暖房機につきましては、これまで改築及び大規模改修の際や近隣からの苦情対応などにより設置を進めてきたところです。既に冷暖房機の設置されている学校につきましては、本格稼働を控え保守点検及び職員による確認を行い、不具合がある場合には修繕等の対応を行っているところです。また、冷暖房機の未設置校につきましては、給食調理員の労働環境の改善という観点からも重要な課題であると認識しており、昨年度より設置に向けた検討を進めております。

 最後に、志村第四小学校の暑さ対策に関しまして、小・中学校体育館への冷暖房機の設置計画についてのご質問ですが、小・中学校体育館への冷暖房機の設置計画につきましては、志村第四小学校を含め現在のところ未定でございます。現在、区立中学校5校において冷暖房機の設置準備を進めており、設置後、効果検証を行い、その結果とともに、財政状況等も勘案しつつ今後の方針を定めていく計画でございます。
 いただきました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。