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山内えり議員、いわい桐子議員、かなざき文子議員の一般質問
2019年11月28日:令和元年第4回定例会

➡︎山内えり議員の質問   ➡︎いわい桐子議員の質問  ➡︎かなざき文子議員の質問  

山内えり議員 ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、一般質問を行います。


 はじめに、大山駅周辺のまちづくりについてです。
 東武東上線大山駅付近の高架化と側道整備、駅前広場計画は、昨年2月の素案説明会で突然発表されました。地下化の検討や、要望をしてきた地域の方、まちづくりの会、商店街の方々から、なぜ大山だけ高架化なのか、これまで取り組んできた学習会や視察は何だったのか、役所は住民を何だと思っているのかと、怒りや失望に近い意見が相次いでいます。その後も関連する説明会は開催されましたが、単なる説明であり、意見や要望が計画に反映されることはありませんでした。住民、区民の心配や意見を受けとめるものにはなっていません。
 今期20本もの切実な陳情が出され、質疑のたびに区は、事業主体は東京都であり、事業的、計画的、地形的条件をもとに高架化とした都の決定を尊重するという立場を繰り返し答弁してきました。また、地域住民、商店街から、地下化の検討や要望があったにもかかわらず、区としては東京都に要望してこなかったこともわかりました。
 平成25年6月17日に開催された区の第1回(仮称)大山まちづくり総合計画策定検討会の議事概要を見ると、連続立体化は高架化を原則としており、地下化ということであれば費用負担を区に求められる可能性があるため、高架が基本と考えていると記されています。
 そこで伺います。区は、最初から高架化以外考えていなかったのではないですか。平成25年6月の時点で高架化を原則としていたなら、これまでの高架や地下の検討や説明会はパフォーマンスであり、ガス抜きだったのではないですか。
 区は、東上線区内全線立体化は悲願であり、まずは、東京都が進める大山駅付近の連続立体交差事業を早期に着手するとしています。しかし、現状では、ときわ台から上板橋区間以外は予定もありません。50年、100年先のまちをどうしていくかと捉えたときに、大山駅付近のみの立体化だけで本当にいいのでしょうか。区として、区内全線の連続立体化を本気で見通しているのか、お答えください。全区間の立体化を見通した検討が必要です。
 先日、区議団で相模鉄道本線鶴ケ峰駅付近で地下化を決定した横浜市を視察してきました。横浜市は、3条件に加え、地域要望、まちづくりという評価項目を入れて検討、また、他区間の実績から、高架化18年、都の京王線を参考に地下化11年とし、用地買収に時間を要する高架化より地下化を選択しました。さらに、都市計画素案説明会の前に地元住民向けの事業説明会を2回行い、地下化で検討していることの説明や、参加者の意見、要望を聞いていました。一方、区、東京都は、素案説明会前に住民の声を聞くという手続も姿勢もありませんでした。区は、都市計画法に基づき、粛々と計画を進める東京都とともに、ご理解くださいという立場を貫き、都の姿勢を無条件に受け入れています。住民の命や暮らしを守る立場である自治体としての姿勢が問われます。
 この間の質疑で、東上線立体化に伴う側道で影響する地権者は270名とされていますが、早期事業化を理由に高架化とした根拠も不明です。高架化10年、地下化12年としている事業期間の根拠を明らかにすべきです。区の見解を求めます。
 高架化について、住民、商店街への影響はどのように考えているのでしょうか。側道で影響する住民から繰り返し説明会の開催を求められてきたのに、いまだに説明が行われていません。昨年7月、8月のオープンハウス型説明会では模型の展示がありましたが、これをもって周知したとは言えません。工期が延びた場合の商店街、地域への影響も深刻です。改めて、高架、地下の両方で検討を行うよう、東京都に求めるべきです。
 駅前広場については、約5年間まちづくりを考える会にかかわってきた方の意見も要望も反映されることなく、突然素案説明会で現在の位置、計画が示されました。区は、なぜ現在の場所に決めたのか、いまだに検討過程も代替地も補償額も示さずに、更地にしてよこせという対応は変わっていません。事業主体の自治体として無責任です。駅前広場に該当する地権者約80名に対し、立ち退きや営業への影響などは、区としてどのように検証してきたのですか。
 この間の質疑でも強制収用の可能性について区は否定していませんが、強制収用をすべきではありません。また、区は今年度中にとしていた都市計画決定を今年中に行うとしていますが、長年住みなれた場所を離れなければならないのに納得できる説明がない、この場所で商売を続けたいなど、切実な住民の声に耳を傾けていただきたい。もう一度駅前広場の位置について、大山のまちづくりという視点を持ち、商店街、地域住民の意見を反映させて検討をし直すべきです。区の見解を求めます。

 次に、公共施設の再編方針について質問します。
 まず、本庁舎周辺についてです。
 区は、ことし6月、本庁舎周辺公共施設の再編方針案を示しました。板橋区基本計画2025で示された公共施設等の整備に関する基本方針の柱として、施設総量抑制、耐用年数の延伸、財産の有効活用を軸に検討していくとしています。旧保健所は、6月に示された整備手法に加え、民間事業者が設計・建設した建物を区が買い取るBTO方式など、新たな手法を含め、検討するとしています。北側公有地は土地を貸し付け、地代収入を確保、情報処理センターは、貸し付けをして財政支出の負担軽減を図るとしています。この間、区民からも、議会からも、旧保健所の跡地活用について、民間事業者の活用よりも、区民要求を聞き、行政機能を充実させるために活用すべきという声が上がり続けています。しかし、区は、庁舎整備の問題であり、区が主導で考える、パブリックコメントの予定もないとし、区民の声を計画に反映する姿勢がありません。
 9月の企画総務委員会には、旧保健所に配置する行政機能が示され、当初の配置案に障がい者就労支援センター、障がい者福祉センター、板橋福祉事務所が新たに盛り込まれましたが、必要な行政機能、必要量などは示されていません。区として必要な機能と行政スペースはどれだけと考えているのか、明らかにすべきです。区の見解を求めます。
 本庁舎北側の公有地については、東京信用金庫と覚書を交わして土地交換合意書を作成しました。公共スペースの必要量、機能が示されていないのに、あくまで旧保健所、情報処理センター、北側公有地の3か所を一体的に考えるとし、北側公有地は丸ごと民間提供の計画となっています。区として公共スペースの不足はないと考えているのですか。なぜ明らかにする前に不足はないと言えるのですか。理由もあわせてお答えください。
 次に、大山駅前東地区周辺について伺います。
 9月の企画総務委員会には、グリーンホールにある板橋福祉事務所、男女平等センターは、旧保健所へ移動する検討が報告されています。残るグリーンホールの会議室はどうなるかなど、板橋第一中学校、文化会館の検討についての進捗状況を伺います。
 区は、令和3年に結論を出すとしていますが、庁内で勝手に決めないでください。検討状況を公開し、議会への報告、区民の声を聞くべきです。見解を求めます。

 次に、災害対策について質問します。
 記録的豪雨で甚大な被害を生んだ台風19号の上陸から1か月あまりがたちました。床上5件、床下7件の浸水被害や倒木、荒川河川敷の冠水により利用できなくなった荒川戸田橋野球場など、区内での被害が明らかになりました。
 加賀にお住まいの方から、これまで金沢小学校が避難所だったのに、今回はなぜ板橋第四小学校に変更になったのか、仲宿にお住まいの方からは、石神井川の氾濫が心配で避難を考えたが、最も近い避難所が板四小では、0歳児と6歳児を連れてあの雨の中を避難するほうが危険だと思い、避難できなかったなど、避難所は22か所開設されましたが、開設場所の決定、なぜ全校でなかったのかなど、避難所運営に関することでもさまざまな課題が浮き彫りになりました。
 高齢者や障がい者等要配慮者が風雨の激しくなる前に避難できる対策、災害情報の伝達、周知など、区として本気で区民の命を守り抜く立場に立っていたかが問われます。今回の台風を踏まえ、自治体として風水害における対策を精査していく必要があると考えます。区長は台風19号から何を教訓としましたか。お答えください。
 今回の台風では、1,529名の方が避難所に避難されましたが、ことし8月に作成された区の避難所運営マニュアルは、風水害に十分対応できていないことが決算総括質問でわかりました。内閣府は、2016年4月に避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を改定し、これに基づく避難所運営ガイドラインを作成しています。その中で、避難所運営の前提として、避難者の健康が維持されることを目標に、質の向上を目指すものとしており、発災直後の初動期、応急期、復旧期など、時系列に避難所環境の改善を目指さなければ避難者の健康を維持することはかなわないとしています。
 台風19号で被害を受けた各地では、被災者が身を寄せる避難所で女性のプライバシー確保も課題となりました。千曲川の堤防が決壊した長野市穂保地区の屋内運動場では、テントが2つ張られ、授乳や着がえのための女性専用スペースが、また、長野県上田市の指定避難場所では、囲い型パーテーションが設置されました。災害時は、ただでさえ恐怖心や不安の中、大きなストレスを抱えて避難所での生活を余儀なくされます。段階的かつ確実に質の向上を目指すことは、避難所運営のための支援・調整を行う市区町村の責務と考えます。避難所のプライバシー確保、テントの配備について、区として検討すべきです。区の見解を求めます。
 また、国の指針によると、市町村は、避難の長期化等、必要に応じて暑さ・寒さ対策の必要性、食料の確保、配食等の状況など、指定避難所における生活環境が常に良好であるよう努めるものとしています。
 私は、当日の午後2時ごろ、板四小と板七小を回りました。両体育館とも避難者は10名以下でしたが、体育館は蒸し暑く湿度も高い状況でした。真夏、真冬の災害時を考えたら、とても良好な環境とは言えません。区内中学校5校の体育館において、ことし6月に冷暖房設置、7月から稼働しており、夏の暑さの検証では、気温が5度下がり、暑さ指数WBGTもワンランク下がったとの検証結果が出ています。冬場の検証はこれから行うとしていますが、自治体として避難所運営をどうするかという姿勢が問われます。災害時に避難所となる区内全小・中学校体育館に冷暖房設置を求めます。また、全校設置までの期間は、少なくとも全校に冷風扇を設置するなど、区として何らかの対策を行うべきと考えますが、いかがですか。

 次に、教育についてです。
 まず、教職員の働き方について質問します。
 ことし4月から、区内全小・中学校において、フェリカカードによる在校時間管理システムが導入されました。4月から7月分の集計結果を見ると、新年度開始の時期や、運動会などの行事時期、成績処理に追われる学期末においては、週当たり60時間を超える教職員が小・中学校ともに30%を超えていました。さらに深刻なのは、中学校で週当たり在校時間が60時間を下回る教員は1人もいなかったことです。
 ある小学校教員は、一瞬目を離したすきにけんかが始まることもしばしばあり、双方に状況を聞いている間に5分休みが終わってしまう、朝から給食の時間までトイレに行くことさえできない、ふっと息つく時間さえないと言います。気になる生徒の話をじっくり聞きたいという思いを抱えつつも、異常な長時間労働によって、子どもと向き合うどころか、いつ自分の身体が壊れるかと思い悩む教職員の声があふれています。教員多忙の決定的な要因は、1日に受け持つ授業数の増加にあります。現在、多くの教員が1日5コマ、6コマの授業をこなしています。1日6コマの授業をし、法律どおりの休憩時間をとれば、授業準備や成績つけ、打ち合わせや必要な書類作成などの公務ができるのは25分しかありません。これでは長時間の残業は必至です。
 そこで教育長に伺います。教職員の働き方に対する区の認識をお答えください。あわせて、在校時間管理システムの集計結果の公開を求めますが、いかがでしょうか。
 公立教員への残業代支給は法律で禁じられ、実際には1円も支給されていませんが、日本の教員の労働時間は、年9,000億円の残業代に匹敵する長さです。過労死や病気で倒れる先生が後を絶たず、最近では教員の志望者も減っています。
 そうした中、公立学校の教員に1年単位の変形労働時間制を適用できるようにする教員給与特別措置法改正案が参議院本会議で審議入りしました。1年単位の変形労働時間制は、労働基準法では、繁忙期に1日10時間労働まで可能とし、閑散期とあわせて平均で1日当たり8時間におさめる制度で、現在は民間のみ適用可能とされています。政府は、変形労働時間制を導入すれば、学期中の所定労働時間を延ばして繁忙期とするかわりに、閑散期の夏休み中に休日をまとめどりできるようになると言います。しかし、現場の教職員から、子どもの夏休み中は、授業はないものの、プール指導や補習、家庭訪問、部活動、研修などでびっしり。休日の振りかえは今でもとりにくい。夏休みは閑散期ではないと、変形労働時間制導入への怒りの声が広がっています。
 区は、教員の変形労働時間制の導入により、教員の働き方の改善につながると考えていますか。区の見解を求めます。
 人間の心身は、繁忙期の疲労を閑散期で回復できるようにはなっていません。1年単位の変形労働時間制は、人間の生理に合った1日8時間労働の原則を破ることになり、日々の労働時間削減が課題なのに、この制度で問題が解決するわけではありません。2016年の国の勤務実態調査によると、中学校教員の約6割、小学校教員の約3割が、残業時間が過労死ラインの目安とされている月80時間を超えていました。教職員の異常な忙しさは、子どもの教育に深刻な影響を与えかねません。子どもたちがいじめやさまざまなことで困っていても、かかわる時間も精神的ゆとりもありません。しかし、長時間労働によって、そうならざるを得ない状況が広がっているのが今の局面です。是正のためには、教職員の定員増、学校に蓄積した不要不急の業務の中止・削減、働くルールの確立、深刻な非常勤職員の働き方是正が必要です。  抜本的に教員をふやすべきと考えます。区として教職員の定数増を東京都に求めるべきです。区の見解を求めます。

 次に、特別支援教育について質問します。
 特別支援教育は、学習に困難があったり、行動の自己コントロールが難しいなど、発達や情緒的な面で学校生活に適応することが難しい児童・生徒に対し、個別の指導や支援を行うものです。区は、2018年度より、小学校では巡回指導が全校実施され、6校だった拠点校は13校にふえました。中学校は2021年度に全校実施と聞いています。この間も視察などを行い、教育環境の課題について改善を求めてきました。小学校においても、現在も11校で専用室の確保ができていません。
 そこで教育長に伺います。全ての小学校に専用室確保の見通しがないとしていますが、その理由をお答えください。
 在籍している学校によって、教育環境に差が生じることは改善すべきであり、今いる子どもの環境改善が必要です。また、専用室がないために、指導で使う物品の搬入、搬出、職員室に巡回指導教員専用の机や椅子がない、教員が落ち着いて仕事をするスペースが確保されていないなど、さまざまな課題があると考えます。区としてこうした状況でいいと考えているのですか。区の認識をお示しください。
 小学校では、ことし4月、531人だった児童は、10月末で572人へ、中学校では、115人だった生徒が125人へと増加しています。東京都の配置基準では、4月当初の児童10人に対して教員1人とされ、小学校で教員54人、中学校で12人が配置されていると聞きますが、児童数増加に対応できているのでしょうか。児童10人に対し、教員1人が保障されていない学校があると考えます。区の見解を伺います。
 支援を必要とする児童は6%いると聞いています。板橋区の児童・生徒が約3万2,000人いることから考えると、今後もさらに特別支援教室を希望する児童の増加が見込まれると考えます。東京都に対し、年度途中の教員確保を求めるべきです。見解を求めます。

 最後に、東板橋体育館の改修について質問します。
 加賀1丁目にある東板橋体育館は、建設後31年が経過し、施設の維持管理が必要とされ、2017年12月に東板橋体育館改修基本計画が示されました。区は、来年3月からの改修工事に伴い、休館中は、小豆沢体育館や上板橋体育館などへの利用を案内していると言います。また、廃校になった小学校などでの代替的活用についても検討していると言いますが、あくまで来年4月からとしています。しかし、改修工事による休館の告知は、11月20日ごろまでは、令和2年2月3日から令和3年7月ごろを利用休止期間とすると、1階エレベーター前にA3サイズの掲示1枚でのチラシだけで、休館のお知らせ配布も職員からの声かけもなく、9月ごろに知って驚いた方から相談が寄せられました。
 私は、2017年の第4回定例会の一般質問でも、体育館利用者、周辺住民への周知、説明会の開催などを求めてきましたが、利用者向けの説明会は行われていません。なぜ利用者向けの説明会を実施しなかったのですか。理由を伺います。
 休館となることを知った地域住民や利用者から、改修によって施設はどうなるの、会議室が減ってしまうのは困る、利用者の声を聞いてほしいなど、さまざまな意見や要望が出ています。工事内容の詳細もわからず、利用者にとって、何がどのように改良されるのか、利用者、地域住民のニーズが反映された計画となっているか不明です。年内に利用者向けの説明会を実施すべきと考えますが、いかがですか。
 また、利用者からは、2月から使用できる代替施設を近隣で検討してほしい、毎日リハビリでトレーニングをしている、年金暮らしなので歩いて行ける範囲で確保してほしい、運動できなくなれば体力もあっという間に落ちてしまうなど、切実な声が寄せられています。1年半もの間、日常生活の一部であった運動の機会、地域コミュニティの場が奪われるということは、区民の健康増進、施設の設置目的からしても問題です。休館となる間の体育施設及び会議室の代替施設を検討すべきです。見解を求めます。  区民の健康増進、コミュニティの場を維持することを強く求めて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)

◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

◎区長(坂本健君) 皆様、おはようございます。早速、山内えり議員の一般質問にお答えいたします。

 最初は、大山駅周辺のまちづくりに関連いたしまして、鉄道の構造形式に関する過去の区の考え方についてのご質問であります。
 東京都は、大山駅付近を平成26年9月に連続立体交差事業の事業候補区間に位置づけまして、事業範囲や構造形式等の調査、検討に着手をいたしました。鉄道の構造形式につきましては、東京都がほかの連続立体交差事業と同様に、総合的に検討し、平成30年2月の都市計画素案説明会において、高架式を最適案として示されました。区としましては、踏切による交通渋滞や踏切事故等を解消するために、構造形式にかかわらず、連続立体交差事業の早期実現を望んでいるところであります。

 次は、東上線の区内全線の立体化の見通しについてのご質問であります。
 区では、昨年度から2か年をかけまして、交通政策全般に関する方向性を定めた、板橋区交通政策基本計画の策定作業を進めております。この中において、区としての東上線立体化の基本的な考え方についてまとめていく考えであります。区としましては、引き続き立体化の実現に向けまして、関係機関等と連携を図りながら、調査、検討を進めていきたいと考えています。

 次は、連続立体交差事業の事業期間についてのご質問であります。
 大山駅付近の連続立体交差事業の事業期間について、東京都からは、構造形式を比較検討する中において、過去に実施した他の事業を参考に算出していると聞いております。区としましては、これまで数多くの連続立体交差事業を実施してきた東京都の検討結果を尊重しているところであります。

 次は、立ち退きや営業への影響についてのご質問であります。
 駅前広場の位置については、平成29年3月に策定いたしました大山駅の駅前広場構想等を前提に、各基準に基づきまして、総合的に検討し、最適な案を選定しておりまして、適正な計画であると認識しています。今年度中の都市計画決定を経て、令和3年度の事業認可取得を予定しておりまして、事業に必要な用地の取得は、基準に基づく正当な補償により進めていく考えであります。また、生活再建の支援に当たりまして、移転先情報等に関する相談窓口の設置等、幅広い支援策を講じることによりまして、関係権利者の理解と協力を得られるように努めていきたいと考えています。

 次は、駅前広場の位置についてのご質問であります。
 駅前広場につきましては、地域の協議会が提言した大山駅周辺地区まちづくりマスタープラン等を踏まえ、大山まちづくり総合計画や、大山駅の駅前広場構想を策定し、これに基づき検討を進め、最適な案を決定したと考えています。区は、鉄道立体化と一体的に進めることによって、相互の事業の効果が高められますように、引き続き東京都や東武鉄道と連携をしながら、早期事業化に向けて取り組んでいきたいと考えています。

 次は、本庁舎周辺に関連いたしまして、行政スペースについてのご質問であります。
 旧保健所の跡地活用については、効率的なスペース活用を図りながら、本庁舎機能の充実により、区民サービスの向上を目指しているところであります。配置する行政スペースについては、現在、その必要量を精査し、調整を進めている段階でございます。

 続いて、公共スペースについてのご質問です。
 区は、多くの公共施設を抱えておりまして、区民サービスの提供に必要な施設を、区全体で必要なもの、地域ごとに必要なものなど、その機能に合わせてこれまで適正配置に努めてまいりました。持続可能な区政の実現に向け、将来の人口推移や社会経済状況を見通しながら、施設の維持更新にあわせ、区有財産の有効活用も視野に、集約、複合化による公共スペースの確保を進めております。多額の経費を必要とする公共施設の更新需要に応えていくためにも、北側公有地は、民間活力を活用して収入を確保し、本庁舎周辺の再編整備における財政負担の軽減を図ることとしたものであります。

 次は、グリーンホール等の検討状況についてのご質問であります。
 男女平等推進センターなどの行政機能を旧保健所へ移した後は、基本的にはもとの機能に戻す方向で進めております。また、文化会館を含むこのエリアにつきましては、教育委員会が定めるいたばし魅力ある学校づくりプランに記載のある板橋第一中学校の検討との整合をとりながら、課題の整理を進めている状況でございます。

 次は、区民参画についてのご質問であります。
 先行して進めている常盤台、富士見、前野地区については、区議会への報告を行っておりまして、その後、説明会を各地区において開催をし、広く区民の意見を聞く機会を設けております。大山駅前東地区につきましても同様な手順で検討を進めていきたいと考えています。

 次は、台風19号の教訓についてのご質問であります。
 台風19号対応の振り返りにつきましては、町会、自治会をはじめとした区民の皆さんのご意見をお聞きし、集約を行うほかに、従事職員への聞き取りとアンケートを実施した上で、全庁的に対応を検討、検証する予定であります。現段階で得た主な教訓を3点上げますと、まず1つは、避難所運営に伴う職員配置や地域との協力体制の構築、2つ目は、的確な防災情報の発信と情報統制の実施、3点目は、避難行動要支援者への対応などの改善が主要課題になっていると考えています。これらの課題への対応策を早急に整えまして、次回の災害の対応に生かしていきたいと考えています。

 次は、避難所におけるプライバシー確保についてのご質問です。
 現在、全ての避難所には、簡易的なプライバシー確保対策としまして、難燃段ボール製の間仕切りを一定数備蓄しております。初動期における避難者の異変に素早く対応するため、あえて高さを低く抑えておりまして、反対に着がえや授乳などには適していないため、必要に応じて教室などを活用していきたいと考えています。避難者が落ち着いた3日目以降、協定を結んでいる団体から、高さが2メートル程度の紙管による間仕切りの提供を受け、プライバシーの確保及び避難者の負担軽減を図ることとしております。  次は、東板橋体育館の改修に関連いたしまして、利用者説明会が開催されていない理由についてのご質問であります。

 利用者説明会については、休止期間の案内当初から要望の強かったスタジオプログラム等の具体的な内容が固まり、代替施設のめどが立ち次第、開催する予定でございました。しかしながら、本年が指定管理者の再選定の時期であったことから、次期候補団体が決定するまでの期間は、その団体と本格的な協議が開始できない状況でもございました。また、代替施設の確保につきましても、庁内での調整が必要であることから、説明会の開催まで時間を要しているところでございました。

 次は、利用者説明会の開催についてのご質問であります。
 本定例会において、次期指定管理者の指定が議決された後、12月の中旬から下旬にかけまして、利用者説明会を開催する予定であります。説明会の中においては、代替施設が可能なスタジオプログラム等の具体的な内容や、代替施設についてお知らせをする予定でございます。

 次は、改修期間中の体育施設及び会議室の代替施設についてのご質問であります。
 改修期間中、スタジオプログラムや武道場利用については、実施可能な範囲内において代替施設を確保する方向で最終調整を進めております。アリーナや会議室等につきましては、代替施設の確保が難しいところもございまして、アリーナにつきましては、他の区立体育館を利用していただきたいと考えています。また、会議室につきましては、近隣の集会施設等の利用を促すとともに、改修後は、体育館1階にコミュニティラウンジを整備する予定でございますので、打ち合わせ等が可能なスペースを確保してまいりたいと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) 皆様、おはようございます。それでは、山内えり議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。

 はじめに、避難所における生活環境の改善に関しまして、区内小・中学校体育館への冷暖房機器の設置についてのご質問ですが、屋内運動場への冷暖房機器の設置につきましては、夏季の効果検証におきまして、暑さ指数であるWBGTを一定程度下げる効果が確認できました。今後、冬季の検証を行う予定でありますが、全校設置に向けて、区長部局と最終調整を行っているところであります。

 次に、冷風扇の設置についてのご質問ですが、冷風機の設置につきましては、児童・生徒の体調や安全を考えて、学校令達予算での購入を各学校にお願いをしているところです。現状、冷風機は少なく、主に扇風機になりますが、約7割を超える学校で設置しており、今後も購入についてお願いをしていきたいと思います。

 次に、教職員の働き方に関しまして、区の認識と在校時間管理システムの集計結果についてのご質問ですが、教職員の長時間勤務は、区立学校における教育活動の質に大きく影響するものと考えており、教職員の働き方改革は最重点課題の1つとして捉えております。現在、学校、教育委員会では、システムで把握した在校時間をもとに、校務改善の取組みを推進するとともに、学校間の情報共有を図っているところです。今後も、在校時間の公表を含め、学校の実態を保護者、地域に対して積極的に周知し、区立学校における働き方改革の必要性に関して、一層の理解と協力を求めていきたいと思います。

 次に、教員の変形労働時間制の導入についてのご質問ですが、教職員の勤務実態につきまして、夏休み等、児童・生徒の長期の休業期間がある一方で、学期末、学年末、学校行事等が実施される時期は、長時間勤務となる場合が多いのが現状です。こうした勤務実態を捉え、年間を通じた業務のあり方に着目した1年単位の変形労働時間制は、教員の働き方を見直す上で一定の効果があるものと考えられます。一方で、制度の導入に当たりましては、長期休業期間中の業務の縮減、日々の業務の見直し、育児、介護等の事情を持つ者への配慮などの取組みが前提となるとともに、教員の意見や声が十分に反映される運用が重要であると考えております。

 次に、教職員の定数増についてのご質問ですが、教職員の定数につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律と、東京都の学校職員の定数に関する条例で定められております。教育委員会では、教員1人当たりの持ち時間数を明確にすることが教員の数をふやすことにつながると考え、中学校教員の持ち時間数を高等学校並みに引き下げるように、また、現状、持ち時間数が設定されていない小学校教員に持ち時間数を設定するよう、教育長会や指導室課長会を通じて東京都教育委員会に要望を伝えているところです。今後も、学校教育の充実を図るために、教員の定数増員を粘り強く国や東京都に働きかけてまいります。

 次に、特別支援教育に関しまして、専用室の見通しがない理由についてのご質問ですが、区立小学校の中には、専用の特別支援教室ではないが、教育相談室などと兼用している学校もあります。学校の教室については、既に普通教室や音楽や図工などの特別教室、あいキッズなどが使用しており、加えて児童数の増加に伴い普通教室がさらに必要になるなど、専用の特別支援教室を確保することが難しい学校もあるのが現状です。引き続き、児童数の推移を見ながら、校舎改築の機会も捉え、専用の特別支援教室が確保できるよう努めてまいります。

 次に、巡回指導教員用の専用室についてのご質問ですが、教育委員会では、専用の特別支援教室がないことの課題については認識しているところです。兼用の特別支援教室では、特別支援教室としての活用は週1日程度のため、同じく週1日程度のスクールカウンセラーが使用する教育相談室と兼用するなど、工夫をしております。また、特別支援教室専門員が学習の環境を整えたり、教材準備の補助をしたりするなど、巡回指導教員が円滑に指導できるよう対応をしているところです。

 次に、巡回指導教員の確保についてのご質問ですが、特別支援教室の教員の数は、東京都の基準により、4月年度当初の児童数をもとに決められており、年度途中で入級してくる児童数は考慮されておりません。そのため、現在、児童10人に対して教員1人が配置されていない学校があり、課題であると認識しています。

 最後に、年度途中の教員確保についてのご質問ですが、特別支援教室の教員数は、東京都の教職員定数配当方針に基づいており、年度途中の増員は認められておりません。児童10人に対して教員1人が保障されていない現在の状況に鑑み、実態を踏まえた基準とするよう、指導室課長会などを通じて東京都教育委員会に要望を伝えていきたいと思います。  いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。



◆いわい桐子 議員  おはようございます。引き続き、日本共産党の一般質問を行います。

 初めに、朝鮮学校への支援を求めて質問します。
 ことし8月、徴用工問題を発端に、日本政府は、韓国をホワイト国リストから除外して輸出規制を強化し、経済や観光、文化、軍事にまでその影響が広がっています。問題の根底には、日本の侵略戦争と植民地支配、人権侵害を反省しないばかりか、なかったものとして正当化しようとする安倍政権の姿勢があります。国家間の合意にかかわらず、被害者が受け入れないまま解決は図れません。政府と当該企業はきちんと向き合うべきです。そして、国と国との関係が悪化している今こそ、地域での交流と連帯が大切です。板橋でも朝鮮学校は、朝鮮民族のアイデンティティを継承し、さらに地域での文化交流などを通して国際理解教育にも積極的な役割を果たしています。
 しかし、安倍政権は、拉致問題が解決していないなどの理由で、2013年に高校授業料無償化の支給対象から朝鮮学校を除外しました。朝鮮学校高校生らが除外の不当性を訴えた裁判で、ことし8月、最高裁が除外を適法とする判決を出したことは、本当に残念でなりません。そもそも生徒たちとは関係のない政治的な理由をもって朝鮮学校を対象から除外したことは、国際人権法から見れば、民族差別、人種差別であることは明らかです。しかも、政府は高校に続いて、10月から始まった幼児教育・保育の無償化からも外国人学校を除外しました。そのほとんどが朝鮮学校です。消費税を財源としながら対象から除外することは許されません。
 高校授業料と幼児教育・保育の無償化から朝鮮学校や外国人学校が除外されていることについて、区長の見解をお示しください。
 また、朝鮮学校が存在する板橋区の長として、政府に対し、除外の撤回を求めていただきたいが、いかがでしょうか。
 東京都が都内の朝鮮学校に対する補助金交付を除外し続けていることも大問題です。外国人学校の中で朝鮮学校だけを除外する東京都の対応は民族差別と考えます。区長の認識を伺います。
 また、東京都に対し、補助金除外の中止を強く求めていただきたいが、いかがでしょうか。

 次に、ジェンダー平等について質問します。
 女性差別撤廃条約が国連で成立してから40年がたち、男女の平等や女性の地位向上から、貧困、暴力、障がい、外国籍、性的マイノリティなど、あらゆる差別をなくし、人権と尊厳が守られた対等で公正な社会をつくろうというジェンダー平等が国際的な流れとなっています。ところが、2018年、日本のジェンダーギャップ指数は149か国中110位で、G7の中では最下位です。その背景には、戦前の男尊女卑や国家への従属を美化するような考えが根強く広がっている問題があります。世界でも際立つジェンダー平等後進国から抜け出すためにも、今なお広がる差別や暴力をあらゆる分野で根絶する努力が求められています。

 まず、ハラスメント防止対策についてです。
 ことしのILO年次総会で、あらゆるハラスメントを禁止する条約・勧告が圧倒的多数で採択され、働く場におけるハラスメント禁止と実効ある法制度は喫緊の課題です。しかし、厚生労働省の労働政策審議会は、今月20日、適正な指導であればパワーハラスメントに該当しないとして、パワハラにお墨つきを与えかねないことや、就活生向け相談窓口などの義務づけを見送るなど、多くの問題点を残したまま指針を取りまとめました。日本政府の姿勢は、世界の流れから大きくおくれていると言わざるを得ません。職場におけるパワーハラスメントは、人員削減・人員不足などによる過重労働と、ストレスの高まりや業務量の偏りなどを背景に、民間・公務職場問わず増加し続けていることに正面から向き合うべきです。
 現在、区職員向けのハラスメント防止についてを示したガイドラインは、非常勤や臨時職員などが対象になるのか、明確化されていません。また、年度当初に各部課長宛てと庶務担当に通知しているだけで、各課で全ての職員に徹底しているのか、研修が行われているのかも把握されていません。
 区職員向けのハラスメント防止ガイドラインを非常勤も対象とすることを明確にし、内容を見直すことを求めます。あわせて、ガイドラインの対応を各課任せとせず、非常勤も対象として研修実施の把握と研修強化を求めます。区長の見解をお示しください。
 職場のハラスメントは、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為です。労働団体が行った自治体職場の実態調査では、パワーハラスメント行為者は57%が直属の上司です。ハラスメント行為があっても相談できない可能性は高く、問題は深刻化しかねません。厚生労働省のパワーハラスメント対策導入マニュアルでは、相談内容の秘密が守られること、相談者が不利益な取り扱いを受けないよう相談ができることを積極的に呼びかけるよう求めています。
 相談窓口が安心して相談できる環境であることを宣言し、非常勤や臨時職員など、板橋区の全ての公務労働現場へ周知することを求めます。
 10月下旬、神戸市の小学校で教諭4人が同僚をいじめていた問題が報道され、衝撃が走りました。山口県でも自殺した高校生へのいじめに教員が加担していたことなど、教員による行為が起きるたびに憤りを感じざるを得ません。一日中子どもたちと向き合い、長時間過密労働を強いられている教職員の労働実態からも、いじめやハラスメント行為などが見えないところで深刻化することが懸念されています。
 板橋区では、教育委員会としてハラスメントに対する指針などがなく、口頭での徹底にとどまっています。ハラスメント行為の根絶と相談対応の強化が必要です。教育委員会としてハラスメント対応指針を策定し、教職員へ徹底することを求めます。教育長の見解をお示しください。

 次に、旧姓併記の対応についてです。
 11月5日から、住民票とマイナンバーカードへの旧姓併記が可能になりました。区は、9月の一般質問で、全庁的に周知啓発を行い、各部署において旧姓併記が可能となるよう情報共有を働きかけると答弁しています。できる限り旧姓併記の対応を行い、より拡大していく努力が求められます。実際に、各窓口へ旧姓併記の申請をした住民から、窓口に行くたびに同じ申請書を繰り返し書かされてきたと聞いています。手続きのあり方についても各課任せにせず、手続をする人の立場で点検や見直しが必要です。  区内の氏名を扱う部署での旧姓併記の対応状況をお示しください。また、各部署における申請手続きの簡素化について検討していただきたいが、いかがでしょうか。  国民健康保険証への旧姓が併記できるようになったことに喜びの声が上がっています。これまで旧姓の活用をあきらめてきた人たちへ丁寧に知らせることが重要です。国保証における旧姓併記が可能になったことを全ての加入者へ周知することを求めます。区長の考えをお示しください。

 ジェンダー平等の最後に、中学校の制服について伺います。
 中野区と世田谷区では、今年度から全ての区立中学校で女子生徒がスカート以外にスラックスの制服を選べるようになりました。板橋区でも性同一性障害など、個別の対応は行っているものの、誰でも選ぶことができる状況ではありません。女子はスカート、男子はズボンといった考え方がジェンダー規範に強く縛られたものです。ジェンダー平等を実現し、個人の尊厳を守るためには、私たちの意識の奥深くに根づいているジェンダー秩序を解きほどいていかなければなりません。そのためにも、中学生になったとたん、男らしさ、女らしさを求めるような制服のあり方を見直すべきです。中学校の制服を男女別から自由選択できるようにすることを求めます。

 続いて、不登校対策について質問します。
 板橋区でも、昨年度の不登校児童・生徒は、小学校で194人、中学校で416人と増加を続けています。中学校では、約20人に1人であることや、小学生で発生率が増加していることは深刻な状況です。しかし、板橋区教育ビジョン2025も、いたばし学び支援プラン2021も、なぜ不登校児童・生徒がふえ続けているのかは示されていません。また、原因究明する姿勢も見受けられません。
 国連子どもの権利委員会は、高度に競争主義的な学校環境が、子ども間のいじめ・不登校・登校拒否などを生んでいると指摘しています。それは、子どもや家庭の側に原因を求めるのではなく、なぜ子どもたちにとって学校における心理的負担が生じるのかを分析すべきであるということです。学校は、学業だけでなく、生きる力を教える場所です。一人ひとりの子どもが自分らしくいられる学校にするために、何が必要なのか、子どもを中心に、教職員、保護者などで、不登校児童・生徒の抱える思いに寄り添った対応をみんなで考えるときではないでしょうか。
 文部科学省は、生徒指導上の諸課題に関する調査結果についての通知で、各学校及び教育委員会は、個々の不登校児童・生徒のきっかけや理由について把握すること、不登校が増加している要因についての分析を求めています。区教委はどのように把握、分析を行っているのか、お示しください。
 現在、区教委の不登校対応マニュアルは、学校を休むようになった直後の初期対応のみとなっています。しかも、担任は、1日休んだら不登校の傾向チェック、3日連続で休んだら家庭訪問などの対応にこだわり、心のこもらない手紙や電話、本人に会うことに執着することなどが、不登校児童にとっては脅威ともなりかねません。不登校生徒は、学校や周囲の無理解に傷つきながら自分を責め、自分を消し去りたいほどの苦痛にさいなまれる状態に追い込まれます。結果として長期化する状況を生みかねません。初期対応のマニュアルの活用方法を現場の声を聞きながら毎年見直していくことや、最も対応が困難な長期化したケースへの対応指針が必要です。長期化する不登校児童・生徒への対応ガイドラインを直ちに作成し、各学校と共有することを求めます。
 学校に行かれない子どもたちの学習保障や受験対策も重要です。文部科学省は、学校以外の場所による学習の機会を保障し、一定の条件が整えば出席扱いとすることも求めています。とりわけ受験生となる中学3年生は、内申点がつかなければ一般入試が受けられず、その後の進路に大きく影響します。
 あるお子さんは、学校で中間テストや学期末テストなどを受けないと内申点はつけられないから、面接と作文だけのチャレンジスクールをお勧めしますと学校から言われ、親子で一般入試をあきらめたそうです。学校に行かれないというだけで進路選択が限られ、社会から排除される思いと絶望感を抱くのです。
 また、わらをもつかむ思いでフレンドセンターに見学に行ったお子さんは、出席扱いになるけれども、テストは学校に行かなければ受けられないと言われ、フレンドセンターでは内申点がつかないため、受験対策にはならないと思い登録を見送ったと話しています。
 学校復帰を前提としない以上、フレンドセンターに通う子どもで、学校にテストを受けに行かれない生徒の内申点をつけることや、学校以外の場所で学期末テストを受けられる条件整備を行い、各学校へ周知することを求めます。教育長の見解をお示しください。
 高校進学をきっかけに学校に通えるようになりたいと望む生徒は少なくありません。学校に行かれない生徒にとっても、進路の選択肢をできるだけ広げる対策が求められています。文科省は、合格すると高校の受験資格が得られる中学校卒業程度認定試験の活用について、不登校生徒や保護者に対して適切な情報提供を行うことを求めています。区教委はどのように対応するのか、お答えください。
 文科省は、フリースクールなどに通う場合、学習環境としての一定の条件があれば出席扱いとすることを求めていますが、心理的負担を感じて学校を休んでいる子どもにとっての居場所は、学習活動への参加を前提にしたものではありません。子どもの権利条約が不登校や登校拒否など相当の期間、学校を欠席することを休養の権利として保障すべきと言っているように、フリースクールを学習施設だけではなく居場所として考えることが必要です。しかし、区内のフリースクールでは、「校長先生によって出席扱いの対応をしてくれない学校がある」と話しています。各学校に出席扱いの対応を行うよう徹底することを求めます。また、フリースクールの利用料は月額平均3万円と高く、利用を諦めるケースも少なくありません。フリースクール利用料への助成を検討していただきたいが、いかがでしょうか。

 最後に、高島平地域のまちづくりについて質問します。
 まず、高島平グランドデザインについてです。2007年に旧高島第七小学校が閉校して以来、その跡地活用としてシニア活動センターや高島平グランドデザインなどの検討が進められてきましたが、この12年間、誰がどのように検討し、何が進んだのか全く見えてこないというのが実態です。これまでグランドデザイン発表後の旧高七小周辺の公共施設整備について、アーバンデザインセンターUDCTakの検討も、区の検討内容も議会や住民に報告されてきませんでした。URの建て替えも含めた検討という方針を受けて、昨年12月にようやくUDCTakの検討報告書が区に渡されたものの、それは住民に一切説明されていません。区は11月11日の都市建設委員会で、来月、住民説明会を開催する意向を示しましたが、その説明会にUDCTakの委託法人は出席せず、UDCTakが区に提出した報告書についても説明しないと聞き、大変驚いています。区が提言の一つだと言うUDCTakの報告書の内容も住民に説明し、意見を聞くべきです。12月の住民説明会は対象となる全ての住民に周知し、UDCTakの委託法人も出席し、この間の取組みを報告することを求めます。
 区は、UDCTakの報告書を学識者らの研究成果だとし、これから2年間かけて全く別の業者への委託によって高島平地域都市再生実施計画を策定する計画を示しています。しかもこの策定にUDCTakの関係者や委託法人が参加するかどうかは未定だとしています。陳情審議では、UDCTakの役割について、「開始から3年目で見直し時期が来ている」とも答弁しています。UDCTakも含めた高島平のまちづくり事業には、5年間で約8,000万円の費用が費やされ、今年度の当初予算と合わせれば総額約1億円です。発行されているニュースは、イベント1回当たり200部程度で、地域住民からは「一体、いつ、何が検討されているのか、進んでいるのか、全く見えてこない」と言われています。UDCTakとは一体何だったのでしょうか。UDCTakにおける取組みがどうだったのか検証・総括を行い、今後の役割について区長の考えをお示しください。
 もともと旧高七小の廃校から始まった区有地活用です。区有地と公共施設は区民にとっての財産です。これまで活用してきた地域住民や、これから活用をする人たちとこの地域に必要なもの、行政需要として必要なものを、情報公開を前提にテーブルの上にのせて協議を行うことが必要です。旧高七小跡地活用に立ち返って、住民参加による公共施設整備の協議を行うことを求めます。区長の見解をお示しください。

 次に、西台駅周辺のバリアフリーについてです。
 西台駅前の都道の歩道拡幅が行われ、多くの住民から「歩道が広くなって安心して歩ける」と喜びの声が上がっています。さらに求められているのは、西台駅東口へのエレベータ設置です。西台駅東口は改札からホームまで50段もの階段を上らなければなりません。西台駅周辺は大きな都営団地も多く、障がい者福祉センターに行く人の利用駅でもあるため、高齢者や障がい者が多く利用する駅です。西口にエレベータがあるものの、駅の一番端にあるため、高島平九丁目や蓮根地域から利用する人にとっては遠く使いづらい状況です。東京都が今年1月に発表した東京都交通局経営計画2019の中で、駅エレベータの2ルート目を3年間で9駅完了すると示していますが、対象は乗りかえ駅としています。都議会では、都営三田線西台駅は「エレベータを支える柱をつくりかえるなど、大規模改良工事を行わないと困難」だと答弁しています。板橋区議会では、平成23年に全会一致で陳情が採択され、東京都へ要請されている案件です。
 駅前ロータリーの区道は幅も広く、外づけでエレベータを設置することなど、あらゆる方法で検討し、西台駅東口へのエレベータ設置実現に向けて働きかけていくことが必要です。東京都に対し、大規模改良工事などを実施して、都営三田線西台駅東口へエレベータを設置することを区として強く要請すること、あわせて区道の提供などでエレベータ設置ができないか東京都と協議・検討を行っていただきたいが、いかがでしょうか。
 西台駅駅前ロータリーの真ん中にある公衆トイレは、いまだ洋式化されていません。バス停やタクシー乗り場があるため、利用者から洋式化を求める声も高いところです。西台駅前公衆トイレを洋式化していただきたいが、いかがでしょうか。
 以上で、私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)

◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、いわい桐子議員の一般質問にお答えいたします。

 最初は、朝鮮学校への支援に関連いたしまして、東京都の補助金除外についてのご質問であります。
 東京都は、私立外国人学校教育運営費補助金交付要綱の附則によりまして、朝鮮学校について、別途、都知事が定めるまでの間、補助金交付対象から除くとしておりまして、判断は東京都がすべきものと考えています。したがいまして、補助金除外の中止を求めることは考えていないところであります。

 次は、ハラスメント防止ガイドラインの見直しについてのご質問であります。
 区のガイドラインであります職場におけるハラスメントの防止については、常勤職員のみならず、臨時職員及び非常勤職員も対象としたものであります。国のパワーハラスメント防止に関する指針の決定を受けて、ガイドラインを見直す予定でありますが、職員の定義が明確に記述されてない点は、誤解を招かないように修正を行いたいと考えています。快適な職場環境を整備する観点から、実効性のある研修やOJTに今後も取り組んでいきたいと考えています。

 次は、ハラスメント相談の環境整備と周知についてのご質問であります。
 相談窓口を人事課に設置し、被害を受けた職員以外にも、当該行為を不快に思う他の職員が安心して相談できる体制を整えております。プライバシー等に十分配慮していること、安心して相談できる環境であることを示し、非常勤職員や臨時職員を含む全ての職員への周知を行っていきたいと考えています。

 次は、旧姓併記の対応についてのご質問であります。
 旧姓併記の開始について、全庁的に周知を行い、女性活躍推進の観点から各部署における対応の検討を促したところであります。今後、各部署の対応状況について調査を行い、旧姓併記を実施する際の課題を抽出し、簡素化が図れるか検討していきたいと考えています。

 次は、国保証の旧姓併記可能の周知についてのご質問であります。
 令和元年11月5日より、住民票に旧性を登録した方については、申し出により旧姓を併記した国民健康保険証を発行しております。これに伴いまして、国民健康保険証の旧姓併記について区内医療機関等への周知を図っているところであります。既にホームページへの掲載を行いましたが、来年6月、全被保険者に送付する国保のしおりに国民健康保険証の旧姓併記について掲載をし、周知を図る予定でもあります。

 次は、高島平グランドデザインに関連いたしまして、住民説明会についてのご質問であります。
 説明会の開催につきましては、広報いたばしと区のホームページで広く区民の皆様に周知を図るとともに、町会自治会を通じて回覧板による地元住民への広報を図っているところであります。UDCTakの研究報告は、提案の1つとして示されたものでありまして、今後の整備に際しましては、区がこの提案も踏まえてまちづくりの方針を考えていきたいと考えています。今後とも高島平のまちづくりを進める際には、UR都市機構などの関係者と連携をし、検討を深め、まちづくりの具体性である方針を区民の皆様に示していきたいと考えています。

 次は、UDCTakの成果と今後の役割についてのご質問です。
 UDCTakでは、まちづくりの機運醸成に向け、空間の多用途な活用を試行する高島平グリーンテラスや、各種プロジェクトのワークショップ活動を通じ、住民意見の収集等に努めておりまして、一貫した役割を担っていただいております。高島平地域グランドデザイン実現のためには、民学公の連携と協働による都市再生実践の場が必要であり、今後とも活動や組織のあり方を見直しながら、長期的に持続する事業となるように期待をするところであります。

 次は、旧高島第七小学校の跡地活用についてのご質問であります。
 平成19年に閉校して以来、跡地活用協議会をはじめその後も高島平地域グランドデザインを策定する中において、さまざまなご意見を地域の皆様から頂戴をいたしました。10月に、これまでのご意見を整理した公共施設再整備の考え方を区議会にお示しさせていただいたところでありまして、来月に意見交換会を開催する予定であります。改めて協議会を開催する予定はございませんが、引き続き区議会、区民の皆様、各種団体等の声を伺いながら、検討を進めていきたいと考えています。

 次は、都営三田線西台駅東口へのエレベータ設置についてのご質問であります。
 西台駅東口へのエレベータ設置については、区としましても必要性を認識しておりまして、平成25年に、東京都知事に対しまして要望書を提出しております。東京都交通局が公表した経営計画2019に記載のある9か所のエレベータ設置駅について、西台駅は対象でないことを確認しております。西台駅周辺には集合住宅のほか、高齢者や障がい者、子育て支援施設などもございまして、人の流れが東口に集中していることからも、誰もが安全で円滑に、また快適に移動できるよう引き続き東京都に対して要望してまいりたいと考えています。

 次は、区道を活用したエレベータの整備についてのご質問であります。
 区道の運用につきましては、道路法等によりさまざまな制限を受けているために、無条件に区道使用を申し出ることはできないとも考えています。

 次は、西台駅前公衆便所の洋式化についてのご質問であります。
 公園公衆トイレの洋式化は、毎年4か所の建て替えやリフォームに伴う全面洋式化と、男女用各1基を先行整備する暫定洋式化の両面から現在進めております。西台駅前公衆トイレにつきましては、高島平プロムナード基本構想による駅前広場の再整備と整合を図る必要から、それまでの対応として、男女1か所の暫定洋式化を考えております。現在、西台駅前公衆トイレでは原因不明の配管のつまりが頻繁に発生しているために、その原因を究明し、改善でき次第整備に着手する予定もございます。  残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕 ◎教育長(中川修一君) それでは、いわい桐子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。

 朝鮮学校への支援に関しまして、無償化からの除外についてのご質問ですが、高校授業料無償化及び幼児教育、保育の無償化のいずれの制度も、法令により対象となる学校等の要件が定められております。したがって、特定の学校が対象外であることにつきまして、区教育委員会として除外の撤回を求めることは考えていないところであります。  次に、ハラスメント対応指針の策定についてのご質問ですが、教育委員会におきましても、区長部局と連携してハラスメントの防止に取り組んでいるところです。教職員のハラスメント相談窓口が教育支援センターの学校相談であることを校務パソコンの掲示板等で周知し、管理職や同僚に話しにくいことについても相談しやすい環境を整えております。引き続き区長部局と連携しながら、厚生労働省において検討を進めている指針を踏まえながら、区全体として取り組んでまいります。

 次に、中学校の標準服についてのご質問ですが、区立中学校では、標準服という表現を用いて服装に関する基準を示しており、生徒や保護者から、標準服について要望や相談があった場合には柔軟に対応しているところです。標準服につきましては、既に性別を問わず選択できる学校もあり、現在、各中学校において標準服に関する見直しを進めているところです。

 次に、不登校児童・生徒の把握分析についてのご質問ですが、教育委員会では不登校の状況につきまして、文部科学省の児童生徒の問題行動等生活指導上の諸問題に関する調査、及び各学校が作成している登校支援シートをもとに把握しております。不登校の要因につきましては、小・中学校ともに家庭に係る状況が最も多い状況ですが、要因は複雑に絡み合っているため、増加の要因を特定することは困難であると考えています。また、一部の家庭における学びの場としての学校の相対的な位置づけの低下、学校に対する保護者、児童・生徒の意識の変化などが少なからず影響していることも、不登校が増加している要因の1つと考えております。

 次に、ガイドラインの作成についてのご質問ですが、教育委員会では、欠席が続く場合の対応を記した板橋区不登校対応マニュアルと欠席時の連絡方法などを記した板橋区欠席時電話対応マニュアルを作成し、不登校の未然防止に努めているところです。現在、東京都教育委員会作成の児童・生徒を支援するためのガイドブックをもとに、不登校児童・生徒の未然防止、早期対応、自立支援について、対応をまとめた新たなマニュアルの作成に学校とともに取り組んでおります。

 次に、フレンドセンターに通う子どもの内申点確保や、学校外でテストを受ける条件整備とその周知についてのご質問ですが、学習指導要領では、学校は、不登校の子どもの個々の状況に応じた必要な支援を行い、子どもや保護者の意思を十分に尊重しつつ、子ども自らが進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指すこととしています。フレンドセンターでは、学校の定期テストを受けることができ、子どもの所属校では、その状況について自校の教育課程に則して学習の評価を適切に行い、自立へ向けて支援を行うことが可能であります。今後はこのことについて、板橋区立学校や保護者への周知のさらなる充実を図り、不登校の子どもたちにもさまざまな進路選択の可能性があることを理解できるよう支援していきたいと思います。

 次に、中学校卒業程度認定試験の情報提供についてのご質問ですが、教育委員会では、国の実施する中学校卒業程度認定試験の活用について、不登校生徒や保護者に対して適切な情報提供を行うことは重要であると認識しております。本通知につきましては、全区立小・中学校に通知し、中学校校長連絡会において具体的に説明したところであります。

 最後に、フリースクールについてのご質問ですが、出席扱いの対応につきましては、文部科学省の通知を踏まえ、教育委員会との十分な連携の上で校長が適切に判断するよう引き続き周知してまいります。また、フリースクールの利用料につきましては、通学に係る交通費や教材費の一部を補助について、国が検討中との報道もあり、今後の動向を注視していきたいと思います。
 いただきました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。




◆かなざき文子 議員  議長。

○議長(元山芳行議員) かなざき文子議員。
     〔かなざき文子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆かなざき文子 議員  引き続き日本共産党板橋区議会議員団の一般質問を行います。

 まず、初めに、新年度の予算編成についてお聞きいたします。
 板橋区の行財政改革による財政効果額、そして職員削減の実績をさかのぼって検証すると、平成4年度から昨年度平成30年度までで削減効果額は345億3,300万円、職員削減数は2,443人となっています。定数上は1,432人の減で、4,478人から3,476人へと大きく職員が減らされてきたことがわかります。しかし、区が行っている事業数は、都区制度の移管、地方分権の流れの中、国・東京都から区市町村へ事業が移行してきたものなど、決して減ってはいません。事業はふえているにもかかわらず、職員は減らされているため、どの職場でも残業を余儀なくされ、サービス残業があることも否定できません。振りかえ休暇もなかなかとれないのが実態です。例えば今年度、各所管からは合計90人の増員要求が出されていました。ところが、33名の増員しか認められず、それどころか、まるで数字合わせのように33名減らされ、定数上では前年度と職員数は変わらずという結果でした。また、学校の先生たちの状況はというと、今年の5月で見ると週当たり60時間を超えている先生は小学校で約25%、中学校で約24%でした。60時間を単純に5日間で考えると1日12時間労働です。
 そこで、まずお伺いいたします。各職場で必要な人員が確保できていません。せめて毎年、各職場から要望がされている職員数の配置へ増員することを求めますが、いかがでしょうか。仕事量に合わない職員の配置ではなく、適切な職員数へふやすことができると、もっと効率的に仕事ができると考えます。区長の見解をお聞きいたします。
 こうした状況において、本当に区民が必要である事業が予算化されているのでしょうか。昨年度は、区政史上初めて100億円以上の基金積立額となりました。100億円以上積み立てることができるだけのお金がなぜ出てきたのでしょうか。100億円あれば、学校施設の深刻な雨漏りの対応や、待機児童対策として区立認可保育施設を増設することも可能です。高過ぎる国民健康保険料を区独自の事業へ変えて保険料引き下げを行うことも可能です。昨年度の100億円以上の基金への積み増しというのが、当初の仕事ができなかった、その結果として出てきた執行残と考えます。区長の認識をお聞きいたします。
 9月補正予算時には、ほぼ今年度の財政の動きが見えています。その精査も補正で行われているのですから、差金で余ったお金を緊急性や必要性のある事業へ振り向けることは、区長の判断一つでできると考えます。ところが、年度当初、必ず副区長名で予算の執行管理の徹底についてという依命通達が全ての部署に出され、そこには契約差金や事務事業の見直し等により発生した不用額については、原則として他の事業に転用しないことと書かれています。これではどの部署も、差金は使ってはいけないお金と受けとめざるを得ないのではないでしょうか。9月補正時点でわかっている差金などの不用額については、使わないで残すのではなく、必要な事業実施のために振り向けていただきたいのですが、いかがでしょうか。
 区は、財政の見通しが厳しいことを1つの理由として、この間、公共施設再編整備計画を進めていこうとしています。しかし、一方では、大山、上板橋、JR板橋、そして高島平全域で大きな開発計画を進めています。財政が厳しいので、保育園も、福祉園も、特養ホームも民営化を進めると言っておきながら、片やゼネコンと一緒に大きな開発計画を進めていくことは、住民感覚では理解できることではありません。開発計画については、財源が保障されると言われますが、ならば、たまった基金は区民のための使い方をすべきです。自治体にとって、聖域とすべきは区民の福祉、なりわい、教育、保育など、命と暮らしを支え守る政策です。自治体が握って離してはならないこうした事業こそ、基金の活用を含め何よりも優先して予算編成を実施することを求めます。いかがでしょうか。

 次に、国民健康保険事業についてお聞きいたします。
 今年度も、新年度の保険料についてどうするかの検討が23区の担当課中心に進められています。先日、我が党の都議会議員団と、全都の区市町村議員で東京都に対し、都の財政支出を保険料の引き下げのために強化することなど、6項目にわたって申し入れを行いました。東京都からは、国民健康保険事業は国の施策であり、国が責任を持って対応すべきという通り一遍の回答の繰り返しでした。都道府県単位化となる前と一切変わらない対応です。保険者としての自覚のなさに正直言って驚きました。
 区長もご承知のとおり、収入に占める国民健康保険料の負担割合は、どの医療保険よりも大きく、これ以上の引き上げはしてはならないと考えます。ところが、国は保険料を引き下げる努力は一向に行わず、高過ぎる保険料の収入確保、また医療費抑制に各保険者、自治体がどれだけ成果を出しているかの基準などで努力支援交付金を出すなど、各自治体の徴収強化を行っています。横浜市では、平成28年度から資格証の発行を、さらに今年の8月からは短期証の交付もやめています。横浜市は、法律や政府の国会答弁、厚労省からの通達などの趣旨から、「意図的に支払わない人はほとんどおらず、適切に判断すれば交付はゼロになる」と説明しています。平成20年10月30日の厚労省通知によると、資格証発行については、機械的な運用はしてはならない、事情の有無の把握を適切に行った上であること、その上で悪質な滞納者に対して収納対策の厳正な実施を行うこととなっています。

 そこでお聞きいたします。まず、この平成20年に厚労省から出された通知に対する区長の認識をお聞きいたします。

 次に、その通知に対する横浜市の判断について、区長の見解をお聞きいたします。
 保険料をなぜ納めることができなくなっているのか、その実情を把握することなしに資格証の発行をしてはなりません。区が資格証発行について、実情を把握した上で踏み切ったのかが問われています。しかし、例えば平成28年度では、年度末の資格証発行件数は約2,245件に対して、相談実績はわずか28件と1%にも満たない状況です。調査件数は2,788件と高いのですが、なぜ相談実績が28件だったのか。実情が把握できていないならば、資格証の発行をしてはならなかったと思いますが、区長の認識をお聞きいたします。
 本来、保険料を払えない状況の世帯に対しては、相談に行く気持ちへハードルが高くならないように、まず1か月払わなかった方に対しては、どうされましたか。保険料が払えなかったようですが、大丈夫ですか。もし払えない実情があるならば、1人で悩まず、ご相談ください。といった対応こそ求められていると考えます。こうした対応を求めますが、いかがでしょうか。

 最後に、新年度の保険料についてお聞きいたします。
 これ以上保険料が引き上がらない対策を求めます。また、せめて子どもがいる世帯の均等割額に対する軽減を検討するなど、軽減対策を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。

 次は、必要な介護を保障するために質問いたします。
 まず初めに、認知症カフェ事業についてです。
 認知症カフェ事業は現在、区内29か所で活発に取り組まれています。しかし、区の財政支援を受けているのは今、7か所です。3年たつと一律打ち切りとなっているので、4年以上のところにはもう補助金は行っていませんが、14か所は補助金申請もしていません。その多くは社会福祉法人や民間企業です。一方、任意団体として一般の区民が取り組んでいる場合は、全ての団体の方々が補助金申請をしています。この補助金が3年で打ち切りとなっているために、4年目以降の事業展開が厳しくなっている団体が見受けられます。一律3年という考えは実態に合わないと思います。地域における福祉力でもある、こうした取組みについて、事業が継続できるよう、必要について応じて柔軟な対応を求めますが、いかがでしょうか。

 次に、第8期事業計画策定に向けてです。
 介護保険制度が始まって20年目を迎えようとしています。この間、6回の見直しが行われ、改正のたびに介護現場は大きな影響を受け続けてきました。特に2018年度改定制度の持続可能性の確保という方針のもと、今、給付制限、給付削減が大きく広がっています。そして、保険料は3年ごとに上がり続け、まさに保険あって介護なしの実態は広がるばかりです。
 そこでお伺いいたします。これ以上保険料を引き上げないこと。特に本人非課税までの保険料については引き上げないよう求めますが、いかがでしょうか。今度は2021年度の改正の内容が示されてきています。要介護1、2も国の介護保険給付から外して、各区市町村が運営する総合事業へ移行することが言われています。さらに利用料原則2割への動きも気になります。居宅介護現場では、要介護認定を行われた人の約1割が要支援へと認定が変えられ、状態が改善されているわけでもないのに、受けられる介護が大きく減り、家族介護、老老介護に頼るばかりになっています。介護保険制度の導入で家族の負担を軽減できるといった導入時に描かれていた姿とは逆行になっています。さらに利用料の2割、3割負担は特にショートステイの利用に抑制がかかっており、家族介護の負担は重くなるばかりです。そこで、利用料を1割にするために、板橋区独自の支援を立ち上げることを求めますが、いかがでしょうか。
 施設介護現場では、要介護3以上対象の重度化方針に翻弄される実態が広がっています。重度の入所者が多くを占めるということは、持病などの急変等で入院をすることが多く、入退所が頻繁になり、入退所調整の難しさが指摘されています。低過ぎる介護現場の労働条件を改善、マンパワー不足の対策として、板橋区の第7期の事業計画に介護現場の人材育成事業の強化が位置づけられていますが、いよいよ第7期の最終年度を迎えようとしています。板橋区として、人材育成事業として、せめて研修費用への助成、研修できる体制保障のための支援を実施するなど、事業実施を求めますが、いかがでしょうか。
 国のたび重なる改定の影響を受け、介護を必要とする人がいつまでも住みなれたこの板橋区で暮らし続けることができるかどうかが問われています。今、改めて区の充実した介護施策の実施が一層重要になっています。
 介護保険制度では、制度のはざまとなって、本当に必要な介護が実施されていない状況が残されています。例えば季節の衣類の出し入れや大掃除、また、日中独居の方のところでは、食事をつくるのも要介護本人分だけ、洗濯も本人分だけ、掃除も本人がいる部屋だけしか介護保険制度の対象とならないために、必要な介護が保障されていません。この間、介護保険外の事業の実施が各地で広がっていますが、改めて板橋区としても実施に踏み切るべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次は、医療的ケア児が板橋区で生きていくためにです。
 2016年6月3日施行、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律により、医療的ケア児が身体、知的、精神、発達障がいに続く障がいとして、初めて法律に明記されました。そして、自治体の医療的ケア児への対応が努力義務規定となりました。一方、措置の内容について各自治体に委ねられ、このことにより地域格差が起きてもいます。この法改正を受けて障害児福祉計画の第1期が策定され、本区においても策定されています。ところが、本区の計画には医療的ケア児の施策については不十分な内容となっています。現在、板橋区には児童発達支援センターが加賀福祉園とYWCAの2か所に設置となっています。しかし、必要なネットワークづくりや条件整備はまだ進んでいません。

 そこで、以下、具体的にお伺いいたします。
 板橋区として児童発達支援センターの設置について、今後の対応・計画、また現状についてお聞きしておきます。医療的ケア児の中でも特に歩くことのできる医療的ケア児への支援がさまざまな制度のはざまとなって大きく遅れています。こうした歩くことのできる医療的ケア児の保育園、幼稚園、学校における受け入れ体制がどのようになっているのかお聞きいたします。また、当然保育・教育を受ける権利の保障が求められますが、区の今後の対応についてお聞きしておきます。
 医療的ケア児支援の協議の場の設置が昨年度までとなっていますが、ようやく今年度中には何とか設置できるところまでと聞いています。また、今年度中には医療的ケア児など総合支援事業新設の予定となっていますが、これはまだ未定です。全体的に整備が遅れていますが、焦って中途半端な設置をしては取り返しがつきません。関係者との十分な協議を経て必要な条件整備に力をかけることが必要です。区としての今後の対応、計画についてお聞きいたします。
 最も大事なのが医療的ケア児に対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置です。本区ではどのようになっているのかお聞きいたします。あわせて相談支援専門員の育成など、専門性のある人材育成は急務です。板橋区としての取組みの状況と今後の計画についてお聞きいたします。また、医療的ケア児に対する理解が乏しいと子どもも親も傷つきます。職員の理解を深め、適切な対応ができるように職員研修を含めた対策を求めます。
 医療的ケア児の家庭では、365日24時間、片時も目を離せないのが実態です。こうした家族のかわりに、医療的ケア児をかわりに見守り、家族の一時休息やリフレッシュの体制の保障が必要です。板橋区としては昨年度より、月8時間を上限として年間12回までという制限がついた中で、看護師等の派遣が実施されています。年間12回まで、月8時間上限では、家族のレスパイトにはほど遠いと言っても過言ではありません。昨年度の利用状況と今後の拡充を求めますが、いかがでしょうか。

 最後に、区立保育園の民営化問題について質問をいたします。
 まず、弥生保育園についてです。決算調査特別委員会総括質問でも言いましたが、今年の9月26日、区は、弥生保育園の保護者の皆さんに対して、民営化と園舎の改築計画について説明を行いました。あと2年半しかない、令和4年度からの民営化、改築という計画に、保護者の皆さんからはさまざまな問題点が指摘されました。まず、子どもたちが入所承諾されたときに、区は保育利用調整結果通知書を保護者に交付をし、そこにいつからいつまで区立弥生保育園への入所が承諾されたと記されているにもかかわらず、4年で民営化してしまうというのは承諾書に反していることが指摘されています。さらに同じ1期の計画で示されている板橋保育園は卒園まで待つのに、公平性が欠けるという問題点。また、新園舎建設の土地が目の前の園庭等で行われ、その間、園庭が奪われ、保育への影響、子どもたちへの影響は避けられないという問題。さらに年数からしてアスベストが使われている可能性が高く、本来ならばほかへ仮移転をして、その後、解体工事、改築を行い、子どもたちの健康面への配慮が最優先で保障されるべきです。現在地への建て替えが可能となれば、児童館、保育園と併設で、園舎も園庭も南向きで、今と同じ最適な環境が保障できるんです。これらをトータル的に考えると、令和4年度からの民営化はやめるべきです。板橋区が「お父さん、お母さんのご理解いただきながら進めてまいります」と言うならば、弥生保育園の民営化について、せめて現在通っている子どもたちが卒園するまでは民営化しないことを強く求めます。いかがでしょうか。
 平成29年度第4回定例区議会において、区は板橋区公立保育所のあり方についてを報告しました。その検討目的には、1つが子どもの健やかな成長に向け、公立保育所が果たすべき役割の検討を行う、2つ目が公立保育所の老朽化が進む中、保育施設の再整備を進めていく必要を踏まえ、民営化を検討するとなっています。しかし、民営化を言う前に、現在民間保育所が抱える問題点の改善に対して、板橋区がどれだけ責任を負えるのかが明らかになっていません。公私格差是正事業が東京都から廃止されて以後、私立保育園は水準の維持、保育士の配置では、育休代替や要支援児対応の保育士を正規で配置したくても、非常勤の配置がやっとという実態です。さらに株式会社が運営する認可保育施設では、保育士の配置について区の基準を守っていなかったこともわかっています。こうした実態を踏まえるならば、区としての加算の実施、あるいは公私格差是正事業の実施を検討するなど、水準の維持、さらなる充実に向けた施策が明らかになっていません。まずはそのための努力をすべきです。
 さらに公立保育所のあり方についてには、公立保育所の役割を地域の保育所間のネットワークの中心を担い、子育て支援の充実により地域の子育て力を高めること、そして、区の保育を推進して地域の保育を高めることという2つの方向性が位置づけられています。そして、その地域のネットワークをつくっていく上で、育ちのエリアを設定するとなっています。しかし、この間の議会における質疑から、板橋区の保育ガイドラインも、そして、育ちのエリアも、どちらも平成30年度に策定と答弁してきましたが、いまだに策定されていません。ところが、一方では、1月に民営化ガイドラインが報告され、8月の閉会中委員会においては、公立保育所の再整備方針と民営化計画第1期が説明されたのです。板橋区としての保育施策の柱となるものが策定されないまま、民営化計画等が先に進められていることは問題です。そもそも施設が老朽化していくことは前々からわかっていることです。いきなり財政的に厳しいので民営化を進めるという方針は間違っています。区が子どもたちを第一に考えるというならば、こうした子どもたちへのしわ寄せ計画は避けるべきです。区の民営化方針の撤回を求めます。いかがでしょうか。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴いただき、ありがとうございました。(拍手する人あり)

◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、かなざき文子議員の一般質問にお答えいたします。

 最初は、新年度予算編成に関連いたしまして、適切な職員数の配置についてのご質問であります。
 人員配置は、各課が算出した事務量に対する業務時間を基本として、執行方法も含めた人事課におけるヒアリング等を通じて査定をしております。人員査定結果は、限りある人的資源を効率的、効果的に配分した結果でもございます。配分されました職員数におきまして、管理監督職の適切な業務マネジメントや業務改善の追求等を強力に進めることによりまして、効率的な業務執行が実現できると考えております。

 次は、平成30年度の基金積み立てについてのご質問であります。
 応急福祉資金や居宅訪問型保育のように申請や利用がない事業もございますが、このようなやむを得ない事業によるものを除きますと、未執行や著しく低い予算執行率となった事業はないと考えています。基金残高の増加は、経済状況の変動等に伴う財源不足や、老朽化の進む公共施設等の改築、長寿命化への対応を目的として今後の必要額を積み立てた結果でもあると考えています。

 次は、契約差金の活用についてのご質問であります。
 工事契約等で生じた差金につきましては、同一予算科目内であれば、現状でも財政課に協議した上で施設の緊急的な維持補修等に活用しております。差金等の財源でありましても、それらを新たな事務事業に活用する場合においては、予算として議会で審議され、議決を経た上で行わなければならないとも考えています。

 次は、区民の暮らし、福祉向上のための予算編成についてのご質問であります。
 財政調整基金は、福祉施策を含めた区の施策に対する景気変動の影響を極力小さくし、継続して区民サービスを提供し続けるための財源という側面も持っていると考えています。駅前再開発などのまちづくりは、地域の新たな価値を引き出す未来への投資でありまして、結果として、区民の暮らし、福祉の向上にもつながっていくものと考えています。福祉費は今後も伸び続けていくことが想定されますが、区民サービスの維持向上に向けた予算編成を行い、合理的かつ効果的な予算執行に努めていきたいと考えています。

 次は、資格証明書の発行に関連いたしまして、厚生労働省から出された通知に対する認識についてのご質問であります。
 当該通知は資格証明書の交付を、納付相談の機会を確保するためのものでありまして、特別な事情の有無を適切に把握するように求めていると認識しています。板橋区では、資格証明書発行時だけではなく、さまざまな機会を捉え、文章のみならず、電話や訪問などにより早期の相談を促しております。その上で、資格証明書の前段階である短期証の期間を通常より長く設定をし、より相談や納付が行いやすくなるようにするなど、通知に沿った運用を実施しているものと考えています。

 次は、横浜市の判断に対する見解についてのご質問であります。
 横浜市では、資格証明書等を発行することなく、滞納処分が進められておりまして、差し押さえ処分が年間1万3,000件以上であり、収納率は95%と聞いております。板橋区では、滞納相談を充実させることが滞納者にとって重要であるとし、短期証や資格証明書の発行時を大切な相談の機会と考えています。滞納者に対するアプローチは各自治体の実情に合わせて行うことと認識をしておりまして、板橋区においては、資格証明書等の発行は収納対策として適切であると考えています。

 次は、実情を把握していない場合の資格証明書の発行についてのご質問であります。

 国民健康保険法第9条においては、保険料を滞納している世帯主に対し、災害、その他の政令で定める特別な事情があると認められる場合を除き、保険証の返還を求めております。滞納者に対しましては、特別な事情があるのかを確認するために、文書や電話、訪問など、さまざまなアプローチを実施しております。今後も、特別な事情について丁寧に把握をすることに努め、短期証、資格証明書の発行について適切な運用を行っていきたいと考えています。

 次は、滞納1か月目の人への対応についてのご質問であります。
 保険料の滞納後、最初に発送するものは納期限後約3か月で届く督促状でありまして、同封するチラシは適宜内容を変更しております。お知らせの内容については、実質的な内容にとどまらず、寄り添う気持ちを十分に伝え、納付相談につながるように心がけて作成をしているところであります。
 今後もさまざまな機会を捉え、納付相談に行く気持ちになるよう工夫を凝らしていくとともに、窓口での相談のスキルの向上にも努めていきたいと考えています。

 次は、新年度の保険料についてのご質問であります。
 保険料につきましては、国が示すこととなっている来年度の必要見込み額や診療報酬改定等が確定してないために、来年度の保険料率はまだ不明の段階であります。板橋区では現在、特別区の基準保険料率を採用していることや、削減すべき法定外繰入金が多くあることから、独自に軽減を実施することは困難な状況であると考えています。

 次は、認知症カフェ事業についてのご質問であります。
 認知症カフェ運営補助金は、カフェの立ち上げ支援を目的に、開設した年度から3年度を補助対象期間としております。運営補助金以外では、区内の老人福祉施設と活動場所の確保と、確保を調整したり、運営継続のための勉強会を実施するなど、活動継続の支援を行っております。補助金の対象期間の見直しは予定をしておりませんが、こうした活動継続の支援の状況を見きわめながら、制度の運営に当たっていきたいと考えています。

 次は、第8期事業計画に関連いたしまして、介護保険料についてのご質問であります。
 法律で介護にかかる経費の50%を公費で、残りの50%を保険料で賄うこととなっておりまして、そのうちの第1号被保険者の負担割合も政令で定められております。第8期事業計画期間中における介護保険事業経費については、今後、推計を行ってまいりますが、高齢者及び要介護認定者数の増加などから、増加が見込まれるものと考えています。介護保険料基準額については、可能な限り上昇を抑えるように努めてまいりたいところでありますが、一定程度の引き上げは避けられないものと考えています。

 次は、利用料の区独自支援についてのご質問であります。
 区で独自支援を行うために一般財源を投じることは、高齢化が進行する中において、将来にわたって財政的な負担がふえ続けることが予測されるために難しいものと考えています。利用者負担2割につきましては、社会保障審議会においてさまざまな意見が出されておりまして、今後の審議状況を注視していきたいと考えています。

 次は、区としての人材育成事業についてのご質問であります。
 現在、他区の取組み事例を参考にしながら、東京都の介護人材緊急確保対策事業費補助金を活用し、研修受講料の助成などの方策を検討しているところであります。東京都では、都内の介護事業所等で働く介護職員が研修を受講する際において代替職員を派遣し、研修等に参加しやすい環境づくりを支援する事業を行っております。このような東京都が実施しております人材確保育成定着事業については、板橋区のホームページからリンクを張ることで周知を図っているところであります。

 次は、介護保険外の事業についてのご質問であります。
 介護保険の対象外となっている援助については、社会福祉協議会が行うぬくもりサービスにおいて、日常できない範囲の掃除や自宅周りの草取りなどのサービスが提供されております。また、シルバー人材センターが請け負う事業として、網戸の清掃、家具の組み立て、蛍光灯の取りかえなどのサービスが提供されております。自立した生活や、家族の負担が軽減されるよう、区といたしましても、これらの事業について周知、紹介をしてまいりたいと考えています。

 続いて、児童発達支援センターについてのご質問であります。
 児童発達支援センターは、令和2年度までに各自治体に1か所以上設置することが国から求められておりまして、現在、区内においては、2か所のセンターが設置されております。今後も民間事業所設置の機会等に働きかけを行い、支援体制の充実を図っていきたいと考えています。

 次は、保育園に関してのご質問であります。
 保育園の入所に当たり特別な支援が必要な児童については、事前に観察保育を行い、要支援児保育判定審議会において集団生活が可能かどうかを判断し、受け入れの可否を決定しております。その結果、受け入れ対象となる医療的ケア児も含めて、要支援児枠での入所選考を行っております。医療的ケア児の受け入れに当たりましては、個別具体的な状況に応じたスキルを持った看護師等の配置など、課題も多いところではありますが、引き続き先進自治体の事例を参考にしながら、拡充に向けた検討を進めていきたいと考えています。

 次は、医療的ケア児の対応についてのご質問であります。
 医療的ケア児に係る専門的な協議を行うため、重症心身障がい医療的ケア児会議を年内に設置し、協議を開始する予定であります。会議体には当事者団体、支援機関のほか、専門性を有する医療関係者の出席を求め、まずは医療的ケア児の実態把握や課題の抽出及び整理等を行っていきたいと考えています。医療的ケア児への対応については、医療、介護、福祉、教育など、多様な主体との連携が重要となるために、効果的な支援に向けた体制の構築に取り組んでいきたいと考えています。

 次は、医療的ケア児の支援体制及び理解の促進についてのご質問であります。
 医療的ケア児の支援を調整するコーディネーターの配置及び相談支援専門員や保健師の充実につきましては、重症心身障がい医療的ケア児会議において検討を進め、効果的な支援体制の構築に取り組んでいく考えであります。また、医療的ケア児に対する理解は適切な対応の源となるために、職員のみならず、関係機関をはじめ支援にかかわる方へ広く周知啓発をしていきたいと考えています。  次は、重症心身障がい児(者)レスパイト事業についてのご質問であります。  区では、重症心身障がい児等の健康の保持と、家族の介護負担の軽減、一時休息、レスパイトを目的に、平成30年度から重症心身障がい児(者)レスパイト事業を開始いたしました。平成30年度の実績につきましては、16名の方に延べ59回、ご利用いただいております。今後の拡充につきましては、利用実績等を踏まえ検討していきたいと考えています。

 次は、弥生保育園の民営化の時期についてのご質問であります。
 弥生保育園の民営化につきましては、保護者から、在園児卒園までの民営化時期の延期、解体工事や新園舎工事による騒音等に対する不安など、さまざまなご意見を頂戴しています。弥生保育園・児童館の再整備については、弥生保育園と旧弥生荘の敷地を有効活用して、保育園の民営化及び児童館の改築を一体的に計画化したものであります。今後とも民営化への保護者の皆さんのご理解を得る努力を尽くしてまいりまして、敷地の有効活用及び児童館改築計画を含め総合的な検討を行い、計画全体のあり方に関しまして判断をしていきたいと考えています。

 次は、区の民営化方針についてのご質問であります。
 区立保育園のあり方において、今後、老朽化等により改築または長寿命化改修が必要になる場合には、原則民営化の推進を検討するという民営化方針をお示ししたところであります。公立保育所の老朽化、待機児対策による保育定員の急増に伴う財政負担の増大を踏まえますと、現状の公立保育所を維持していくことは困難な状況であると考えます。現在検討されております育ちのエリアとの整合性を図り、安定的な保育提供のため、民間活力を活用し、公立保育所の民営化を優先して取り組む方針でございます。  残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

◎教育長(中川修一君) それでは、かなざき文子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 歩ける医療的ケア児の支援に関しまして、幼稚園及び学校についてのご質問ですが、医療的ケアのある幼児・児童・生徒の受け入れに当たりましては、本人の生命、安全を第一に考えながら、本人や保護者の意見、教育学や医学等の専門的見地、学校の状況等を総合的観点から決定する必要があると考えます。今後、先進自治体の事例を参考に継続的、安定的な支援体制を検討してまいります。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。