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吉田豊明議員の一般質問
2017.06.06 : 平成29年第2回定例会(第2日)
 

  ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表して一般質問を行います。
 核兵器廃絶に向けて質問をいたします。
 国際社会は、非人道的残虐兵器を禁止し廃絶する努力を続けてきました。1983年には特定通常兵器使用禁止・制限条約が、97年には化学兵器禁止条約が発効しています。近年では、政府だけでなくNGOも参加し、残虐兵器の禁止条約が制定をされています。1999年には対人地雷禁止条約が発効しており、2010年にはクラスター爆弾禁止条約が有志国やNGOの主導で制定に至っています。
 しかし、これらの兵器よりもはるかに甚大な被害を与える核兵器は、廃絶の必要性が指摘されながらも、廃絶のための具体的な交渉に入ることはありませんでした。
 こうした状況の中、核兵器廃絶を求める世界の運動が各国を動かし、本年3月、「核兵器の完全廃絶を実現するための核兵器を禁止する文書を交渉する国連会議」が開かれました。核兵器を法的拘束力で禁止する「核兵器禁止条約」制定に向けた具体的な一歩を踏み出すことになりました。
 核兵器禁止条約制定は、板橋区平和都市宣言に込められた区民の悲願である核廃絶への大きな前進です。区長の認識をお示しください。

【区長】それでは、吉田豊明議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、核兵器禁止条約制定への区長の認識についてのご質問であります。
 国連総会において採択されました核兵器禁止条約に対しては、日本は反対の立場でありましたが、一方において、日本が提出しました核兵器廃絶決議も同日に採択をされておりまして、核軍縮に向けて一定の成果を上げていくものと認識しております。取り組みの方策はさまざまではありますけれども、核廃絶という方向性は同一であり、平和都市宣言を行っている自治体の長として、今後の動向に注目をしているところであります。

 日本政府は、この国連会議に不参加を表明し、国内外からの失望の声が上がっています。平和市長会議は禁止条約に強い支持を表明するとともに、参加を表明していない核保有国や核の傘のもとにある国に参加を要請しています。平和市長会議には、坂本区長を含め21の特別区の区長が加盟しており、加盟の区長に呼びかけ、連名で政府に対して6月15日から始まります国連会議第2会期への参加を要請するよう求めます。見解をお示しください。

【区長】次は、国際会議に関する政府への参加要請についてのご質問であります。
 報道によりますと、政府が核兵器禁止条約の交渉会議に参加しなかった理由として、核兵器保有国が加わっておらず、日本が建設的かつ誠実に参加することは困難である旨を表明したとしております。区といたしましては、引き続き政府の動向を注視したいと考えておりまして、直ちに会議への参加要請を行うことは考えていないところであります。

 区長は、2015年、板橋区長としては初めて長崎の平和式典に参加しました。感想を問われ、区長は「二度とこのような惨禍を繰り返してはならないと平和への想いを新たにした」と答弁をしています。引き続き、広島の平和祈念式典への参加を求めるものであります。  

【区長】次は、区長の広島平和記念式典への参加についてのご質問であります。
 私が平成27年に参列しました長崎平和祈念式典におきましては、原爆の犠牲になった方々に哀悼の祈りをささげるとともに、二度とこのような惨禍を繰り返してはならないと、平和への思いを新たにしたところでありました。広島平和記念式典への参列につきましては、日程が許せば参列をしたいと考えています。

 次に、道徳教育について質問します。
 戦前の教育勅語は、朕と称する明治天皇が、支配される者・臣民に対して道徳の規準を下すという形をとり、学校の行事で教育勅語を奉読することは必須の式目とされました。その内容は、12徳目の全てが一体性を有し、天皇のために命を投げ出すことが最高の徳目とされ、戦前の軍国主義教育の根幹に位置づけられました。だからこそ、戦後、日本国憲法に反するとして、1948年、衆議院・参議院で失効が確認され、廃止が決議されています。この教育勅語について、政府は、本年3月31日、「憲法や教育基本法に反しないような形で教材として用いることまでは否定されない」との閣議決定を行いました。マスコミや多くの専門家から、衆参両院の決議に反しているとして、疑問や批判の声が上がったことは当然のことです。
 板橋区では、教育勅語について、2014年決算調査特別委員会総括質問で、「道徳の価値項目を教育するに当たり、教育勅語について引き合いに出す必要は、ない」、「教育勅語自体を保持、あるいは維持するといった考え方ではない」と答弁をしています。この認識に今も変わりがないかお答えください。

【教育長】 初めに、道徳教育に関しまして、教育勅語についてのご質問ですが、衆議院における昭和23年6月19日の教育勅語等排除に関する決議及び同日の参議院における教育勅語等の失効確認に関する決議において、教育勅語は排除・失効確認がなされ、その効力は失われていると確認しており、この認識に変わりはありません。

 小学校では2018年度から、中学では2019年度から「特別の教科 道徳」が検定教科書を使う授業に変わります。また、本来評価することにはなじまない道徳の授業で、文書による評価が行われることになり、どう評価するかが問題にもなっています。
 2015年7月の文部科学省策定の「小学校学習指導要領解説」では、「道徳的実践力を育成する」との文言を改め、より具体的に踏み込んで「道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」との文言に変えました。「文部科学省初等中等教育局教育課程課」が作成した「道徳の評価はどうなる?Q&A」では、「国や郷土を愛する態度」を目標としています。「育成」をするという目標から、子どもたちのとる「態度」を目標に変更することによって、子どもたちに「取るべき態度」を押しつけることが懸念をされています。本来、子どもが身につける道徳性は学校生活全般を通じて実践されていくものと考えます。
 文部科学省は、前述の「道徳の評価はどうなる?Q&A」において、道徳科の評価では、特定の考え方を押しつけないこと、「個別の内容項目の評価はしないこと」を明言しております。こうしたことを、板橋区教育委員会として、現場に徹底していただきたい。見解を求めます。

【教育長】 次に、道徳教育のあり方に関しまして、個別の内容項目の評価についてのご質問ですが、道徳科における評価は、個別の内容項目や他の児童・生徒との比較による評価ではなく、児童・生徒の成長を積極的に受けとめて認め励ます個人内評価として、記述式で行うこととしています。教育委員会では、各校の道徳教育推進教師を中心とした学校全体の組織的な指導体制の充実を図り、道徳科への移行に向けて、学習評価を含めた授業実践について、各教員の指導力向上を推進しているところです。また、学校訪問や道徳授業地区公開講座におきまして、道徳科における適切な学習評価について、指導主事より指導、助言を行い、教員の評価力を高めているところです。

 また、同「Q&A」では、「道徳的な価値を自分のこととして捉え、よく考え、議論する道徳へと転換し、特定の考え方に無批判に従うような子どもではなく、主体的に考え未来を切り開く子どもに育てます」と述べています。こうした姿勢は、道徳の教科にとどまらず、学校生活全般を通じて実践されることと考えますが、見解を示してください。

【教育長】 次に、学校生活全般を通じた道徳教育の実践についてのご質問ですが、板橋区教育ビジョン2025では、未来を担う人に必要とされる資質、能力として、主体的に課題を発見し、解決に導く力、協働して課題解決に取り組む力、失敗を恐れずチャレンジする力を掲げております。本区においては、学校生活全般において、これらの資質・能力の育成を目指しており、この考え方は道徳教育を含めた学校の教育活動全体を通じて行うものであると認識しているところです。

 次に、公務労働の改善について質問をします。
 まず、教員の働き方についてです。
 文部科学省は、2016年に実施した教員勤務実態調査の集計結果を公表しました。それによると、教員の1日当たりの平均勤務時間は、小学校で11時間15分、中学校で11時間32分と所定内労働時間を大きく上回っています。厚生労働省が定める「過労死ライン」を上回る教師は、小学校で33.5%、中学校で57.6%にのぼります。
 板橋区においても同様の実態調査を行っており、文科省の調査と同様の深刻な結果となっています。かねてより改善が指摘されてきた教員の勤務実態の改善は進んでいるのかどうか、区の認識をお聞きいたします。

【教育長】 次に、校務労働の改善に関しまして、教員の勤務実態の改善についてのご質問ですが、平成28年に文部科学省が実施した教員勤務実態調査の集計結果が速報値として公表されました。区におきましても同様の状況であることを認識しています。今年度から区立全小・中学校に校務改善を図る組織として経営支援部を設置し、校務全体の効率化と教職員の負担軽減を図っております。また、課外活動である中学校の部活動のあり方の見直しなど、さまざまな視点から校務改善に取り組んでいるところです。区教育委員会としては、これらの取り組みを通じ、学校現場における教員の業務負担の軽減を図り、教員の勤務実態の改善に取り組んでまいりたいと思っております。

 労働安全衛生法に照らして、違法状態にある教員の負担を減らし、教員の命と健康を守ることは、板橋区の責務であり、抜本的改善策が求められます。区は校務支援システムを導入しましたが、効果はごく一部にとどまっています。また、チームティーチングとして臨時・非常勤教職員を配置しましたが、担任を受け持つ教員の負担は減ってはいません。教育現場が求める必要な教職員を正規で配置することが、抜本的改善であると考えます。教員の負担を減らすためには、区としての軽減目標を明確にし、具体的な負担の削減計画を策定するよう求めます。

【教育長】 次に、校務労働の改善に関しまして、教員の勤務実態の改善についてのご質問ですが、平成28年に文部科学省が実施した教員勤務実態調査の集計結果が速報値として公表されました。区におきましても同様の状況であることを認識しています。今年度から区立全小・中学校に校務改善を図る組織として経営支援部を設置し、校務全体の効率化と教職員の負担軽減を図っております。また、課外活動である中学校の部活動のあり方の見直しなど、さまざまな視点から校務改善に取り組んでいるところです。区教育委員会としては、これらの取り組みを通じ、学校現場における教員の業務負担の軽減を図り、教員の勤務実態の改善に取り組んでまいりたいと思っております。

 現在、国と東京都により、小学校の1、2年クラス及び中学校の1年クラスに加配が行われていますが、進級をすると40人学級となり、負担感が増すとの声があり、全学年への拡充が求められます。国や都にさらに教員の配置定数の見直しを求めるとともに、法的にも可能な板橋区独自の教職員の採用に踏み出すべきと考えますが、あわせて見解を求めます。

【教育長】 最後に、区独自の教職員の採用についてのご質問ですが、区立学校の都費負担教職員につきましては、東京都公立小・中学校教職員定数配当方針により、各小・中学校の教職員数を決め、配置しているところです。また、配置定数の改善に関しましては、特別区教育長会などを通じて、国や都に強く要望しているところでもあります。区独自での教職員を採用することは、財政面などの課題も含めて困難な状況にあると考えます。  いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。

 次に、区職員の働き方についてです。
 厚生労働省指針が定める、年360時間を超える板橋区の職員数は、2014年度は117名、2015年度では103名に上っています。月100時間を超える職員、2か月連続月平均80時間を超える職員、3か月連続月45時間を超える職員に対しては、法の定めにより産業医の面接、診断が義務づけられています。2016年度にこの面接を受けた板橋区職員は58名で、計106回も行われています。このような区職員の過重な勤務状況について、区の認識をお示しください。

【区長】次は、過重な区職員の勤務状況についてのご質問であります。
 第3次板橋区特定事業主行動計画では、平成31年度において、超過勤務が360時間を超える職員数を20名以内とする目標を定めているものの、100人を超える状況が続いております。過重な超過勤務となっている職員の状況につきましては、ワークライフバランスの実現や職員の生活の充実と健康管理の観点から改善していかなければならない課題と考えております。

 また、管理職にはそもそも超過勤務手当がなく、よって管理職の勤務実態は不明のままです。過重労働での産業医の面談の義務づけもありません。現在、調査の対象外となっている管理職の勤務実態についても、至急調査を行うよう求めます。見解をお示しください。

【区長】次は、管理職の勤務実態についてのご質問であります。
 管理職は、所管する事務事業の責任者であり、突発的な事象への対応や職場のマネジメントをはじめ、職員の指導・育成など、その職務は多岐にわたっております。その職責や超過勤務手当の支給がないことなどから、勤務状況をつぶさに把握はしていないところではありますが、職員健康相談やストレスチェック判定に基づくカウンセリングと心身の健康状態を保つための対策をとっておりまして、直ちに調査をする予定は現在持っていないところであります。

 板橋区では、職員を雇用する立場から、職場環境の改善などについて目標と計画を定め、特定事業主行動計画を策定しています。2016年度には第3期の行動計画が策定されました。この目標では、超過勤務時間年間360時間以上の職員の数を20名と定めましたが、現状は3けたを切ることすらできていません。超過勤務縮減のための具体的な取り組みでは意識改革を上げていますが、意識改革では、根本的な改善は進み得ないと考えます。休暇取得の促進や週休日振り替えの徹底を掲げても、現実は、年次有給休暇の取得率は目標85%に遠く及ばず、2014年度では69.3%、2015年度では69.1%です。週休日の振替率でさえ100%には達していません。根本的な問題は、職員が忙しすぎる現状にあります。この現状は、職員アンケートにあらわれています。
 「年次休暇取得をためらう理由」という項目では、「職場に迷惑がかかる」がトップで51.7%、2位が「多忙のため」で31.9%です。また、「ワークライフバランスの実現に係る障害事由」として挙げられていることのトップが、「多忙のため」で33.1%、2位が「年次休暇を取得できないこと」で32.8%の結果が出ています。超過勤務の改善は、多忙をいかに現実的に解消するかに対策の中心を置かなければ進まないことは明らかです。この具体的な方策は、職員定数の抜本的増員以外にありません。板橋区が率先して職員をふやし、超過勤務の縮減に取り組むことは働くルールづくりに貢献するだけでなく、区民サービス向上や区民との信頼関係構築の増進に寄与すると考えます。見解を求めるとともに、職員定数増を検討するよう求めます。

【区長】次は、超過勤務縮減と職員増についてのご質問であります。
 仕事の進め方の点検、改善による業務の効率化を図ることは、職員の超過勤務の縮減や迅速な区民サービスの提供につながり、区民満足度の向上に寄与するものと考えます。職員数につきましては、緊急性や業務量、執行体制の有効性等を慎重に査定をしながら、これまでどおり適正な配置に努めていく考えであります。

 働き方の問題は、男女間格差解消に向けても大きな課題です。
 昨年3月、日本政府は、国連女性差別撤廃委員会から5回目の厳しい勧告を受けています。また、世界経済フォーラム発表のジェンダーギャップ指数は、2015年の145か国中101位から2016年度では144か国中111位と悪化をしています。日本における女性差別撤廃は、国際的要請からしても、国内的な課題としても、喫緊の課題となっています。  国連からの勧告では、男女間賃金差別だけでなく、公的活動及び意思決定における機会の均等と参加が重要視されています。  板橋区は、2015年、男女平等参画社会実現のための板橋区行動計画「いたばしアクティブプラン2020」を策定し、区政の担い手である職員自身が男女平等参画の視点を持ちながら業務を行い、区全体の取り組みとして推進することを宣言しました。しかし、板橋区での女性管理職の登用は、2017年4月で101人中19人、18.8%と目標の25%にはるかに及ばない状況です。
 なぜ改善が進まないのか。「板橋区男女平等に関する意識・実態調査」によると、課長級以上への昇任を男性職員は15.6%、それに対し女性職員では3.2%でした。昇任を望まない理由として、「家庭との両立が難しい」と答えている人は、男性職員が9.9%であるのに対して女性職員では30.9%にもなっています。このアンケート調査から明らかになる、女性職員が管理職になることを躊躇する要因は、管理職の多忙化です。この問題の改善抜きにして、女性管理職の割合をふやす根本的な改善策は見いだし得ないと考えます。女性管理職登用を推進するに当たり、管理職の働き方の改善を中心に据えた対策が必要と考えますが、認識をお示しください。

【区長】次は、男女間格差解消に向けてのご質問であります。
 女性職員は男性職員に比べ、出産などに代表されるライフイベントがキャリアに影響を与えることが大きいと言われております。このことから、管理職の働き方の改善のみならず、昇任制度の検討や継続的・長期的な人材育成や支援、男女を問わずに意識改革を行うなど、総合的に取り組み、女性活躍の推進を図っていきたいと考えています。

 次に、社会保障について質問します。
 国民健康保険の加入者は、低所得者・高齢者が多く、収入に対して保険料負担率が高い実態があります。国が国保への支出を削る中で、バブル崩壊後、加入者の所得は下がり続け、保険料は上がり続けています。そのため保険料が払えず、短期保険証や資格証明書の発行、または滞納者への財産差し押さえが急増するなど、高過ぎる国保料によるさまざまな実態が社会問題化しています。来年度からは、都道府県単位化が始まろうとしています。厚生労働省は昨年10月、「事業費納付金・標準保険料算定管理システム」を都道府県におろしました。都道府県は保険料の試算結果を厚生労働省に提出する予定でしたが、先駆けで示してきた北海道、埼玉、大阪、三重などの試算が、保険料が大幅に上がる結果が出たため、厚生労働省はシステムを変更する通知を出し、その変更内容については、いまだ明らかにされていません。先ほどの試算で示された保険料内容を見ると、大阪府では平均8.3%増、豊中市では22.4%増、門真市では23.5%増となり、千早赤阪村では55.2%増という数字が明らかになっています。埼玉県はさらに深刻で、県平均で31.4%増、羽生市、秩父市では50%以上増、蕨市では76.6%増となっていました。こうした試算の結果について、区長の見解をお聞きします。

【区長】次は、都道府県単位化に伴う大阪府及び埼玉県の国民健康保険料の試算結果についてのご質問であります。
 大阪府と埼玉県のうち、詳細な内容が公表されている埼玉県を見ますと、県平均で31.4%増という試算結果が示されておりますが、そのうち30%分は一般会計からの繰入金等がなくなった場合の影響によるものであります。現在、本来徴収すべき保険料と実際の保険料との乖離が大きく、その差を埋めるべく、一般会計からの繰り入れを行っているためで、その影響を除いた場合は1.4%の上昇にとどまっておりまして、医療費増の範囲内におさまっていると考えられております。例えば、50%以上の増との指摘がございました羽生市の場合、新方式による試算においては、平成28年度における本来徴収すべき保険料と比べますと、逆に14%以上の保険料が下がることになるなど、試算結果については精査が必要であると考えています。

 都道府県単位化の新制度のもとで、各都道府県は「国保運営指針」を策定し、国保の「効率化、標準化、広域化」を指導することになります。厚生労働省は既に昨年4月に、「国保運営指針」の基本的考え方を示す「国保運営指針ガイドライン」を策定しています。それによると、「国保料の収納不足」や「医療費の増加」については、「財政安定化基金」で対応して、繰り入れることはやめること、自治体の自主的判断による「保険料の負担緩和、任意給付、独自の保険料減免」などへの繰り入れは、計画的に削減・解消することとされています。板橋区で、この繰り入れの計画的削減・解消を行うとどうなるか、2015年度のベースでは34億8,900万円がその対象に当たり、繰り入れを行わなかった場合、1人当たり約2万4,000円もの保険料の値上げになります。
 従来の保険料そのものが都道府県単位化で引き上がるだけでなく、一般会計からの繰り入れが減ることによる大きな負担増が危惧されています。本来、国保事業への国庫支出を削減してきたことこそ改善が求められており、これ以上のさらなる国保料の値上げを招くことは避けなければなりません。
 国に対して、国庫負担を引き上げるよう求めていただきたい。また、都に対して、国保会計への補助金の増額を求めていただきたいが、見解をお示しください。また、板橋区が独自に国保保険料の引き下げのための助成を真剣に検討することを求めますが、見解をお示しください。

【区長】次は、国庫負担の引き上げと都補助金の増額を求めることについてのご質問であります。
 特別区長会は、昨年12月26日、国民健康保険制度に関する特別区緊急要望をまとめ、厚生労働省を訪問して要望活動を行ってまいりました。その要望の1項目めが、国庫負担を充実させ、国保財政基盤の強化・拡充と、被保険者の保険料負担軽減を図ることであり、今後も国に対して国庫負担の充実を求めていく考えであります。
 また、東京都に対しましても、平成29年度施策及び予算に関する要望として、新国保制度への円滑な移行に向けて、被保険者の保険料負担に配慮した、きめ細かい激変緩和措置と低所得者に配慮した財政支援の強化を求めたところであります。
 次は、区独自の国民健康保険料引き下げへの助成についてのご質問であります。
 平成30年度以降の保険料につきましては、東京都が示す国保事業費納付金と標準保険料率がもととなりますが、国が納付金算定ガイドライン等の見直しを行っていることから、それらの試算結果も示されていないため、今後の国や東京都の動向を注視しつつ、特別区として検討してまいりたいと思います。特別区長会は、制度改革に当たって、東京都による激変緩和措置を求めておりますが、国のガイドラインにも激変緩和が明記されておりまして、保険料の大幅な変動が見込まれる場合においては、一定の措置がとられるものと考えています。

 続いて、後期高齢者医療保険について伺います。
 昨年12月、社会保障制度改革推進本部は、後期高齢者の保険料軽減特例について、2017年度から段階的に本則に戻すことを決定しました。このうち最も低所得者に影響の大きい9割軽減、8.5割軽減を本則に戻し7割にするというもので、9割軽減の方では4,200円だった保険料が約3倍の1万2,700円に、8.5割軽減では6,300円だった保険料が約2倍に引き上げられることになります。ほとんどが年金暮らしの75歳以上の高齢者にとって深刻な影響が懸念をされています。国に対して軽減特例の見直しはやめるよう求めていただきたい。また、東京都広域連合に対して、都独自の特例軽減の継続、さらなる拡充を求めていただきたいが、見解をお示しください。

【区長】次は、国に軽減特例の見直しの中止を求めることについてのご質問であります。 国が進める社会保障制度改革におきましては、国民皆保険制度の持続可能性の確保、世代間・世代内の公平性や負担能力に応じた応能負担等の観点から審議が行われております。東京都後期高齢者医療広域連合にとっても、また本区にとりましても、医療保険制度が将来にわたって適正に運営されるためには、こうした見直しの観点は必要なことと認識をしており、中止を求めることは考えていないところであります。
 次は、軽減特例の東京都独自軽減の継続、拡充を求めることについてのご質問であります。
 今年度は2年に1度の保険料率改定の年度に当たっておりまして、平成30、31年度の保険料率の改定が予定されております。改定を検討していく過程におきましては、東京都後期高齢者医療広域連合に対して、限られた年金収入等により生活をする被保険者の状況を考慮し、区として、軽減の継続などの意思表示を行っているところでありますが、さらなる拡充につきましては、世代内の公平性の観点から考えていないところであります。

 貧困と格差が広がる中、さまざまな理由で医療機関を受診できない国民がふえています。この未受診の問題は、病気の重篤化や命にかかわる問題として、決して看過するわけにはいきません。板橋区内では、現在2つの医療機関で無料低額診療が行われています。この診療事業は低所得者などに医療機関が無料または低額な金額によって診療を行う事業です。社会福祉法に基づく第2種社会福祉事業で、医療の最後のセーフティネットとしての重要な役割を持つものと考えます。無料低額診療は重要な施策であると考えますが、区長の認識をお示しください。

【区長】次は、無料低額診療事業の意義についてのご質問であります。
 無料低額診療事業は、昭和26年に制定されました社会福祉法において、医療保険制度が確立していない当時の状況を踏まえ、低所得者の医療を保証する観点から制度化されたものと理解をしております。その後、国民皆保険制度が確立したことから、制度設立当初の必要性は薄らいでいると見られております。現在では、無料低額診療事業はDV被害者や外国人など、社会保険制度のはざまを埋める役割を担っているものと認識しております。

 無料低額診療を行う医療機関をふやし、制度を区民に知らせていくことが重要です。また、処方箋による病院外の薬局での薬価代は患者の負担となっています。このことは無料低額診療の趣旨に反するものと考えます。薬価代への区の助成を行っていただきたい。見解をお示しください。

【区長】次は、院外処方の際の薬代の助成についてのご質問であります。
 無料低額診療事業で無料低額となるのは当該病院内での診療費に限られております。院外処方の際の薬代の問題は、医薬分業が進んだことにより生じたものと理解をしております。薬代の助成につきましては、国や他自治体の状況を踏まえ、研究したいと考えています。

 続いて、介護保険についてです。
 2015年、一定所得以上の人の介護利用料を2割に引き上げたばかりにもかかわらず、本年5月26日、さらに3割の利用料負担を求める介護保険制度関連法が改正されました。2割引き上げの影響の調査結果も出ていない段階で、さらなる3割負担については、新たな介護難民を生むとして、懸念の声が広がっています。他の自治体では、介護保険の利用料に対する軽減策が実施されております。必要な対策であると考えます。負担が増え続ける介護保険利用料に対して、他区でも実施している一般会計からの軽減策を、この板橋においても実施すべきと考えます。見解をお示しください。

【区長】次は、介護保険についてのご質問であります。
 介護保険の利用者負担につきましては所得に応じた上限額が設定されており、さらに低所得者で生計が困難な方や、本来の利用者負担を適用してしまうと生活保護が必要となってしまう方に対する軽減制度がございます。区独自の軽減策を行うために一般財源を投入することは、今後とも、少子・高齢化の加速により社会保障関係経費が増大していく中において、将来にわたって財政的な負担が継続して見込まれていることから、困難であると考えています。

 次に、区政への区民参加について質問をします。
 地方自治法は議事機関として議会を、執行機関として首長を住民の直接公選で選ぶことを規定しています。つまり間接民主主義による二元代表制のもとでの自治体運営を基本としています。その一方、地方特別法では住民投票が、また、地方自治法では直接請求、住民監査請求及び住民訴訟が位置づけられているように、住民の直接参政制度は、地方自治の保障と実現にとって間接民主主義を補完するものとして積極的に位置づけられています。
 自治体が多様な住民参加をどう保障していくかは、自治体における住民自治の充実を左右します。大山のまちづくりや、地域にとって切実な学校の統廃合、公共施設の廃止など、住民参加が保障されてきたのかどうか。地域住民とじっくり時間をかけて合意を形成していく努力が尽くされてきたのかどうか、区の認識をお示しください。

【区長】次は、区民参加に関する区の認識についてのご質問であります。
 区民参加は、区民本位による開かれた区政を推進していく上で大変重要なことと考えます。計画策定などの際には、説明会の開催やパブリックコメントの実施を通じて区民参加の機会を確保し、広く意見を求め、区政に生かしているところであります。今後も区民の方々から多くのご意見がいただけるように、区民参加の手法について工夫を凝らしてまいりたいと考えています。

 区は、2003年に制定された「区民参加推進規程」では、区民の経験、提案及び意見を区政に反映し、地域の課題を協働して解決していくことを目的に、区民参加の機会の提供を位置づけています。この規程に基づきパブリックコメントの募集を行ってきました。しかし、果たして、パブリックコメントの制度は区民の経験、提案及び意見を区政に反映し、地域の課題を協働して解決することに寄与してきたのか疑問が残ります。2015年度では、応募者は26件の募集に対して203名と、平均8名を割っており、2016年度では平均6名以下です。パブリックコメントに対する区の意見を見ても、文言や表現の書きかえにとどまり、区民の声が反映しているかどうか、制度の形骸化が危惧をされています。住民が直接意見を述べ、提案する状況をつくり、区政を活性化するためには、何よりも区と住民の信頼関係を強化する取り組みが求められます。こうした過程を経てこそ、間接民主主義による自治体運営と住民自治が補完し合い、区政の活性化が図られるものと考えます。
 パブリックコメントについては改善の余地があります。重要案件については、パブリックコメントの提出期間を延ばしていくことなど改善を求めます。

【区長】次は、パブリックコメント募集期間の延長についてのご質問であります。
 区が実施するパブリックコメントの募集は区民参加推進規程により制度化されておりまして、その期間を実施基準において14日以上としております。この日数は最低限の期間を示したものでありまして、可能な限り募集期間を長く確保しながら、広くご意見を求めているところであります。今後につきましても、案件に応じて、十分な募集期間の設定に努めていきたいと考えています。

 外国人の区政参加について伺います。
 地元では、外国人を見かけることが大変多くなりました。学校の行事に参加すると、ほとんどの学校で多国籍と思われる名前も見受けられています。板橋区に根を張り、子どもを小・中学校に通わせる外国籍の家庭がふえていることが実感されます。調べてみますと、区内在住外国人の数は2016年、2万人を超え、区民の割合の3.6%に達しています。その数値は、ともに暮らす社会、互いの文化や宗教を尊重するとともに、区内在住外国人を同じ区民の一員として捉える段階に来ていると考えます。本庁舎では、ウェルカムパックや多言語リーフレットの配布など、外国人向けのサービスが行われています。こうしたサービスを維持しつつ、今後は地域で支える事業へと発展させる必要があります。地域での相談活動、地元自治会・町会への参加の促進、区内在住外国人の区政への参加について、具体的な取り組みが求められます。区内在住外国人の方々の声を生かし、区政参加を進めるために、地域での相談会や意見交換会を求めます。

【区長】次は、区内在住外国人の区政参加についてのご質問であります。
 板橋区では、平成28年3月に策定しました板橋区多文化共生まちづくり推進計画2020に基づき、「もてなしの心」で言葉や文化の違いを認め合い、外国人とともに暮らす、触れ合いと活力あるまちづくりを推進しています。計画の策定に当たりましては、外国人区民3,000人を対象に意識調査を実施したほかに、外国人区民を検討会の公募委員に登用するなど、外国人区民の区政参加に努めたところであります。現時点におきましては、地域センターでの相談会や意見交換会を実施する予定はないものの、文化・国際交流財団やボランティア団体等との連携によって、外国人区民のコミュニケーション支援や生活支援、多文化共生の人づくりを柱とした施策を展開しながら、外国人区民の声の把握に努め、多文化共生のまちづくりを着実に推進していきたいと考えています。

 続いて、東京都の中央卸売市場について質問します。
 2017年2月、東京都は「第10次東京都卸売市場整備計画」を策定しました。その中で、板橋市場の今後の方向性は、青果部については、区部北西部における立地を生かし、周辺市場との連携強化及び機能集約を行うとされています。板橋区にとって板橋市場は青果、花卉の流通の拠点だけでなく、消防団の操法大会など地域イベントとして活用される重要な施設になっています。板橋市場は1972年に開場し、市場関係者からは、建物や設備の老朽化も指摘をされています。板橋市場の施設の改修を確実に行っていくよう東京都に求めていただきたいが、見解をお聞きします。

【区長】次は、板橋市場の再整備についてのご質問です。
 板橋市場は広域的な物流拠点として重要な役割を担っており、区にとりましても、高島平地域のまちづくりの上で重要な施設の1つであると考えています。老朽化した卸売市場が適切に改修・整備されるよう、このたび示されました東京都の整備計画の進捗を注視していきたいと考えています。  

 築地市場は1935年の開場以来、国内最大規模の取引高を維持しています。「平成28年度版築地市場概要」によれば、築地市場は2015年度の取引数量で、水産物で43万トン、青果物で27万トンと国内最大であり、世界でも有数の卸売市場になっています。私の地元の飲食店の経営者にお話をお聞きしても、魚介類は築地から仕入れているという方が多く、板橋区の飲食店経営にとって重要な役割を果たしています。また、保育サービス課への聞き取りで、板橋区立保育園の給食に使う水産物の約9割が築地市場を経由していることがわかりました。区内飲食店や区立保育園の給食の食材など、築地市場と区民との関係は大きいものがあると考えます。認識をお示しください。

【区長】次は、区民生活と築地市場についてのご質問であります。
 ご指摘のとおり、区民生活にも大きな影響を及ぼすため、安心・安全な食品の確保は重要であると認識しています。引き続き区内で流通する食料品について、収去検査の実施や監視を行うことによって、区民生活の安心・安全を守っていく考えであります。

 2010年10月2001年2月、石原東京都知事は、築地市場を解体し、豊洲新市場へ移転することを決定しました。移転先の土地とは東京ガス豊洲工場跡地で、この工場では1956年から32年間、都市ガスが製造されてきました。製造過程ではヒ素が使用され、ベンゼンやシアン化合物などの有害な副産物が生成され、これらをタールとともにドラム缶に入れ、仮置きされてきました。ドラム缶が腐食し、地中に浸透してきたことも明らかになっています。2011年、東京都は「無害化された安全な状態で開場する」と表明をし、以来、土壌汚染対策費用として860億円を支出してきましたが、6月1日、小池都知事は都議会の所信表明で豊洲新市場の土壌を無害化できなかったことを都民に謝罪する状況になっています。土壌汚染と卸売市場についての国の考え方も明らかになっています。本年4月10日の決算委員会で、卸売市場行政を所管する農林水産大臣が、「土壌汚染対策法上、形質変更時要届出区域上に卸売市場が建つことそのものは法律で否定されているものではないとした上で、東京都が汚染の除去の措置を行わず、盛り土等のみを行った状態で卸売市場の用地とすることについては想定し得ない」と答弁をしています。土壌汚染対策法では無害化が不可能である土地には卸売市場を立地してはならない、これが農林水産省の考え方です。食品流通の重要な基盤である卸売市場において、食品の安全性や消費者の信頼が確保されていなければならないことは当然のことと考えます。生鮮食料品を取り扱う市場のあり方として、何よりも安全であることが優先されるべきと考えますが、見解をお示しください。

【区長】次は、東京都中央卸売市場の食の安全についてのご質問です。
 東京都中央卸売市場につきましては、現在、東京都において、さまざまな議論が重ねられていると認識しております。食の安心・安全は、区民生活を大きく左右するものであるために、今後の動向を注視していきたいと考えています。

 次に、産業支援について質問します。
 区内事業者からお話を聞くと、政府の言う景気回復の実感はないとの返事が多く返ってきます。このことは「板橋の景況」からも明らかです。「板橋の統計」によれば、2004年から2014年の10年間で、従業員4人から29人の中小企業の事業所数は1,113から556へと半減をしています。板橋の産業振興策の抜本的改善が求められます。
 板橋区小規模事業者登録制度は、区内の小規模事業者が区に登録することで、区の仕事の受注機会を提供し、区内の経済活性化を図ることを目的としてつくられた制度です。昨年度から工事で30万円から130万円へ、物品買い入れで30万円から80万円へと契約の上限金額が拡大されました。これにより、2016年度の契約は件数で1,162件、金額で7,600万円へと改善が見られています。一方、契約内容を見ると、特定の事業者への契約の集中や、所管によっては件数、金額とも少ないなど、所管間のアンバランスも見受けられます。小規模事業者登録制度について、特定の事業者に契約が偏らないよう改善を求めます。また、所管においては、小規模事業者登録制度活用の徹底を進めていただきたいが、見解をお示しください。

【区長】 次は、特定の業者に契約が偏らないよう改善をとのご質問であります。 小規模事業者登録制度は、区内事業者を育成する観点から、各所管課へ積極的な活用を促しております。平成28年度に発注額が多い10の所管課にヒアリングを行ったところ、契約の際には特定の業者に集中することがないよう、今後も啓発を継続してまいります。 次は、小規模事業者登録制度の活用の徹底についてのご質問です。
 小規模事業者として登録されました事業者につきましては、業種別の名簿とセールスポイントを作成し、各所管課において閲覧できるようにデータを庁内ポータルサイトに掲載をし、活用しております。今後、事業者の取引実績など、発注時の参考となる情報を各所管課へ発信をし、小規模事業者のさらなる活用を推進していきたいと考えています。 

 本年度は、板橋区製造業調査が実施される年です。全事業所を対象とする調査であり、区内中小企業の実態をつかむとともに、具体的で有効な産業振興政策に結びつけていくことが強く求められます。今年度実行される製造業調査について、項目調査だけでなく、業者の生の声や要求を聞けるよう改善していただきたいが、見解を示してください。

【区長】次は、今年度行われる製造業調査についてのご質問です。
 区では、3年ごとに区内製造業の実態を把握し、今後の施策に生かすこと等を目的として、産業振興公社が保有する製造業データ記載の約2,000社を対象に、中小企業診断士が直接訪問する形をとって、アンケート調査を実施しております。今年度の調査に当たりましては、近年、製造業者が抱える課題として浮上してきております事業継承等に関する調査項目を追加する方向で考えておりまして、絶えず工夫に努めているところであります。

 最後に、地域課題について質問します。
 赤塚四丁目39番では、昨年12月、火災事故が発生しました。昼間の火災で通報も早かったのですが、現場付近では道幅が狭く、緊急車両が入れない地域であったため、延焼が拡大をしています。この火災現場の近くには区立赤塚四丁目児童遊園があります。この児童遊園の周辺もまた木造地域が密集している地域です。区立赤塚四丁目児童遊園にスタンドパイプの設置を求めます。

【区長】次は、区立赤塚四丁目児童遊園にスタンドパイプの設置を求めてのご質問であります。
 今年度、災害時活動困難度を考慮した火災危険度が5段階中3以上の29町丁目の区域にございます公園などの公共施設等にスタンドパイプの設置をしていく予定であります。赤塚四丁目は火災危険度が2であるため、現在設置の対象地区とはなっていないところであります。今後、住宅密集地域、道路狭隘地域の火災対策を一層進める観点から、街頭消火器の設置を推進するとともに、地域の実情に鑑みたスタンドパイプの街頭設置を検討してまいりたいと考えています。

 私の地元にある区立赤塚植物園は傾斜地に造成されており、外周の歩道は多くが坂道になっています。植物園の南西に位置する坂道は赤塚支所方面に行くための地元住民が頻繁に使う通路になっており、コンクリートの階段になっています。赤塚支所方面に上る階段には手すりが設置されていますが、植物園に面した階段には設置をされていません。地元の方から手すりをつけてほしいとの相談が寄せられています。この地域にはお年寄りが多く住んでおられ、転倒の危険性が高く、コンクリートの階段のため、転倒した場合の大きなけがになることが危惧されます。地元住民の皆さんの意見を十分考慮した上で、赤塚植物園の南西の階段に手すりを設置していただけますように求めます。
 以上をもって、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)

【区長】次は、区立赤塚植物園外周の階段への手すりの設置についてのご質問であります。
 区では、昨年度から、手すりの設置に関して、地域の関係の方々から要望を受けてまいりました。同時に、階段の沿道にお住まいの一部の方からは、手すり設置に関しまして賛同を得られない状況でもございました。今年度に入りましてから、設置の賛同が得られましたので、年内に設計を行い、来年3月までには工事を完了させる予定でございます。