2022年度当初予算に対する要望書 提出にあたって
本要望書は、区内の団体や個人の方々から広く寄せられた意見を踏まえ、日本共産党板橋区議会議員団と同地区委員会とでまとめたものです。
新型コロナウイルス感染症は、感染拡大の波を繰り返し、直近の第5波では、東京で一日あたり5,000名を超える新規感染者数を記録するなど、猛威を振るいました。当時は、病床が逼迫したことを理由に、中等症未満の感染症患者は原則自宅療養とされ、8月だけで250名以上の方が十分な医療を受けることが出来ないまま命を落とす結果となりました。このことは、これまでの国や東京都の保健衛生や医療体制に対する方針に大きな問題があったことを示しています。改めて、住民の命を守る自治体として、この間の教訓を活かすことが求められています。
総務省の7月の家計調査によると、勤労者の実収入は春先と比べても2.2%減少しており、さらに生活が厳しくなっていることがわかります。コロナ禍のもと、派遣労働や契約社員といった非正規労働者の方々が、仕事が減らされたりあるいは仕事を失ったりして、大幅な減収や収入がゼロになるといった事態に追い込まれています。生活保護制度の申請者も増えており、セーフティネットの拡充が必要です。
また、職員の深刻な過重労働の解消も急務です。保健所では急激な感染拡大に職員補充が追いつかず、保育園やあいキッズ・学校などでも通常の業務に加えコロナ対応が求められ、疲弊しています。緊急時を想定した平時の業務のあり方に見直すべきです。
区は緊急財政対策として10%シーリングを打ち出すなど歳出削減のための緊縮財政を進めてきました。その結果、2020年度決算では、多額の剰余金が生じ、基金への積み増しが行われました。一方で、再開発事業を優先する姿勢を続けており、区民の暮らしや福祉の向上を最優先する区政運営への転換が求められています。
戦後75年を経て、今年1月『核兵器禁止条約』が発効され、来年3月には締約国会議が行われます。批准した国は56ヶ国となった一方で、唯一の戦争被爆国である日本は、条約への参加を拒み続けています。平和都市宣言を行っている自治体として、核廃絶への強いイニシアチブを発揮することが、期待されています。
以上、区民生活における様々な困難を少しでも解決することができるよう、一つ一つの項目について、ぜひご検討いただき、新年度予算へ反映されることを要望し、ここに提出いたします。
2021年11月15日
日本共産党板橋区議会議員団
同 地区委員会