選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書
最高裁判所は2015年12月、夫婦同姓規定自体は合憲としたが、同時に選択的夫婦別姓制度について「合理性がないと断ずるものではない」と言及し、制度のあり方については「国会で論じられ、判断されるべき」とした。
それからまもなく4年となるが、夫婦の姓をめぐる環境は、さらに大きく変化している。平均初婚年齢は年々上がり、現在30歳前後である。男女ともに生まれ持った氏名で信用・実績・資産を築いてから初婚を迎えるケースが多いため、改正時に必要な事務手続きは確実に増えており、戸籍姓でのキャリア継続を望むゆえに事実婚を選ぶ夫婦も少なくない。
国民の間には、選択的夫婦別姓制度の導入により、改姓による不利益を案ずることはなく、結婚・出産し、老後も法的な家族として支え合える社会を実現することは、少子化対策や女性活躍の推進となるとの意見がある一方で、家族という集団の氏が消滅するなど社会的影響も懸念されるとの意見もあり、様々な意見が存在している。
2017年12月に内閣府が実施した家族の法制に関する世論調査では、「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきであり、現在の法律を改める必要はない」とする答えが29.3%、「夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない」とする答えが42.5%、「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻によって名字(姓)改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては、かまわない」とする答えが24.4%となるなど選択的夫婦別姓制度に対する国民の意識は変わってきている。
よって、板橋区議会は国会及び政府に対し、選択的夫婦別姓制度について国会において審議するよう求める。