板橋区長 坂本 健 様
2024年1月12日
日本共産党板橋区議会議員団
2024年度板橋区国民健康保険料に関する緊急申し入れ
東京都は、11月の都国保運営協議会において、2024年度の国保料算定に当たり、国の仮係数に基づく各市区町村の納付金額を今年度比69億円の増額となる4660億円とすることを明らかにしました。これをもとにした1人あたりの国保料は、自治体独自の法定外繰入を行わない場合、国保加入者1人当たり19万1496円となり、今年度の18万856円と比べ1万640円の大幅値上げとなる試算を示しました。同時に都が実施してきた保険料負担抑制の激変緩和策も来年度には実施しないとしました。
また東京都は、昨年9月に示した24年度から実施する都国保運営方針(改定案)で、保険料率の完全統一化を目指し、法定外繰入を行う自治体を段階的に削減し、保険料の徴収強化を行うことなどを明らかにしました。
異常な物価高騰が、区民生活を窮地に陥れています。その下で、今でも高くて払えない国保料がさらに大幅に引き上がることは、被保険者にとって負担能力の限界をはるかに超え、より一層深刻な事態を招きかねません。
特別区長会も、11月に厚労省に対し、「国民健康保険制度の見直しに関する提言」を提出しています。その中で、国保財政基盤強化のため国庫負担の増、低所得者の負担軽減、子どもの均等割の対象制限の撤廃と軽減割合の拡大などを求めるとともに、来年度の「保険料の急激な上昇が見込まれる」ことに対する、被保険者の負担抑制のための特別対応を口頭で申し入れています。
本来、住民の命と健康を守るべき医療保険制度が、生活苦を増大させ、医療を受ける権利を奪うなどということはあってはなりません。区としてあらゆる努力をし、保険料の大幅値上げを抑え、軽減に踏み出すため、以下、要望します。
記
1.23区区長会において、新年度の国保料をこれ以上引き上がらないよう、強く意見し、そのためにあらゆる手立てを実施すること。
2.国に対し、現在実施している子どもの均等割り軽減について、18歳までの拡大を求めること。また、都に対し、独自に上乗せした軽減策実施を求めること。
3.国や都に対し「物価高騰対策の減免策」実施を求めること。併せて区としても実施すること。
4.保険料を払うことができない世帯に対し、生活再建をベースにした相談対応の強化を行うこと。強権的な徴収強化と差し押さえは行わないこと。
5.出産育児一時金の増額にあたっては、常に出産費用が負担にならない額への見直しを行なうこと。財源を、後期高齢者医療保険料をはじめ国保など各医療保険の保険料引き上げとならないよう国に対し、財政措置を求めること。
6.東京都の国民健康保険運営方針の改定に対し、「相互扶助」の位置づけをあらため、社会保障としての国民健康保険制度であることを明記するよう求めるとともに、保険料の大幅値上げにつながる統一化は止め、区市町村に対する法定外繰入解消の強要や保険料の強引な徴収強化を行わないよう申し入れること。
以上