板橋区長 坂本 健 様
2019年7月11日
日本共産党板橋区議会議員団
本庁舎周辺公共施設再編方針に関する申し入れ
本年第2回定例区議会企画総務委員会において、本庁舎周辺公共施設再編方針(案)が示された。その内容は、本庁舎周辺の『旧保健所』『北側公有地』『情報処理センター』の3か所で民間活力を活用(PPP)し、必要な事務所機能の確保と施設整備費の負担軽減を目指すとしている。また、それぞれの活用内容について、『旧保健所』は、民間事業者に土地を貸付け、施設整備も行い、区は、その一部を行政スペースとして賃借する。『北側公有地』は、商業、医療系・教育系施設など生活利便施設を運営する民間事業者に貸し付ける。『情報処理センター』は、民間事業者へ貸付け、一部を本庁舎北館改修時の仮移転先として確保する。となっている。すでに、区は、2018年度に民間事業者に対するサウンディング調査を実施し、民間事業者の需要を把握しており、今年度中に方針決定、民間事業者の公募と実施、2020年度から設計・工事を行っていくとのスケジュールを示している。
この間、区議団は、民間事業者の事業として成立することを前提にした計画ではなく、行政需要や区民の声を優先すべきであり、そのための調査や検討を実施するよう求めてきた。ところが、今回示された計画では、検討過程や方針に関して、区民や関係団体の意見を聞く機会はほとんど設けられていない。区は説明や意見聴取を行っていると言うものの、説明の対象は地元の町会など、ごく限られており、関係団体においても、通例の意見交換の場に過ぎず、活用のあり方や行政需要の把握について、充分な意見聴取とは言えない状況である。
特に、旧保健所の活用について、現在機能が分散されている男女平等推進センターを配置し、機能の一体化を図るとしているが、消費者センターや女性健康支援センター、区民相談室も設置し、相談室を共有する計画となっている。これまでの床面積を確保できないばかりか、男女平等推進センターの相談機能を大きく後退しかねない内容で、到底容認できないものである。
区民や関係団体への聴取や意見の反映が示されない中で、秋には方針を決定するという強硬姿勢は止めるべきである。本庁舎周辺公共施設再編方針(案)を抜本的に見直し、民間事業者の活用を優先する姿勢を改め、行政需要や区民・関係団体の意見を基にした内容に転換するよう求めるものである。
以上