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いたばし元気帳 2016年8月号(No.34) TOPIC

開発計画に前のめりー連載〈4〉
「高島平地域グランドデザイン」②

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まちづくりは住民とともに

 第1期の10年間は、旧高七小跡地を含む公共用地の活用による整備が中心です。その詳細が検討される高島平デザインセンター「準備会」が昨年11月に設置されましたが、「意思決定の中立性を保つため」という理由で会議自体は非公開です。勉強会や検討部会が行われるものの、計画規模に対して対象が少なく、参加は限られます。
  区議団が視察した長野県飯田市は、行政の役割は、「地域住民が住民自治を行える環境の整備をすることだ」として、市内20地区で地区別の「検討会議」を設置しています。時間がかかっても、地域住民と十分な協議を行う姿勢です。行政の検討を住民に押し付けるのではなく、多くの住民とともに策定するまちづくりが求められています。

総事業費は、最大448億円

 公共用地を活用した施設整備は、民間施設と合わせて4つの案が素案として示されています。最も費用が高いのが、高層マンションタイプで総事業費は、448億1、400万円です。そのうち区の負担は、公共施設棟整備費39億4,800万円です。工事費が高騰し、事業の採算性が△68億1千万円のため、「現時点での事業化は望ましくない」としています。その判断がいつどのようにされるのかは、全く示されません。

医療と介護は充実する?

 グランドデザインには、「地域包括ケアシステムの早期実現」と示されています。
 国は地域包括ケアシステムに医療費削減を期待していますが、「在宅」にしたからといって、医療費や介護費の削減にはなりません。命を扱うのです。安上がりでは「充実」は望めません。地元のいわい桐子区議は、「いくらバラ色を描いても、実態が伴わなければ、安心して暮らせるまちづくりにはなりません。住民とともに進めるまちづくりにすべきです」と語っています。

写真:いわい桐子区議