引き続き、共産党の一般質問を行います。
初めに、自衛隊への青年名簿提出中止を求めて質問します。高市首相が来年春までに憲法改正の発議のめどをつけると表明しました。憲法を尊重し擁護すべき首相が改憲の旗を振り、巨大与党が数の力で強引に進めることは許されません。改憲の理由に日本の安全保障を挙げ、9条に自衛隊を明記するだけと主張しますが、さきの日米首脳会談では、中東への自衛隊派遣には「憲法を含む法的な制約があること」を伝えているように、平和憲法が自衛隊の戦争参加の歯止めになっていることは明らかです。
そして、憲法9条改正の先には、真っ先に戦場へ駆り出される自衛隊員が危険にさらされるのです。その自衛隊のリクルート活動に活用されているのが、区が提供している若者の個人情報です。板橋区は、これまで住民基本台帳の閲覧を自衛隊に許し、さらに2002年から、板橋区の若者の氏名、性別、住所、生年月日の名簿をわざわざ抽出し、自衛隊へ提供してきました。区が、「拒否することができる」と言っても、拒否できることは区のホームページと広報のみで、対象者一人ひとりに案内すら行っておらず、プライバシー侵害にほかなりません。
区は、政府の住民基本台帳上、特段の問題を生じるものではないとした通知を理由に、自衛隊への個人情報提供を行ってきました。しかし、前田定孝三重大学教授は、住民基本台帳法第11条には、目的外の利用や外部提供の定めがなく、自衛隊の協力要請を受けても、市区町村が住民基本台帳に記載された個人情報を提供できると解することはできないとしています。奈良市では、高校生が個人情報を行政に勝手に提供され、プライバシーを侵害されたと裁判になっており、今でも争われています。自衛隊への名簿提供によるプライバシー侵害に対する区長の認識をお答えください。
自衛隊への個人情報提供は、防衛大臣が「市区町村に情報提供を求めることができる」というだけで、提供する市区町村の側に義務が発生するものではありません。埼玉県上尾市では、対象年齢の名簿の「抽出閲覧」から単なる「閲覧」に戻しました。北海道苫小牧市も、紋別市でも「閲覧」に戻すという動きに発展しています。板橋区でも名簿の抽出による提供はやめるべきです。区長の見解をお答えください。
次に、発達障害者への支援について質問します。先月、板橋区発達障害者支援センター「あいポート」を視察してまいりました。センター開設後4年間で968人に対応し、2023年度には延べ9040件の相談が寄せられています。相談支援と居場所支援が同じ場所で行われていることが重要で、利用者の困り事や特性に合わせてプログラムが工夫され、一人ひとりに寄り添った支援が行われています。
課題の一つは、制度のはざまで支援を受けられない人が多いことです。就労を目指すための就労移行支援事業は、原則アルバイトが併用できないため、経済的に生活できず、利用できない人や、ホームヘルプを受けたくても、「障害者枠で就労している」というだけで、ヘルパー派遣の必要性が認められず、支援を受けられない人がいます。あいポートのアンケート結果では、実家暮らしが89%で、家族の支えで生活している人は80%です。家族からは、親亡き後どうやって生きていくのか、不安の声は尽きません。発達障害の人は、特性に合わせて、少しの支援があれば自立して生活することができます。発達障害の人が制度のはざまで福祉サービスを受けられない実態やその理由、制度の課題に対する区長の認識をお答えください。また、その実態調査を行うことを求めます。
あいポートは、小竹向原駅から徒歩2分の場所に設置されていますが、三田線沿線の住民などにとって交通が不便なことも課題で、相談することを諦めている人も少なくありません。三田線沿線にも発達障害の人が相談と居場所支援を受けられるよう、発達障害者支援センターの2か所目の設置を進めていただきたいが、区長の考えをお答えください。
課題の3つ目は、発達障害を診断し、フォローできる専門性のある精神科医療がいまだ少ないことです。ほとんどの精神科医療機関で発達障害の診断を出すようになっているものの、発達障害の検査と的確な診断、アフターフォローができる専門機関は数が少ないため予約が取りにくく、診断に時間がかかっています。しかし、今年6月の診療報酬改定において、「通院・在宅精神療法」の算定要件が見直され、精神保健指定医を持たない医師が実施する場合の報酬が約4割減らされることになりました。これにより、指定医を持たない医師が発達障害児を診療し続けることが困難になり、専門外来の縮小や閉鎖が懸念されています。現状の課題に関する区長の認識をお答えください。
次に、女性の地位向上で自分らしく暮らせる区政を求めて質問します。
まず、選択的夫婦別姓制度についてです。国連の女性差別撤廃委員会に2年以内に書面で報告することが求められている項目の第1に挙げられたのが、選択的夫婦別姓制度の導入です。しかし、政府の第6次男女共同参画基本計画には、これまでの検討を無視して、選択的夫婦別姓の文言は一言も記載されなかったばかりか、民法の夫婦同姓規定を固定化する、旧姓の通称使用の法制化が強引に盛り込まれてしまいました。通称が使える場面を広げても、改姓によるアイデンティティーの喪失という根本問題は解決しません。国連の勧告を具体化することは女性差別撤廃条約批准国の責務です。政府に対し、直ちに選択的夫婦別姓制度を導入するよう求めていただきたい。区長の考えをお答えください。
次に、男女の賃金格差と働く女性の処遇改善についてです。1979年の女性差別撤廃条約採択の際、日本でも、雇用の男女平等法を求める女性の運動が広がるもとで、日本の財界や大企業は女性に家庭を支える役割を担わせつつ、安い労働力として使い続ける戦略を取ってきました。男女平等というなら男性並みの長時間労働をと、女性の残業深夜労働などの規制撤廃を要求し、女性を長時間労働に追い立てて、それができなければ非正規雇用を選ばざるを得なくしたんです。現在も女性の賃金は男性の7割台にとどまり、男女賃金格差は先進国の2倍以上です。
板橋区のアクティブプラン策定における区内企業への実態調査では、女性就業率が上昇傾向にあるものの、女性の管理職がゼロ人という事業所が多数を占め、「女性活躍の取組は進んでいない」という回答が55.3%となっています。区内事業者へ男女の賃金格差、女性の処遇などの実態調査を行い、実効性あるルールや支援策を検討すべきです。区長の見解をお示しください。
第6次基本計画には、困難女性への支援強化も位置づけられ、随所で女性相談支援センターの重要性が強調されています。女性専門相談員は、深刻な相談の情報を守ることや、専門機関へのつなぎなど、スキルと経験、そして継続性が不可欠です。しかし、板橋区男女平等推進センターの女性専門相談員は委託で配置されており、委託は原則1年契約のため、専門性やスキルが高くても、継続雇用が保障されていません。男女平等推進センターの女性専門相談員を委託から直接雇用とすることを求めます。
次に、女性目線でトイレの設置を求めて質問します。駅や商業施設などで女性用トイレに行列ができることが社会問題となり、国は現在、トイレ設置に関するガイドラインを策定しています。ガイドライン案では、男女の性差を踏まえて、トイレの待ち時間が平等になるように、原則として「女性便器数が男性の個室と小便器の合計数以上となる」としています。一方、板橋区は「公園公衆トイレ適正配置・改修計画」において、公園内建築物の建蔽率制限を理由に、トイレの改修は、誰でもトイレに男性の小便器をつけたものを標準タイプとして設置してきました。そのため、住民からは「女性専用トイレがなくなってしまった」という声が上がっています。公園の建蔽率制限2%は、あくまでも参酌基準であり、板橋区として条例で定めることができます。検討されている次の計画策定では、女性が使いやすいトイレ環境の視点が必要です。
現在の公園公衆トイレの総数と、女性専用のトイレがある箇所数及び、一つも洋式便器がない箇所数をお示しください。また、区内の公園公衆トイレで女性専用トイレは現在何か所必要と考えているか、お答えください。
快適なトイレは、学校を含む全ての公共施設で必要です。しかし、区の全ての公共施設のトイレの設置は、施設ごとに設置の考えがあり、全体を把握している部署すらないことは問題です。そこで伺います。本庁舎について、ガイドラインが示す「女性便器数が男性の個室と小便器の合計数以上」という基準は充足しているか、お示しください。また、全ての公共施設におけるトイレの男女比や男女共用、洋式化の実態調査を求めます。あわせて、学校におけるトイレについて、現在どのような考えで設置しているか、お示しください。
次に、高騰する住宅費への支援を求めて質問します。住宅価格が高騰し、多くの働く人が東京に家が持てない、住めないという深刻な事態が広がっています。23区の新築マンションの発売平均価格は10年間で1.7倍に値上がりし、中古マンションの平均価格も賃貸の家賃も同様です。住宅価格高騰の原因は人件費や資材の値上がりと言われますが、それだけではバブル期をはるかに上回るような住宅価格高騰の異常事態を説明できません。投機目的での住宅取得や転売を野放しにしたために、海外を含む投機マネーを呼び込み、住宅を投機の対象にしてしまったことも住宅価格高騰に拍車をかけています。大規模再開発と規制緩和や公有地の提供などで、国や都と一緒に推進してきた板橋区にも大きな責任があります。
住まいは生活の基本です。憲法25条が保障する生存権の土台で、高騰する住宅費への支援が必要です。区の住宅基金条例第5条は、基金に繰り入れた収益の額に相当する額の全部又は一部は、家賃助成に充てることができるとしています。家賃助成について、区の活用方針をお示しください。
住生活基本計画が、生活に必要不可欠な目安として設定してきた「最低居住面積水準」を政府が基本計画改定で削除したことは、住宅の質の向上という理念そのものを手放すことにほかなりません。住宅の販売価格や賃貸住宅の家賃が跳ね上がるもとで、住まいの最低限の目安までなくせば、狭小な賃貸住宅が多く生じかねず、収入が低い人ほど狭小な部屋への居住を余儀なくされ、住まいの貧困と格差を拡大させかねません。
区の住宅マスタープランである「住まいの未来ビジョン」にも最低居住面積水準の言葉は一言もなく、その実現への方針もありませんが、最低居住面積水準を区営住宅の改築時の個室の平米数や、ワンルームマンション規制条例の居住水準などにも適用してきました。板橋区まで居住面積水準の考えを後退させるわけにいきません。区長の考えをお答えください。
次に、高島平のまちづくりについて質問します。旧高七小学校の解体工事が始まります。解体工事前に旧高七小西側の区画道路1号を整備する計画を、住民の反対を受けて延期したことは大変重要です。せっかく立ち止まった計画です。住民の反対意見はいまだ大きく、計画中止こそ決断すべきです。少なくとも、区画道路1号について、いま一度住民と話し合う必要があるのではないでしょうか。区は、区画道路1号を整備する理由として、ウォーカブルや南側に車両が集中するとしていますが、それはどれも車の出入口を3丁目団地側に設置した場合です。区民館側やけやき通りに車両の出入口をつくることや、区民館と図書館の間の道路を双方向にすることなど、改めて検討することを求めます。
区は、昨年度から駅前デッキネットワークの検討を始めています。デッキネットワークは水害時の避難経路と言ってきましたが、住民からは、水害時にどう役立つのかよく分からないと言われています。また、東京都によると、高島平駅の駅舎改築の計画はなく、区からは一度も相談を受けていないと答えています。区の言う駅前デッキネットワークにおける水害対策とは、誰がどういうときにどのように活用することを想定して検討しているのかお答えください。また、駅とのつなぎについて区の考えをお示しください。
再整備地区のUR新築住宅建設工事は、2029年以降の予定です。全国的に資材や人件費の高騰で、工事の見直しや計画変更、凍結が相次いでいます。工事費高騰が収まる見通しはありません。そうなれば、URの新築住宅もさらなる家賃高騰につながりかねず、住民の不安は募っています。工事価格が跳ね上がれば、再整備地区の計画に影響が出ると考えます。区長の認識をお示しください。
URは、建て替えに当たり戻り入居ができると説明していますが、昨年の高島平2丁目33街区の住民に行った居住意向調査には、戻り入居の選択肢はありませんでした。私たち区議団には、今の住宅に住み続けたい、できることなら戻ってきたいという切実な願いがたくさん届いています。高島平2丁目33街区の住民の転居先に戻り入居を選択できるよう、区としてURへ求めていただきたいが、いかがでしょうか。
次に、介護保険第10期事業計画について質問します。介護保険制度が始まって26年、政府は介護給付を削り、利用者負担を増やす制度改正を重ねてきました。経済的な理由で必要なサービスを諦めるケースは後を絶たず、介護離職も年間10万人前後で、介護事業者は低い介護報酬の下で、経営難と慢性的な人手不足により、倒産・廃業件数が過去最高を更新し続けています。計画策定が始まった第10期介護保険事業計画は、2027年からの3年間だけでなく、人手不足の深刻化と85歳以上人口が急増する2040年を見据えた計画策定が位置づけられています。
第1に、区は国が言うまま施設の新規整備は行わず、施設から在宅への方針です。特別養護老人ホームの入所対象が要介護3以上になり、実質待機者は減少傾向で、施設入所待機期間も短縮し、2026年度までの計画値は充足したとしていますが、第10期計画が見据えることを求めている2040年までの参考数にはまだまだ足りていません。また、検討委員会に示されている要介護3以上の特養ホームの待機者数748人のうち、要介護4以上は472人で、そのうち優先入所対象者、在宅生活、本人非課税の所得段階4段階以下の人は139人にも及んでいます。今のままでは、介護離職ゼロどころではありません。在宅介護の充実と併せて、必要なときに待つことなく、いつでも入所できるよう、特別養護老人ホームなどの施設整備も計画していく必要があると考えます。区長の認識をお答えください。
第2に、在宅支援を重点とする中で、介護事業所への支援強化が必要です。区の事業所などへの実態調査では、前年度と比べた経営状況は35.2%が「悪くなっている」と答え、運営に関する課題は、「人材確保が困難」が20.4%、「介護報酬が低い」が13.8%です。自由記入欄には、「最低賃金が引き上がるが、介護報酬が上がらないため、時給を上げると利益がどんどん少なくなる。人員確保も事業の継続も困難」といった声です。
政府は、介護事業所の相次ぐ倒産、廃業を受けて、介護報酬を前倒しで引き上げる異例の臨時改定を行いましたが、基本報酬は据置きで、全産業との賃金格差の改善には程遠い状況です。渋谷区では、都の居住支援特別手当に月1万円の上乗せ、ケアマネジャーと6年以上の従事者に2万円の手当支給、足立区でも介護職員への区独自の家賃助成の対象拡大など、自治体独自の支援も広がっています。国に対し、介護における基本報酬そのものの抜本的な引上げを求めていただきたい。併せて、他区で行っているような区独自の介護事業所や介護従事者への財政的支援の実施を求めます。
第3に、認知症対策です。第10期計画は、認知症基本法に基づき、認知症施策推進計画も一体的に策定します。認知症になると何も分からなくなり、1人で何もできなくなるとの偏見や誤解がいまだ残っていることも課題です。認知症になっても、一人ひとりがやりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間たちとつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることは可能です。そうした理解の上に、第10期計画策定では、認知症本人や家族などの当事者が参画して計画をつくることが明記されています。認知症対策における課題と認知症当事者の参画の計画づくりについて、どのように行うのか、区の考えをお示しください。
第4に、介護保険に係る負担軽減です。計画策定のための実態調査には、保険料の負担に関する設問はありませんが、自由記入欄には、「介護保険料が高過ぎる。ぎりぎりの生活をしている者から高額料金を取ってほしくない」といった切実な声です。区の介護給付費準備基金は増え続け、第6期は15億円、第7期は25億円、第8期は30億円、そして第9期は40億円を残しています。その一方で、総事業費は毎年増加しているものの、伸び方は鈍化しています。介護保険料は3年ごとに引き上げられてきました。第10期の介護保険料は、準備基金40億円を全額投入するなどで、今よりも保険料を下げるべきです。また、利用料の軽減も第10期計画で実施していただきたい。区長の見解をお答えください。
次に、新河岸地域にコミュニティバスを走らせることを求めて質問します。コミュニティバスりんりんGOは、新高島平駅で折り返し、四葉・赤塚地域を走っています。新高島平駅から新河岸川を越えた新河岸三丁目地域は公共交通が何もなく、新高島平駅まで歩くしかありません。また、都営新河岸団地の住民から、高島平中央総合病院に行くバスを求める声も上がっています。新河岸三丁目の交通や新河岸団地と高島平中央総合病院をつなぐ交通の必要性と課題解決について、区長の考えをお答えください。また、現在のりんりんGOを延ばし、新河岸地域や高島平中央総合病院などへつなぐルートへの拡大を求めます。
次に、三園陸橋について質問します。今年度、構造物の性能を調査する橋梁性能照査が行われます。この陸橋は数十年前に建設され、車道は整備されたものの、高島平に車両の進入が増えることが懸念され、車両の通行は認めないまま現在に至っています。新たに陸橋の対応が動き出すことに、住民も不安を感じています。また、三園陸橋を利用する自転車がとても速いスピードで走り抜けていくことから、安全対策を求める声も寄せられています。三園陸橋の構造物調査は、地元との合意が取れたことを理由としていますが、合意の内容についてお示しください。また、今後どのような整備を検討しているのか、区長の考えをお答えください。
以上で私の一般質問を終わります。
