議案第86号 東京都板橋区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例に賛成する討論

 ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第86号「東京都板橋区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」に賛成し、委員会決定「否決」に反対する立場から討論を行います。本条例は、4年の任期終了のたびに区長に支給される退職手当は廃止すべきとして、日本共産党板橋区議団、いたばし未来、社民、維新の会、無所属議員の11名が共同で提案したものです。

 賛成する第一の理由は、物価高騰で苦しむ区民感覚からあまりにかけ離れていると考えるからです。

 区長は、4年の任期満了で退職した場合、退職手当として、勤務期間1年につき1カ月の給料の100分の450の金額が支給されることになっています。現在の板橋区長の給料月額は119万5千円のため、来年4月の改選時には、119万5千円×4.5×4年で2151万円が支給されることになります。坂本区長は、過去4回、既に約8千万円の退職手当が支給されており、来年の任期満了時も支給されると合わせて1億円以上を受け取ることになります。

 一方、区民の暮らしはどうでしょうか。

 板橋区の税務統計によると、課税標準額が200万円以下の人はおよそ16万9千人で納税義務者の51.2%に及びます。2000万円という金額は、年収200万円の人が10年暮らせる金額です。また、正規雇用の人でさえも、低賃金と不安定な労働形態が広がっています。非正規雇用で働く人はそもそも退職金すらありません。物価高騰、燃料費高騰はさらに深刻で9月に発表された東京都区部の生鮮食品を除く総合指数は前年同月比2.7%も上昇しています。「何もかもが値上がりし、節約しようにもできない」という区民の悲痛な叫びが聞こえてくる中、区長への4年の任期ごとの巨額な退職手当の支給は、区民感覚からかけ離れており、到底理解しがたいと考えます。

 第二の理由は、自ら立候補している政治家である区長に退職金は必要ないと考えるからです。

 板橋区長の退職手当に関する条例は、1960年、任命制のもと制定されました。しかし、1975年、区民が直接選挙で選ぶ公選制へと移行したのに退職手当は残ってしまいました。4年に1回選挙で選ばれるのに退職手当が残っていることが問題です。

 通常、職員に対する退職手当は、終身雇用制を基調にし、永年勤続を奨励するとともに、退職後の生活を保障するものとして支払われており、板橋区職員の退職手当は、一般的な定年退職の場合、約2000万円です。

 反対を主張する委員より、「相応の対価がなければ、将来、優秀な人材が首長を目指さなくなる懸念がある」「24時間365日、重大な決断を担う重責に見合う待遇が不可欠」との意見がありました。だからこそ月額119万5千円という他の職とはかけ離れた高額な報酬が設定されているのであり、通常の月額報酬にすでに重責に対する対価が反映されていると考えます。

 加えて、「特別職報酬等審議会の客観的な議論を経て決定されるべき」との意見もありましたが、2006年以降、20年近く区長の退職手当は議題にすらあがっていません。報酬審議会で審議されていないことをもって退職手当の支給を認めることは問題です。

 そもそも退職金とは、真に職を退く際に支給されるものです。次期も継続して選挙に出ることがわかっていながら1期4年の任期満了のたびに支給されることは区民の理解を得られないと考えます。

 最後に、「区長が政治家であるならば、ご自身が最終的に決めること」との意見がありました。他区では区長自ら身を切る改革として自らの任期中の全額不支給、生活者目線に合わせて自身の任期に限り25%減額、20%減額等を適用する区がうまれています。区長自ら辞退すべきです。以上の理由から本条例に賛成し、私の討論といたします。

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