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いたばし元気帳 2017年7月号(No.41) TOPIC

[シリーズ]子どもの貧困
⑤板橋区の子どもの貧困対策「学習支援」事業

写真 政府の「子どもの貧困対策大綱」では、その重点施策の一つ目に「教育の支援」を掲げています。板橋区の子どもの貧困対策は、「いたばし子ども夢つむぐプロジェクト」と名付けられ、全体で118事業ありますが、新たな取り組みはこのうち11事業です。

無料の「学習支援」広がる

「学習支援」事業にあたる26項目のうち、新たな事業は3つで「不登校改善重点校事業」「『中学生勉強会』の実施・支援事業」「生活困窮者自立支援法に基づく『まなぶーす』事業」です。
『まなぶーす』は2015年に区内1か所で始まり、今年度から2か所に拡大されました。
「生活困窮者自立支援法」による学習支援で、小6・中学生・「高校へ行っていない子ども(中退・不登校等)」が対象です。
 こうした新たな事業が、支援を必要としている子どもに届いているのか、という不安があります。例えば、『まなぶーす』では、生活困窮者の具体的基準がありません。区も「生活困窮者」を把握できておらず、行政や相談窓口から対象者と思われる住民に支援を勧めることは想定していません。そのため学習支援の参加までのハードルが高くなっており、まだまだ課題があります。

少人数学級や教員定数の増加がどうしても必要

 大田区議は、「学習支援は、あくまで「子どもの貧困」の対症療法でしかありません。いま困難を抱えている子どもたちに寄り添うことは、大きな意味がありますが、貧困の発生や教育機会の均等という課題を解決することはできません。本来は、家庭の所得に関わりなく学力が身に付けられることが必要です。そのためには、少人数学級の実現や教員増こそ必要です。」と語っています。

写真:子どもの貧困対策調査委員 大田伸一区議