2025年第1回定例会 荒川なお区議 代表質問

質問日:2025年3月5日


ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団の代表質問を行います。
 
1.区政経営と予算編成方針について

 初めに、区政経営と予算編成方針についてです。
 板橋区の2025年度の当初予算案は、板橋区基本計画2025及びいたばし№1実現プラン2025改訂版の最終年度と位置づけられ、これまでの取組の集大成と次期の計画につながる成果を仕上げる重要な年としています。また、区政課題として、物価高などの影響により区民生活や中小企業経営には厳しさが残っていること、出生数の減少、気候危機、激甚災害、公共施設の更新需要などが挙げられています。板橋区は、それらの課題を解決していくためにSDGs、DX、ブランドの3つの重点戦略に取り組んでいくとしていますが、区民生活の実態とかみ合ったものになっているかをお聞きします。


 まず、第1に区民生活についてです。
物価高騰に関する支援事業は、国の定額減税の調整給付34億円を除くとキャッシュレス決済推進事業15億円、学校給食費無償化16億円などです。学校給食費の無償化は、義務教育を無償とするとした憲法に基づいた教育環境の整備であって、物価高騰対策とすることは問題です。また、キャッシュレス決済事業は使える人と使えない人、使わない人の間に格差を生む事業になっています。介護施設や児童福祉施設などへの支援策が行われましたが、全て国の物価高騰対策によるものです。そこで区長に伺います。なぜ、新年度予算に区独自の物価高騰対策、区民生活への経済的支援策を盛り込まなかったのでしょうか。見解を求めます。


 第2に、№1実現プラン2025改訂版の経営刷新計画についてです。
児童福祉施設の最適化として児童館のあり方検討、保育施策のあり方検討、保育園の民営化等を進めるとしています。また、民間活力の活用として福祉園民営化、生涯学習センターや行政窓口業務の民間活力の導入などが挙げられています。公立保育園は9園の民営化が打ち出され、さらに統合・閉園も検討されています。板橋区は待機児童対策として入所定員を緩和し、定員以上の受入れをしたり、待機児の多いゼロ・1・2歳児までを小規模保育園で対処したり、また、ビルの1室や園庭のない保育園などが造られてきました。詰め込みや規制緩和の中で、不適切保育が社会問題となるなどの事態を生んでいます。そこで区長に質問します。日の当たる園庭があり、安定した職員配置が保障された公立保育園をこれ以上廃止しないこと、公私立の保育士の配置基準の改善を行うこと、小規模保育園への支援を拡充することを求めます。板橋区は、2016年に38館あった児童館を12館廃止しました。地域や利用者からは、身近な、歩いて行ける児童館を廃止しないでほしい、小学生や中高生も使えるようにしてほしいという声が上がっていましたが、この声を聞くことなく廃止しました。区は今、児童館と生涯学習センターのあり方を検討する中で乳幼児から小中学生、高校生までを対象に夜間・休日の開放も視野に入れたあり方の検討を行っています。不登校の増大やヤングケアラー、8050問題などへの対応が急務となる中で、広く子ども・若者支援につながるものにしていく必要があります。廃止した児童館は今、保育園が併設されていれば保育園が利用し、その他は利用されないままになっています。これらの施設も活用して、夜間・休日も正規職員を配置して、直営で子ども・若者支援の事業を行うべきです。見解を求めます。


 第3に、使用料・手数料の値上げについてです。
2025年4月から、区の施設使用料が改定されています。平均で1.4倍の値上げは利用者に大きな衝撃となっています。公共施設を整備し、全ての区民が低廉な価格で利用できるようにすることは区の責務です。受益者負担の考え方はやめるべきです。せめて子ども、障害者、高齢者などの利用について、利用料の減免を拡大することを求めます。見解を伺います。

 第4に、職員体制と人材育成についてです。超過勤務が年360時間を超えている職員の実態が解消されていません。また、障害者雇用3%を目指すためには仕事を見直すことが必要です。そこで区長に伺います。特定事業主行動計画や障害者活躍推進計画の目標を達成するために、抜本的な人員増が必要であると考えます。区の見解を伺います。

 第5に、財政見通しと基金についてです。
区財政の堅調な伸びはここ二、三年の話ではなく、区の財政規模は毎年増え続け、2025年度は過去最高となり、基金総額は2016年の524億円から2024年には1,431億円へと9年間で900億円、ほぼ毎年100億円以上を積み上げています。にもかかわらず、義務教育施設整備基金に毎年25億円、公共施設整備基金に22億円、財政調整基金には標準財政規模の20%から30%を目指すという方針です。理由は、特別区全体の平均に近づけるというものですが、それは板橋区の実態を直視したものではありません。基金積み上げを優先する財政運営になっており、区財政を歳入歳出両面から的確に把握し、積極的な予算編成を行っているとは言えません。基金のさらなる積み上げ方針を撤回することを求めます。
 この項の最後に、住民の声を聞き、住民参加を保障するまちづくりについて質問します。区は、まちづくり計画や公共施設の整備計画について住民説明会を開催していますが、区の立場を説明しているだけで参加者が納得できる場にはなっていません。住民に対して区の考えを説明するだけでなく、区民と話合いを行い意見を取り入れる場にするべきです。見解を求めます。次期基本計画の策定に向け、これまでの何でも官から民へ、受益者負担など新自由主義的な政策を転換することを求めて、この項の質問を終わります。
 
2.物価高騰から区民の暮らしを守り、中小企業支援を

 次に、物価高騰から区民の暮らしを守り、中小企業を支援することを求め、質問します。
 長引く物価高騰で区民の暮らしは厳しさを増しています。米の店頭価格は5キロで4,000円と、昨年の1.9倍に跳ね上がっています。米だけでなくキャベツやネギなどほとんどの野菜も高く、代用することもできない異常事態です。昨年11月から区議団が実施した区民アンケートは1,000通を超え、年金が下がっているのに物価が上がり、不安しかない、これ以上、何を削ればいいのかなど悲痛な声が寄せられています。今年の値上げ品目数は2万品目に達すると言われています。年収の壁の突破も重要ですが、低所得者は恩恵が少ないか、全く受けられません。年収103万円に届かない3,000万人以上は取り残されます。食費が増えれば消費税も増える、二重の負担増が生活を苦しめており、消費税は所得が低いほど重い税金です。全ての人に行き届く消費税減税こそ、暮らし応援に有効です。全ての人が減税となる消費税5%への緊急減税を国に求めていただきたいが、いかがでしょうか。
 厚生労働省が2月5日に発表した毎月勤労統計調査によると、2024年の実質賃金は前年比0.2%減と3年連続で減少しています。経済の底上げのためには個人消費の回復が欠かせず、物価上昇を上回る大幅な賃上げが必要です。区は今年度から契約3,000万円を超える工事に対し、契約時に労働環境チェックシートを配付し、提出を求める取組を始め、新年度予算には公契約条例の制定に向けた職員配置を行い、令和8年度制定、令和9年度の施行を目指していることは重要です。板橋区でも労働報酬の下限額を設定し、公契約の下で働く全ての労働者の賃金水準を引き上げることを求めます。
 ガソリン、光熱費、資材高騰は建設業や飲食業など、あらゆる分野で経営を苦しめています。区は、2020年6月から9月、コロナで営業休止や自粛により売上高が減少した区内の小規模事業者、個人事業主に対し、事業継続、従業員の雇用維持を図るための家賃の一部助成を実施しました。2021年には売上げ減少率20%以上50%未満の事業者を対象に、幅広い事業者向けの支援策として板橋区中小企業等事業継続支援金を創設しています。事業者に対する直接支援が有効であることがコロナ禍で証明されています。区として、改めて家賃やリース代など固定費の補助を行うよう求めます。見解を伺います。
 杉並区では、エネルギー価格の高騰により負担が増加している区内中小業者に対し、経営安定化と負担軽減を図るため、光熱費、電気、ガス料金の一部を令和5年4月から9月の半年使用分、最大15万円を助成するなど自治体での支援が広がっています。区として、区内中小業者の営業を守る本気の取組が必要です。区として物価や燃料高騰分の負担軽減補助を行うよう求めますが、いかがでしょうか。
 
3.住まいは人権の立場で

 次に、住まいは人権の立場での住宅政策を求めて質問します。
 現在、東京都の民間賃貸住宅率は46%で持家率44%を上回り、この20年で85万4,000戸増えています。また、タワーマンションが増加していることなどの影響により家賃が上昇しています。都内で住宅問題を考えるとき、民間賃貸住宅問題を正面に据えた取組が必要です。住まいは命と健康を守り、人間らしい生活を保障するものです。そのためには、適切な住居費と家賃助成制度の創設、住宅への入居差別の禁止、公的保証人制度の創設などが必要であると考えます。このような課題があることを区はどのように考えますか。認識を伺います。
 2023年に総務省が行った調査によると、34歳以下の若者世帯は9割が賃貸住宅に住んでいることが明らかになりました。また、板橋区の住まいの未来ビジョン2025住宅白書の中では、年収300万円以下の低所得世帯で20代が44.1%となっています。板橋区が行ったアンケート結果では、20代、30代から家賃助成制度の実現を求める声が多く寄せられています。また、区内の学生を対象に行ったアンケート結果でも53%が家賃助成を求めています。最近では物価高騰の影響で賃貸料金が上がっており、家賃助成を求める声は切実です。若者やファミリー世帯向けの家賃助成を行うことを求めます。また、公営住宅の新規建設の再開と建て替えのときの増設、公社住宅などを利用した借り上げ公営住宅など、新規建設を行うことが必要です。見解を伺います。
 近年、60歳未満の方の親が亡くなり、公営住宅を使用承継できずに短期間で住宅を追い出されるケースが増えています。非正規雇用で働いていたので民間アパートに移りましたが、その後、仕事がなくなり家賃が払えなくなり、自分の生まれ育ったまちでホームレスになっていたという事例もあります。親の死後すぐに短期間で退去を迫ることは、入居者の生活実態を見ずに一律に追い出すやり方であり、人権問題です。それぞれの実態に合わせられるように使用承継の条件を拡大することを求めます。

4.ひとりも取り残さない災害対策を

 次に、ひとりも取り残さない災害対策を求めて質問します。
 区は災害時に1人で避難することが困難な人への支援として、個別避難計画の策定を進めてきました。2025年度は高島通りより南の地域の1階から3階までの低層階に限定し、個別避難計画の対象地域を広げます。個別避難計画を策定する対象者は、土砂災害警戒区域内にお住まいの方で要介護3以上の認定を受けている方、障害者手帳を所持している方で要介護・要支援認定を受けている方など、水害時に避難が困難な人となっています。区は今年から担当部署を、高齢者は健康生きがい部に、障がい者は福祉部に、それぞれ所管を変更しました。そのことで区民により身近な部署が対応できるとしていますが、担当職員の人数は来年度以降も変わらない予定です。今後、板橋区でも高齢化が進み、介護を必要とする人口が増え、個別避難計画の対象者が増えることは避けられません。改めて、災害弱者を一人も残さない災害対策を進めるために、個別避難計画づくりの体制の強化を求めます。
 板橋区では令和元年の台風19号をはじめ、近年多発している豪雨災害において高齢者などの死亡率が高かったことから、風水害に対して事前に行うべき避難準備や避難地における支援者などを明確化するために個別避難計画を進めています。一方で、地震発生時に個別避難計画は適用されていません。近年では、日本列島で頻繁に大規模な地震が発生しており、震災で亡くなった人の中でも高齢者や障がい者は多くなっています。被害を未然に防ぐためにも、地震発生時を個別避難計画の対象とすることを求めます。また、個別避難計画の対象がまだまだ狭過ぎます。計画策定の対象となる避難行動要支援者名簿の登録は要介護3から5で、健常者と同居していると対象にはなりません。例えば食事やトイレに行くことなどはできるものの部分的な介助が必要、自分だけでは立ったり歩いたりすることが困難、認知症初期症状が見られることもある要介護2の方も明らかに個別で避難することが難しい方が多いと考えます。避難行動要支援者名簿登録の対象者を広げるべきです。見解を求めます。
 今年の1月17日に阪神・淡路大震災から30年を迎えました。当時、被災者と市民団体が個人補償を求めた際に、当時の政府は頑として個人補償を拒否し続けてきました。その後、被災者生活再建支援法が成立しましたが、政府は支援の拡充を求める自治体の声に背を向け続けていると言わざるを得ません。能登半島地震での避難生活では雑魚寝や不十分な食事など、劣悪な環境が阪神・淡路大震災から30年たった今も繰り返されており、被災者の権利が後回しにされています。国の施策が本気で被災者の生活を支援していく立場を取っていないことが根本的な原因であると考えます。また、現状では避難所の設置や仮設住宅の設置まで自治体任せとなっています。被災者支援に自治体間格差があってはなりません。このような現状について、区としては災害対策における国の責任がどこにあると考えるか、答弁を求めます。
 
5.気候危機対策の強化を

 次に、気候危機対策の強化を求めて質問します。
 2月18日に閣議決定され、国連に提出された地球温暖化対策計画で、国は2013年度の排出量を基準に2035年度に60%、2040年度は73%の削減の中間目標を定めました。IPCCの第6次評価報告書では、気温上昇を1.5度に抑えるためには2035年度に66%の削減が必要としています。国の目標は1.5度目標に整合的で野心的な目標とは言えません。国が示した目標を上回る目標を設定し、削減を進めていく必要があります。日本は世界第5位の温室効果ガス排出国であり、率先して削減を進める責任があります。国に対して、第6次報告書に照らし合わせても整合的で野心的な目標となるように削減の中間目標を大幅に引き上げるよう求めるべきと考えますがいかがでしょうか。区は、2030年度に51%削減という中間目標を示していますが、2035年度、2040年度の国を上回る板橋区の野心的な中間目標を示すべきと考えますがいかがでしょうか。
 地球温暖化対策計画と同時に改定が行われるエネルギー基本計画は、2040年度の見通しで原子力発電が2割程度、火力発電が3割から4割程度の電源構成となっています。イギリスでは既に石炭火力発電から撤退し、イタリア、フランス、カナダ、ドイツが撤退までの明確な期限を示しています。政府自身が原発事故以来掲げてきた、可能な限り原発依存度を低減するという文言を削除し、原発を再エネと合わせて最大限活用するとしました。新規建設に関しては、廃炉を決めた敷地内に限定していた条件を緩め、電力会社が同じなら敷地外でも可能にする方針に変え、新規の原発の開発、設置に取り組むとしたことは問題です。水素やアンモニウムの活用など実用化されていない不確定な新しい技術に期待するよりも、着実な手段で脱炭素化を進めていくべきです。速やかに再エネ由来電力に移行していくために、原子力発電と火力発電から撤退が必要だと考えます。区長の見解を求めます。
 次に、省エネ推進について質問します。東京都は今年度、賃貸住宅の断熱化を進めるために省エネのための診断、改修の促進事業を行っていますが、来年度の予算はさらに拡充される見通しとなっています。3か年で15万戸を集中的に支援するもので、既存の断熱改修を今後2030年までに約100万戸とすることを目指したものです。高断熱窓、ドア、壁、床等への断熱材の改修支援を3万戸を対象に3分の2の補助率で30万円を上限としています。補助を受ける条件として都の環境公社に登録した業者に発注することになっていますが、区内の事業者はこのうち4社のみです。都は事業者の募集を進めていますが、区内の事業者の応募は進むでしょうか。区内の事業者が請け負うことができれば、区内経済にも好影響がもたらされるのではないでしょうか。そこで伺います。区内の事業者に発注することを条件とし、板橋区独自の断熱改修補助を行うべきと考えますが、いかがですか。
 工事を伴う断熱改修だけでなく、窓にシートを張りつけるなどでもエネルギー使用量を抑制することはできます。賃貸住宅でも取り組める断熱カーテン、断熱カーペットも効果があると考えます。いたばし環境アクションポイント事業のポイント付与のオプションメニューに断熱カーテン、断熱カーペットの購入が入っています。ポイントの付与にとどまらず、購入費の助成に拡大すべきと考えますがいかがでしょうか。
 
6.子どもへの支援について

 次に、子どもへの支援について質問します。
 2023年度に公立の小中高校と特別支援学校で精神疾患を理由に原則90日を超えて休み、休職となった教員は2020年度より580人多い7,119人となり、3年連続で過去最多となったことが文部科学省の調査で分かりました。教員の働き方は深刻な状況となり、教員不足にも拍車がかかっています。区も例外ではなく、今年度は4月1日に校長がいない区立学校もありました。当然、学校の活動にも支障が生まれ、教員不足は学校の対応不備を招きます。本来は教員が、学校がつらいと感じる児童・生徒の対応をいち早く行うべきですが、板橋区の不登校児童・生徒の増加に歯止めがかかりません。区教育委員会は1,300人を超える板橋の子どもたちの教育を受ける権利を侵害している現実を直視し、権利の公平性を担保すべきです。義務教育を受ける権利を板橋区の全ての子どもに保障することこそが教育委員会の責務です。コロナ禍では学びを止めるなと大号令が日本全体にかかりましたが、不登校児童・生徒の学びは止まったままでいいのでしょうか。一刻も早く対策すべきです。今すぐ区で不登校対応に当たる教員を採用すべきです。また、不登校児童・生徒の学びを止めないためのあらゆる対策を早急に行うことを求めます。
 厚生労働省によると、小中高生の自殺数が1980年の調査開始から最も多い527人となりました。特に中学生と高校生の女子の増加が目立ち、中学生の女子は前の年より19人増えて99人、高校生の女子は前の年よりも17人増えて183人となっています。子どもの自殺について原因、動機が不明の割合が高いほか、年齢や性別ごとに家庭や健康、学校など抱える問題は様々です。厚労省も最多水準が続いており、かなり深刻な状況と受け止めている、背景を分析したい、としています。少子化に歯止めがかからないだけでなく、日本社会が子どもたちにとって過酷な生存環境であることの表れです。薬を過剰摂取するオーバードーズなど、子どもの自殺未遂問題も深刻です。子ども家庭総合支援センターでは、区内の児童精神科等と連携しながら対応もしていると聞いています。しかし、区の自殺対策は児童・生徒の心に関する教育が重点施策とされ、令和5年度はインターネット検索連動型広告、自殺対策絵本製作などとなっていますが、全く不十分です。より子どもの命を守る取組が求められています。国の動きを待たずして、区として対応することを求めますがいかがでしょうか。
 いたばし子どもワークショップが今年度試行され、来年度は本格実施となります。行政が子ども自身の声を聞こうとする姿勢を見せたことは大変重要です。しかし、当初予算プレス発表の資料には、区への愛着形成を図るとともに、子どもも大人も暮らしやすいまちの実現を目指すとあり、子どもの権利を守るという観点からは遠のいており、問題です。当事者である子ども自身の声を聞くこと、意見を尊重するための様々な工夫をすることが重要です。郷土愛を醸成するためであってはなりません。子どもの権利や利益が守られているか、行政から独立した立場で監視する役割を果たす機関が必要です。子どもの意見をどのように政策に生かせばいいのか研究を重ねること、さらにより子どもの意見を尊重するためにも、子どもの権利救済を目的とする第三者機関を設置し、個別案件の救済と同時に板橋の子どもをめぐる状況をモニタリングし、教育委員会や児童相談所などに提言することを求めます。
 
7.「政治とカネ」に関わる区長の政治姿勢について

 次に、「政治とカネ」に関わる区長の政治姿勢についてです。
 都議会自民党が裏金づくりをシステム化し、多くの議員が裏金をつくっていたことが判明しました。政治資金パーティーで都議1人にパーティー券100枚200万円分が配られ、半分の50枚100万円分が販売ノルマとなり、ノルマ超過分の収入は政治資金収支報告書に記載せず、裏金化しました。日本共産党都議団が入手した都議会自民党の内部文書は、2019年12月開催の政治資金パーティーで中抜きを指示し、都連所属の衆議院議員46名、1人30枚配付と、国会議員にもパーティー券が配付されたことが記述されていました。自民党都連を挙げて裏金づくりが行われた疑惑になっています。東京地検特捜部は、会計担当職員の略式起訴にとどめましたが、夏の都議選に出馬予定の幹事長経験者6人は公認見送りとなりました。自民党会派の内部調査の結果によると、2019年と2022年の資金パーティーで不記載があったのは、現職16人と元職ら10人の計26人に上り、幹事長経験者は8人で総額2,873万円だったことが明らかになりました。その後も新たな疑惑が浮上しています。都議会自民党はいつからどのくらい裏金に関与し、裏金を何に使ったのか、徹底的に明らかにすべきです。そこで区長に伺います。区長は、元都議会議員として都議会自民党に所属し、また、区長になった後も、現職の自民党都議会議員の応援をしてきました。その立場から、都議会自民党の裏金問題について真相を明らかにするよう、当事者に求めるべきではないですか。見解を伺います。

◎区長 それでは、荒川なお議員の代表質問にお答えいたします。


 最初は、区独自の物価高騰対策についてのご質問であります。令和7年度当初予算においては、区の独自財源において、デジタル地域通貨いたばしPayや国の交付金を一部活用したプレミアム付商品券発行による区民生活及び区内事業者支援策を盛り込んでいるところであります。また、私立幼稚園等の入園料に対する補助額を増額するほかに学校給食費無償化の継続など、子育て、教育活動への支援についても予算措置をしているところでございます。
 続いて、公立保育園の存続についてのご質問であります。これからの保育施策においては、待機児童のいない環境を継続し、保育需要に柔軟に対応しながら、保育の質を高め、安心・安全なサービスを提供していく考えであります。そのためには、公立・私立の優劣を比較するのではなく、それぞれが持つノウハウを生かし、保育スキルを高め合っていく取組を進めていく必要があると考えます。その中において、公立保育園の民営化によって費用対効果を高めながら、地域によっては人口や保育需要を踏まえ、統合も視野に検討しながら、量と質のバランスを保っていきたいと考えています。
 続いて、公立・私立保育園の保育士の配置基準の改善についてのご質問であります。国が令和5年12月に策定しましたこども未来戦略におきまして、安心して子どもを預けられる体制整備を行うため、保育士の配置基準を改正することが盛り込まれております。令和6年3月には、配置基準の根拠となる内閣府令や区の規則が改正され、現在では区内のほぼ全ての保育園において、新たな保育基準が適用されております。今後のさらなる配置基準の改善については、国の動向を注視して決定していきたいと考えています。
 続いて、小規模保育園への支援の拡充についてのご質問です。区では、小規模保育園の質の向上や、事故の未然防止を図るため、区立保育園の園長経験者による現場への巡回指導のほか、令和6年度からは、電話相談についても開始をいたしました。令和7年度は、災害時の安全確保や体制整備のため、全園に対しましてBCPの策定支援を行う予定であり、様々な観点から民間保育園の運営サポートを継続的に実施しているところであります。
 次は、廃止した児童館の活用についてのご質問です。平成27年度末に廃止した児童館は全て、生涯学習センターや保育園の一部として、中高生の活動支援や保育の充実のために活用しております。夜間・休日における子ども・若者支援のさらなる充実に向けましては、昨年2月に公表した児童館の今後の展開に基づきまして、多様なニーズに応えられるように検討していきたいと考えています。
 続いて、施設利用料の減免拡大についてのご質問です。区は、東京都板橋区公の施設の使用料減免規則において、施設ごとに使用料を減額できる場合を定め、対応しておりまして、現在のところ、その対象を拡大する予定はないところであります。今回の使用料改定においては、子ども料金や一部の高齢者施設の料金を据え置いたところでありまして、減免や負担軽減について、必要があれば改めて検討していきたいと考えています。
 次は、抜本的な人員増についてのご質問です。区では障がい者の活躍を推進する体制整備や、職員の仕事と生活の調和、女性の職業生活における活躍などの実現に向けて、目標を設定して取り組んでいるところであります。育児休業の取得などによる職員の欠員補充については、会計年度任用職員や育児休業代替任期付職員に加えまして、令和7年度から、臨時的任用職員や人材派遣を導入して対応していく考えであります。引き続き、行政需要の変化に対応しながら、最小の経費で最大の効果が得られるように、効率的・効果的な人員配置を行うとともに、職員の多様な働き方の実現を目指していきたいと考えています。
 次は、基金積立てについてのご質問であります。基金の積立てに関しましては、地方財政法及び板橋区財政運営指針に基づきまして行っております。今後も安定した財政運営と将来の公共施設の改築需要に備えた、持続可能な区政を推進していきたいと考えています。
 続いて、住民説明会についてのご質問です。住民説明会においては、事業内容等を説明した後に質疑応答など意見交換の機会を設けております。意見の収集に関しましては、アンケート調査やパブリックコメント、オープンハウス型説明会、ワークショップなど、様々な手法を取り入れているところであります。今後とも、事案に応じた適時適切な手法を用いながら、可能な限り意見の収集・反映に努めていきたいと考えています。
 次は、消費税の減税についてのご質問です。消費税は、社会保障の安定財源としての位置づけから、減税することは慎重であるべきと考えます。国は、新たな経済に向けた給付金と定額減税一体措置として、現金給付や減税などの対策を講じてきたことから、引き続き動向を注視していきたいと考えています。
 次に、労働報酬下限額の設定による賃金水準の引上げについてのご質問であります。労働報酬下限額の設定について、公契約の安全と品質の担保や事業者の担い手確保のため、条例や要綱により定めている自治体が増加をしている状況は承知をしているところであります。公契約における労働報酬下限額の在り方については、事業者団体、労働者団体など、様々な方々のご意見を伺いながら、調査研究を進めていきたいと考えています。
 続いて、事業者に対する固定費の補助についてのご質問です。物価高などに対する経済対策は、広範囲な権限を持つ国や東京都が責任を持って行うべきだと考えておりまして、現段階において、区で直接補助を実施する予定はないところであります。令和6年11月閣議決定されました総合経済対策においては、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を掲げておりまして、区におきましても、事業者の持続的な成長を後押ししていきたいと考えております。
 次は、物価や燃料費高騰分の負担軽減についてのご質問です。繰り返しになりますけれども、広範囲な権限を持つ国や東京都が責任を持って行うべきと考えており、現段階において、区が直接補助を実施する予定はないところであります。企業活性化センターにおいては、経営に関する総合的な相談に対応できる経営改善チームを設置しておりますので、必要な場合にはご相談をいただきたいと考えています。
 次は、民間賃貸住宅の課題についてのご質問です。借地借家人の暮らしと権利に関する活動をしている団体が、民間賃貸住宅の家賃補助制度の創設や、入居差別の禁止などについて取り組んでいることは承知しているところでございます。住宅にお困りの方に対して、区が設置した板橋区居住支援協議会においては、住宅の確保を円滑に行えるよう、適切に居住支援サービスの情報提供などを行っております。
 続いて、若者やファミリー世帯向けの家賃助成についてのご質問です。家賃助成につきましては、行財政改革の公益性の観点から、原則として現金給付型の支給は行わない考えを維持してきたところでございます。現在は、家賃助成の実施について考えていないところであります。
 続いて、公営住宅の増設と借り上げ住宅の新設についてのご質問です。東京都は、都営住宅について、良質なストックとして維持・更新を図り、現在あるストックを最大限活用していく考えを示しております。区では、板橋区営住宅再編整備基本方針に基づきまして、順次、区営住宅の建て替えを進めておりまして、供給戸数については現状のとおり維持をしていく考えであります。また、民間オーナーから借り上げているけやき苑については借り上げ期間の満了に合わせて返還をしておりまして、この方針に基づきまして、必要な供給戸数を適切に供給しているため、新たに住宅を借り上げることは考えていないところであります。
 続いて、区営住宅の使用承継の要件についてのご質問です。区では、区営住宅の入居者が死亡した場合、原則として配偶者や高齢の同居親族等に限り、使用承継することを認めております。区営住宅は公募することが原則であるため、その例外となる使用承継によって長年にわたり同一の親族が居住し続けることは、入居者と入居を希望する区民との公平性を損なうおそれがあると考えます。限られた区営住宅を適切に運用する必要があるため、使用承継の要件については、今後も維持していきたいと考えています。
 次は、個別避難計画づくりの体制強化についてのご質問です。令和4年度から開始いたしました個別避難計画の作成については、作成対象者の増に伴い、業務量が増加している一方において、作成のノウハウが年々蓄積され、効率化が図られている側面もございます。個別避難計画作成に伴う年間の業務量に基づきまして、適正な職員配置を行っていくとともに、関係各部の組織横断的な連携によりまして、体制の強化を図っていきたいと考えています。
 次は、個別避難計画作成の対象拡大についてのご質問です。区では、令和4年度から8年度にかけまして、荒川氾濫時の浸水区域と土砂災害警戒区域を対象として、個別避難計画の作成を進めております。令和9年度以降については、関係各部で構成する要配慮者支援検討委員会において、個別避難計画の対象範囲を含めて審議し、その審議結果などを踏まえて、総合的に決定していく方針であります。
 次は、避難行動要支援者名簿の対象拡大についてのご質問です。避難行動要支援者名簿は、身体障害者手帳1から3級、愛の手帳1から3度、要介護3から5の方などを対象としております。この基準に当てはまらない場合でありましても、ヒアリング調査の結果、1人では避難することが特に困難な方であることが確認できた場合は、適宜、名簿に登録をしております。今後も個々の状況を適切に把握して、円滑な避難行動ができるように努めていきたいと考えています。
 次は、災害対策における国の責任についてのご質問です。我が国では、防災に関する基本理念を定めた災害対策基本法を中心に、災害の類型に応じまして、個別法が規定されております。各法令に規定されている国や都道府県、区市町村等の責務や役割の下、災害対応を的確に行っていくことが重要であると考えています。区として国の責任に言及することは控えるところでありますけれども、現在、災害対策基本法と災害救助法の改正の動きがあるため、能登半島地震の教訓も反映されると考えており、区としましては、その内容を注視したいと考えています。
 次は、国の温室効果ガス削減目標についてのご質問です。国における地球温暖化対策を定めた地球温暖化対策計画が2月18日に閣議決定されたことは、承知しているところでございます。この計画は、国のエネルギー政策をはじめ、政策的判断から定められたものでありまして、区としましては、国の削減目標の引上げの要望を行う考えはないところであります。
 続いて、区の温室効果ガス削減目標についてのご質問です。国においては、温室効果ガスの削減を進めるため、地球温暖化対策計画において、自ら野心的な削減目標を設定したとしているところであります。区の削減目標につきましては、国の削減目標を踏まえて、令和8年度に策定する次期環境基本計画の中において明らかにしていきたいと考えています。
 次は、エネルギー電源についてのご質問であります。原子力発電及び火力発電からの撤退については、国民生活及び経済活動に支障がないように、エネルギー需給の安定を担保するという観点から政府が判断すべき事項でありまして、区としましては、その動向を見守るべきものと考えています。
 次は、区独自の断熱改修補助についてのご質問です。東京都においては、建物の省エネ性に優れ、健康にも資する断熱改修の普及・促進を図るため、様々な補助事業を実施しております。区独自の断熱改修補助を実施する考えはないところでありますけれども、区民の利用を促進するほか、区内事業者の登録の増加を図るために、事業の周知に努めていきたいと考えています。
 次は、いたばし環境アクションポイント事業についてのご質問です。令和7年度のいたばし環境アクションポイント事業におきましては、断熱の取組を促し、省エネを推進するため、断熱カーテンと断熱カーペットの購入についてを新たにポイントの対象といたしました。本事業については、ポイントを付与することによりまして、区民の省エネに向けた行動変容を目的としておりまして、購入費補助の形態とすることは考えていないところでありますが、今後の実施状況を見ながら、事業の充実を図っていきたいと考えています。
 次は、子どもの命を守る取組についてのご質問であります。全国の自殺者数が減少している中において、令和6年の子どもの自殺者数は527人と過去最多となっておりまして、極めて深刻であると受け止めております。区では、いのちを支える地域づくり計画に基づく子どもへの支援として、自殺対策に資する絵本づくりや検索連動型の周知など、24の事業を展開しております。現在、次期計画改定に着手をしておりまして、医療、福祉、教育など、関係機関と議論を重ね、かけがえのない子どもたちの命を守る、さらなる取組を講じていきたいと考えています。
 続いて、子どもの意見と権利についてのご質問です。区では、こども基本法にのっとって、子どもが意見を表明する機会を確保するとともに、意見の尊重及び区政参加を目的として、子どもワークショップの本格実施を予定しています。頂きました貴重な意見は、子ども政策に関係する計画などの策定過程において参考とさせていただき、可能な限り反映に努めていきたいと考えます。子どもの権利救済に関しましては、弁護士等の子どもの権利擁護調査員を配置し、児童福祉審議会の意見を踏まえ、必要に応じて関係機関へ働きかける体制を整えておりまして、現時点においては、第三者機関を設置する予定はないところであります。
 次は、政治とカネに関わる区長の政治姿勢についてのご質問であります。政治資金の取扱いについては、政治資金規正法に基づき、適切に対応すべきものと考えております。しかしながら、お示しの個別具体的な件に関しまして、何らかの行動を起こす考えはないところであります。
 荒川なお議員の教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長 それでは、荒川なお議員からの代表質問のうち、教育に関するご質問にお答えします。


 子どもへの支援についてのうち、不登校対応についてです。区立小中学校では、不登校児童・生徒が欠席時に学習することができるよう、放課後等に課題を渡したり、オンライン授業を実施したりしています。また、児童・生徒自身が自己の状況や興味・関心に応じた学びを選択・決定できるよう、教室以外の居場所を校内に設置しております。不登校対応に当たる教員について、区独自での任用は現時点で考えておりませんが、令和7年度から東京都が配置する不登校巡回教員を活用するなど、児童・生徒の支援に努めてまいります。

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