議案第30号 東京都板橋区立公園条例の一部を改正する条例に反対する討論

討論日:2022年3月2日

 ただいまから、日本共産党板橋区議団を代表し、議案第30号東京都板橋区立公園条例の一部を改正する条例に反対する立場で討論を行います。

 本議案は、公園施設の設置管理許可制度に加え、民間活力による新たな都市公園の整備手法として、「公募設置管理制度(Park-PFI)」を導入するための条例改正です。改正によって、民間事業者が公園に飲食店などの施設を設ける場合の建蔽率の上限を従来の2%から12%に引き上げるものです。また、公園の使用料・占用料について、料金の改定をするものです。

 反対する第一の理由は、公募方法も、事業者の選定も、施設設置や管理の条件も、どのような公園にするのかも住民や議会の関与が大幅に後退するからです。

 都市公園法改正によって、公募設置管理制度Park-PFIの導入が可能となり、民間施設設置期間について、最大20年までに上限が拡大され、設置する施設の面積だけでなく、公園そのものの整備や管理も民間事業者に委ねることができるようになりました。

 区がPark-PFIによって、公園内に民間施設を設置する際には、事業者の公募方法も選定も施設の面積も、公園のどこまで管理を任せるのかも、区と事業者の「協定」で定められ、議決事項にもなりません。議会の権限は大幅に後退します。

 また、公園内の設置内容について地域住民と意見交換し「指針」を作ってから事業者を公募するとしていますが、地域住民との意見交換は「ワークショップ」のみで、あり方検討会は、地元の町会代表者が入ればいいとしています。公園の中の遊具がどうなるのか、子どもの池をどうするのか、その決定は、区と業者の「協定」だけに委ねられ、検討過程は明らかになりません。それは、住民参加による「公園づくり」とは言えません。

 第二の理由は、民間事業者だけに12%もの施設を許可することは、コストや儲けを優先することになるからです。

 もともと、公園面積の2%の建蔽率の建物しか設置できないという原則は、緑地面積やオープンスペースの確保の観点から定められていました。12%の建蔽率は、例えば区立板橋公園では、最大で1,200㎡もの建物を建てられることになり、公園面積を大幅に失いかねません。公募設置管理制度(Park-PFI)を活用すれば、カフェやレストランなどの収益を公園の整備費に充てることができるといいますが、その範囲はなんの定めもなく儲からなければ事業者は引き受けません。

 区は、公共施設整備方針に基づいて、住民にとって必要な区民集会所を、建蔽率2%を超えていることを理由に廃止してきました。委員会質疑で、区民集会所についても区の判断で特例として設置することは、条例改正を行えばできることが明らかになりました。

 区民集会所の存続を求める住民要求に背を向ける一方で、民間事業者には12%もの建蔽率を許可するということは、コストや利益だけを優先することに他なりません。

 第三の理由は、公園使用料の値上げは、据え置くべきと考えるからです。

 固定資産税評価額などの変更に伴って、公園使用料も1㎡あたり10円引きあげるものですが、公園は、個人や福祉団体など利益を生まない利用が多く、若干の値上げでも影響が大きくなります。委員会質疑の中で、公園の使用料については据え置くことができたことも確認できました。今回は、据え置く必要があったと考えます。

 以上の理由で、本議案に反対し討論を終わります。

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