志村第四中学校の単独改修と賛否調査を求める陳情に、賛成する討論

討論日:2023年10月6日

 日本共産党板橋区議会議員団を代表し、陳情第24号「志村第四中学校の単独改修と賛否調査を求める陳情」に賛成の立場で討論を行います。

 本陳情は、第一に、志村第四中学校を小学校との合併ではなく単独で改修・改築をすること、第二に現志村小学校を廃し、志村第四中学校の敷地に合併して建設予定の施設一体型小中一貫校とその具体的な設計案について、利害当事者の納得と合意の指標となる賛否調査をおこなうこと、第三に、その指標が明らかになるまで、現在進行している施設一体型小中一貫校建設工事の着工を延期することを求めるものです。

 賛成する第1の理由は、志村第四中学校の生徒や関係者、地域にとって、志村第四中学校を自らの敷地内で単独で改修・改築をしてほしいというのは、全く当然の願いだからです。

 志村第四中学校の敷地内で、志村小学校と志村第四中学校を統合して小中一貫校を作るという計画は、「小中一貫教育」を口実にした、学校統廃合計画に他なりません。

 志村地域は、今後もマンション計画など人口増が見込まれている地域であり、また地域の小中学校はどこも定員いっぱいの状態です。今後の35人学級のための環境整備も含めれば、小中学校の統廃合を行うべきではありません。

 志村第四中学校は、かねてから、雨漏りやトイレの悪臭などがひどく、浸水地域であるにもかかわらず体育館は半地下にあるなど、設計そのものに問題があることが指摘されており、改築が急務の学校です。志村小学校の改築計画の中で、突然、改築の対象校となりましたが、そもそも改築を急がなければならない学校です。

 区は、今回の計画で、学校の教室の広さが広くなり、体育館も広くなり、武道場もあり、これまでよりも教育環境が大変よくなると述べていますが、それは、小中一貫による統廃合でなくても、当然確保されなければならない教育環境です。逆に、小中一貫の校舎が大規模になることによって、校庭は北側になり日が当たらなくなること、雪が降ったらいつまでも雪がとけない校庭になるということ、校庭は狭く、運動会では応援席、観覧席の設置などについて、運営上の制限が必要になってくることなどは区も否定できません。

 それは、現在の生徒数の規模でも学校施設を目いっぱい使っているところに、小学校1校分を受け入れるということ自体に、大変無理があるからです。また、今回の計画で、志村小学校の学区域を広げることになり、児童数が増える分、志村第四中学校の生徒数を減らさざるを得ず、その分の学区域が減らされ、志村第四中学校に行けるはずだった子どもたちが行けなくなるという事態まで招いているのです。志村第四中学校の関係者にとって、志村第四中学校の改築は、志村第四中学校のまま単独でというのは当然の願いであり、悲願であると考えます。

 第二の理由は、施設一体型小中一貫校の建設計画について、関係者の納得と合意が得られているとは言えないからです。区は説明会で繰り返し、令和2年に行った志村小の保護者と未就学児の保護者を対象としたアンケートで、7割が小中一貫校に「通わせたい」「どちらかといえば通わせたい」と答えたことをもって賛同を得られている根拠にしてきました。しかし、このアンケートは小中一貫校の設計案も見えない状態で、8割が「小中一貫教育という名前は聞いたことがあるが、教育内容については知らない」と答えているものであり、とうてい合意の根拠にできるものではありません。この間の地域説明会で、志村小学校の保護者から、アンケートそのものを知らなかったという声や、アンケートに答えた気もするが、計画の内容も分からないままの漠然としたアンケートだった、賛否を問われたわけではないという声が出され続けています。しかし、区はこれまで、このアンケート結果を関係者の同意の根拠のように言ってきたのですから、設計案がまとまった段階で改めて賛否を問うことは当然だと考えます。

 第三の理由は、令和6年度着工という区のスケジュールが示されている中で、関係者の納得と合意を得ることは急務となっているからです。区は協議会や検討会は地域、関係者の代表によって構成されており、この会議体で合意が図られているといいますが、いずれも区主導で区の方針を具体化するための会議体となっており、関係者の合意形成の場になっているとは言えません。先日、10月3日に行われた説明会が深夜11時過ぎまで及んで、なお納得が得られないのは、この間の区が行ってきた合意形成が、地域住民、関係者の合意になっていないことの証です。説明会の度に数多くの疑問や不安、反対の意見が出され続けているにもかかわらず、立ち止まることなく推進していく区の姿勢は許されません。令和6年度着工を前提とせず、関係者の納得と合意のもと、なによりも子どもたちの教育環境の悪化を招くことのないよう、計画の大幅な見直しも含めて再検討することを求めます。

 熱を帯びた学校選択制の導入が、時を経て見直されたように、「小中一貫教育」が見直される時期が来ることも十分に想定されます。それはなによりも保護者の強い要求に支えられているものではないからです。板橋区は、志村第四中学校は志村第四中学校のままで改築をという関係者の願いを受け止めるべきです。 

 現計画に心配や疑問の声が上がり続けている以上、再度、地域住民、関係者の合意形成をやり直すべきだということを強く求めて、私の討論を終わります。

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