質問日:2025年6月5日

ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団の一般質問を始めます。
まず初めに、区長の政治資金についてです。
先月26日、坂本区長が2023年4月の区長選の選挙運動費用収支報告書及び後援会の政治資金収支報告書に誤りや不記載があり、各報告書で計50か所以上を修正したことが報じられました。なお、区長の訂正は新聞社の指摘の後に行われたということです。2023年の区長選の選挙運動費用収支報告書では、政治団体や個人から区長自身に対し、計264件、572万5,000円の寄附を受け取ったと記載されていましたが、実際には寄附の多くは後援会が受け取っていました。結果として計131件、約390万円分の寄附を削除し、その分の収入として、自己資金や不記載となっていた自由民主党東京都支部連合会からの30万円の寄附を追記する修正となったということです。併せて、後援会の23年分の政治資金収支報告書も訂正され、21年分では都医師政治連盟板橋区支部からの寄附30万円の不記載があり、いずれも修正されたとしています。自民党の裏金づくりは国民の政治不信を招き、昨年の衆議院選挙では大きな変化がありました。区長は、3月の我が会派の代表質問の、都議会自民党の裏金づくりについて当事者に説明を求めるべきとの質問に対し、特に何か行動を起こす考えはないと答弁しました。しかしながら、今回は区長自らの事案であり、説明責任を果たすべきです。なぜ後援会ではなく、区長自ら寄附を受け取ったと記載していたのか、自民党都連からの30万円の寄附を不記載とした理由をお示しください。さらに区民に対し、謝罪と説明を求めます。
次に、物価高騰から暮らしを守るために質問します。
お米の値段が去年の倍、節約がつらすぎる、子どもに十分食べさせられないという声が広がっています。長期の経済停滞によって暮らしが疲弊しているときに、物価高騰が区民生活に襲いかかっています。実質賃金は3年連続でマイナス、今年も既に3か月連続マイナスです。東京都は6月の補正予算で、水道料金のうち基本料金を4か月無償とすることを発表しました。大変重要なことと認識していますが、生活保護受給世帯や児童扶養手当利用者など、既に水道料金が減免されている方々には新たな生活支援とはなりません。基本料金の引下げ、また光熱費への対応も必須です。私たちは、国が消費税を緊急的に5%に引き下げることが必要と考えていますが、区においても様々な直接支援が求められます。しかし、今定例会に示されている補正予算にはありません。そこで、現金給付の実施、さらに猛暑から命を守るために、区エアコン購入費助成事業の対象を生活保護受給世帯などにも拡大することを求めます。
今年2月、小池都知事は、物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものとしていくと答弁しました。党都議団は、都の中小企業職場環境改善のための奨励金事業の奨励金の額や予算の大幅増を求めてきました。2022年9月補正からは賃上げが対象となり、25年度からは1人当たり年6万円から12万円に増額されました。しかし、まだまだ物価高騰に追いつく賃上げとなる制度ではありません。岩手県や徳島県には、賃上げだけを要件とする中小企業の賃上げ応援助成金事業があります。区として、独自に区内中小企業賃上げにつながる事業の実施を求めます。
次に、区立保育園の質の向上を求めて伺います。
区立かないくぼ保育園、ときわ台保育園において、今年4月から給食の提供ができず、仕出し弁当の提供となっています。保護者に対しては3月17日に初めての通知を行い、31日にようやく仕出し弁当事業者決定の通知が行われたとのことですが、いつから仕出し弁当ではなく、温かい給食が提供できるのか、お示しください。食べることは生きることの源であり、心と体の発達に密接に関係しています。乳幼児期から、発達段階に応じて豊かな食の体験を積み重ねていくことにより、生涯にわたって必要な食を営む力が培われていきます。保育所は1日の生活時間の大半を過ごすところであり、保育所における食事は非常に意味が大きいものです。豊かな食の体験を積み重ね、楽しく食べる体験を通して食への関心を育み、食を営む力の基礎を培う食育を実践していくことが保育園における給食です。ところが今、2つの区立園では、おかわりができず行事食もありません。残食が多く出ているとも聞いています。大好きなおかずやご飯を、おかわりしたくてもできない子どもの気持ちはどれほど切ないでしょうか。
区は昨年12月に調理4名、用務3名の計7名の欠員が出たことで、調理及び用務の委託先を急ぎ探すことになり、用務は決まったが調理は決まらなかったと説明しています。4月閉会中文教児童委員会では、現業職員は退職不補充の区の方針があるため、職員募集ではなく委託事業者を探したと答弁しています。給食が提供できないことは質の低下と考えますが、いかがですか。今回の事態は、区が掲げる委託化や現業職員の退職不補充の方針が招いた区立園の質の低下です。子どもたちのためにも方針を見直すべきです。区の見解を求めます。
今年、実質待機児が3年ぶりに生じ、その数は7名、うち3名は要支援児枠です。区はこの間、令和4年度より4月1日時点で待機児ゼロを達成しているが、5月以降の入所希望者については、歳児や地域により入園しづらい状況があるということは把握をしていると答弁してきました。区議会では様々な会派から、地域需要も踏まえ、待機児が生まれないようにと要望が出されていました。今年度、実質待機児童が7名も生じた理由は、この間、新規園を計画どおりにつくってこなかったことや、実質待機児ゼロの期間に地域の需要をつかむ努力を怠ってきたからではないでしょうか。理由をお示しください。
保育園に当たり前に入れるよう整備し、運営することが基礎自治体の責務です。そして保育は子と家庭のための福祉施策であり、その観点から要支援児の待機児童は絶対に出ないようすべきです。現状、要支援児が待機児となった場合には、職員が1園1園入所のお願いをして、何とか園に都合をつけてもらっているだけです。これでは抜本的な解決にはなりません。福祉として、要支援児こそ絶対に待機させないという制度を真剣に講じるべきです。
今、保育行政は、2歳児までの小規模園の運営課題、こども誰でも通園の課題、減らない待機児童など、たくさんの超えるべき課題があります。これらは施策上の課題というだけではなく、子ども一人ひとりの発達に関わってくるからこそ重要な問題です。課題解決に向けた考え方の根っこには、とことん子どもに寄り添った保育が必要という認識が欠かせません。子どもに寄り添い、保護者の就労と家庭を支えるために、自治体は常に保育の質の向上を目指すべきです。質の向上には、標準化を示すことのできる区立園がその役割を果たしていきます。区立保育園は民営化すべきではありません。改めて見解をお答えください。
次に、学びを保障する学校教育を求めて質問します。
今年3月17日、区立小学校の保護者より、4年2組の学習が遅れていると学校に連絡があり、その日のうちに学校長から学級担任に学習進度についての聞き取りが行われ、学年全体で理科、2組で国語と保健の学習に遅れがあることが確認されました。翌日には未返却のテスト、未実施のワークテストもあることが発覚、19日に教育委員会に報告がありました。修了式を間近に控えた21日、本件について保護者への通知が行われ、さらに保護者からの要望があり、31日には緊急で臨時学年保護者会が開かれました。自習が続いた状況を学年の先生や管理職が気づけず、学年末まで放置されていたことに私は非常に驚いています。授業がうまく進んでいかなかった先生自身にも大変な混乱とプレッシャーがあったかと思います。なぜ同じ学年の先生や管理職は、支えるべき新人に十分な支援をすることができなかったのか、自習が続いている子どもたちの様子に気づくことができなかったのか、理解に苦しみます。子どもたちはずっと自習が続いていることや、担任の先生、学年の先生方、校長先生などの大人たちの様子を見ていました。学年末に慌てて授業を詰め込まれたことを、義務教育を受ける権利のある子どもたちはどう感じたでしょうか。大人たち、学校への失望につながったのではないでしょうか。区教育委員会として、原因をどう考え、再発防止をどのように行っていくのか、お答えください。
ゴールデンウィークも明け、新年度の緊張が解け、疲れが表面化してくる時期です。楽しくない学校に頑張って通っていた子どもたちの限界が訪れる時期でもあります。文部科学省が2024年3月に公表した不登校要因に関する調査結果では、不登校のきっかけは、不安、抑うつ、不眠、起床不能、体調不良であったと選択した子どもの数が各項目とも約70%に達していました。しかし、同じ項目を選択した担任教員は各項目とも20%未満で、子どもと教師の認識に大きなギャップがあることも分かっています。不登校を理解し、認め、子どもも親も安心できる温かな施策が必要です。ところが、文科省はゆとり見直しと言って、学習の極端な詰め込みを進めてきました。日々の子どものストレスは増すばかりです。特に2020年度から始まった学習指導要領では、小学校4年生以上で毎日6時間授業となり、小学校2年生でも6時間授業の日もあります。一方で、授業間の休み時間が削られ、給食の時間も短くゆっくり食べられません。トイレの時間も足りません。さらに、遠足などの楽しい行事が減らされました。学校は子どもにとって遊びと生活の場でもあります。忙し過ぎる学校は改めなければなりません。今、目の前の子どもたちにきちんと向き合うために、区としてあらゆる手だてを講じるべきです。子どもたちの心を支えてケアしてほしい。継続してその子の心と生活に向き合っていける雇用を増やしてほしい。そのためにも、区としてカウンセラーなどの心理職を正規で雇用し、各学校1名置き、かつ区として教員を採用することを求めます。
今年度も、不登校・不登校傾向の児童・生徒の保護者交流会が開かれることとなりました。募集が殺到し、定員が40人から60人と変更になりましたが、翌日には定員に達したようです。これまで1人で悩んでいた保護者が、これだけたくさんいたということです。もっとたくさんの保護者が悩んでいます。区議団はこれまでも、保護者への情報提供や交流の必要性を求めてきましたが、保護者の方から最も強い要望が寄せられるのは経済的支援です。不登校児童・生徒にも学校給食費無償化の対象となるよう昼食代等の補助を行うこと、フレンドセンターに通学する際のバス代の補助を行うこと、フリースクールに通う児童・生徒の保護者負担を軽減するといった経済的な支援も求めます。
次に、高齢者施策の充実について伺います。
介護サービス需要の増加が続く中、介護現場における業務の効率化や職員の負担軽減を図る必要性が高まっています。国は介護DXを推進しているため、ケアプランデータ連携システムの導入促進が急務となっています。区は今年度、希望する事業所を個別に訪問し、業務効率化・負担軽減につながる伴走支援を行うとしていますが、人手不足解消につながる人材育成・定着となる仕組みが必要です。足立区では、区内介護サービス及び福祉サービス事業所の職員に対する家賃支援事業が始まります。板橋区でも、介護現場で働く人に対する家賃助成を求めます。
厚生労働省が今年3月に発表した訪問介護における人材の確保・定着に向けた運営のあり方に関する調査研究事業では、2023年度における訪問介護サービスは赤字と答えた事業所は約4割、サービスを問題なく5年程度継続できるとの回答は約9%と1割を切っています。報告書では、事業所の二極化が進んでいると示唆しており、自治体による対策も急務です。介護倒産を防ぐために、特に訪問介護事業所への財政支援が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
高齢者の福祉施策は、個人の尊厳と幸福追求権の尊重を前提とし、高齢者の自立支援を行うことです。区は、在宅高齢者の食の自立支援のために、お弁当をご自宅に配達する見守り配食サービスを実施していますが、登録制の配食事業者を周知しているだけです。物価高騰、年金目減りの中で、コンビニ弁当を1日かけて食べる方もいらっしゃいます。在宅高齢者が元気に自立した生活を送り続けるために、日々の食事への支援は欠かせません。他区では、配食サービスの利用者負担を抑える取組もあり、板橋区もこれに倣うべきです。高齢者配食サービスの助成を開始すべきです。見解をお示しください。
次に、国民健康保険加入者全員へ資格確認書の送付を求めて伺います。
病院や調剤薬局でマイナ保険証が読み取れない、資格確認のお知らせを保険証だと思って提示され、説明が大変などのトラブルが絶えません。渋谷区と世田谷区では、マイナ保険証を持たない人に送付される資格確認書を、マイナ保険証の有無に関わらず、国保加入者全員に一斉送付することが報道されました。世田谷区では9月中旬に一斉送付とのことですが、その理由は、資格確認書の交付申請が集中することが予想され、それに伴って被保険者への交付期間により受診機会を逃すおそれがあるためとしています。板橋区でも同様に、9月には資格確認書の交付申請が集中することが十分に予想されます。保険者として、住民の医療を受ける権利を確実に保障するためにも、資格確認書の一斉送付をすべきと考えます。見解を求めます。
次に、外国人を排除しない自治体を目指して質問します。
板橋区でも多くの外国人労働者が働いています。飲食店だけでなく、コンビニや介護などでも外国人労働者を目にしない日はありません。外国人労働者の中には、言葉のハンデなどに付け込まれ、最低賃金を割り込む低賃金で働かされ、パスポートや預金通帳を取り上げて自由を奪われるなど、様々な人権侵害に苦しんでいる人たちがいます。国が外国人への差別、人権侵害に迅速に対処できるよう、申立てを受けて調整し、救済の手だてが取れる政府から独立した国内人権機関を創設すべきと考えます。そして基礎自治体も、共生社会の在り方を模索し続け、特に子どもたちの権利保障とその親の就労環境を把握することが重要です。基礎自治体でも、外国人労働者の実態把握や行政手続の支援が必要です。岡山県総社市では、外国人住民が安心して生活できる環境を目指すことを目的とし、外国人相談事業として、多文化共生推進員を配置しています。区でも、外国人住民の労働・日常生活全般に関するワンストップの相談窓口の設置や相談員の配置など検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
外国人労働者には、もちろん家族がいます。日本で働き始めてから、新しい家族ができることもあります。文科省の推計によると、外国籍の義務教育年齢に当たる子どものうち、学校に通っていない子どもは8,600人に上ります。また、子どもの生活のためにも、外国人の賃金未払いや劣悪な労働条件の改善が必要です。さらに、インターナショナルスクールに通う子どもの就学支援、日本語学習、発達障がいなどへの公的支援などの制度の隙間の課題解決も求められています。文科省は4月4日、外国人児童・生徒への教育の充実策を検討する有識者会議の初会合を開きました。学校の指導体制をはじめ、外国人児童・生徒の進学、就職機会の確保策など総合的に議論することになります。委員からは、教員養成・研修での外国人児童・生徒指導に関する内容の充実を求める声や、多様な子どもを受け入れるための学校づくりの必要性を訴える意見が相次ぎました。板橋区では、1989年度に入学した日本国籍でない児童・生徒数は区内全体で155名でしたが、2024年度には1,049名となりました。区でも外国籍・外国ルーツの子どもたちは多く、急激に増えています。そこで伺います。就学年齢にもかかわらず、未就学となっている子どもは区内にはいるのでしょうか。どのように把握できるのかお答えください。
外国籍児童・生徒の教育を受ける権利は、日本国憲法第26条の主語が国民であることから十分に保障されてきませんでしたが、国際人権規約の内外人平等の原則や子どもの権利条約などによって、権利保障する運動が続けられてきました。さらに、こども基本法は全ての子どもを対象としています。区においても、教育を受ける権利は国籍を問わず、全ての子どもにあると考えているのでしょうか。
あの子は外国人だから教育や医療を受けられなくてもいい、生活保護は日本人だけの制度であるべきだから、あの子のうちは受けられないといった対応は単なる排外主義で、区の目指す多文化共生とも相入れない思想です。そして、大変冷たい、人間的でないものです。実際、多くの愛情あふれる大人たちが、子どもの国籍を問わず、その子自身の学習や生活への支援に向き合っています。その分、学校現場では大変な苦労があります。教職員からは、知能検査の数値は低いし、勉強にもついていけない子がいる、発達の課題なのか、日本語力の問題なのか判別が難しい、どうやって指導していいか分からないという声です。どれもその子に適した環境と学習を保障したいという強い思いからです。教員の研修の充実や、日本語学級の増設が求められています。また、多岐にわたる課題を集約し、子どもや保護者自身からも相談しやすい体制が必要です。武蔵野市では、教育委員会内に帰国・外国人教育相談室が設置されています。板橋区においてもぜひ設置し、全ての子どもの教育を受ける権利を保障することにつなげてください。
現在東京都は、都内に10校ある朝鮮学校に対してだけ私立外国人学校教育運営費補助を出していません。これは、石原元都知事の時代から14年間も停止したままになっています。こども基本法とも、東京都の人権尊重条例とも相入れない差別的な措置です。一方区は、負担軽減補助金の制度を維持し続けています。そこで伺います。区外国人学校児童・生徒保護者負担軽減補助金の意義と理由をお示しください。
埼玉県川口市の芝園団地は、住民の半数以上が外国籍住民の団地として知られており、2017年度には自治会が国際交流基金地球市民賞を受賞しています。超高齢化と外国人との共生は、これからの日本社会の最大のテーマの一つです。板橋区にも、高島平をはじめ団地が多くあり、そこには長く住んでいる日本人と、比較的新しく住民となった外国人住民がいます。接点の少ない両者の間を調整し、日本人も外国人も関係なく、同じまちに住む地域住民として共生していくことが大切です。そこで区長に、共生社会の実現への課題を伺います。また、住民コミュニティを分断し、差別を助長することのないよう、これまで以上に共生社会実現のための施策を打つべきと考えますが、認識をお答えください。
最後に、小竹向原駅への交通手段について質問します。昨年度行った東新町・小茂根地域交通意見交換会の中で地域住民アンケートが行われ、小竹向原駅への移動に困っている住民が多いことが分かりました。今定例会で小茂根図書館近くに駐輪場が新たにできることは大変うれしく思っていますが、小竹向原駅駐輪場のさらなる増設と、早期に新たな交通手段を検討することを求めますが、いかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。
◎区長(坂本健) それでは、石川すみえ議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、区長の政治資金についてのご質問であります。報道にございました収支報告書の件につきましては、本来は後援会の収支報告書に記載すべきことを、選挙運動費用収支報告書に記載してしまったものでございます。自民党都連からの寄附につきましては、金額は計上していたものの、団体からの寄附として記載しておらず、その点についてを訂正いたしました。記載誤りの理由は、コロナ禍における経理スタッフの交代と、また引継ぎ不足と考えておりますが、最終的には私の管理不足であると深く反省をしております。
次は、現金給付の実施とエアコン購入費助成事業の対象者拡大についてのご質問であります。区では、物価高騰対策として、いたばし生活支援臨時給付金を実施しておりまして、現時点におきましては新たな現金給付を行う予定はないところであります。エアコンにつきましては、国が生活保護受給世帯の日常生活に必要な生活用品は、保護費のやりくりによって計画的に購入するものと示しております。また、新たに生活保護を受給することになった世帯や、既にエアコンがあり、転居先にエアコンがない場合等には、エアコン購入費用を扶助できる仕組みがあるため、本事業の対象としていないところであります。
次は、区内中小企業への賃上げにつながる事業の実施についてのご質問であります。現在区では、中小企業等を支援するための様々な助成事業を実施しております。一部の助成事業においては、従業員への賃上げ方針を表明することを要件として、助成割合や助成限度額に優遇措置を設け、中小企業等の賃上げに対する効果を狙っているものであります。今後もこうした優遇措置を継続するとともに、物価高騰等による社会情勢の変化につきまして、引き続き注視をしていきたいと考えています。
次は、給食の提供についてのご質問です。区立保育園2園における4月からの給食調理委託の契約が不調となり、緊急臨時的に、幼児は民間事業者による搬入給食を、乳児については自園調理で給食を提供しているところであります。区は、その間につきましても給食調理業務を受託する事業者の選定を進めておりまして、先日、事業者が決定し、7月1日から調理委託による給食提供が行われる予定であります。
続いて、保育の質についてのご質問であります。給食の提供に当たりましては、区の調理職員が当番体制を構築し、幼児分の搬入給食の受け取りや乳児分の給食の自園調理を行っております。また、温かい食事を補充するため、自園で調理した汁物を毎食提供するなど、緊急時におきましても保育の質の低下につながらない対応を行ってきております。区は今後も、場面に応じた機動的な対応を行いまして、保育の質の確保と円滑な保育園運営に努めていきたいと考えております。
続いて、現業職員の退職不補充による委託化についてのご質問であります。区では、多様化する区民ニーズへの柔軟な対応や財源確保の観点から、民間活力の活用を進めてきておりまして、現業職員の退職不補充の方針を見直す予定はないところであります。今後も区民サービスに支障を来すことがないように、退職予定者の管理の精度を高め、確実な区政運営に努めていきたいと考えております。
続いて、待機児童の発生についてのご質問であります。4月1日現在の就学前児童数は減少している一方で、保育園への入所申込者は増えているほかに、育児休業手当金の延長手続の厳格化や本年9月からの保育料無償化など、様々な要因が絡み合って、7人の待機児童が発生したものと認識しております。区内各所のまちづくりの進展を含めて、将来的な保育需要の把握に可能な限り努めるとともに、入園相談においてニーズを丁寧に聞き取って、家庭状況に応じた対応を提供するなど、多面的な対応を講じていきたいと考えております。
続いて、要支援児を待機児童にさせないためにとのご質問であります。要支援児の認定を受ける児童の数は増加の傾向にありまして、区立保育園におきましては、1園当たりの平均で7人以上の受入れを行っております。私立保育園に対する要支援児の受入れ支援策である療育支援加算の存在を改めて周知し、さらなる受入れ増を促すとともに、要支援児判定の手法の在り方についても併せて検討していきたいと考えています。
続いて、保育園の民営化についてのご質問です。これからの保育施設においては、保育需要へ柔軟に対応しながら、保育の質を高め、安心・安全なサービスを提供していくことが重要と考えます。そのためには保育環境を取り巻く課題や変化に対し、公立・私立それぞれが持つノウハウを生かしながら、保育スキルを高め合っていくことが必要と考えます。その中におきまして、区立保育園を一定数残しつつ、民営化計画の具体化を図り、費用対効果を高めながら、保育の質の向上を実現していきたいと考えております。
次は、介護サービス事業所職員に対する家賃助成についてのご質問であります。介護人材の不足については、介護業界全体で人が集まらないことに加え、働く人が定着をしないことが一因であると考えております。区では介護人材の確保及び育成、定着支援のため、資格取得への費用助成や介護サービス従事者への勤続表彰などを継続的に実施をしてまいりました。現在のところ、介護サービス事業所職員に対する家賃助成を行う考えはございませんが、他の自治体における支援策等も参考にしながら、区内の介護サービスの充実と提供が担保されるように研究していきたいと考えています。
続いて、訪問介護事業所への財政支援についてのご質問であります。訪問介護報酬の改定については、他の介護事業に比べて利益率や人件費率が高いという調査結果から、改定後も利益を確保できるとする国の考えがあったものと認識しています。区は、令和7年度に介護サービス事業所の経営状況等の調査を予定しておりますが、現時点におきましては収益減を原因とする介護事業所の廃止が顕著に増加する傾向は確認されていないところであります。また、区は事業所への直接的金銭給付による経営支援ではなく、ICTまたはDX化の推進による人材確保や負担軽減に向けた事業支援に取り組んでいきたいと考えています。
続いて、配食サービスに対する助成についてのご質問であります。高齢者等配食サービス事業は、厚生労働省が定める栄養管理のガイドラインを満たし、かつ直接手渡しで食事を届け、安否確認ができる事業者を登録している事業であります。現在7事業者が登録をしておりまして、メニューや価格については事業者ごとに異なっているものであります。利用者は全額自己負担でありまして、各自のニーズに合ったものを個別に選んでいただき、契約する制度としておりまして、現在のところ配食サービスに対する助成を実施する考えはないところであります。
次は、国民健康保険加入者全員への資格確認書の送付を求めてとのご質問であります。国は全被保険者に一斉に資格確認書を交付することは適当でないとの取扱いを示しているため、区の国民健康保険として、全被保険者に資格確認書を交付する考えはないところであります。なお、今年度の保険料納入通知書の加入全世帯への発送において、マイナ保険証や資格確認書に関するチラシを同封するなど、交付済みの保険証等の有効期限満了に備えて周知を行っているところでございます。
次は、外国籍住民の相談体制についてのご質問です。板橋区文化・国際交流財団においては、外国籍の方のために、メールによる相談を受け付けておりまして、区役所での手続や日常生活での困り事など、広く相談が寄せられております。また、制度や文化の違いから生じる問題に対応するため、外国籍の方が母国語で専門家に相談できる機会を提供しているところでもございます。外国人労働者の雇用管理は国の役割であると考えておりますが、外国籍の住民が地域で生活をする中で、気軽に行政に相談することができる体制について整備をしていきたいとも考えています。
続いて、外国人学校保護者への補助金の意義についてのご質問であります。外国人学校児童・生徒保護者負担軽減補助金は、月額8,500円を限度として、外国人学校の授業料の一部を支給する制度であります。区民である外国人保護者の経済的負担軽減を目的としておりまして、年間おおむね200名程度の申請があることから、意義はあるものと認識しております。
続いて、共生社会実現のための施策についてのご質問です。区では、いたばし文化芸術・多文化共生ビジョン2025に基づきまして、多文化共生の意識の醸成を推進しております。現在、令和8年度から始まる新たなビジョンの策定を進めているところでもありまして、外国籍の住民が地域の一員として安心して暮らせる社会の実現に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと考えています。
次は、小竹向原駅への交通手段についてのご質問であります。現在、小竹向原駅周辺には区営自転車駐車場を3か所設置しておりますが、台数の不足を認識しているために、このたび小茂根図書館前自転車駐車場を新設することといたしました。東新町・小茂根地域には公共交通サービス水準の相対的に低い地域がありまして、令和6年度、移動に関する困りごとの実態を把握するため、アンケートの実施や区民との意見交換会を計3回行ってまいりました。今年度は東新町・小茂根地域交通検討会を立ち上げて、既存の路線バスの積極的な活用とともに、小竹向原駅などの最寄り駅への移動改善につながる新たな交通手段の導入の可能性について検討していきたいと考えています。
石川すみえ議員の教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(長沼豊) それでは、石川すみえ議員からの一般質問のうち、教育に関する質問にお答えします。
まず、区立小学校における学習の遅れについてです。学習の遅れが生じた原因は、当該教員の授業準備が間に合わず、自習が増えた状況に至っても周囲が把握できず、組織的な支援ができなかったことにあると認識しております。当該学校の管理職に対して、教員が作成する1週間の授業計画である週計画簿の作成と、授業進度の状況や学習内容の把握を徹底するよう指導しました。児童の学習に遅れが生じたことは大変遺憾な事態であり、再発防止に向け、全区立学校に対し、履修内容や実施授業時数を適切に把握するとともに、経験の浅い教員への支援を組織的に行うよう伝達いたしました。
次に、心理職の正規雇用及び区費教員の採用についてです。学校におけるスクールカウンセラーなどの心理職の役割は、子どもの発達段階に応じた心理的な支援をするために重要であると捉えています。区立学校におけるスクールカウンセラーの配置については、東京都教育委員会の配置に加え、板橋区教育委員会においても独自に区立中学校に1名ずつ追加配置しており、支援の充実を図っています。また、教員については、全都的な視点から東京都が任用や配置を行うべきもので、教育委員会では、区による教員採用については考えておりません。
次に、家庭への財政的援助についてです。不登校児童・生徒の保護者負担軽減については重要であると捉えております。不登校の状態である児童・生徒の学びの状況は様々であることから、保護者のニーズの把握を含め、今後の検討課題としてまいります。
次に、未就学児童・生徒の把握についてです。区では、外国籍の子どもが就学の機会を逸しないよう、入学対象である子どもの保護者に対し、転入時などに就学の手続を案内しています。その中でインターナショナルスクール等への就学を選択した場合は、教育委員会にその旨を届ける義務がないことから、区立小学校に就学していない子どもは未就学であるとは言えません。今後、就学状況が分からない子どもに対し郵送による調査を実施し、子どもの状況を把握した上で、必要と認められる場合には適切な支援につなげていきます。
次に、教育を受ける権利についてです。我が国においては、外国籍の児童・生徒には義務教育への就学義務はありませんが、公立の義務教育学校への就学を希望する場合には、国際人権規約などを踏まえ、受入れを行っています。受入れに当たっては教科書の無償配布や就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しています。区においても同様に受け入れているところでありまして、必要と認められる場合には適切な支援も実施しています。
次に、外国人児童・生徒が相談できる窓口の設置についてです。区では、令和7年5月現在で、外国籍の児童・生徒が1,200名を超え、今後も増加する傾向にあります。そのため、外国籍の児童・生徒が安心して学校生活を送れるよう、支援体制の整備が求められていることは認識しております。今後、日本語支援体制の強化を図るとともに、相談窓口についても、その在り方に関し、先行事例など情報収集に努めていきます。
石川すみえ議員からの一般質問に対する答弁は以上となります。