発言日: 2019年02月14日
ただいまから、日本共産党区議団を代表して、一般質問を行います。
1.はじめに、消費税増税について質問します。
2014年の8%増税後、家計消費は落ち込んだままで1度も増税前の水準に回復していません。回復するどころか、昨年10月までの1年間の平均消費額は、増税前の2013年平均に比べて年額で25万円も低下しています。
にもかかわらず、安倍首相は都合のいい数字を並べて、今年10月に消費税10%増税を実施するといいます。町では暮らしへの影響、商店からはため息が聞こえています。
さらに、毎月勤労統計の不正によって、賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていたことが発覚し、安倍首相の景気判断はもとより、消費税10%増税の根拠が根底から揺らいでいます。
また、食料品などへの「軽減税率」は「軽減」ではなく「8%据え置き」にすぎません。しかも、減税額は、所得が高い人ほど高額になるため、むしろ、逆進性の問題は強まり、格差がますます広がるだけです。クレジットカードのポイント還元は、複数税率とセットになることで、商品、場所、買い方によって税率が5段階にもなり、混乱と新たな負担をもたらします。しかも、事業費2800億円のうち、1000億円が補助金です。
見直しを求めて業界団体からも意見書が出され、毎日、読売、共同のどの世論調査も国民の6割以上がポイント還元に反対しています。
どんなに政府が「対策」で取り繕おうとも、10%への増税は、1世帯8万円の負担増に変わりません。
Q1.消費税は、けして「平等な税」ではありません。税の負担率は、買い物の額ではなく「負担能力」、つまり収入や所得の額に対する割合で測られるべきです。区長は、昨年の第4回定例区議会で10%増税について容認する答弁を行いましたが、それは「平等な税」という認識なのでしょうか。区長の考えをお答えください。
増税と複数税率導入に伴って、4年間の経過措置後の2023年から義務付けられるインボイスはさらに深刻な問題です。
現在、年間売り上げ1千万円以下の事業者は、消費税が免税となっていますが、免税事業者のままでは、仕入れの税額を証明するインボイスの発行が認められません。事業者は、新たに課税事業者になるか、免税事業者のまま取引から排除されるか選択を迫られます。
例えば、家電メーカーの家電の修理は9割が下請け業者で、そのほとんどが免税業者です。インボイス制度が導入されると課税業者にならなくては、メーカーからの仕事ができなくなりますが、課税業者になれば、収入が増えないのに年間50~60万円の消費税を納めることになります。
Q2.こうしたインボイス制度導入による、中小零細業者への影響について、区長の認識をお示し下さい。
消費税が始まってもう30年です。
「社会保障のため」と言いますが、年金は下がり続け、介護・医療の保険料も利用料も上がり続け、お金がなければあきらめる実態です。保育料も上がり、待機児もゼロにならず、消費税が社会保障に使われてきたと実感できるものはありません。
この30年間、国民から搾り取られた消費税は累計372兆円です。ほぼ同じ期間に地方税を含む法人3税は累計で291兆円も減税です。これでは、穴のあいたバケツに水をくむようなもので、財政も社会保障もよくなるはずがありません。
今後も介護の利用料や後期高齢者医療の窓口負担の2倍化が検討されています。幼児教育無償化でさえも、すでに「給食費は無償化の対象にしない」「0~2歳保育は住民税非課税世帯に限定する」などと「値切り」が始まっています。10%になっても社会保障がよくなる見通しは全くありません。
Q3.社会保障もよくならず、格差を拡大させ、庶民への大負担増となる消費税10%増税です。「きっぱり中止を」と板橋区からも政府に働きかけるべきです。区長の考えをお示し下さい。
以上で、この項の質問を終わります。
2.次に、障害児者への支援強化を求めて質問します。
(1)障害児を排除しない学校に
先日、ADHDのお子さんを持つ母親から、「田舎に引っ越します。板橋区では障害をもつうちの子を受け入れてくれる学校はなかった」と話を聞き、本当にショックでした。
そのお子さんは、小学校入学後、あいキッズや学校でトラブルが発生する状態を受けて、専門機関でADHDの診断を受けました。
小学校での嫌がらせが続き、2回転校しましたが、状況はかわりませんでした。
さらなる転校を迫られたきっかけは、榛名移動教室の同級生とのやり取りの中で、相手に怪我を負わせてしまったことです。家族を板橋区に残し、母親とADHDのお子さんは、遠い実家へ引っ越し、家族は離れ離れの生活に追い込まれました。
そこで教育長に伺います。
Q4 ADHDの子どもや保護者への対応について、教育委員会の考えをお答えください。
榛名移動教室でのトラブルは、食事中の口喧嘩から、茶碗を投げつける行為に発展したと聞いています。食事時に、ADHDのお子さんの近くには教員などがいなかったため、誰が、いつ、どのように喧嘩に発展したのか、子どもたちの言い分も食い違い、事実確認も難しい状況です。本来、ADHDのお子さんが宿泊行事に参加する際、食事中はテーブルに教員などがいっしょに座るなどの対応が必要だったのではないでしょうか。
Q5 保護者からは、榛名に行く前に、問題行動や心配なこと、どういうときに気にかけてほしいかを学校に説明していましたが、トラブルが起きてしまいました。宿泊行事など、特別な状況でのADHDのお子さんに対し、どのような対応を行っていたのですか。
また、ケガにつながるトラブルが起きたことについて、今回の人の配置や対応について教育委員会はどう考えていますか。お答えください。
今回の件で、臨時保護者会が開かれました。
学校としては、ADHDについて理解してもらうための臨時保護者会だったと言いますが、結果としてADHDの子の親御さんが、つるし上げられ、複数の親から「そんな危険な子は学校に来ないでほしい」「もう転校してほしい」「学校はなぜこんな子どもを受け入れたのか」などと言われたそうです。
母親は、「板橋に我が子の居場所はない」と思ったといいます。教育委員会は、障害の有無にかかわらず、できるだけ同じ場でともに学ぶ「インクルーシブ教育」をすすめるとしていますが、「居場所がない」などと、言わせた学校と教育委員会の責任は重大です。
Q6 結果として、臨時保護者会は、理解を広げるどころか、親を分断しADHDのお子さんだけが問題であるかのような結論を残しました。このことについて、学校や教育委員会はどう認識しているのか、お答えください。
(2)続いて、大人の発達障害についてです。
昨年、53歳の男性から「家を追い出される」と相談を受けました。確認すると、銀行からの郵便物を確認せず、自動引き落としがストップしたまま、家賃が半年間支払われていなかったことが分かりました。仕事もうまくいかず転職を繰り返しています。都内で暮らす母親とも連絡し、事情を伝えると子どものころからトラブルが多くて困っていたといいます。
発達障害支援センターがまだ開設できていない板橋区では、発達障害の相談は健康福祉センターで行うと聞き、高島平健康福祉センターの保健師と面談してもらいました。
しかし、20分ほど経過を聞いた後、「ルールさえ守れば何の問題もありませんよ」と言われてしまいました。対応した保健師へ発達障害についての認識を聞くと、「私たちは精神障害の対応であって発達障害は専門ではない」との回答でした。
時間をかけて説得し、やっと相談に行く気持ちになったのに、その男性は「自分には問題がない」と言って、それ以降、専門機関への相談には行こうとしません。発達障害を拾うどころか、相談から遠ざける結果を生んだのです。
Q7 昨年度、年間4回行われた発達障害に関する研修に、健康福祉センターの保健師の参加は、5名に留まっています。健康福祉センター保健師への研修強化を求めます。
板橋区でも、2020年4月開所を目標に成人期を対象とした発達障害者支援センター設置の準備が進められていますが、開所時間や専門家の配置など、多くの課題が指摘されていました。区は「改善できるよう検討する」としてきました。
Q8 懸念されていた開所時間や人員配置などについて、検討状況をお示し下さい。
また、開所後も区内のどこでも発達障害の相談ができ、発達障害者支援センターへつなぐなどの機能が必要です。発達障害者支援センターの体制と健康福祉センターとの連携を強化することを求めます。
(3)続いて、軽度者への支援です。
ある都営住宅で暮らす50代の男性は、愛の手帳4度で、いまも地元の製本会社で働いています。2年前に母親がなくなり、一人で生活しています。
洗濯や食事は自分でできますが、ごみを片付ける、いらないものを捨てるということが苦手でみるみるうちにごみ屋敷です。郵便物は見ても分からず積み上げています。
しかし、ちょっとした声掛けと援助があれば日常生活はおくることができるのです。
昨年の夏は、エアコンがない中で眠れず、終電まで電車の中にいる状態を、職場の人が気がつき、倒れる前にエアコンを設置することができました。ひとつひとつの問題は解決する糸口があるのに、いつ、何に困っているのか、どこに相談したらいいのか、本人が分からないのです。
保育園や幼稚園から小学校、中学校へと個別ケースを情報共有する取り組みが行われていますが、学校卒業後はなんのサービスにもつながっていない場合、情報がつかめないケースは少なくありません。そこで質問します。
Q9 知的障害者への支援について、親亡き後もスムーズにサービスにつなぐことができるよう、定期的な面談や見守りを行うなど、日常的に支援する仕組みが必要です。とりわけ、ひとり親世帯などへ、生活全般の支援員が訪問するなどの、制度の検討を求めますが、いかがでしょうか。
以上で、この項の質問を終わります。
3.次に、子育て施策について質問します。
(1)まず、保育園待機児対策です。
子どもをもつ父母の保育園へ入所できないことへの不安は未だ解消されていません。
区は、昨年4月の実質待機児童数を「185人」と発表しました。
しかし、その待機児数は、希望する保育園に入所できない子ども823人から、転園希望や育休中の人などを除いたものを待機児数としています。いくら数字上の待機児数を小さくしても、その対策が、希望する保育園へ入所できるものにならなければ、たとえ実質待機児だとしても「待機児ゼロ」にはなりません。また、待機児のほとんどが0歳~3歳です。年齢別に受け皿を確保する対策を行わなければなりません。
そこで伺います。
Q10 2019年4月入所の申し込み数と一次募集の入所決定数、二次募集の空き状況について、歳児別にお示し下さい。
保育園待機児が拡大し、社会問題にまでなったのは「人口減」を理由に、保育にかける予算や必要量を絞ってきた国と行政の責任です。児童福祉法が謳う必要な保育の設置義務をしっかり果たすべきです。
区の「子育て安心プラン実施計画」では、待機児ゼロの時期を再度修正し、2021年4月に待機児ゼロを実現するとしています。計画上の実質待機児は、2019年に32名、2020年に10名へと減少させ、2021年4月にはゼロになるとしています。
そのための保育の増員は、2019年4月開所の分から3年間で1607人の施設整備を見込んでいます。
Q11 1607人分の見込量の歳児別の内訳をお示しください。
(2)次に、子どもの居場所についてです。
区が、児童館を12館廃止し、小学生は児童館のホールから追い出され、あいキッズは大規模化が深刻です。居場所を失った子どもたちが、団地の下や公園の隅っこでゲームをする姿が増えています。子どもたちは、ボール遊びのできる場所を求めています。また、中学生や高校生は、学校や部活の後、体を動かす場所を探しています。
児童館は、児童厚生施設として、0歳から18歳までを対象としているはずです。高校生までの子どもたちが、それぞれの年代にあったあそびや居場所を保障できるよう、利用のあり方の見直し、夜間もこどもの居場所として施設を活用すべきです。
Q12 児童館で以前のように、小学生以上がボール遊びをできるようにしていただきたいが、いかがでしょうか。また、夜間の子どもの居場所として、児童館を開放することを求めます。
(3)高校生の通学費助成を
この項の最後に、高校生への支援です。
現在、高校進学率は、97%を超え、ほとんどのお子さんが進学しています。進学費用への助成が進んだとはいえ、所得制限によって対象から外れる子どもも少なくありません。さらに、教材や部活動に係る経費など負担感は高い状態です。とりわけ、通学費や昼食代は、毎日のことなので、家庭は出費に頭を悩ませています。
東京都日の出町では、子育て支援策の一つとして、学費や通学費用、就業者の通勤費、部活動や習い事等に使用した経費の一部を対象にして、15歳から18歳までのお子さんに毎月1万円支給しています。
中学を卒業するととたんに行政サービスから遠ざかります。板橋区でも高校生などへ支援強化が求められています。
Q13 高校生の通学費への助成を行っていただきたいが、いかがでしょうか。
以上で、この項の質問を終わります。
4.つづいて、医療と介護の充実を求めて質問します。
(1)まず、国民健康保険についてです。
健康保険の中で、最も高い保険料なのが国民健康保険です。
板橋区で給与年収400万円の4人世帯が、協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担分は19.8万円ですが、同じ年収・家族構成の世帯が国保に加入すると保険料は、年間42.6万円でじつに2.15倍以上の格差が生じています。
全国知事会や市長会は、医療保険間の格差解消のために、政府に公費負担を要望し続けています。加入者の所得は低いのに保険料は最も高いという国保の構造問題の解決は、公費を投入するしかありません。
しかし、国は広域化によって、2023年度末までに6年間かけて市区町村の法定外繰入を解消するよう号令をかけています。これでは、保険料は下がるどころか上がり続けてしまい、命を守る皆保険制度とはますますかけ離れてしまいます。
Q14 区が東京都へ提出した法定外繰入を解消するための「国保財政健全化計画」の内容をお示し下さい。また、一般会計からの繰入額を減らさないことを求めます。
区は、国保料は、23区統一保険料だと言って独自の取り組みを否定してきました。しかし、あまりにも高すぎる国保料の実態から、保険料を引き下げる区など、独自で保険料額を判断して決めた区が3区あります。独自の考えで保険料の軽減ができるはずです。
Q15 多子世帯の均等割りへの軽減など、区として、独自の保険料軽減を行うことを求めます。
区は、国保料を払えない「非課税世帯」に対しても「差し押さえ」を実施しています。2008年度161件だった差し押さえ件数は、2017年度は671件へと大幅に拡大されています。独自の判断で差押えを行っていない自治体もあります。
Q16 他自治体のように、非課税世帯を差し押さえの対象から外すことを求めます。
(2)つづいて、介護についてです。
蓮根地域に住む40代の女性は、70代の一人で暮らす母親の認知症が進む中で、仕事の合間に対応してきました。介護認定は「要介護2」です。特別養護老人ホームへの入所先を探していましたが、待っている間に特養ホームへの入所対象ではなくなってしまいました。仕事を休んで施設をめぐってみたものの、どこへいっても、「『要介護3』だったらね」と言われ、途方に暮れたといいます。
結局、長年働いた仕事を退職し、施設などを探しながら、毎日介護しています。
グループホームを進められても、入所一時金に加え、1か月の費用は介護保険料や食費などを入れると、月額15万円以上で、中には30万円を超える施設もあります。さらには、おむつ代などの自己負担も上乗せされます。費用が高額で、仕事を辞めて収入が大幅に減った女性は入所をあきらめたといいます。
グループホームの役割は、ますます重要となっていると考えます。
Q17 グループホームの利用料への負担軽減実施を求めます。
2017年の10月時点で要介護3~5までの特養老人ホーム待機者は、1,278人です。施設に入れなければ、支える家族が仕事を辞めざるをえないという実態は未だ解消されず、在宅で介護する家族の疲弊は深刻です。
現在、区の特別養護老人ホームの増設計画は2カ所、307人分で、今のスピードでは「介護離職ゼロ」「高齢待機者ゼロ」の見通しはありません。
また、ようやく順番が回ってきても、個室の利用料が高くて入所をあきらめるケースが増加しています。北区では、特養ホーム建設の際に多床室を設置することを条件としています。
Q18 特別養護老人ホームの増設計画を抜本的に引き上げること、施設を設置する際に多床室を入れることを必置条件とすることを求めますが、いかがでしょうか。
介護保険は、高い保険料を払っているのに、認定されないと使えず、利用できる範囲は限定され、さらには、利用料の負担がのしかかります。介護を使わなくても保険料だけは粛々と徴収され続けます。しかし、保険料は見直しの度に値上げされてきました。「保険あって介護なし」の矛盾はますます広がっています。
Q19 介護保険料の独自軽減を本人非課税まで拡充することを求めます。
以上で、この項の質問を終わります。
5.次に、まちづくりについて質問します。
(1)まず、高島平グランドデザインについてです。
昨年12月、アーバンデザインセンターの検討結果が区に報告されました。
報告書には、「地域内の住宅ストックが充足していることから『にぎわい』への貢献度は最も低い」と区がこれまで示してきたア・イ・ウ・エの案の中で、最も「収益性が高い」と評価していた「公共施設棟と高層マンション建設」の案を否定しています。
また、地域全体の都市再生に向けた連鎖的な建て替えの「種地」としての活用が最善であると総括しています。
Q20 アーバンデザインセンターの報告書は、URの建て替えを前提として「イメージ(案)」を示しています。それは、区有地の土地交換を行い、公共施設は、建て替えるURの中と高島平駅前の民間活用用地に分散させ、合築を行うものです。医師会病院とも区有地の土地交換を行い、医師会病院と健康福祉センターの合築も盛り込まれています。
また、高島平3丁目のURの建て替えを進めることで、分譲団地の建て替えも促進するとしています。この「イメージ(案)」に対する区長の見解をお答え下さい。
Q21 当初、区が示してきた公共施設棟と高層マンションなどのア・イ・ウ・エの計画は、白紙にするということでしょうか。区長の考えをお示しください。
旧高七小廃校後、すでに10年以上が経過しています。旧高七小を含む公共施設は、老朽化が著しい状態です。それは、公共施設の集約複合化と商業施設や高層マンションなどの建設を前提に、個々の施設の対策を後回しにしてきたからです。
本来、建て替えるべきだった健康福祉センターは、10年間の代替だと言って「プレハブ」を使ってきましたが、この先も建て替えの計画はありません。
区民事務所、地域センター、児童館がある高島平区民館は、床は穴だらけ、音響設備は接触不良など、老朽化がひどい状態は改善されていません。
そこで伺います。
Q22 高島平区民館、地域センター、区民事務所、児童館、健康福祉センター、図書館は、いつ、どこに設置されるのですか。お示し下さい。
区は、アーバンデザインセンターの報告を受けて、高島平グランドデザインの方針を示すと言ってきました。アーバンデザインセンターの報告は、今まで区が示してきた2haの区有地の中で、公共施設やマンション、商業施設を整備すると言ってきた内容とは、規模も設置の考え方も大きく異なっています。
その内容を住民への説明も合意形成もないまま方針として決定することがあってはなりません。
Q23 区の新たな計画について、住民にいつ、どのように説明するのですか。
(2)新河岸地域のまちづくり
次に、新河岸地域のまちづくりについてです。
新河岸2丁目の都営新河岸団地の建て替えが進められています。
東京都は、都営住宅の建て替えの時に住宅以外の「併設施設は戻さない」とする方針です。第1期工事では、電気屋と郵便局も移転させて、戻る予定はありません。第3期工事では、商店やクリニックなどが入っている棟も建て替え対象となります。
新河岸団地は高齢者が多く、歩くのも大変で、杖やシルバーカーなどを利用してやっと歩いている状況です。郵便局や買い物など日々の生活に必要なものがなくなってしまえば、とたんに困ってしまいます。
Q24 新河岸地域から郵便局がなくなり、高島平8丁目の郵便局まで、足の悪い高齢者などが、バスに乗って行かなければならなくなることについて、区長はどう思っていますか、お答えください。
この間、都や日本郵便へ住民と一緒に要請を行ってきました。東京都は、住宅以外の併設は難しいと言いますが、都の敷地を商店や郵便局に提供することは否定していません。日本郵便も、新河岸団地に郵便局を設置する必要性を主張し、東京都に対し、団地に戻れるよう再三申し入れていると言っています。板橋区としても、新河岸地域の住民生活を守るために、働きかけが必要です。
Q25 例えば、東京都の敷地に住宅の棟とは別に「商店や郵便局だけの棟」をつくり、戻りたい業者が戻れる場所を確保するなど、区としてなんらかの方策を検討していただきたいが、いかがでしょうか。
新河岸地域は、荒川河川の氾濫時に約5メートルの水に水没する被害想定となっています。水害などによる災害時に、最終的には垂直避難が必要になります。しかし、公的な高い建物はこの地域に新河岸団地しかありません。
Q26 建て替えの際、防災倉庫や集会所が、水害で水没しない高さに配置するよう、区としても東京都へ要望することを求めます。
(3)次に、家具転倒防止についてです。
阪神淡路大震災などの教訓から、家具転倒による2次被害をなくすため、家具転倒防止策が重要であることは、指摘されてきました。しかし、実際には、家具転倒防止の実施は思ったように進んでいません。
Q27 家具転倒防止の実施状況とその必要性についてお示しください。
家具転倒防止が進まない課題は、賃貸物件で壁に穴が開けられないことなどが挙げられています。また、突っ張り棒などを活用していても、設置場所や方法などに誤りがあることなども指摘されています。
家具転倒防止を爆発的に推進するには、個別の住宅事情などについて、専門家を派遣するなどの対応が必要です。
Q28 家具転倒防止の実施が進まない課題について認識をお答えください。また、例えば、区として、専門家などと連携して「家具転倒防止無料なんでも相談会」などを行い、個別の住宅事情に応える対策を検討して頂きたいがいかがでしょうか。
(4)次に、区営住宅の修繕負担区分について質問します。
国土交通省は、2017年の民法改正によって、賃貸住宅契約の参考にするための「賃貸住宅標準契約書」を改定し、「畳表の取替え、障子紙、ふすま紙の張替え、給水栓、排水栓、LED照明の取替え」を借りている人が負担する項目から外し、負担を軽減する見直しを示しました。
これを受けて昨年末、UR都市機構は、居住者の利便性向上と負担軽減を図るため、現行の借りている人の負担としていた81項目の約8割をUR負担とし、2020年から導入する方針を発表しています。
Q29 現在、区営住宅の「畳表の取替え、障子紙、ふすま紙の張替え、給水栓、LED照明の取替え」の修繕は、借りている人と区のどちらが負担することになっているかお示し下さい。
区営住宅の居住者は、低所得であることに加え、年金生活者が増加し、所得はいっそう低下しています。
Q30 区営住宅の修繕負担について、借主負担を大幅に軽減する方向で見直すことを求めます。その際、国交省の賃貸住宅標準契約書の積極的な内容を考慮していただきたいがいかがでしょうか。
以上で、私の一般質問を終わります。