「陳情第165号 第10期介護保険料の引き下げを求める陳情」および、「陳情第171号 第10期の介護保険料引き下げ等を求める陳情」に賛成する討論

 ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、「陳情第165号 第10期介護保険料の引き下げを求める陳情」および「陳情第171号 第10期の介護保険料引き下げ等を求める陳情」の委員会決定、不採択に反対し、陳情に賛成する立場で討論を行います。

 本陳情は、介護保険料を引き下げること、また介護現場への処遇改善のための必要経費は保険料の負担増にならないよう公費負担を国に求めること、区独自の介護現場の処遇改善を行うことを求めるものです。

 陳情に賛成する第一の理由は、介護保険料を引き下げて欲しいという区民の切実な要求に応える必要があるからです。同趣旨の陳情は何度も区議会に提出されています。それは、高い保険料に悲鳴をあげている区民の切実な要求があるからです。区は、これまでも保険料の負担軽減のために介護給付費準備基金を投入することや保険料段階の階層を低所得層の負担軽減になるよう見直すことを行ってきました。しかし、介護保険料の負担は増え続けています。これまで以上に基金を投入し、保険料を引き下げるべきです。

 第二の理由は、保険料の引き下げには公費負担割合の引き上げも重要で、国に対し現在の負担割合の見直しを求めるべきと考えるからです。

 介護保険制度は2000年の制度開始から、給付の充実、介護報酬の増額、介護職員の処遇改善などを行うとそれが保険料・利用料の負担増に跳ね返ってしまうという「負担と給付のジレンマ」が問題とされてきました。この間、介護保険料を抑制するために、利用料の原則2割化、要介護1・2の保険給付外しなどの介護サービスの制限などが行われ、そのことが「保険あって介護なし」という状況を生み出しています。そうしたなか、保険料の負担を抑えながら給付の充実や職員の処遇改善を行うには、介護保険の公費負担割合を引き上げるしかないことが、公的介護の充実を願う広範な関係者・有識者の共通の見解となっています。介護保険の導入時には推進していた有識者や、「認知症の人と家族の会」などの利用者団体が共同し、介護保険制度の「再建」を求める動きが生まれています。自民党も2012年に「介護保険公費60%」「そのうちの10%は国が国費で出す」という案を主張しており、公明党は2010年に発表した政策のなかで「公費負担割合を現行の5割から当面6割に引き上げ、2025年には介護保険の3分の2を公費で賄う」ことを提案しています。

 委員会質疑のなかでは、85歳以上の人口が増え、事業量が増える見込みを区がもっていることもあきらかになりました。区は、公費負担の割合負担を変えることは制度を大きく変えることであり、区として国に求める考えはない、と答弁していますが、持続可能な制度運営のためにも、国に対し区として声をあげるべきです。

 第三の理由は、区独自に介護現場への処遇改善をすべきだからです。

 介護に従事する労働者の賃金は低いままです。2024年度の報酬改定では、物価上昇にはとてもおいつきません。国の責任で介護人材の賃上げと労働条件の改善をすすめるべきですが、区独自で介護の人材不足対策、処遇改善も行うべきです。全国をみれば、自治体独自でさまざまな取り組みがはじまっています。たとえば、徳島県三好市ではヘルパーの数が減り、ケアマネがプランを作成しても受託する訪問介護事業所が見つからない事態が起こるなか「もう介護報酬のみでは事業所が成り立たない」と判断した自治体が独自に財源を投入し、ヘルパーの賃金を保障する取り組みを始めています。介護の事業が『消滅』する前に、区として緊急に対応することが必要です。暮らしを支える社会保障の拡充は、健全な経済成長の土台ともなり、区民生活を支える基盤となります。

 改めて、介護保険料を引き下げること、国に対し公費負担の割合増を求めること、また区独自の処遇改善を求め、わたしの討論を終わります。

一覧へ

検索