討論日:2020年12月14日
ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、議案第87号中央図書館駐車場条例に反対する立場で討論を行います。
新しい中央図書館は、現在区立平和公園で工事がすすんでおり、来年3月が開館です。
本議案は、新中央図書館設置にあたって駐車場及び駐輪場を有料とするものです。
自動車は入場から30分を無料、以後30分ごとに200円、バイクは入場から30分を無料、以後30分ごとに100円の利用料金が発生するとしています。駐輪場は、入場から2時間を無料、以後8時間までは100円という料金設定を検討しているとのことです。図書館の利用時間について95%程度が2時間未満で終えているという点から、結果的にラック式の駐輪場を使用しても使用料は発生しないとしています。しかし、新中央図書館にはカフェが併設され、さらに若者世代が利用できるスペースがあり、一階にはボローニャ絵本館も入ります。教育科学館が近くにあり、公園との一体的な整備もすすめられており、これまでの中央図書館より長い時間利用されることが想定されます。
児童の利用者には、無料の駐輪スペースを15~20台程度で用意するとしていますが、自転車をみて年齢を判断することは困難です。年齢の判断は自転車の大きさで行うしかなく、それでは同学年でも料金が異なる可能性があり公平性に欠く上に現実的ではありません。児童の体格によっては、中学生でも料金が発生してしまう状況になりかねません。児童福祉法では18歳までが子どもです。図書館の利用によって10代の利用者からお金を取ることは、許されません。
区は駐車場有料化の理由として、施設周辺に放置自転車が生じないためとしています。しかし新中央図書館は駅から遠く、さらに利用者が有料駐輪場以外の場所に自転車を置く可能性もあります。有料化したところで、放置自転車がなくなる根拠はありません。
他の区立図書館の駐輪場は無料です。また中央図書館は他の区立図書館より蔵書が多いため、近所の図書館ではなくわざわざ中央図書館に来館する利用者も多くいます。新中央図書館では、障害者サービスの充実もうたっており、これまで以上に、誰でもいつでも気軽に利用できる図書館であることが求められています。
図書館は、住民の読書や「知りたい、調べたい」を保障することが役割です。生活・生業・学業のためには、資料・情報は欠かせません。図書館は「生存権のための文化的側面である学習権を保障する機関」なのです。だからこそ、図書館法には「無料の原則」があります。図書館が社会教育施設であるという点からみても、公立図書館を無料で利用できるという重要性を保持し続けるべきです。図書館は最も利用者の多い公共施設のひとつであり、その利用にあたって料金がかかるという事態は、情報享受の低下であり、住民の知る権利が損なわれることになります。板橋区の直営の図書館は、いまではもう中央図書館1館だけです。生涯学習の拠点としてどうあるべきかを考えたら、たとえ100円であっても図書館の利用にあたって利用者から料金を取るべきではありません。区は、駐車場利用の減免は、障害者手帳の提示でのみ対象とするとしていますが、高齢者、手帳を所持していない障害者、18歳以下のこども、妊産婦まで対象を広げるべきです。図書館の無料の原則に立ちかえり、今一度検討しなおすことを求め、本条例に反対し私の討論を終わります。
(写真の撮影は、2020年9月に行いました)