2022年度当初予算に対する談話
2022年2月2日
日本共産党板橋区議会議員団
幹事長 竹内 愛
過去最大規模の予算
2022年度当初予算は一般会計歳入歳出ともに2297億9千万円(前年度比4.0%の増)、4つの特別会計(国保・介護・後期高齢・東上線立体化)を合わせると総額3445億4600万円(前年度比4.3%の増)です。歳入の特徴としては、コロナ対策への国や都の補助に加え、一部企業の収益増などにより税収が増えています。しかし区は、昨年度来の『緊急財政対策』方針に基づく緊縮財政を維持しています。一方で財政調整基金を20億1400万円取り崩すものの、全ての基金総額は938億1800万円(2022年度末時点)となる見込みで、予算・基金いずれの規模も過去最大です。
区民の願い実現
新年度予算案には、児童相談所の開設や高齢者・障害者の24時間365日電話相談の実施、人工呼吸器を使用している在宅療養者(難病除く)への非常用電源装置の給付、学校給食牛乳購入費の助成、区立幼稚園3歳児保育及び通年・長時間の預かり保育の実施など、区議団も求めてきた事業が盛り込まれています。
コロナ禍でも再開発事業は聖域?
一方で、コロナ対策では、PCR検査の拡充・保健所体制の強化・生活や生業支援など抜本的改善に至っていません。また、ICTの活用や民間委託による事業も増え、民営化含め、利便性や効率化の名の下で、区民が置き去りにされ、支援の後退につながらないよう注視が必要です。加えて、4つの大規模開発事業の動きが活発化し、予算額も一気に拡大しています。大山駅周辺まちづくり事業など、住民不在の計画を広く知らせ、計画の見直しを求めていきます。さらに各分野での経済的支援が不十分であり、昨今問題になっているケアラー支援も課題です。教育の分野では小中一貫校の設置検討が進められています。教育的効果より経費削減が重視されていることは問題であり、少人数学級の拡充や教育予算の増など質の向上にこそ力を注ぐべきです。また、『ゼロカーボン宣言』の表明と『パートナーシップ制度』の検討調査が打ち出されました。いずれも内容とスピードが問題であり、具体的な事業を早急に実施するよう求めていきます。
児童相談所設置などにより区職員定数の増が見込まれていますが、通常業務においても慢性的な人手不足となっています。特に保健所や福祉事務所での体制強化は待ったなしの課題です。過密労働を是正するためにはさらなる増員が必要です。
区民福祉の向上のために
新年度は区制施行90周年の節目の年でもあります。コロナ禍で露呈した格差と貧困に正面から向き合い、誰もが希望の持てる区政を示すことが求められています。区議団は、修正動議の提案準備も進め、予算審議を通じて区の課題を明らかにし、是正のために力を尽くす決意です。
以上