2022年第二回定例会一般質問 山田ひでき区議

質問日 2022年6月3日

ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、一般質問を行います。

1、平和都市宣言を活かして


 初めに、平和都市宣言を活かすことを求めて質問します。
 国連憲章を真っ向から踏みにじったロシアのウクライナ侵攻開始から3か月が過ぎました。今大事なのは、国際世論によるロシア包囲です。国連では加盟国の圧倒的多数の140か国以上がロシア断罪の決議に賛成しました。この流れをさらに広げることこそ侵略を止める最大の力です。日米首脳会談が23日に都内で開かれ、バイデン大統領は「民主主義対専制主義の戦い」と言い、岸田首相は「価値観を共有するG7主導の秩序の回復」と言います。しかし、今必要なのは、あれこれの価値観で世界を二分することではなく「ロシアは侵略やめよ」「国連憲章を守れ」の1点で全世界が団結することです。ところが、与党などがウクライナ危機に便乗し、9条で日本を守れるかと叫び、相手国の領域内で基地や政府の中枢を軒並み破壊する敵基地攻撃能力の保有を言い出していることは許されないことです。これは相手に脅威を与える攻撃型兵器は保有できないという政府のこれまでの憲法解釈を180度覆し、専守防衛を投げ捨てるものです。それは、敵基地攻撃能力を反撃能力などと言い換えても本質は変わるものではありません。ウクライナ戦争を受けて、敵基地攻撃能力、反撃能力の保有の検討や軍事費の拡大が必要だという声が上がっていることに対する区長の認識を伺います。
 日米首脳会談は「日米同盟の抑止力・対処力を強化することで一致した」と会見が行われ、岸田首相が軍事費の相当な増額を確保する決意を表明したことは、空前の大軍拡を進めるものだと言わざるを得ません。元陸上自衛隊のレンジャー隊員だった井筒高雄さんは「レンジャー訓練で遺書を書き、先輩は戦車にひかれて亡くなった。戦争の現実を知らずに、安易に自衛隊を死に追いやろうとする政治に怒りを感じる。政治の役割は、いかに戦争を回避するかだ」と述べています。今こそ戦争する国への姿勢を大転換し、「敵対と分断」から「平和と協力」の関係を築いた東南アジア諸国連合ASEANと協力し、東アジアを平和の地域にする平和外交にこそ正面から取り組むべきです。板橋区は、二度と戦争の惨禍を繰り返さないために、恒久平和を願う平和都市宣言を掲げてきました。岸田総理の防衛費の相当額の増額は、その立場と相反するのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

2、コロナ対策の充実を求めて


 次に、コロナ対策の充実を求めて質問します。
 新型コロナ感染症の拡大によって、国内では累計880万人以上が感染し、3万人を超える命が失われました。命にかかわる感染症の拡大に対し、自治体としてどのように対応するのか、その真剣さが問われます。今年の2月には第6波感染拡大のピークを迎え、板橋区においても医療機関にかかることができない自宅療養者の数が爆発的に増えました。東京都は各保健所の負担を減らすため、コロナ陽性患者のうち、無症状あるいは軽症で重症化リスクの少ない人には自身で健康観察を行うこととし、自宅療養者本人が体調の変化に気づいた際の相談や、食料品、パルスオキシメーターの配送などに対応する自宅療養者サポートセンターを開設しました。しかし、自宅療養者の中には容態が急変する方も出ました。一人暮らしの自宅療養者の容態が急変した場合、連絡が遅れ、命にかかわるおそれがあります。第6波では自宅療養者のピークが4,722名でした。そのうち保健所から直接電話などによる区のサポート事業を受けられた人は2月で825名です。保健所が対応できなかった理由をお示しください。
 また、自宅療養者に対してはショートメールが1通届くのみで、必要な情報は自分で検索したり、問合せしたりしなければなりません。最初のショートメールに一覧表形式で必要な連絡先が記載されているといいますが、その内容が分かりづらいために、逐一保健所へ問合せせざるを得ないと聞きました。具体的な支援の内容まで分かる内容になっていれば、保健所への問合せ自体を減らすことができたのではないでしょうか。自宅療養者に対するショートメールの内容について、いつ、どこで、どんな支援が受けられるのかが分かる内容のものへと改善をするべきと考えますが、いかがでしょうか。
 保健所の体制の改善は、コロナ感染拡大以来、課題となったままです。板橋区でも第5波の感染拡大の際に、保健所の職員が1か月に最大で200時間もの超過勤務となり、第6波でも最大で149時間と過大な超過勤務の実態は改善されておりません。現場の職員は精神的にも限界です。これは保健所の3か所から1か所への削減や、検査部門を次々と民間委託し、検査技師などの技術職を増やさない区の保健衛生を軽視する削減方針が保健所の機能を後退させたためです。新たな感染症を経験した今、保健所の体制強化に本気で向き合うべきです。未知の新型感染症が爆発的に感染しても対応できる保健衛生の体制、特に保健師と関連の事務職員が必要です。正規職員を中心とした抜本的な体制強化を求めますが、いかがでしょうか。
 コロナワクチンの接種によって、一部の方に健康被害が生じています。国は健康被害がワクチン接種によるものと厚生労働大臣が認定した場合には救済が受けられるとしていますが、救済制度があることはよく知られていません。ワクチン接種による健康被害は、板橋区ではこれまでに90件の相談があり、被害の審査会には1月に8件、4月に5件を東京都に送付していますが、救済を受けた人はまだいないといいます。また、救済を申し立てる場合には、診断書やCT画像、レントゲン画像などを自己負担で用意しなければなりません。救済申立てのハードル自体が非常に高くなっています。国が進めるワクチン接種によって健康被害があった場合に、国から補償が受けられることについて、さらなる周知が必要です。また、診断書等の作成費用を公費で負担するなど、救済申立てのハードルを下げるよう国に求めるべきです。区長の見解を求めます。
 新型コロナ感染症患者のうち35%前後の方に後遺症が出ていると言われ、そのうち65%の方に休職や時短、在宅労働への切替えなどの影響が出ています。国は、コロナに罹患中の患者については休業補償のための傷病手当を支給していますが、後遺症患者に対しては支給していません。働きたくても働けない人に手当が出ないことは問題です。コロナ後遺症については不明なところも多く、いつまで症状が続くかも分かっていません。こうした患者の不安を解消し、暮らしを支える必要があります。厚生労働省の榎本健太郎大臣官房審議官は、4月25日の行政監視、国・地方役割分担小委員会で、「国保では傷病手当金の支給は、任意に市町村が条例を定めれば行うことが可能であり、新型コロナウイルス感染症の後遺症といった場合も含める形で条例を定めていれば、後遺症となった場合も傷病手当を支給することは可能」と答弁しています。新型コロナ後遺症によって休業あるいは失業となっている人を救済するため、本区の国民健康保険条例の附則第8条に新型コロナ感染症の後遺症を含めていただきたいが、いかがでしょうか。

3、グリーンプランの目標達成を


 次に、グリーンプラン2025の目標達成を求めて質問します。
 地球の温暖化は世界各地で異常気象を起こし、甚大な被害を生んでいます。国際社会は地球の平均気温の上昇を1.5度未満に抑える必要があるとして、気候危機に対する真剣な取組が求められています。区はようやくゼロカーボンシティ表明を行いましたが、具体策の実行が問われています。区のグリーンプラン2025では地球温暖化の原因となる温室効果ガスの吸収源対策として緑の保全が位置づけられています。この中で緑被率については2025年までに21%に引き上げる目標ですが、2014年度の20.3%から2020年度で19.3%と、むしろ下がっている状況です。緑被率が下がっている状況について、区長の認識を伺います。また、2025年度に21%という目標は、どうやって達成するのでしょうか。区長の見解をお聞きします。
 緑を増やすということでいうと、屋上緑化や壁面緑化についても停滞していると言わざるを得ません。屋上緑化と壁面緑化には区として助成金を出していますが、その実績は2020年度と2021年度の2年間で僅かに1件であり、今年度予算は屋上緑化、壁面緑化合わせて20万円が計上されているのみです。区の助成事業では、屋上緑化でも壁面緑化でも初期費用については最大で40万円助成されますが、樹木や芝生を植える必要があることや、4平方メートル以上の植え込み地を整備することとなっており、大規模修繕等で防水工事をやり直す場合には植え込みを全部剥がす必要があるために、費用がかさみます。こうした工事の費用については助成されません。せっかく屋上緑化を進めても、大規模修繕などの際に撤去され、その後復活しない例が多いと聞きます。屋上緑化と壁面緑化の助成事業について、初期費用だけでなく、維持費や更新費用についても助成が必要と考えます。区長の見解をお示しください。
 グリーンプラン2025では、公園の面積・公園率についても、2025年度までに6.1%に引き上げる目標としていました。公園の整備は子育て支援や高齢者の健康づくり、都市の防災機能の強化にもつながります。区内の公園は赤塚植物園の開園などによって増えた部分もあれば、志村坂公園のように東京都へ返却する公園などがあり、最終的に公園率は増減なしの5.9%となっています。志村坂公園は都営住宅に隣接した公園でしたが、都の方針で返却したとのことでした。都に返却する際に公園として残してほしいと要望すらしていないことは問題です。公園率の目標6.1%をどのように達成するのか、区長の見解を伺います。

4、「住まいは人権」の住宅政策へ


 次に、「住まいは人権」の住宅政策を求めて質問します。
 東京都が2017年に実施した調査では、住居がなくネットカフェなどを利用している人が4,000人いて、その半数が20代から30代の若年層となっています。住まいの貧困は拡大し続けており、セーフティネットとしての行政の役割はますます重要です。区は板橋区住まいの未来ビジョン2025で、住宅確保に配慮を要する区民の居住を安定させることをうたっていますが、そもそも住宅確保に配慮を要する区民の数も把握しておらず、その対策も十分ではありません。
 国は住宅確保要配慮者世帯数推計支援プログラムを提供しています。プログラムを使用することにより、住宅確保要配慮者の世帯数を地域の実情やニーズに応じて推計でき、将来の需要に基づき、公営住宅等長寿命化計画や住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画を効果的に策定することが可能とされています。プログラムの使用は義務ではありませんが、任意で使うことが可能であるにもかかわらず、板橋区はこのプログラムを使用していません。区営住宅再編整備基本方針で示されている総戸数752戸は、どのような根拠に基づいて算出されたものでしょうか。また、住宅確保要配慮者世帯数推計支援プログラムを使用して必要な公営住宅の数を算出するべきと考えますが、いかがでしょうか。
 2021年3月には新たな住生活基本計画が閣議決定され、住宅確保要配慮者が安心して暮らせるセーフティネット機能の整備が目標とされました。区は区営住宅を住宅確保要配慮者に対して低廉な家賃で住居を提供するとしていますが、区営住宅の数が限られているために住宅に困っていても公営住宅に入れない人を大量を生み出しています。区営住宅752戸を維持するという区営住宅再編整備基本方針を見直し、区営住宅を大幅に拡充することを求めますが、区長の見解を求めます。
 国は健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準を定め、1人世帯では25平方メートル、2人世帯では30平方メートル等を最低居住面積水準としています。区は2009年にワンルームマンションを規制する条例を制定し、15戸以上の集合住宅に対しては1戸当たり25平方メートル以上としていますが、15戸未満の集合住宅に対しては対象外となっています。区内の最低居住面積水準を満たしていない住宅は、2013年度時点で全世帯の17.5%あります。民営の借家では2008年度に3万6,830戸だったものが2013年度には3万8,850戸へと2,020戸も増えています。しかし、住まいの未来ビジョン2025には最低居住面積水準を満たしている住宅をいつまでにどれくらい増やすかの方針がありません。区内で新規に建設される住宅について、最低居住面積水準を満たすよう、区としてルールをつくるべきではないでしょうか。併せて住まいの未来ビジョンに最低居住面積水準を満たす取組を位置づけるべきです。区長の見解を求めます。
 困窮しているにもかかわらず、低廉な公営住宅への入居が叶わない人たちがいます。板橋区内には3万4,000戸を超える空き家があり、その利活用についても課題となっています。空き家のうち、優良でかつオーナーが利活用を検討している住宅について、区が家賃助成を行い、住宅に困っている人たちに提供することが可能ではないでしょうか。民間賃貸住宅に対し、空き家利活用と併せて家賃助成を行うことを検討していただきたいが、いかがでしょうか。
 けやき苑は、住宅の確保に配慮が必要な高齢者に低廉な家賃で提供する住宅として、区が民間の住宅を借り上げて提供していますが、区営住宅再編整備基本方針では、全てのけやき苑について、借上げ期間満了に伴い廃止して、区営住宅に統合する計画です。高島平けやき苑に住む方は、坂下にできる区営住宅への移転を迫られています。現在1万7,400円の家賃が、移転後は共益費も含めて2万6,000円と8,600円もの値上げになると言われたそうです。収入は月額6万円の年金のみ、けやき苑だからこそ暮らしてこられたと言います。区の都合で移転する以上、区営住宅に移転しても、家賃及び共益費は従前のけやき苑から増やすべきではありません。重ねて、区営住宅への統合ではなく、高齢者に特化した高齢者住宅けやき苑を存続させるべきだと考えております。区長の見解をお示しください。

5、板橋区のまちづくりについて

(1)高層マンション偏重の再開発を見直せ
 続けて、板橋区のまちづくりについて、高層マンション偏重の再開発を見直すことを求めて質問します。物価高は建築資材にも大きな影響を与えています。2021年にはウッドショックと呼ばれる輸入木材の高騰が起こり2倍程度になりました。セメントの主要材料である石炭はロシアからの輸入にその大部分を頼っていたために値上がりしています。鋼材についてもアイアンショックと呼ばれる高騰によって1.5倍以上に価格が上昇し、その納期も2倍以上になっていると言います。こうした建築資材の高騰は、板橋区内で進められている大山駅周辺のまちづくり、上板橋駅南口地区の再開発、JR板橋駅周辺の再開発にも大きな影響を与えるおそれがあります。区長は3月7日の代表質問に対する答弁で、資材高騰で事業費が増大することは認めています。建築資材の高騰によって、区内で行われている再開発の事業費が大きく膨らむのではないでしょうか。また、工期も延びることが考えられます。併せて区長の認識を伺います。
 売れ残った保留床を自治体が買い取らざるを得ず、再開発ビルの中に役所機能の一部が入るということをよく聞きます。板橋区においても、成増駅北口の再開発では売れ残った保留床が板橋区立成増アートギャラリーとなり、浮間舟渡駅前再開発では売れ残った保留床のために20億円もの税金を投入して保育園を設置しています。公費は入れないと言いながら、最終的に公費が投入されました。区内の上板橋駅南口地区、大山駅周辺のまちづくり、JR板橋駅板橋口及び西口地区の再開発において、保留床を区が買い取るなど、予定のない税金の投入があり得るのか伺います。
 高層マンションはその構造上、一般的なマンションと比較して修繕に多大な費用と時間がかかることが、近年大きな問題となっています。特に高層階部分では足場を組むことができないために、外壁の補修はゴンドラをつるして少しずつ進めるしかありません。大規模修繕自体実績が少なく、ノウハウが確立されていないために積み立てた修繕費用では足りなくなり、追加の負担を強いられたという話も聞きます。また、権利者が多いために住民合意を図ることが難しいことも課題となっています。5月26日の東京新聞では、高層マンションの高層階が大規模な地震等の際にエレベーターが長期間止まることで陸の孤島となるおそれが指摘されています。一斉にエレベーターが停止することで点検に時間がかかり、復旧までに1週間以上かかることも想定されるとし、備蓄について1週間分以上必要だとしています。また、日当たりが良すぎるためにエアコンの稼働率が上がり電気代の負担が非常に多くなるなど、高層マンションが抱えるデメリットも明らかになってきています。区が進める大規模再開発事業では、いずれも高層マンションを建てる計画になっています。ところが区は高層マンションの課題について何も言及しておらず、その姿勢は無責任と言わざるを得ません。高層マンション偏重の再開発計画を抜本的に改め、身の丈に合った計画へと見直すべきです。区長の見解をお示しください。

(2)上板南口商店街のにぎわいを守れ
 次に、上板南口商店街のにぎわいを守ることを求めて質問します。2月の補正総括質問でも取り上げましたが、上板橋駅南口地区の再開発によって、新たに川越街道から区画街路8号線が上板橋駅南口まで通される上に商店街出口にある信号の付替えが検討され、信号が区画街路8号線側に付け替えられた場合に商店街の人の流れが3割近く減ることが、かみいた南未来会議に提出された資料によって明らかになりました。商店街の人の流れが3割も減少するのはなぜなのか、また3割も人の流れが減少した場合、商店街の売上げにどのくらい影響があるのか、区長の見解をお示しください。商店街の方からは「人の流れが3割減ることは個別には聞いていない」「売上げへの影響は区の方で何か考えてほしい」といった声が寄せられ、売上げに大きな影響が出ることが懸念されています。上板南口銀座商店街は地域に根差した商店街として親しまれてきていますが、開発優先で商店街置き去りの区の姿勢は問題です。商店街のにぎわいを維持するために区として個々の商店の声を聞き、支援の具体化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。

6、区営自転車駐車場の改善を


 次に、区営自転車駐車場の改善を求めて質問します。
 板橋区では区営自転車駐車場の一部を今年度から指定管理者制度へと移行し、利用者の利便性が向上することや、コスト削減が図れることなどがうたわれていました。しかし、制度導入に併せて当日利用が原則としてコインラックとなったことで、定期利用の空き枠に当日利用の自転車を止めるなどの柔軟な対応ができなくなりました。回数券の廃止や定期利用が遠くなったことなど、利用者から多くの苦情が寄せられています。指定管理者制度が導入された区営自転車駐車場において、当日利用の枠が満車となっても、定期利用の枠に空きがある場合に弾力的に運用し、当日利用として使えるようにするべきと考えます。区長の見解を求めます。
 来年度に指定管理者制度導入が予定されている志村三丁目駅の区営自転車駐車場は出入口が多数あるために、係員のいない入口からの無断駐車が1日に50台近くも発生しています。点検のために駐車場内を常時見回っています。また、朝の通勤時間帯では券売機が間に合わず、係員がチケットを何枚も購入しておいて現金のやり取りは係員が行っています。1分1秒を争う朝の時間帯ではそのほうが早いからです。そもそも体制が不十分な上に、指定管理者制度の導入で人件費のコストが下げられることをメリットとしていては、駐車場の利便性が向上するはずがありません。自転車駐車場を適切に運営するためには、必要な人員を配置しなければなりません。大幅な増配置を求めますが、区長の見解をお示しください。

7、必要な人に届く介護を


 次に、必要な人に届く介護を求めて質問します。
 22年目を迎えた介護保険制度は、「必要になっても使えない」「費用負担ができず利用を控える」ことなどが大きな問題になっています。本人非課税の40歳以上の板橋区民が支払う基準保険料額は、3年ごとの見直しのたびに引き上げられ、現在の8期では月額6,040円と当初の金額と比べると4倍近くになっています。国の税制制度審議会で検討される、2024年度からの第9期介護保険事業の介護サービス利用料を原則2割に引き上げることとケアプランの有料化は、介護の利用抑制につながるのではないでしょうか。また、保険料の支払いを30歳からに引き下げることは、さらなる負担増になると考えますが、区長の見解を伺います。
 板橋区でも、介護保険料の独自軽減を行っていますが、軽減を受けられる人は限られています。また、利用料については、軽減制度はありません。都内では、23区中11区が利用料についても軽減を行っています。コロナ禍や物価高によって困窮する区民が増えていることを考えれば、保険料の軽減制度のさらなる拡充と利用料の軽減制度が必要です。板橋区でも、介護サービス利用料の軽減を求めますがいかがでしょうか。
 介護保険サービスによらない介護サービスの提供を行っているところが23区中19区あります。渋谷区では事業対象者または認定を受けた人しか受けられないホームヘルプサービス等を独自に拡大し、同居家族等がいてもサービスを受けられるようにしていたり、千代田区では入院中及び入退院時の生活介護を行っていたり、台東区では家事・介護援助サービスを行っていたりしています。板橋区においても、少なくとも院内介助、入退院時付添い等の保険外のサービスについて検討するべきです。いかがでしょうか。
 介護保険のサービスを受けられないために、家族が介護のために転職して非正規労働になったり離職したりする介護離職は、毎年10万人を超えることが大きな問題となっています。当然収入が大きく減少したり、あるいはまるっきり断たれたりすることで困窮してしまいます。こうした中ほかの自治体では、家族介護に対して家族介護慰労金を支給しています。家族介護慰労金支給事業は都区内では9区で、市部では16市で実施されています。板橋区でもかつては高齢者元気リフレッシュ事業で、介護を利用していない高齢者や在宅介護の方への支援がありました。この高齢者元気リフレッシュ事業が廃止される際に、「家族介護に対して検討したい」と、当時区は答えています。しかし今に至るまで、財政上の問題を理由に実現していません。直ちに支援が必要です。多くの自治体が取り組んでいる家族介護慰労金支給事業を板橋区でも行うべきです。区長の見解を伺います。

8、教育の充実を求めて

(1)小中一貫型学校のあり方について


 最後に、教育の充実を求めて、まず小中一貫型学校の在り方について質問します。
 5月17日に行われた志村小・志村四中小中一貫型学校設置検討会に区教育委員会による基本構想・基本計画報告書(案)が示されました。現状で児童生徒数991名、教職員数総勢110名、そのほかに委託事業者の従業員が加わるという超マンモス校の建設計画です。この建設計画が、地域住民や学校関係者のみならず、区民に理解されているものなのかについては疑問が残り続けています。志村小はこれまで校舎も体育館も耐震工事が行われており、構造躯体の健全性に大きな問題がないことが明らかになっています。区が今回、現地での改築が困難としたのは、よう壁や工事車両の動線などにより現地での改築は安全が保てず、6年かかるのは子どもたちに負担になるとの理由です。しかし、本当にそうなのかという疑問は出され続けているのです。それは、難しい工事になるということを唯一の理由にして、志村城址に建てられ、118年の歴史を刻んできた学校を本当にその場所からなくしてしまっていいのか、志村坂上地域の重要な防災拠点が失われてしまっていいのか、子どもたちに通学路の変更を迫り、周辺地域にも大きな影響が出ているのではないか等々の声です。区民の方・地域の方から寄せられる声を聞けば聞くほど、志村小学校が現在の場所にあることが、地域にとってどれほど大事なことかということを私は痛感しています。志村小学校は、現在の場所にあることに重要な意味と役割があると考えますが、教育長は、志村小学校が現在の場所でどのような役割を果たしてきたと考えているでしょうか。見解を求めます。
 特別支援学級は現在、志村小は22名で3学級、志村四中は38名で5学級です。特別支援教育において9年間、通学や校舎も変わらず、顔見知りの先生と生活していけるという点では、環境の変化が苦手な子どもたちにも適応が容易になり、特性や支援内容も理解がしやすくなる面があるという意見がある一方、対象外の小学校から一貫校の中学校に進学した子どもたちは、疎外感を感じてしまうのではないかという心配の声が寄せられています。改めて、志村小・志村四中の特別支援学級の保護者や当事者の意見を聞くこと、学びのエリア内の坂下小・緑小・北前野小の特別支援教育に関わる保護者・児童・教職員などの声を聞くことを求めます。教育長の見解を伺います。
 5月17日の検討会では「大規模校になればいじめや不登校が増えるのではないか。スクールカウンセラーは増配置されるのか。ハード面より教育の中身が心配だ」という声が出されましたが、議論になっていません。検討会では、教職員の体制や教育の中身についての議論は行われないのでしょうか。6月には、この改築計画についての住民・区民への説明会が行われるとのことです。小中一貫型学校設置検討会は、ハード面だけでなく、教育の中身についての議論をきちんとすることを求めます。また、説明会の開催を十分に区民に広報・周知すること、説明会では質疑応答に十分な時間を取ること、ハード面だけでなく教育の中身について出される意見や質問に責任を持って答えることを求めます。
 検討会で示された基本構想・基本計画案では、7階建て、屋上にプール等々が示されました。グラウンドについては、現在の志村四中で7,419平方メートル、志村小は2,550平方メートルですが、新しい学校では今の志村四中のグラウンド面積さえ確保できるかどうかは定かではありません。狭い敷地に小中2校を入れるために高層化するなどということを始めてしまっていいのでしょうか、教育長の見解を伺います。また、この計画には無理があるのではないでしょうか、一度立ち止まって考え直すことを求めますがいかがでしょうか。

(2)義務教区における私費負担の軽減について


 次に、義務教育における私費負担の軽減について質問します。私たちは、学習や学校生活に必要なものは公費で賄うべきと考え、かねてより私費負担を軽減するよう求めてきました。今回改めて調査を求めたところ、区の資料によって区立小中学校における私費負担に学校ごとに差があることが分かりました。小学校の教材費は、最も少ない学校では全学年平均で4,069円ですが、最も多い学校では1万314円と2倍以上の開きがあります。区立学校でありながらこのような差が生じるのはなぜでしょうか。教材費の負担に差が生じていることについて、教育長の考えをお聞かせください。また、教育委員会としてどう対策を行うのか、お示しください。
 板橋区は区立小中学校の給食の牛乳について、物価高騰による保護者の負担増を回避するために補助金を出しています。これは給食費が保護者にとって大きな負担であることを区が認めていることにほかなりません。文部科学省が2017年度に行った給食費無償化実施状況調査では、全国1,741自治体のうち、小中学校両方で無償化を実施している自治体は76あります。小規模の自治体が多いとされていますが、中核都市でも検討が進められています。一部の自治体では学校給食費の無償化を実現しています。板橋区としても小中学校の給食費の無償化を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

(3)上板橋第一中学校の改築に伴う特別支援学級の児童生徒の通学について


 最後に、上板橋第一中学校改築に伴う特別支援学級の児童生徒の通学について質問します。上板橋第一中学校は令和6年度から令和8年度末まで改築工事が行われ、その期間中は旧上板橋第二中学校を仮校舎として活用します。その3年間は、通学距離が1.5キロメートルに達する児童・生徒に対して、路線バスを利用する補助金を出すことを検討しています。板橋区教育委員会は、特別支援学級に通う児童・生徒については1.5キロメートルに限らずバス代の補助を検討するとしていますが、特別支援学級に通う児童・生徒が路線バスで通学するには、様々な支援が必要です。上板橋第一中学校改築に伴う特別支援学級の児童・生徒の通学について、専用のバスを運行するべきと考えますが、いかがでしょうか。少なくとも、バス停留所に専任者が待機し誘導する体制が必要です。見解を伺います。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)

◎区長 それでは、山田ひでき議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、敵基地攻撃能力の保有や軍事費拡大についてのご質問であります。弾道ミサイルなどの発射拠点を攻撃する敵基地攻撃能力の保有や防衛費の増額に関しまして、様々な議論があることは承知するところでもあります。現下のウクライナへの軍事侵攻を踏まえて世界平和を希求すべく、今後も国家の安全保障に関する動向の注視とウクライナからの避難者への支援に取り組んでいきたいと考えています。
 次は、防衛費の増額についてのご質問であります。板橋区では、SDGsの理念の下「平和と公正をすべての人に」という目標とともに、平和都市を宣言した自治体として世界平和の実現を希求し、発信をし続けております。国の防衛予算につきましては、世界情勢や日本の安全保障政策の検討を踏まえ、国会において十分に審議されるべきものと考えております。区としましては、世界の恒久平和を願い、国の動向を見守っていきたいと考えています。
 次は、保健所の患者対応についてのご質問であります。新型コロナウイルス感染症は、全数報告であることから、保健所は届出された陽性者を病状や療養状況にかかわらず把握しているところでございます。第6波では、国から保健所における調査対象を重点化するという方針が示され、東京都と役割分担することで必要な支援を行ってきているところであります。患者の急変時等で医療的介入が必要な場合においては、リスクの有無にかかわらず、東京都や東京消防庁、医療機関と連携し、対応を行っておりまして、今後も同様の対応を継続していく考えであります。
 次は、患者へのSMSにおける案内についてのご質問であります。発生届に携帯電話番号の記載がある患者に、保健所からショートメッセージを送り、療養に関する案内を行っております。SMSで送信できる文字数が限られているため、陽性者専用のホームページのURLをお知らせし、相談内容に応じた相談窓口等への連絡先を案内しております。また、自宅治療者が受けられる支援に関する情報につきましても、引き続き分かりやすく案内していきたいと考えています。
 次は、コロナ対応にかかる保健所体制強化についてのご質問です。保健所の業務執行体制の強化に向け、令和4年度の組織改正により感染症に特化した感染症対策課を新設し、専任の課長職を設定するとともに、職員の増員を行ったところであります。これまでも業務の効率化や患者発生数を指標とした全庁的な支援体制を構築しておりまして、第6波の経験を踏まえて感染者の急増に対応できるように、改めて最適化も実施したものであります。なお、国からも保健所業務の見直し、委託等の活用を図る方針が示されていることから派遣職員の増員も行っておりまして、今後も健康危機管理の観点から、状況に応じた柔軟な組織的対応を講じていきたいと考えています。
 次は、ワクチン接種の健康被害についてのご質問であります。ワクチン接種に伴う健康被害についての問合せにつきましては、区のコールセンターや保健所窓口などで受付を行っております。今後は、ホームページも活用して健康被害に関する補償などについてさらなる周知を進めていく考えであります。また、現時点において診断書作成費用等への公費負担について国に求めていく予定はありませんが、引き続き健康被害の相談には丁寧に対応して支援していきたいと考えています。
 次は、国民健康保険条例の附則改正についてのご質問であります。新型コロナウイルス感染症に関する傷病手当金は、感染拡大防止の観点から国民健康保険条例の附則でその支給の根拠を規定しているものであります。新型コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、感染症が消失していることから、傷病手当金の対象とは考えておらず、条例の附則を改正する予定はないところであります。
 次は、グリーンプランの目標達成に関連いたしまして、緑被率が下がっている状況についてのご質問であります。航空写真等の分析によれば、大勢を占める民有地において、建築物の新築や建て替えに伴う樹木、樹林地の消失、農地の宅地開発等により緑被面積が減少していることが判明しているところであります。今般の緑化指導基準の改定に当たりましては、量から質への転換を図るとともに、対象を大幅に拡大することといたしました。併せて、保存樹木や保存樹林、民間施設の緑化に対する助成制度、市民緑地制度等の活用を促すことによりまして、既存の緑の育成も支援しながら、緑被率の目的達成を目指していきたいと考えています。
 次は、屋上緑化及び壁面緑化の助成制度の拡充についてのご質問です。屋上緑化や壁面緑化は、建物表面温度の低減によるエアコン電力の低減、建物の膨張・収縮による劣化の軽減、潤いや安らぎ感の創出など、省エネルギーを通じました環境保全効果が期待されるものであります。区としましては、こうした効果を広く区民に周知することによりまして、エネルギー消費の縮減につなげたい考えでありまして、区民にとっては、電気料の軽減など相応のメリットは考えられると感じています。一方、屋上や壁面の緑化については、陸屋根などの限られた建築形式のプライベート空間が対象となっておりまして、維持経費の助成は公費負担の公平性や履行確認に課題がありまして、実施は難しいと考えております。
 次は、公園率の目標の達成についてのご質問であります。公園率の目標6.1%を達成するには、区内の都市公園の面積を196.2ヘクタールに引き上げる必要があり、このためには現況の188.5ヘクタールから7.7ヘクタール増やす必要があります。必要面積の確保のためには、荒川河川敷のうち公園化されていない箇所等、比較的規模の大きい公有地の公園化などが考えられます。いずれにしましても、用地買収のほか貸借契約や使用許可など、様々な手法を駆使して土地の確保を図り、公園率の向上につなげていきたいと考えています。
 次は、板橋区営住宅再編整備基本方針で示されている総戸数についてのご質問であります。板橋区営住宅再編整備基本方針は、公共施設等の整備に関するマスタープランに基づく個別整備計画における区営住宅の整備方針として、公営住宅の供給戸数を維持する前提で策定したものであります。
 続いて、住宅確保要配慮者世帯数推計支援プログラムの使用についてのご質問であります。国土交通省が昨年10月に住宅確保要配慮者世帯数推計支援プログラムを公開していることは承知しております。次期板橋区住宅マスタープラン策定の中においてどのような活用ができるかについて、様々な角度から検討を進めていきたいと考えています。
 続いて、板橋区営住宅再編整備基本方針の見直しについてのご質問であります。区営住宅と区立高齢者住宅の再編におきましては、供給戸数を維持し、入居者の居住の安定を確保するなど、条件を踏まえて整備を進めておりまして、現在のところ板橋区営住宅再編整備基本方針を見直す予定はないところであります。
 続いて、最低居住面積水準のルールづくりについてのご質問であります。最低居住面積水準は、住生活基本法に基づく住生活基本計画にある水準でありまして、単身で25平方メートルであります。区では、東京都板橋区小規模住戸が集合する建築物の建築及び管理に関する条例の適用を受ける建築物では、1住戸の専用床面積は25平方メートル以上としなければならないと規定しております。条例が適用される規模に満たない建築物につきましては、今後研究していきたいと考えています。
 続いて、最低居住面積水準を満たす取組についてのご質問です。最低居住面積水準については、次期板橋区住宅マスタープラン改定の中において研究していくものと考えています。
 続いて、家賃助成についてのご質問です。家賃助成につきましては、行政改革の公共性の観点から、原則として現金給付は行わないとする考え方を維持してきたところでございます。住宅ストックとしての空き家の利活用につきましては、不動産団体等に引き続き協力を求めていく考えであります。
 続いて、使用料及び共益費が増えることについてのご質問です。高齢者住宅と区営住宅の使用料算定方法は同一でありまして、居住面積等の条件により使用料は異なるところであります。また、区営住宅の共益費については、エレベーター等共用部の維持管理及び自治活動に要する経費を各世帯ごとに拠出することとなっております。
 続いて、高齢者住宅を存続させることについてのご質問です。区営住宅を再編していくに当たり、板橋区住まいの未来ビジョン2025に基づきまして、単身者、子育て世帯、高齢者世帯など、様々な世帯が互助・共助の下に生活をするミクストコミュニティの醸成に取り組んでまいりました。これからの地域共生社会の実現に向けたコミュニティの形成にも資する区営住宅の供給を目指していきたいと考えています。
 次は、建築資材の高騰による影響についてのご質問であります。現在進められている再開発事業は、駅周辺や商店街等を中心としたにぎわいの向上や、不燃化促進等による災害に強いまちづくりを推進するために必要なものであります。また、再開発事業は、施設建築物だけではなく、道路や広場等を整備する公共性の高いものでありまして、事業収支を勘案しながら進められるものであります。建築資材の高騰が続きますと、事業費や工期に影響することが想定されますが、施行者である再開発組合等が責任を持って実施していくことが重要であると考えています。
 次は、区内再開発への税金の投入についてのご質問であります。各地区で進められております再開発事業は、地域にお住まいの方々や事業者等が主体となっております民間の再開発事業であります。区としましては、各地区の再開発事業が事業計画に基づき適正に実施されていくことが重要であると考えておりまして、今後とも再開発組合等を指導していきたいと考えています。
 次は、身の丈に合った計画への見直しについてのご質問です。再開発の事業計画は、再開発組合等が採算性や実現性を踏まえ、権利者の意向を反映した上で作成するべきものであります。区としましては、適正に事業が執行されるように今後とも組合等を指導していきたいと考えています。
 次は、商店街の売上げへの影響についてのご質問です。現在、商店街におきましては、歩行者と自転車、車が混在し、危険な通行環境になっていると認識しておりまして、区画街路8号線の整備がこの状況の改善に寄与するものと考えています。その結果、通勤・通学の時間帯等に駅に向かう人の流れの一部をこの道路に分散させ、より安心・安全に商店街を利用できる歩行者空間が確保されることとなると考えています。商店街の売上げにどのような影響を及ぼすかは現時点では不確定ではありますが、再開発による新たな居住者の増加などの機会を捉え、商店街のさらなるにぎわいを支援していきたいと考えています。
 続いて、商店街への支援についてのご質問です。商店街の活性化に向けましては、地元発意により、ソフト面の指針である商店街活性化プランやハード面の指針であるまちづくりガイドラインが策定されてまいりました。区としましては、引き続き商店街や地域住民等の意見を取り入れながら、これらのプランやガイドラインに基づく商店街活性化の取組を支援していきたいと考えています。
 次は、指定管理者導入後の区営自転車駐車場に関連いたしまして、指定管理者導入後の弾力的運営を求めるとのご質問であります。指定管理者制度を導入した自転車駐車場につきましては、原則として、全て指定管理者が管理運営を行っておりまして、運営形態については指定管理者の判断となると考えます。なお、区営自転車駐車場の指定管理者からは、過去3年間の利用実績を踏まえて、定期利用、当日利用の比率と駐車可能総数の調整をしたと聞いております。今後利用者の動向や利用形態など、最新の状況を指定管理者と共に分析して、適時、適正な利用台数の確保を図っていきたいと考えています。
 続いて、適切に運営するために大幅な人員増を求めるとのご質問であります。区営自転車駐車場の運営に従事する人員につきましては、指定管理の場合、提供するサービスを契約として定めるため、管理者が各駐車場の状況に応じて必要な人数を配置しております。また、一括委託により運営している駐車場につきましては、委託仕様書において適切な人員配置を求めておりまして、仕様に定めるサービスは履行されているものと認識しております。勤務環境につきましても、交代制など工夫がなされていると認識しておりますが、現に労働条件の適法性やサービス提供に支障を生じるときは、速やかに是正を図る考えであります。
 次は、介護利用の抑制と保険料の負担増についてのご質問であります。ご指摘の利用料負担の増や、保険料納付年齢引下げなどにつきましては、現在、国の審議会などにおいて継続的な検討が行われていると聞いております。今後もこれら保険制度の議論をはじめ、国の動向に注視し、情報収集に努めていきたいと考えています。
 続いて、介護サービス利用料の軽減についてのご質問であります。負担限度額認定など、既存の保険制度には、生計困難者に対する利用料軽減の措置が用意されております。今後、後期高齢者人口の増加による介護給付の急増が予測される中、共助による保険制度維持に必要な負担も重くなり、区独自の軽減措置の導入は難しいものと考えています。
 続いて、保険外のサービスについてのご質問であります。一部の自治体においては、保険給付の対象とならないサービスについて、低廉な本人負担で独自に給付している事例もあると聞いています。外出支援など保険給付対象外サービスは、社会福祉協議会により低廉でサービスの提供がなされていることから、これらの利用について周知を図っていく考えであります。
 最後になります。家族介護慰労金の支給についてのご質問であります。家族介護慰労金は、介護サービスの供給量が不足していた介護保険制度の発足直後に、その代替として一部の自治体が導入したものと認識しています。現在介護サービスを供給する事業者の参入が進み、地域資源として整ってきておりまして、必要とされる方は保険制度を利用できることから、ご提案の事業を行う予定はないところであります。
 残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長 それでは、山田ひでき議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、小中一貫型学校の在り方に関しまして、志村小学校が現在の場所で果たしてきた役割についてのご質問ですが、志村小学校は、他の区立小学校と同様に、学校教育のための学び舎としての役割や放課後の居場所、住民交流の場所、住民の生命を守る災害時の避難所としての役割を現在の場所で110年以上果たしてきたと認識しております。また、志村小学校の場所がある志村城跡は、地域の歴史を伝える場所としての重要な役割を担ってきたと認識しております。小中一貫型学校設置後におきましては、志村小学校が新たな場所で引き続きその役割を果たすとともに、志村小学校移転後の跡地につきましては、地域からのご意見などを踏まえ、整備し活用してまいります。
 次に、特別支援教育に関わる当事者の声についてのご質問ですが、令和3年12月に志村四中及び志村四中通学区域内の全小学校の児童・生徒、保護者及び教職員に対し、小中一貫型学校の設置に関するアンケートを実施いたしました。また、小中一貫型学校の改築基本構想・基本計画案の説明会を、学びのエリアの学校などを会場として、令和4年6月から全6回開催する予定であります。特別支援学級等に関する教室の配置や機能をはじめ、今後の設計で具体的な検討を行う際に、当事者の方々のご意見を伺いながら丁寧な対応を心がけてまいりたいと思います。
 次に、小中一貫型学校における教育の中身の議論について、検討会についてのご質問ですが、小中一貫型学校設置検討会は、学校設置に向けた円滑な準備を計画的に進めるために設置され、学校名や校歌、校章といった具体的な項目について検討する役割を担っております。小中一貫型学校設置検討会の前身である魅力ある学校づくり協議会では、小中一貫型学校の視察を行うなど、小中一貫型学校で行われる教育の中身について見聞を広め、議論を行ってきたところです。今後は建物の設計についての議論が多くなると思われますが、学校行事に関する事項や学びのエリアに関する事項など、小中一貫型学校で行われる教育の中身につきましても、適宜これまで同様議論を行ってまいりたいと思います。
 次に、説明会についてのご質問ですが、改築基本構想・基本計画案の説明会は、学びのエリアの学校などを会場とし全部で6回の開催を予定しております。説明会の開催はホームページで広く周知するとともに、近隣の小中学校の児童・生徒、教職員のほか、町会や近隣の幼稚園、保育園、児童館等に個別または施設ごとにメールやお知らせを配付し周知しているところです。説明会での質疑は、時間の制約はあるものの、ハード面だけでなく授業の内容等につきましても現時点での考え方についてお答えできるよう、学校長等の教育管理職の説明会への出席を調整しているところです。
 次に、校舎の高層化についてのご質問ですが、今後説明会を実施する小中一貫型学校改築基本構想・基本計画案では、保護者や地域の代表者などによるワークショップや検討会での議論を反映した地域提言書を受け、7階建ての校舎を想定しているところです。施設一体型小中一貫型学校の高層化につきましては、他の自治体の先進事例があり、今後もよりよい学校づくりに向けて検討を重ねてまいりたいと思います。
 次に、計画の見直しについてのご質問ですが、志村小・志村四中の小中一貫型学校の設置計画に当たりましては、PTA、町会、コミュニティ・スクール委員及び学校長で構成する魅力ある学校づくり協議会による協議を経て計画を進めてまいりました。区民、地域の代表者から成る協議会から提出された意見書を最大限尊重し、子どもたちにとって新しい時代の学びに対応する充実した教育環境を整えることを今後も推進してまいるつもりです。計画の見直しは行いませんが、児童・生徒、保護者、教職員及び地域住民への説明や意見聴取の機会を設け、丁寧に対応してまいります。
 次に、義務教育における私費負担の軽減に関しまして、教材費の負担差についてのご質問ですが、学校で使用する教材のうち、学校が一括購入を行っているものにつきまして、同一学年を比較した場合、各学校で差があることについては認識しております。この数値につきましては、学校により各家庭で購入するものと学校が一括で購入するものの仕切りが異なるため、単純比較はできませんが、公教育におきまして、学校による教材費の負担格差が理由なく拡大することは好ましくないと考えております。各校の教材活用の自由度を妨げることなく、家庭の負担感を十分考慮した適切な教材選択を今後も各校に求めてまいりたいと思います。
 次に、小中学校の給食費の無償化についてのご質問ですが、給食費は、食材料費等の購入に要する経費を保護者負担により賄っておりますが、一方で、就学援助の認定を受けたおよそ2割余りの世帯では、学校給食費が無償化されている現状です。また、今年度は食材料費が高騰する中、飲用牛乳を区で最低1か月分は購入する予定であり、保護者に対して負担増の抑制を行うこととしております。学校給食費の完全無償化には少なくとも12億円程度の追加経費が必要となるため、現在のところ導入は難しいと考えております。
 最後に、上板橋第一中学校の改築に伴う特別支援学級の児童生徒の通学についてのご質問ですが、工事期間中の仮校舎となる上板橋第二中学校旧校舎への通学につきましては、原則としておおむね1.5キロメートル以内の生徒は徒歩通学を行い、超える場合は路線バスの利用とし、バス代を補助する考え方であります。バスの停留所には、混雑時の整理・誘導を行う人員を配置する考えでありますが、特別支援学級の専任者の配置につきましては、人材を含め検討が必要であると考えているところです。特別支援学級の生徒の通学につきまして、特段の配慮が必要な場合は、生徒や家庭の状況を伺い、丁寧に対応していきたいと考えております。
 頂きました教育に関するご質問への答弁は以上でございます。

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