ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第105号 東京都板橋区長及び副区長の給料等に関する条例等の一部を改正する条例の委員会決定「可決」に反対し討論を行います。
本議案は、特別職等報酬審議会答申に基づき、区長、副区長、教育長及び常勤監査委員、議員等の給料月額等及び報酬月額、期末手当と非常勤行政委員の報酬月額を引き上げるものです。
引き上げ幅は、特別職等の給料月額等及び非常勤行政委員の報酬月額を、農業委員会委員を除き一律1.2%引き上げ、農業委員については、昨年度及び今年度の引き上げ率と特別区の平均額を考慮し1,000円引き上げです。また、特別職等の期末手当の支給月額については、0.15月引き上げるものです。いずれも、施行期日を2024年4月1日とし、遡って支給されます。
反対する第一の理由は、引き上げの理由とした区職員の賃金増は、大幅な物価高騰に追いついておらず、もともと高額の報酬を受け取る区長などの特別職報酬の引き上げを連動すべきでないからです。
今回の特別職報酬の引き上げは、特別区人事委員会が一般職員の月例給と特別給の引き上げ勧告を行ったことを背景に「物価や生活費、その他経済情勢を踏まえる必要がある」としていますが、そもそも、特別職などの報酬は、労働時間などで算出される「賃金」ではなく、役務の提供に対して支払われる「報酬」であり、区職員の賃金引き上げと連動させるべきではありません。
区職員は、月例給と一時金ともに引き上げとする対応が3年連続で行われるものの、春闘の引き上げ幅を下回り、物価上昇率にも追いつかず、実質賃金の改善にも至らないものです。しかも、すべての職員が引きあがるとはいえ、500人を超える職員が1,000円しか引きあがらず、全く不十分です。
その上、子育て世帯への手当増額と引き換えに月額6千円の扶養手当の段階的な廃止は、パートナーが働きたくても働けない人も含めて、最終的に336人の職員が年間72,000円も減収で、そのうち約200人が子育て世帯のため、増額以上にマイナスになり本末転倒です。
一方で、報酬月額一律1.2%引き上げの根拠とする一般職員最上位の「行政職6級(部長級)」の平均率は、モデルケースによると月4,920円の増額です。増額分が月額14,000円である区長や、副区長の11,000円、私たち議員の増額分とは、大きな乖離があります。十分ではない区職員の月例給引き上げを根拠に、もともと月額113万円の報酬を受けとっている区長などの特別職の月額報酬の引き上げを行うべきではありません。それは、期末手当においても同様です。
また、区職員の月例給が2019年に下がった時、特別職などは報酬月額を下げていません。引き上げる時だけ連動させることに道理はありません。
第二の理由は、物価高騰にあえぐ区民に対し「ゆるやかな景気上昇」などと言って、十分な物価高騰対策も行わず、国保料、介護保険料・後期高齢者医療保険料も引き上げ、さらに、公共施設の利用料を来年4月から大幅に引き上げ、1億3千万円もの負担増など、区民負担を増やし続けながら、区長を始めとした特別職や議員の報酬を引き上げることは、到底、区民の理解は得られるものではないからです。
以上で、本議案に反対し私の討論を終わります。