
ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、陳情第120号「板橋駅西口駅前広場再整備計画の見直しを求める陳情」の委員会決定「不採択」に反対し、陳情に賛成する立場で討論を行います。本陳情は、板橋駅西口駅前広場再整備に関して、第一に、駅前広場から旧中山道に至る道路をなくさないで欲しい、第二に、現在の再整備計画を白紙とし、地域住民の意見や思いを取り上げてほしいというものです。
本陳情に賛成する第一の理由は、駅前広場に侵入する道路を減らすべきではないからです。本年二月に区が公表した「板橋駅西口駅前広場再整備計画(進捗版)」で、歩行者と車両の通行を分離するために、現在の駅前ロータリーの車道を半分に大幅な縮小する案が示されました。旧中山道からロータリーへの道路が廃止され、車両の進入ができなくなることにより、消防車などの緊急車両の走行や活動に支障をきたすこと、また、埼京線の踏切付近の渋滞がさらに悪化することが懸念されます。区は、再開発計画で新設される高層ビルにはスプリンクラーが設置されており、火災の際、対応ができると説明していますが、スプリンクラーが使えなくなる場合の想定はありません。区がロータリーを縮小し、車道を塞ぐ計画の根拠とする車両交通量の調査ですが、2024年の5月16日の一日のみ行われたもので、将来予測の根拠として不十分と言わざるを得ません。二つのタワーマンションが完成すれば、交通量が増えることが予想され、区の説明は成り立ちません。道路を廃止する計画は見直すべきです。
本陳情に賛成する第二の理由は、計画に対する住民合意が得られてないからです。陳情者は「再整備計画(進捗版)」は駅前広場のコンセプトが突然示された感があると言っています。それに対して、区は、2024年に開催された「板橋駅西口駅前広場の未来を考えるワークショップ」の第3回目で新しい案の模型を示したとしていますが、参加者は12人と限定的であり、ここで地域の住民に十分に周知したということはできません。広く周知を行い、住民の意見を聞き、合意を求めることは行われませんでした。歩車分離という観点は重要です。しかし、それが地域の住民の意志に背くものであるならば、計画を白紙とし、住民の意見を踏まえたうえで新しい計画を策定することが必要です。
第3回定例会で本陳情は継続審議となりましたが、閉会中委員会までの約一か月、区は、陳情者に会うことも、連絡を取ることも行っていません。地域住民と、まちづくりについて同じテーブルで話すことができないという区の姿勢は改めるべきです。閉会中委員会の開会までに陳情に付せられた署名は1060名となりました。地域住民の意見を取り入れて計画を進めてほしいという住民の要望に応えるためにも、住民の理解、合意を伴ったまちづくりという基本に立ち返るべきです。本陳情の採択を求め、私の討論を終わります。