
ただ今より、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第93号「東京都板橋区立体育施設条例の一部を改正する条例」の委員会決定「原案可決」に反対する立場から討論を行います。
本議案は、東板橋公園運動場を昨年度決定した有料化方針に伴い、利用者に対し、運動場を貸切る場合、1時間当たり430円の使用料を徴収するものです。
区は、430円にする理由として、土だったグラウンドを人工芝へ改修するなどし、今年度から有料化した赤塚体育館少年運動場や戸田橋の少年野球場と運動場の大きさが少年野球サイズであることから同額にするとしています。
反対する第1の理由は、子どもに負担を押し付けることになるからです。
区は、12月15日から来年8月31日まで同施設を休場し、グラウンドの人工芝化、フェンス、ベンチ、ラバーの張替えなど整備を行うとしています。こうした整備は利用者からも要望があり、否定するものではなく、むしろ老朽化等に伴う改修は当然だと思います。
東板橋公園運動場は、区営の体育施設として使用料が無料であり、春と秋には少年野球団体が大会を開催するなど、多くの子どもたちに親しまれてきた場所です。そのほか、サッカー、グラウンドゴルフ、ゲートボール、保育園関係者が利用するなどさまざまなスポーツ団体が利用しています。
今回の有料化に伴い、例えば、少年野球の大会は、これまでは無料でしたが、土日含め、朝から夕方まで施設を貸し切り、2か月使用する場合は2万7千円ほど、3か月に及ぶ大会では8万2千円程度の負担増が見込まれます。大会運営費が上がれば、子どもの参加費、月謝増につながりかねません。お金のあるなしでチームを離脱せざるを得ない子どもを生じさせてはなりません。
議案に賛成した委員からも「子どものスポーツ環境を整えるという意味からも逆行しているように思う」という意見があり、全くその通りだと思います。
利用者の多くは「小学生が中心」と区が答弁していることからも収入のない子どもから利用料を徴収すべきではありません。
第2の理由は、有料化に伴い、お金のあるなしで使用頻度に差が生じるおそれがあるからです。
区は、今年度から有料化した赤塚体育館少年運動場は有料化前と比較して利用団体数に変化はなく、むしろ利用者数が増加しており、有料化の影響はないと答弁しました。しかし、委員会後に受け取った資料では、今年10月末時点で5団体も減っています。団体の経済状況によっては使用できる頻度が低下しかねません。身近な地域で誰もがスポーツに親しめるという条件を広げることを求めたスポーツ基本法とも相いれず、国の第3期スポーツ基本計画におけるスポーツに「誰もがアクセスできる」という視点にも反していると言わざるを得ません。
最後に、議案に賛成した委員から「公共施設の維持管理等については税金を原資とする財源を適用することから、同施設においても受益者負担であることは十分に理解できる」という意見がありました。そもそも公共施設にかかるコストは、区民全体の財産であり、施設を利用している人と利用していない人を比較する受益者負担という考えを持ち出すべきではないと考えます。
以上の理由から本議案に反対し、私の討論を終わります。