令和元年第4回定例会 一般質問 いわい桐子議員

発言日: 2019年11月28日

 おはようございます。引き続き、日本共産党の一般質問を行います。

初めに、朝鮮学校への支援を求めて質問します。
 ことし8月、徴用工問題を発端に、日本政府は、韓国をホワイト国リストから除外して輸出規制を強化し、経済や観光、文化、軍事にまでその影響が広がっています。問題の根底には、日本の侵略戦争と植民地支配、人権侵害を反省しないばかりか、なかったものとして正当化しようとする安倍政権の姿勢があります。国家間の合意にかかわらず、被害者が受け入れないまま解決は図れません。政府と当該企業はきちんと向き合うべきです。そして、国と国との関係が悪化している今こそ、地域での交流と連帯が大切です。板橋でも朝鮮学校は、朝鮮民族のアイデンティティを継承し、さらに地域での文化交流などを通して国際理解教育にも積極的な役割を果たしています。
 しかし、安倍政権は、拉致問題が解決していないなどの理由で、2013年に高校授業料無償化の支給対象から朝鮮学校を除外しました。朝鮮学校高校生らが除外の不当性を訴えた裁判で、ことし8月、最高裁が除外を適法とする判決を出したことは、本当に残念でなりません。そもそも生徒たちとは関係のない政治的な理由をもって朝鮮学校を対象から除外したことは、国際人権法から見れば、民族差別、人種差別であることは明らかです。しかも、政府は高校に続いて、10月から始まった幼児教育・保育の無償化からも外国人学校を除外しました。そのほとんどが朝鮮学校です。消費税を財源としながら対象から除外することは許されません。
 高校授業料と幼児教育・保育の無償化から朝鮮学校や外国人学校が除外されていることについて、区長の見解をお示しください。
 また、朝鮮学校が存在する板橋区の長として、政府に対し、除外の撤回を求めていただきたいが、いかがでしょうか。
 東京都が都内の朝鮮学校に対する補助金交付を除外し続けていることも大問題です。外国人学校の中で朝鮮学校だけを除外する東京都の対応は民族差別と考えます。区長の認識を伺います。
 また、東京都に対し、補助金除外の中止を強く求めていただきたいが、いかがでしょうか。

次に、ジェンダー平等について質問します。
 女性差別撤廃条約が国連で成立してから40年がたち、男女の平等や女性の地位向上から、貧困、暴力、障がい、外国籍、性的マイノリティなど、あらゆる差別をなくし、人権と尊厳が守られた対等で公正な社会をつくろうというジェンダー平等が国際的な流れとなっています。ところが、2018年、日本のジェンダーギャップ指数は149か国中110位で、G7の中では最下位です。その背景には、戦前の男尊女卑や国家への従属を美化するような考えが根強く広がっている問題があります。世界でも際立つジェンダー平等後進国から抜け出すためにも、今なお広がる差別や暴力をあらゆる分野で根絶する努力が求められています。

 まず、ハラスメント防止対策についてです。
 ことしのILO年次総会で、あらゆるハラスメントを禁止する条約・勧告が圧倒的多数で採択され、働く場におけるハラスメント禁止と実効ある法制度は喫緊の課題です。しかし、厚生労働省の労働政策審議会は、今月20日、適正な指導であればパワーハラスメントに該当しないとして、パワハラにお墨つきを与えかねないことや、就活生向け相談窓口などの義務づけを見送るなど、多くの問題点を残したまま指針を取りまとめました。日本政府の姿勢は、世界の流れから大きくおくれていると言わざるを得ません。職場におけるパワーハラスメントは、人員削減・人員不足などによる過重労働と、ストレスの高まりや業務量の偏りなどを背景に、民間・公務職場問わず増加し続けていることに正面から向き合うべきです。
 現在、区職員向けのハラスメント防止についてを示したガイドラインは、非常勤や臨時職員などが対象になるのか、明確化されていません。また、年度当初に各部課長宛てと庶務担当に通知しているだけで、各課で全ての職員に徹底しているのか、研修が行われているのかも把握されていません。
 区職員向けのハラスメント防止ガイドラインを非常勤も対象とすることを明確にし、内容を見直すことを求めます。あわせて、ガイドラインの対応を各課任せとせず、非常勤も対象として研修実施の把握と研修強化を求めます。区長の見解をお示しください。
 職場のハラスメントは、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為です。労働団体が行った自治体職場の実態調査では、パワーハラスメント行為者は57%が直属の上司です。ハラスメント行為があっても相談できない可能性は高く、問題は深刻化しかねません。厚生労働省のパワーハラスメント対策導入マニュアルでは、相談内容の秘密が守られること、相談者が不利益な取り扱いを受けないよう相談ができることを積極的に呼びかけるよう求めています。
 相談窓口が安心して相談できる環境であることを宣言し、非常勤や臨時職員など、板橋区の全ての公務労働現場へ周知することを求めます。
 10月下旬、神戸市の小学校で教諭4人が同僚をいじめていた問題が報道され、衝撃が走りました。山口県でも自殺した高校生へのいじめに教員が加担していたことなど、教員による行為が起きるたびに憤りを感じざるを得ません。一日中子どもたちと向き合い、長時間過密労働を強いられている教職員の労働実態からも、いじめやハラスメント行為などが見えないところで深刻化することが懸念されています。
 板橋区では、教育委員会としてハラスメントに対する指針などがなく、口頭での徹底にとどまっています。ハラスメント行為の根絶と相談対応の強化が必要です。教育委員会としてハラスメント対応指針を策定し、教職員へ徹底することを求めます。教育長の見解をお示しください。

 次に、旧姓併記の対応についてです。
 11月5日から、住民票とマイナンバーカードへの旧姓併記が可能になりました。区は、9月の一般質問で、全庁的に周知啓発を行い、各部署において旧姓併記が可能となるよう情報共有を働きかけると答弁しています。できる限り旧姓併記の対応を行い、より拡大していく努力が求められます。実際に、各窓口へ旧姓併記の申請をした住民から、窓口に行くたびに同じ申請書を繰り返し書かされてきたと聞いています。手続きのあり方についても各課任せにせず、手続をする人の立場で点検や見直しが必要です。  区内の氏名を扱う部署での旧姓併記の対応状況をお示しください。また、各部署における申請手続きの簡素化について検討していただきたいが、いかがでしょうか。  国民健康保険証への旧姓が併記できるようになったことに喜びの声が上がっています。これまで旧姓の活用をあきらめてきた人たちへ丁寧に知らせることが重要です。国保証における旧姓併記が可能になったことを全ての加入者へ周知することを求めます。区長の考えをお示しください。

 ジェンダー平等の最後に、中学校の制服について伺います。
 中野区と世田谷区では、今年度から全ての区立中学校で女子生徒がスカート以外にスラックスの制服を選べるようになりました。板橋区でも性同一性障害など、個別の対応は行っているものの、誰でも選ぶことができる状況ではありません。女子はスカート、男子はズボンといった考え方がジェンダー規範に強く縛られたものです。ジェンダー平等を実現し、個人の尊厳を守るためには、私たちの意識の奥深くに根づいているジェンダー秩序を解きほどいていかなければなりません。そのためにも、中学生になったとたん、男らしさ、女らしさを求めるような制服のあり方を見直すべきです。中学校の制服を男女別から自由選択できるようにすることを求めます。

続いて、不登校対策について質問します。
 板橋区でも、昨年度の不登校児童・生徒は、小学校で194人、中学校で416人と増加を続けています。中学校では、約20人に1人であることや、小学生で発生率が増加していることは深刻な状況です。しかし、板橋区教育ビジョン2025も、いたばし学び支援プラン2021も、なぜ不登校児童・生徒がふえ続けているのかは示されていません。また、原因究明する姿勢も見受けられません。
 国連子どもの権利委員会は、高度に競争主義的な学校環境が、子ども間のいじめ・不登校・登校拒否などを生んでいると指摘しています。それは、子どもや家庭の側に原因を求めるのではなく、なぜ子どもたちにとって学校における心理的負担が生じるのかを分析すべきであるということです。学校は、学業だけでなく、生きる力を教える場所です。一人ひとりの子どもが自分らしくいられる学校にするために、何が必要なのか、子どもを中心に、教職員、保護者などで、不登校児童・生徒の抱える思いに寄り添った対応をみんなで考えるときではないでしょうか。
 文部科学省は、生徒指導上の諸課題に関する調査結果についての通知で、各学校及び教育委員会は、個々の不登校児童・生徒のきっかけや理由について把握すること、不登校が増加している要因についての分析を求めています。区教委はどのように把握、分析を行っているのか、お示しください。
 現在、区教委の不登校対応マニュアルは、学校を休むようになった直後の初期対応のみとなっています。しかも、担任は、1日休んだら不登校の傾向チェック、3日連続で休んだら家庭訪問などの対応にこだわり、心のこもらない手紙や電話、本人に会うことに執着することなどが、不登校児童にとっては脅威ともなりかねません。不登校生徒は、学校や周囲の無理解に傷つきながら自分を責め、自分を消し去りたいほどの苦痛にさいなまれる状態に追い込まれます。結果として長期化する状況を生みかねません。初期対応のマニュアルの活用方法を現場の声を聞きながら毎年見直していくことや、最も対応が困難な長期化したケースへの対応指針が必要です。長期化する不登校児童・生徒への対応ガイドラインを直ちに作成し、各学校と共有することを求めます。
 学校に行かれない子どもたちの学習保障や受験対策も重要です。文部科学省は、学校以外の場所による学習の機会を保障し、一定の条件が整えば出席扱いとすることも求めています。とりわけ受験生となる中学3年生は、内申点がつかなければ一般入試が受けられず、その後の進路に大きく影響します。
 あるお子さんは、学校で中間テストや学期末テストなどを受けないと内申点はつけられないから、面接と作文だけのチャレンジスクールをお勧めしますと学校から言われ、親子で一般入試をあきらめたそうです。学校に行かれないというだけで進路選択が限られ、社会から排除される思いと絶望感を抱くのです。
 また、わらをもつかむ思いでフレンドセンターに見学に行ったお子さんは、出席扱いになるけれども、テストは学校に行かなければ受けられないと言われ、フレンドセンターでは内申点がつかないため、受験対策にはならないと思い登録を見送ったと話しています。
 学校復帰を前提としない以上、フレンドセンターに通う子どもで、学校にテストを受けに行かれない生徒の内申点をつけることや、学校以外の場所で学期末テストを受けられる条件整備を行い、各学校へ周知することを求めます。教育長の見解をお示しください。
 高校進学をきっかけに学校に通えるようになりたいと望む生徒は少なくありません。学校に行かれない生徒にとっても、進路の選択肢をできるだけ広げる対策が求められています。文科省は、合格すると高校の受験資格が得られる中学校卒業程度認定試験の活用について、不登校生徒や保護者に対して適切な情報提供を行うことを求めています。区教委はどのように対応するのか、お答えください。
 文科省は、フリースクールなどに通う場合、学習環境としての一定の条件があれば出席扱いとすることを求めていますが、心理的負担を感じて学校を休んでいる子どもにとっての居場所は、学習活動への参加を前提にしたものではありません。子どもの権利条約が不登校や登校拒否など相当の期間、学校を欠席することを休養の権利として保障すべきと言っているように、フリースクールを学習施設だけではなく居場所として考えることが必要です。しかし、区内のフリースクールでは、「校長先生によって出席扱いの対応をしてくれない学校がある」と話しています。各学校に出席扱いの対応を行うよう徹底することを求めます。また、フリースクールの利用料は月額平均3万円と高く、利用を諦めるケースも少なくありません。フリースクール利用料への助成を検討していただきたいが、いかがでしょうか。

最後に、高島平地域のまちづくりについて質問します。
 まず、高島平グランドデザインについてです。2007年に旧高島第七小学校が閉校して以来、その跡地活用としてシニア活動センターや高島平グランドデザインなどの検討が進められてきましたが、この12年間、誰がどのように検討し、何が進んだのか全く見えてこないというのが実態です。これまでグランドデザイン発表後の旧高七小周辺の公共施設整備について、アーバンデザインセンターUDCTakの検討も、区の検討内容も議会や住民に報告されてきませんでした。URの建て替えも含めた検討という方針を受けて、昨年12月にようやくUDCTakの検討報告書が区に渡されたものの、それは住民に一切説明されていません。区は11月11日の都市建設委員会で、来月、住民説明会を開催する意向を示しましたが、その説明会にUDCTakの委託法人は出席せず、UDCTakが区に提出した報告書についても説明しないと聞き、大変驚いています。区が提言の一つだと言うUDCTakの報告書の内容も住民に説明し、意見を聞くべきです。12月の住民説明会は対象となる全ての住民に周知し、UDCTakの委託法人も出席し、この間の取組みを報告することを求めます。
 区は、UDCTakの報告書を学識者らの研究成果だとし、これから2年間かけて全く別の業者への委託によって高島平地域都市再生実施計画を策定する計画を示しています。しかもこの策定にUDCTakの関係者や委託法人が参加するかどうかは未定だとしています。陳情審議では、UDCTakの役割について、「開始から3年目で見直し時期が来ている」とも答弁しています。UDCTakも含めた高島平のまちづくり事業には、5年間で約8,000万円の費用が費やされ、今年度の当初予算と合わせれば総額約1億円です。発行されているニュースは、イベント1回当たり200部程度で、地域住民からは「一体、いつ、何が検討されているのか、進んでいるのか、全く見えてこない」と言われています。UDCTakとは一体何だったのでしょうか。UDCTakにおける取組みがどうだったのか検証・総括を行い、今後の役割について区長の考えをお示しください。
 もともと旧高七小の廃校から始まった区有地活用です。区有地と公共施設は区民にとっての財産です。これまで活用してきた地域住民や、これから活用をする人たちとこの地域に必要なもの、行政需要として必要なものを、情報公開を前提にテーブルの上にのせて協議を行うことが必要です。旧高七小跡地活用に立ち返って、住民参加による公共施設整備の協議を行うことを求めます。区長の見解をお示しください。

次に、西台駅周辺のバリアフリーについてです。
 西台駅前の都道の歩道拡幅が行われ、多くの住民から「歩道が広くなって安心して歩ける」と喜びの声が上がっています。さらに求められているのは、西台駅東口へのエレベータ設置です。西台駅東口は改札からホームまで50段もの階段を上らなければなりません。西台駅周辺は大きな都営団地も多く、障がい者福祉センターに行く人の利用駅でもあるため、高齢者や障がい者が多く利用する駅です。西口にエレベータがあるものの、駅の一番端にあるため、高島平九丁目や蓮根地域から利用する人にとっては遠く使いづらい状況です。東京都が今年1月に発表した東京都交通局経営計画2019の中で、駅エレベータの2ルート目を3年間で9駅完了すると示していますが、対象は乗りかえ駅としています。都議会では、都営三田線西台駅は「エレベータを支える柱をつくりかえるなど、大規模改良工事を行わないと困難」だと答弁しています。板橋区議会では、平成23年に全会一致で陳情が採択され、東京都へ要請されている案件です。
 駅前ロータリーの区道は幅も広く、外づけでエレベータを設置することなど、あらゆる方法で検討し、西台駅東口へのエレベータ設置実現に向けて働きかけていくことが必要です。東京都に対し、大規模改良工事などを実施して、都営三田線西台駅東口へエレベータを設置することを区として強く要請すること、あわせて区道の提供などでエレベータ設置ができないか東京都と協議・検討を行っていただきたいが、いかがでしょうか。
 西台駅駅前ロータリーの真ん中にある公衆トイレは、いまだ洋式化されていません。バス停やタクシー乗り場があるため、利用者から洋式化を求める声も高いところです。西台駅前公衆トイレを洋式化していただきたいが、いかがでしょうか。
 以上で、私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)


◎区長(坂本健君) それでは、いわい桐子議員の一般質問にお答えいたします。

 最初は、朝鮮学校への支援に関連いたしまして、東京都の補助金除外についてのご質問であります。
 東京都は、私立外国人学校教育運営費補助金交付要綱の附則によりまして、朝鮮学校について、別途、都知事が定めるまでの間、補助金交付対象から除くとしておりまして、判断は東京都がすべきものと考えています。したがいまして、補助金除外の中止を求めることは考えていないところであります。

 次は、ハラスメント防止ガイドラインの見直しについてのご質問であります。
 区のガイドラインであります職場におけるハラスメントの防止については、常勤職員のみならず、臨時職員及び非常勤職員も対象としたものであります。国のパワーハラスメント防止に関する指針の決定を受けて、ガイドラインを見直す予定でありますが、職員の定義が明確に記述されてない点は、誤解を招かないように修正を行いたいと考えています。快適な職場環境を整備する観点から、実効性のある研修やOJTに今後も取り組んでいきたいと考えています。

 次は、ハラスメント相談の環境整備と周知についてのご質問であります。
 相談窓口を人事課に設置し、被害を受けた職員以外にも、当該行為を不快に思う他の職員が安心して相談できる体制を整えております。プライバシー等に十分配慮していること、安心して相談できる環境であることを示し、非常勤職員や臨時職員を含む全ての職員への周知を行っていきたいと考えています。

 次は、旧姓併記の対応についてのご質問であります。
 旧姓併記の開始について、全庁的に周知を行い、女性活躍推進の観点から各部署における対応の検討を促したところであります。今後、各部署の対応状況について調査を行い、旧姓併記を実施する際の課題を抽出し、簡素化が図れるか検討していきたいと考えています。

 次は、国保証の旧姓併記可能の周知についてのご質問であります。
 令和元年11月5日より、住民票に旧性を登録した方については、申し出により旧姓を併記した国民健康保険証を発行しております。これに伴いまして、国民健康保険証の旧姓併記について区内医療機関等への周知を図っているところであります。既にホームページへの掲載を行いましたが、来年6月、全被保険者に送付する国保のしおりに国民健康保険証の旧姓併記について掲載をし、周知を図る予定でもあります。

 次は、高島平グランドデザインに関連いたしまして、住民説明会についてのご質問であります。
 説明会の開催につきましては、広報いたばしと区のホームページで広く区民の皆様に周知を図るとともに、町会自治会を通じて回覧板による地元住民への広報を図っているところであります。UDCTakの研究報告は、提案の1つとして示されたものでありまして、今後の整備に際しましては、区がこの提案も踏まえてまちづくりの方針を考えていきたいと考えています。今後とも高島平のまちづくりを進める際には、UR都市機構などの関係者と連携をし、検討を深め、まちづくりの具体性である方針を区民の皆様に示していきたいと考えています。

 次は、UDCTakの成果と今後の役割についてのご質問です。
 UDCTakでは、まちづくりの機運醸成に向け、空間の多用途な活用を試行する高島平グリーンテラスや、各種プロジェクトのワークショップ活動を通じ、住民意見の収集等に努めておりまして、一貫した役割を担っていただいております。高島平地域グランドデザイン実現のためには、民学公の連携と協働による都市再生実践の場が必要であり、今後とも活動や組織のあり方を見直しながら、長期的に持続する事業となるように期待をするところであります。

 次は、旧高島第七小学校の跡地活用についてのご質問であります。
 平成19年に閉校して以来、跡地活用協議会をはじめその後も高島平地域グランドデザインを策定する中において、さまざまなご意見を地域の皆様から頂戴をいたしました。10月に、これまでのご意見を整理した公共施設再整備の考え方を区議会にお示しさせていただいたところでありまして、来月に意見交換会を開催する予定であります。改めて協議会を開催する予定はございませんが、引き続き区議会、区民の皆様、各種団体等の声を伺いながら、検討を進めていきたいと考えています。

 次は、都営三田線西台駅東口へのエレベータ設置についてのご質問であります。
 西台駅東口へのエレベータ設置については、区としましても必要性を認識しておりまして、平成25年に、東京都知事に対しまして要望書を提出しております。東京都交通局が公表した経営計画2019に記載のある9か所のエレベータ設置駅について、西台駅は対象でないことを確認しております。西台駅周辺には集合住宅のほか、高齢者や障がい者、子育て支援施設などもございまして、人の流れが東口に集中していることからも、誰もが安全で円滑に、また快適に移動できるよう引き続き東京都に対して要望してまいりたいと考えています。

 次は、区道を活用したエレベータの整備についてのご質問であります。
 区道の運用につきましては、道路法等によりさまざまな制限を受けているために、無条件に区道使用を申し出ることはできないとも考えています。

 次は、西台駅前公衆便所の洋式化についてのご質問であります。
 公園公衆トイレの洋式化は、毎年4か所の建て替えやリフォームに伴う全面洋式化と、男女用各1基を先行整備する暫定洋式化の両面から現在進めております。西台駅前公衆トイレにつきましては、高島平プロムナード基本構想による駅前広場の再整備と整合を図る必要から、それまでの対応として、男女1か所の暫定洋式化を考えております。現在、西台駅前公衆トイレでは原因不明の配管のつまりが頻繁に発生しているために、その原因を究明し、改善でき次第整備に着手する予定もございます。  残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) それでは、いわい桐子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。

 朝鮮学校への支援に関しまして、無償化からの除外についてのご質問ですが、高校授業料無償化及び幼児教育、保育の無償化のいずれの制度も、法令により対象となる学校等の要件が定められております。したがって、特定の学校が対象外であることにつきまして、区教育委員会として除外の撤回を求めることは考えていないところであります。  次に、ハラスメント対応指針の策定についてのご質問ですが、教育委員会におきましても、区長部局と連携してハラスメントの防止に取り組んでいるところです。教職員のハラスメント相談窓口が教育支援センターの学校相談であることを校務パソコンの掲示板等で周知し、管理職や同僚に話しにくいことについても相談しやすい環境を整えております。引き続き区長部局と連携しながら、厚生労働省において検討を進めている指針を踏まえながら、区全体として取り組んでまいります。

 次に、中学校の標準服についてのご質問ですが、区立中学校では、標準服という表現を用いて服装に関する基準を示しており、生徒や保護者から、標準服について要望や相談があった場合には柔軟に対応しているところです。標準服につきましては、既に性別を問わず選択できる学校もあり、現在、各中学校において標準服に関する見直しを進めているところです。

 次に、不登校児童・生徒の把握分析についてのご質問ですが、教育委員会では不登校の状況につきまして、文部科学省の児童生徒の問題行動等生活指導上の諸問題に関する調査、及び各学校が作成している登校支援シートをもとに把握しております。不登校の要因につきましては、小・中学校ともに家庭に係る状況が最も多い状況ですが、要因は複雑に絡み合っているため、増加の要因を特定することは困難であると考えています。また、一部の家庭における学びの場としての学校の相対的な位置づけの低下、学校に対する保護者、児童・生徒の意識の変化などが少なからず影響していることも、不登校が増加している要因の1つと考えております。

 次に、ガイドラインの作成についてのご質問ですが、教育委員会では、欠席が続く場合の対応を記した板橋区不登校対応マニュアルと欠席時の連絡方法などを記した板橋区欠席時電話対応マニュアルを作成し、不登校の未然防止に努めているところです。現在、東京都教育委員会作成の児童・生徒を支援するためのガイドブックをもとに、不登校児童・生徒の未然防止、早期対応、自立支援について、対応をまとめた新たなマニュアルの作成に学校とともに取り組んでおります。

 次に、フレンドセンターに通う子どもの内申点確保や、学校外でテストを受ける条件整備とその周知についてのご質問ですが、学習指導要領では、学校は、不登校の子どもの個々の状況に応じた必要な支援を行い、子どもや保護者の意思を十分に尊重しつつ、子ども自らが進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指すこととしています。フレンドセンターでは、学校の定期テストを受けることができ、子どもの所属校では、その状況について自校の教育課程に則して学習の評価を適切に行い、自立へ向けて支援を行うことが可能であります。今後はこのことについて、板橋区立学校や保護者への周知のさらなる充実を図り、不登校の子どもたちにもさまざまな進路選択の可能性があることを理解できるよう支援していきたいと思います。

 次に、中学校卒業程度認定試験の情報提供についてのご質問ですが、教育委員会では、国の実施する中学校卒業程度認定試験の活用について、不登校生徒や保護者に対して適切な情報提供を行うことは重要であると認識しております。本通知につきましては、全区立小・中学校に通知し、中学校校長連絡会において具体的に説明したところであります。

 最後に、フリースクールについてのご質問ですが、出席扱いの対応につきましては、文部科学省の通知を踏まえ、教育委員会との十分な連携の上で校長が適切に判断するよう引き続き周知してまいります。また、フリースクールの利用料につきましては、通学に係る交通費や教材費の一部を補助について、国が検討中との報道もあり、今後の動向を注視していきたいと思います。
 いただきました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。

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