令和元年第4回定例会 討論 竹内愛議員

発言日: 2019年12月16日

 ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、陳情第49号「板橋区の公共施設再編計画に関する陳情」及び陳情第68号「本庁舎周辺公共施設の再編は、民間店舗等への提供ではなく、区民福祉の向上に資する利用を検討し、区の直接発注で建設することを求める陳情」について、採択に賛成する立場から討論を行います。
 両陳情は、区が進める本庁舎周辺における公共施設整備に関し、民間事業者の参入を前提とした計画ではなく、区民の声を聞き反映させることや、庁舎機能及び区民利用施設の充実、工事発注のあり方の見直しなどを求めるものです。
 陳情に賛成する第1の理由は、旧保健所跡地及び北側公有地の活用について、必要な行政需要に応えられない可能性があるからです。
 区は、旧保健所跡地には、当初案で示された男女平等推進センターや女性健康支援センター、消費者センターなどに加え、板橋福祉事務所、障がい者支援センターなどを設置するとし、執務スペースは概算で5,000平米から5,300平米確保できるとしています。一方で、各センターの機能やスペースの必要量について、現在精査中であると繰り返し答弁しています。にもかかわらず、北側公有地は公共施設ではなく、民間事業者に土地を貸し付ける計画です。必要量が不明であるのに、なぜ不足しないと言えるのでしょうか。必要量に応じてスペースの確保を図るべきであり、箱に合わせる計画は見直すべきです。
 第2の理由は、民間事業者による整備を前提にする現計画は見直すべきと考えるからです。
 旧保健所跡地に建設する施設は、現段階で9割が庁舎機能です。残りの約1,000平米は、民間スペースとするのか、区の施設とするのかはまだ検討中となっています。区は、整備手法について、民間事業者に設計及び施工を一括発注し、建設させ、後に買い取る方法に加え、その後の管理も含めた方式も検討しています。一括発注することにより建設費の削減が図れるとしています。しかし、具体的にどの程度の削減となるのか、分割発注した場合との比較、地域経済への影響などについて全く示されていません。
 一括発注方式となれば、JVを採用した場合は、地元の建設事業者が参入できても、設備や電気などはゼネコンの下請け事業者が参入する場合が多く、区内の事業者には仕事が回ってこない可能性が高まります。また、参入できたとしても、分割発注で区と直接契約した場合より工事金額は低くなり、利幅が減ることは明らかです。また、その後の管理までとなると、同じ事業者が独占的に管理することになり、新たな事業者の参入は見込めず、地元事業者には全くメリットがない方法であると言わざるを得ません。一時的にコストダウンが図れても、長期的に見て、地域経済の活性化や地元業者の育成につながるかという視点を持つべきです。
 第3の理由は、庁舎建設であっても、区民の声を聞き反映させるべきと考えるからです。
 区は、本庁舎周辺の公共施設整備は、庁舎機能を有するものであり、そのほとんどが職員の執務室であるとし、区民参画の必要性を否定しています。しかし、旧保健所跡地に建設する建物には、男女平等推進センターや障がい者支援センターなど、関係する団体や区民の方々が日常的に利用する施設が含まれています。こうした施設のあり方は、単に執務のためのスペースにとどまらず、利用する区民や団体の方々が何を求め、どのような機能が必要で、そのためのスペースはどうあるべきかということを利用する方々にこそ聴取すべきであり、またそうした意見を生かすべきです。行政が一方的に策定するのではなく、ともに考える機会を保障することがよりよい施設整備になるのではないでしょうか。
 以上の理由により、本陳情に賛意を表し、改めて採択を求め、討論を終わります。

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