令和元年第4回定例会 討論 石川すみえ議員

発言日: 2019年12月16日

 ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案105号「東京都板橋区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」、議案106号「東京都板橋区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」の委員会決定、可決に対し、反対する立場から討論を行います。
 本条例は、国の子ども・子育て支援法の改正に伴った条例改正です。問題は大きく3つあると考えます。

まず、給食費の実費徴収についてです。

 国は、幼児教育・保育の無償化に伴い、主食費だけではなく、副食費の実費徴収も可能とする仕組みを導入しました。そもそも無償化と言いながらも、給食費実費徴収をする国の制度自体に信じがたい矛盾がありますが、区において、従前は主食費も副食費も徴収しておらず、このたびの無償化においても、要綱上で副食費も実費徴収はしないと規定しています。それは、給食は保育の一貫であり、保育料に含まれるものと考えるからです。今回の条例改正は、国の改正をそのまま条例化するものです。減免規定を入れるために必要な条例改正と言いますが、副食費実費徴収を可能とすることが改正の大もとです。区が要綱で副食費実費徴収をしないと規定することは評価しますが、条例でもそのように規定するべきです。

 次に、家庭福祉員や小規模保育施設の代替及び連携施設の確保義務について、期間を5年延ばし、なおかつ連携先を企業主導型や認証保育所などに広げることです。

 3歳児以降の預け先がないために、家庭福祉員・小規模保育所に欠員が出ている状況は解決しなければなりません。しかし、区はこの5年間で何をしてきたでしょうか。家庭福祉員や小規模事業者に対し、義務なので探してくださいと伝えることしかしていません。結果として、家庭福祉員で代替を見つけられた人は0名です。連携先を見つけられた人は1名です。小規模園で連携先を見つけられた園は45園中2園です。小規模園の事業者、家庭福祉員任せのままでは、期間を延長しても代替及び連携保育先は見つからないことはわかり切っています。しかも、連携先を広げるとしています。企業主導型や認証保育所は、保育士の配置や施設基準に大きな問題があります。これは、まさに公的責任の放棄にほかなりません。

 第3に、家庭福祉員の自園調理の設立の義務をさらに5年間延長し、なおかつ搬入先を業者の直接搬入に拡大するものです。

 5年間、40名中23名が調理師を確保し、外部搬入は6名で、ほかの方は整備できていません。家庭福祉員の保育は、家庭的保育であり、保育所の集団生活を想定した保育ではありません。もともとは、日々の保育の中で給食提供は想定されていないのです。外部からの搬入給食を可能としたとき、食の安全性は担保されるのでしょうか。なし崩し的に規制緩和をし、子どもの安全を脅かすことは許されません。家庭的保育には、家庭的保育の需要とよさがあります。本来の家庭的保育のよさを生かすべきで、保育所の待機児童対策としての機能を求めるべきではありません。
 子どもの発達、保護者の働く権利のためには、国の制度の横引きでは不十分です。区がきちんと板橋区の実情に合わせた独自の施策を講ずるべきです。
 以上で、私の討論を終わります。

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