「陳情第121号 志村小学校、志村第四中学校を小中一貫校とする建設計画を再考し、工事計画の策定を延期することを求める陳情」「陳情第125号 志村小・志村四中の小中一貫校計画に関する陳情」に賛成する討論

 ただいまから、日本共産党を代表して、陳情第121号 志村小学校、志村第四中学校を小中一貫校とする建設計画を再考し、工事計画の策定を延期することを求める陳情、及び 陳情第125号 志村小・志村四中の小中一貫校計画に関する陳情の委員会決定「不採択」に反対し討論を行います。

 本陳情は、志村小学校と志村第四中学校の小中一貫校化計画を知り「寝耳に水」と驚いた住民や教職員からその計画について再検討と延期、そして、説明会や検討のあり方について改善を求めるものです。

 小中一貫校への計画は、魅力ある学校づくりプランによって、志村小学校の建て替えの検討を入り口にスタートしました。教育委員会を事務局にして、志村小学校学区内の町会自治会やPTAなど地域の人たちで構成する「協議会」が2019年11月に設置され検討が行われてきました。志村小学校を現地で建替えることが難しいという結論をもとに、志村第四中学校に志村小学校と合わせた一つの小中一貫校を設置する方向をとりまとめ、今年度から志村第四中学校の関係者を交えての協議会が開催されてきました。協議会が設置されて、わずか1年後の11月16日には協議会から小中一貫校を設置することを明記した「意見書」が教育委員会に提出されています。

 陳情第121号は、計画の再検討と工事計画策定の延期を求めるものです。

 賛成する第一の理由は、施設一体型小中一貫校の設置に対する議論は十分とは言えないことです。

 区教育委員会に呼びかけられて参加してきた協議会メンバーが真摯に議論してきたのは言うまでもありません。

 しかし、協議会に対する教育委員会の説明は十分とは言えません。

 志村小学校を今の場所で建て替えることが困難だとする理由は「工事期間が6年間かかり、子どもたちへ負担が重い」「道路などが狭く、子どもが通学しながらの工事は安全性に問題がある」としていますが、工事期間6年間への詳細な説明は十分とは言えず、以前の改築は現在地で行われたことから考えれば、なぜ工事ができないか疑問が残ります。

 また、代替地に仮設校舎を設置すれば工事期間が約3年半程度に短くなり、安全上の課題もクリアできます。いくつかの代替地は検討されたものの、志村4中を代替地にすることは協議会の検討の遡上にものぼっていません。文部科学省の手引きにもあるように、志村小学校を建替えている間「休校する」という選択肢なども考えられます。

 また、協議会のグループ討議では、「現志村小で改築」「他の場所に仮設校舎を設置して現在の場所に建て替える」「志村四中との一貫校」の三つの選択肢でアンケートを実施したいという意見もありましたが、小中一貫校を設置することを前提としたアンケートになりました。最終的に小中一貫校を設置するための議論へ事務局である教育委員会が誘導したことは否めません。

 また、志村小や志村4中で働く教職員には十分な説明も行われていません。もっとも身近な場所で子どもたちと向き合う教職員を交えた検討も行わないことは問題です。

 何よりも、区教育委員会として「小中一貫校に関する検討」は、今年8月に始まったばかりで、未だ検討過程です。教育委員会として、小中一貫校がどうあるべきか、その方針も示さずに、学校施設建設の課題を入り口に地域の代表者に検討させ、その結果を「尊重しろ」というやり方そのものが「熟議した」とはなり得ず、協議会に責任を押し付けるものだと言わざるをえません。

 第二の理由は、今ある教育上の課題すら解決できないまま、施設一体型の小中一貫校によって、新たな問題を子どもたちに与えることになるからです。

 教育委員会は、この間の議会でも、協議会でも、協議会のアンケート調査でも、小中一貫校によって「中一ギャップが解消される」と言ってきました。

 しかし、中一ギャップそのものに根拠がないことは、すでに文部科学省も認めています。それどころか、国立教育政策研究所の生徒指導リーフでは、「中一ギャップという言葉に明確な定義はなく、その前提となっているいじめや不登校が急増するという客観的な事実はない」と説明し、「便利な用語を安易に用いることで思考を停止し、 根拠を確認しないままの議論を進めたり広めたりしてはならない」と中一ギャップという言葉の使い方に、注意喚起を促している状況です。

 にもかかわらず、小中一貫校のアンケート調査では、期待する項目の選択肢に「中一ギャップの解消」をあげ、さも問題が解消されるような描きぶりです。間違った認識と誘導によるアンケート結果で、小中一貫校への期待感を作ったにすぎません。

 今、学校で現れているいじめや不登校、暴力行為は、中一ギャップなどではなく、それは小中一貫校を設置しても解消される根拠はどこにもありません。

 また、教育委員会の「小中一貫校検討会報告書」にもあるように、すでに施設一体型の小中一貫校を導入している自治体では「小学校高学年のリーダー性が欠ける」「教職員の負担が増える」などの教育上の課題が発生しています。しかし、その課題を解消する方法は、この間の議会答弁でも委員会質疑でも示されていません。

 今学校が抱える課題を解消できないまま、あらたな負担を子どもたちや教職員に押し付けることは許されません。

 陳情125号は3つの項目です。

 1つは、志村小と志村4中の小中一貫校計画説明会を、地元だけでなく区民全体を対象にすることを求めています。委員会質疑で区は説明会参加者に「住所要件を求めていない」としていますが、開催場所が志村4中の学区内の学校体育館とグリーンカレッジのみとしている事自体が区民全体を対象にしているとは言えません。計画は、教育委員会の教育方針そのものです。対象となる地域だけでなくすべての区民に向けて教育委員会として説明会を実施すべきです。

 陳情項目の2つ目に、計画によるメリットだけでなくデメリットも説明することを求めています。協議会のアンケートでも「小中一貫校のメリットもデメリットも教えてください」と書かれています。委員会では、学校施設配置調整担当課長が「小中一貫校を知らない方も多く、両方を説明する必要がある」と答弁したように、効果も課題も説明するのは当然です。

 にもかかわらず、不採択を主張した委員は「デメリットの要素は、単に不安を煽るような説明会で適切ではない」などと言いますが、とんでもありません。区民に正しい情報提供をすることは、区の責任です。

 陳情項目の3つ目は、志村小と志村4中の小中一貫校のあり方について、専門家も含めた検討を求めています。教育委員会は、すでに行ってきたといいますが、志村小と志村第4中のあり方の検討はこれからです。すでに他自治体で導入された施設一体型の小中一貫校では、階段の幅が高く、小学校低学年の子どもが足を踏み外して、前歯を折る事故が多発するなどの報告があります。検討過程で、子どもにとってどういう学校が望ましいのかという検討にこそ、専門家が必要と考えます。

 第四の理由は、いま、学校施設を減らすべきではないということです。

 志村小と志村4中は合わせて27学級です。現在、国が検討を始めた、少人数学級が導入されれば、30人学級になったら34学級、20人学級になったら49学級が必要になります。学校施設がなくなった後に、学校が足りないなんて言う事態になれば本末転倒です。

 本来なら、教育委員会が平成24年の基本方針で示した小学校20人から30人、中学校30人から35人という望ましい学級規模を実現するための検討こそ先に行われるべきです。そうした方針を棚の上に上げて、公共施設削減方針に乗じて学校を減らしていくことが前提になっている魅力ある学校づくりプランそのものをいったん凍結すべきです。コロナ禍をうけて、少人数学級導入の必要性が高まっています。学校施設を減らしている場合ではありません。

 私たちは地元議員を始め、協議会の傍聴をしてきました。協議会では「できることなら志村小を今の場所に残してほしい」という声は、決して少ない声ではありませんでした。志村小学校は116年を迎える学校です。その歴史への地域の思いを受け止め、志村小学校と志村第四中学校の今後のあり方について、本当に施設一体型小中一貫校でなければならないのか、教育委員会として、施設面だけでなく、教育上の課題をしっかり検討した上で、今一度、地元住民や教職員とともに、再検討すべきです。以上で私の討論を終わります。

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