2021年度 板橋区一般会計補正予算(第2号)に対する反対討論

討論日 2021年6月17日

 ただいまより日本共産党板橋区議会議員団を代表し、『議案第37号 令和3年度東京都板橋区一般会計補正予算(第2号)』に対する反対討論を行います。

 第2号補正予算は、新型コロナウイルス感染拡大の長期化に伴う緊急対策に要する経費及び緊急かつ必要性の極めて高い事業に要する経費として、歳入歳出ともに19億5千万円を増額し、一般会計予算総額を2241億4400万円とするものです。

 緊急対策に要する経費として計上されている予算では、私たち区議団が実施を求めてきた『区の緊急雇用対策としての会計年度任用職員の採用枠確保』を始め、国の事業である『ワクチン接種事業』や『低所得子育て世帯への特別給付金支給』、『在宅介護を担う家族が新型コロナに感染した場合の要介護者の保護』、『医療機関が休診日にワクチン接種を行う場合の接種単価の上乗せ』、『学校や保育施設等の感染予防対策費助成』や『新型コロナに関わって出席停止となった児童生徒への学習支援を行う学習指導サポーターの配置』、区独自事業の『区内アーティストへの活動支援』や『信用保証料補助の実績増への対応』、また、緊急かつ必要性の極めて高い事業に要する経費として『介護事業所におけるBCP策定支援』などの各種事業が示されています。

 各種事業の内容や補正予算の規模について、一部に課題はありますが、総じて必要な事業であり、実施すべきものと考えます。

 しかし、これらの事業を実施するための予算の多くが国や都の補助金となっており、区の財政調整基金からの繰り入れは3億1495万2千円に留まっています。速報で示された2020年度決算の概要を見ると、89億円を超える剰余金が生じ、今年度当初予算に計上された繰越金20億円を差し引いても69億円に上ることが明らかになっています。国や都への返還金がどのくらいになるか不明としても、一定の規模の剰余金が見込まれており、区民生活や中小事業者への更なる思い切った経済的支援を実施すべきです。

 問題なのは、施設一体型の小中一貫校整備に関わって、経費の一部を減額し、2022年度に繰り越す『債務負担行為』を設定していることです。

 区は、策定を進める学校施設整備についての方針を志村小・志四中の改築のための基本構想・基本計画に反映させる必要があるとしています。しかし、この間の説明では『方針の検討と計画策定は同時並行で進めても問題はない』とし、方針の策定を先行すべきとの意見に背を向け続けてきました。今回の見直しについて、35人以下学級の実施を踏まえた施設整備の検討を行うことを理由にしていますが、であるならば、施設一体型を前提とした学校施設整備ではなく、全体の学校施設整備のあり方こそ検討すべきではないでしょうか。

 加えて、方針のとりまとめは2022年2月とされ、計画策定は2~3か月ほど遅らせるものの、9月には計画策定に着手する予定となっており、ほぼ同時並行で議論が進められます。

 今回の補正は、若干のスケジュールの見直しに過ぎず、計画全体が変更されたわけではありません。むしろ、債務負担行為を設定することで、施設一体型小中一貫校の計画策定を確実に進める宣言に他ならず、到底容認することはできません。

 私たちはこれまでも小中一貫型の学校施設のあり方についての議論が必要であり、施設一体型を前提とした検討は問題があると指摘してきました。また、そもそもの小中一貫教育を進める意義について、区は、『中一ギャップ』への対応をあげていますが、『中一ギャップ』そのものは何ら根拠のないものとされ、そのことにとらわれることは対策を間違いかねないと指摘さえされています。こうした検討や議論を抜きにして、計画策定を進めることは今後の学校整備についても前例となるものです。

 改めて、第2号補正予算の内、8款 教育費 2項小学校費及び3項中学校費における1目 学校管理費 学校施設改修経費の一部を減額し債務負担行為を設定することに賛成できないため、議案第37号に反対し、討論を終わります。

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