「自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例」に反対する討論

討論日:2021年6月17日

 ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、議案第46号 自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例に反対し、討論を行います。

 本議案は、区営自転車駐車場の管理に指定管理者制度を導入し、指定管理者による管理の範囲、指定方法、管理基準、利用料金の徴収などを加える条例改正です。

 今回の条例改正により、区内71カ所の駐車場のうち、環七南エリアと高島平エリアで28カ所を来年4月1日から指定管理者による管理運営を開始し、令和5年に次の28カ所へと拡大していく予定が示されています。

 反対する第一の理由は、指定管理者が変われば、区の言う利便性の向上は、継続されないということです。

 区は、指定管理者制度の導入によって、空き状況をネットで把握できるようになること、SuicaやPASMOなどによる利用料のキャッシュレス決済、定期利用のweb決済、券売機やラックそのものの便利なものへの更新といった利便性の向上が図られるとしています。

 しかし、その便利な機能やシステムは、あくまでも「指定管理者が購入し、所有者になる」と答弁しています。それは、5年間の指定管理期間が終了し、指定管理者が入れ替われば、その便利な機能そのものが撤退されるということであり、結果として、区民に提供する利便性は一定の期間しか約束されません。そもそも、機械化やシステム化による利便性は、直営による運営で、できない理由はありません。

 第二の理由は、現在の雇用の継続性は担保されないということです。

 区営自転車駐車場は、直営で運営しているときから、高齢者の生きがい就労先としてシルバー人材センターによる雇用が続けられてきました。

 しかし、指定管理者制度導入の際、シルバー人材センターを活用することは契約上盛り込めず、区が指定管理者に「お願いする」しかできないとしています。

 また、利用料金が条例で定められ、他に事業展開できない駐車場の性質からも、指定管理者にとっての利益は、機械化によって就労人数を減らし支出を抑えることでしか得られないことは、区も認めています。

 それは、長年働いてきた高齢者の就労が継続される保障がないだけでなく、働くことのできる人数が減らされることは言うまでもありません。

 第三に、指定管理者の導入で、区民の声が区に届きにくい課題は改善されないことです。

 駐輪場が足りていない状況で、利用者や区民からも苦情の多い分野です。現在、その苦情を受けているのは、駐輪場で働く高齢者のみなさんです。現在、一括委託による運営のため、現場の高齢者からシルバー人材センターへ報告され、一括委託業者を経て、区に報告されています。利用者や区民の声は、二重三重にふるいにかけられたものしか区に届かないことで、現場からは「何を言っても区に伝わらない」という声があがっています。その課題は、指定管理者制度の導入では改善されません。むしろ、区に直接利用者の声が届くようにすべきです。

 以上の理由で、本議案に反対し、討論を終わります。

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