2022年第1回定例会一般質問 山内えり区議

ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、一般質問を行います。

1 新型コロナウイルスから区民の命と健康を守るために


 初めに、新型コロナウイルスから区民の命と健康を守ることを求めて伺います。
 年明け以降に急速に広がっている新型コロナウイルス感染症は第6波に突入し、1月21日からは都内にまん延防止等重点措置が発令されました。区立学校や保育園など区施設でも感染の報告が相次ぎ、休校や休園の措置が取られています。「保健所も発熱相談センターも全く電話がつながらない」「家族全員発熱しても、誰もPCR検査が受けられない」「感染が怖くて学校や保育園に行けない」など、感染の恐怖におびえる方の声が多く寄せられています。私たちはこれまで、PCR検査の拡充や迅速なワクチン接種、保健所機能の強化、区民への情報提供の在り方について、繰り返し求めてきました。しかし、区の1日の陽性者が1,000人規模へ急拡大し、入院、宿泊療養ができず、3日以上待たされる、人員が不足し、濃厚接触者への調査が間に合わない、保健所の職員は連日終電近くまでの勤務など、区民も職員もぎりぎりの状況です。区として、区民の命と健康を守るために、第5波の教訓をどう生かし、取り組んできたのかが問われています。なぜこのような事態となっているのでしょうか。区は、第5波の後、どのような検証を行い、第6波に向けてどのような対策を講じてきたのですか。区の講じた対応と検証結果について、お答えください。
 厚生労働省は、全国の自宅療養者が9日時点で54万人を超え、過去最多を更新したと発表しました。救急車を呼んでも搬送先の病院が見つからない救急搬送困難事案は、消防庁によると、コロナ前の5倍近くに増えているとしています。陽性と診断され自宅療養していた区内の夫婦は「保健所から連絡があったのは診断から2日後。食品とパルスオキシメーターが届いたのは診断の7日後だった。自分の酸素飽和度も分からず、このまま保健所と連絡がつながらなかったら」と恐怖の体験を語っています。
 そこで伺います。直近の区の自宅療養者は何人ですか。また、入院調整に要する時間と、区の対応、濃厚接触者に連絡するのに要する時間と対応についてお答えください。
 区のホームページは、先月・今月の陽性者数や推移等が掲載されているものの、区民に影響ある学校や保育園などの休校・休園、学級閉鎖の数や高齢者施設・介護施設・障がい者施設の感染状況が部署ごとに分かれて掲載されているため見づらく、宿泊療養や自宅療養者がどれくらいいるのかなど、区の感染状況が分かりません。区民が区内の感染状況を把握できるよう、分かりやすい情報提供が必要です。ホームページの改善を求めます。区の見解を伺います。
 区では、3回目のワクチン接種が始まりました。2回目接種を終えた区民は2月7日時点で84.4%ですが、区の目標は、希望する人全員が受けられる目標だったのか、対策は十分だったのかが問われています。政府のワクチン供給対策が不十分で、昨年11月に1・2回目分のワクチン供給が一時停止したため、希望しても接種がかなわなかった方が生まれています。区は、1・2回目未接種の方に都庁の北展望室ワクチン接種センターを案内していますが、基礎疾患がある方、仕事や体調面などで都庁まで行くことができない方もおり、区内で接種できる対策が必要です。
 墨田区ではワクチン接種100%の目標を立て、それに見合うワクチン・人員・施設を確保し、昨年9月末で完了するよう週ごとに接種計画を立てたとしています。区では接種率何%の目標で取り組んだのですか。少なくとも3回目と合わせて1・2回目も希望する人全員が接種できるようにすべきです。お答えください。
 濃厚接触者に症状が出た場合、医師が検査することなく陽性と診断する「みなし陽性」が2月4日時点で21都道府県にまで拡大しています。全国では、毎日10万人規模の新規感染者が出る中、医療資源を重症化リスクの高い人に振り向けるということですが、「みなし陽性者」になると、保健所からの連絡さえ来ません。仕事や学校をいつまで休まなければならないのか、期間が分からない。自宅療養者には届くはずの食品や水さえ届かないといった深刻な事態も広がっています。陽性者と同様に検査・支援が受けられるよう今すぐ改善を図るよう求めます。区の見解を伺います。
 区内の保育園に子どもを預ける保護者から「保育園でクラスターが発生した。幼児なのでマスクができない。濃厚接触者の可能性があるのに保育士さんは検査をしてもらえず、再び感染が広がる可能性さえある。せめて保育園・幼稚園・学校での定期的な検査をしなければ感染拡大は収まらないのではないか」と相談がありました。こうした声は日に日に増しています。区は、2月上旬より区内2か所で「東京都PCR等検査無料化事業」を開始しましたが、高島平では1日230件の予約となるなど希望者が多いことが分かります。墨田区では、保健所に検査技師がおり、自前の検査室を持っています。保健所長は「感染者が出ると行政検査で幅広く希望者全員を検査でき、最大1日1200件まで検体採取が可能。保育園や学校で1人感染者が出たら広く行政検査を行うなど、疫学調査を継続することが必要」と言い、1人の重症者も死亡者も出さなかったとしています。
 板橋区は、PCR検査のできる医療機関が拡充したとして昨年3月で区のPCRセンターを休止しています。また、医師が必要と判断した場合と感染拡大予防のために保健所が必要とした方に限って行政検査としてのPCR検査を絞るなど検査の拡充には消極的だったと言わざるを得ません。検査を積極的に実施してこなかったことが、区内の感染者拡大に歯止めがかからない要因の1つであると考えます。改めて、PCR検査に対する区の認識を伺います。現在の無料検査の実施状況と併せて無料検査が継続できるよう区として必要な手だてを行うことを求めます。区の見解を伺います。
 区は、第6波の急拡大を受け、全庁応援体制を図り、1月28日時点で60人の応援職員が入り、都からの事務派遣20人体制で対応しているとしています。第5波を超える勢いで感染者が増え続ける中、「ピークが見えない。いつまで続くのか」「まずは職員を休ませたい」と保健所職員は疲弊しています。感染の急拡大で、保健所が新規感染者に聞き取りを行うための連絡が滞っています。東京都は、感染経路や濃厚接触者などを特定する疫学調査を縮小する方針を決めました。やむを得ない措置としていいのか。区民の命や健康を最優先に考えた保健所の支援体制が必要です。
 報道によると、江戸川区では、感染拡大のレベルを想定したBCP計画を策定し、当初8段階としていた支援態勢をさらに3段階新設する等、1日の新規感染者の発生に応じた職員の応援態勢、保健所の態勢強化が図られています。区のBCP計画はどうなっているでしょうか。策定状況や内容についてお答えください。

2 都立・公社病院の地方独立行政法人化の中止を求めて


 次に、都立・公社病院の地方独立行政法人化の中止を求めて質問します。
 都立・公社病院は、コロナ禍で都民の命を守る最後のとりでとして重要な役割を果たしています。厚生労働省の資料では、都立・公社病院のコロナ病床確保数は、全国約2,300ある病院中1位から11位を占めています。また、都立・公社病院が担う医療は、病床では東京全体の5%ですが、都立広尾・公社荏原・公社豊島病院をコロナ医療に特化した病院に転換するなど、第5波では都内全てのコロナ病床の3割、2,000床を確保してきました。ところが、東京都は9日、都立・公社病院の独立行政法人化に向けて、都立病院条例の廃止案を都議会第1回定例会に提出すると通知しました。さらに、2022年度東京都予算案は、都立病院条例廃止が可決されることを前提に、都立・公社病院の予算は6月までしか組まれておらず7月から独法化を強行するものとなっており、到底許されません。
 2009年、都で唯一独法化された健康長寿医療センターでは、2020年、医師14人が退職しましたが、新規採用は1名のみ。欠員の医師はいまだに確保できていないとしています。また、都立病院の充実を求める連絡会は、「年末に新年度の看護師の内定が出たものの、退職を希望する方も同数出ていてこのままではかつてない事態で新年度を迎える病院が出る」と言います。また、ある都立病院では今年3月で退職希望の医師が複数人いるとも言われており、そうなれば病棟閉鎖や診療閉鎖という事態が起きかねません。また、主治医の異動先が遠方となれば、通院することもかなわず、新たなかかりつけ医を探さなければならなくなります。第6波に突入し、コロナ感染者が過去最多となっている状況において、医療の後退は許されません。医師や看護師など医療従事者の不足による病棟閉鎖、診療閉鎖となる可能性について区長の考えを伺います。
 区長は昨年の第2回定例会で、「都の独立行政法人化は質の高い医療の安定的・継続的な提供を目指し、財政面での支援やガバナンスも機能するものと認識しており、区として中止を求める考えはない」と答弁しました。しかし、都が独法化の成功例として評価する大阪府では、自治体が負担すべき費用が一律削減され、大阪府立病院機構の資料によると、2017年度から2020年度までの各当初予算において前年度比1億円の削減となっています。小池都知事が言う「行政的医療の提供に必要な経費は都が確実に措置する」保証がどこにもありません。さらに、独法化した病院には感染症を受け入れる義務はありません。これでは、第7波の到来や今後のパンデミックで感染症患者さんを受け入れる病院がなくなり、医療の後退です。改めて、コロナ患者を真っ先に受け入れてきた都立・公社病院の独立行政法人化は中止するよう東京都に求めていただきたい。区長の見解を求めます。
 第6波で医療体制が逼迫する中、国は、医療費抑制と医師不足を理由に全国437の公的・公立病院の病床削減・再編統合を進めています。東京都では、都立神経病院、区立台東病院など9つの病院が対象となっています。しかも、その財源は消費税を充てるとしており、社会保障のためとした増税理由からも外れており、許されません。病床削減は中止し、余裕ある医療体制の確保こそ必要です。国が進める437もの公的・公立病院の病床削減計画を見直すよう国に意見を上げるべきです。区の見解を求めます。

3 住まいの安定と確保を求めて

(1)緊急対応について


 次に、住まいの安定と確保を求めて質問します。
 まず、緊急対応についてです。長引くコロナ禍で事業所などが営業自粛や閉鎖に追い込まれる中、仕事も生活も追われ、生活困窮などの様々な困難を抱える方がますます増えています。この年末年始に新宿の大久保公園で開催された相談会には400件、新宿区立公園での女性による女性のための相談会には4日間で380件を超える相談者が来場しています。私たちが1月10日に開催した区内での労働相談会には、会社の倒産に伴い、寮を追い出され、ネットカフェを転々としているという40代の男性が相談に訪れましたが、携帯電話を持っておらず、所持金は500円。福祉事務所や東京都のチャレンジネットなどあちこち電話しても休みだったため、当日相談につなげることができませんでした。所持金がなく、携帯電話を持っていないほど困窮している方こそ、すぐ相談につなげられなければ今日泊まるところも移動する交通費もないという切迫した状況です。
 区は年末年始の2日間、電話相談を行いましたが、実績1件のみでした。必要な方に届かないのでは意味がありません。いつでも相談できるよう福祉事務所の相談窓口を土日祝日も開設すべきです。区の見解を求めます。
 コロナの影響で仕事も住まいも失ったという事例は私たちとつながらないところでも相当増えています。今後のことや将来のことを冬空の凍えるような場所や毎日不安定な場所で考えることはあまりにもつら過ぎます。安心して暮らせる住まいを確保することを最優先とすべきです。区として一時滞在できる場所を確保すべきです。見解を求めます。

(2)生活保護制度利用世帯の居住水準について


 次に、生活保護制度利用世帯の居住水準について伺います。生活保護を利用している方から住まいのことで相談があり、私は現地に足を運びました。区が委託する事業者が紹介した部屋で元ビジネスホテルの1室でした。その部屋は、「水が出ず、お風呂の栓を抜くとユニットバスのトイレが水でびしょびしょになる。1階の自動ドアも開かない」等住環境としては到底適切と思えない部屋でした。その方が大家さんに配管の不具合など部屋の状況を説明すると、別の部屋を案内されましたが、新たな部屋も問題のある部屋でした。どの部屋も大きなベッドが部屋を占領し、収納スペースはなし、洗濯機も置けない16平米という狭い部屋に胸が詰まりました。精神疾患がある方に対し、行政としての配慮がない対応も問題です。居住環境として好ましくない部屋を公的機関が紹介している問題について、区は適正と考えているのか見解を伺います。
 住生活基本計画では、居住面積水準が示され、世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準として、全ての世帯の達成を目指しています。単身世帯の世帯人数別の面積は25平米としています。区は、昨年の決算総括質問において、現状と水準との乖離を認めつつ、「一般国民の住宅水準の均衡の観点からも直ちに妥当性を欠くとは考えていない」と答弁しました。区として、住生活基本計画に則り、居住環境を積極的に改善していこうという姿勢が全く見られません。生活保護制度利用者は手を伸ばせば壁に手が届きそうな狭小の15平米以上でも、健康で文化的な住生活を満たしていると考えているのでしょうか。区の見解を伺います。
 2015年、生活保護制度の住宅扶助基準の見直しに関する質疑の中で、国務大臣は、「劣悪な住宅に居住している場合は、より適切な住宅への転居を指導する。転居する必要が生じた場合は、まず民間の不動産賃貸情報などを活用して適切な住宅の情報を提供する、必要に応じて不動産業者等に同行して居住先の確保を支援する」としています。区は、転居指導の際に、少なくとも最低居住面積基準の25平米以上の部屋に転居できるよう援助すべきではないでしょうか。見解を伺います。

4 区内中小業者への支援を求めて


 次に、区内中小業者への支援を求めて質問します。
 まん延防止等重点措置は、現在36都道府県に適用され、3月6日まで延長の見通しです。感染が拡大するたびに営業自粛などを求められてきた中小業者や文化・芸術団体、フリーランスの方々から「1回きりの持続化給付金ではやっていけない」「カラオケできない、お酒を飲めないではお店を開けている意味がない」等と苦しい声が相次いでいます。一方、新型コロナウイルス感染症の影響で売上げが減少した事業者に対する国や東京都からの給付金や支援金、協力金は課税収入である雑収入になるため、「所得税額だけでなく、住民税、国保料、後期高齢者医療保険料や介護保険料まで大幅に上がってしまう」ことから、不安や怒りの声が上がっています。
 都議会では2019年第2回臨時会の経済・港湾委員会において「東京都理美容事業者の自主休業に係る給付金等の非課税を求める意見書に関する陳情」が意見付で採択され、都は「新型コロナウイルス関連の補助金や助成金について、事業効果を損なわぬよう税法上においても特例的な取り扱いを講じていただきたい」と給付金、協力金を非課税にと国に要望しています。地方税法第6条は、「地方団体は、公益上その他の事由に因り課税を不適当とする場合においては、課税しないことができる」と定めています。区として実施した支援金や給付金については課税としないことができると考えます。合わせて国に対し、非課税とするよう求めていただきたい。区の見解を求めます。
 コロナ危機の下、明日が見えずに苦しんでいる事業者をこれ以上苦しめないようにすること、少しでも不安を取り除くことが公の仕事であり、責務です。区は、新型コロナの影響で、前年度比3割減収した方に対する国保料や介護保険料、後期高齢医療保険料などの減免措置を行っていることは重要ですが、3割減収では対象から漏れて支援が行き届いていないケースが生まれています。さらに拡充することを求めます。
 昨年、共産党区議団が行ったアンケートに4,400通を超える回答が寄せられ、「暮らし向きで悪くなった理由」の1位は「消費税」、「今最も必要な生活支援策」の1位は「消費税減税」という結果でした。世界では71の国と地域で日本の消費税に当たる付加価値税が引き下げられています。コロナ禍による収入減少や休廃業が広がり、ガソリンや様々な食品、資材の高騰が追い打ちをかけ、「これ以上高騰が続くと事業継続が難しい」「事業者も消費者も困る消費税は今すぐ減税してほしい」との声が多数です。区長はこうした区民の声をどう受け止めていますか。お聞かせください。改めて消費税を5%に引き下げるよう国へ求めていただきたい。見解を伺います。

5 医療・介護の充実を求めて

(1)保険料・利用料の軽減について


 次に、医療・介護の充実を求めて質問します。
 初めに、保険料・利用料の軽減についてです。東京都は、2月9日に国保運営協議会を開催し、2022年度の国民健康保険料額を示し、1人当たりの保険料は16万7,042円と、2021年度と比べて9,691円、6.2%の値上げとなるとしています。昨年11月末の試算よりは上げ幅は抑えたものの、約1万円の値上げは、国保の広域化以降最大であり、問題です。
 国民健康保険料は、無職の方、年金生活者、非正規雇用の労働者が多く加入し、医療保険の中で所得が最も低い反面、1人当たりの保険料は、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍に上ります。さらに国民健康保険料は、家族の数に応じて負担が増える均等割があるため、子育て世帯など国保と協会けんぽの保険料の格差は2倍にまで広がります。「低所得者ほど負担が重く、家族が多いほど負担が増える今の国保の仕組みはおかしい」と多くの方から怒りの声が寄せられています。国が法定外繰入の削減を押しつけていることも重大な問題です。法定外繰入を増やさなければさらなる値上げになり、コロナ禍で苦しむ区民の暮らしに大きな打撃となりかねません。高過ぎる国保料を引き下げるよう独自の措置を東京都に求めていただきたい。併せて全国知事会など地方団体も要求してきた公費投入増を国に求めていただきたい。区の見解を伺います。
 政府は、今年10月より75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を現行の1割から2割とするとし、その対象は、単身者で年収200万円以上、夫婦世帯は合計年収320万円以上としています。対象者からは「年7万円の医療費が2倍になれば通院する回数を控えなきゃいけない。ひどい仕打ちだ」と不安と怒りの声が寄せられています。政府は、「現役世代の保険料負担を軽減するため」と言いますが、現役世代の負担減は1人当たり月約30円です。加えて、2割負担による受診抑制で医療給付費が1,050億円減ると試算していますが、高齢者にとって通院や薬を減らすことは病状悪化に直結します。ただでさえ、コロナ禍で受診控えが広がる中、必要な医療が受けられなくなることを前提に負担増を強いるのは高齢者の命を削り、尊厳を脅かすものであり許されません。今年10月から予定される75歳以上の窓口負担2倍化を中止し、国庫負担を引き上げるよう国に求めていただきたい。区の見解を伺います。
 昨年8月、介護保険施設に入所する低所得者の食費・居住費を補助する制度である「補足給付」が見直されました。このため施設に支払う食費が月額1万9,500円から4万800円と倍以上になるなど、これまで補助を受けていた人の約半数が負担増になり、利用者や家族から困惑の声が上がっています。特養に入所している80歳の女性は、入所前は息子と脳性麻痺のある息子と生活しており、今後困らないようにと節約してためた貯蓄が資産要件に引っかかり、補足給付の対象外になりました。所得が低い高齢者の預貯金を狙い撃ちにした制度改悪であり、施設の退所や利用控えによって家族の介護負担が増したり、施設の入所申込みを断念するなど利用者も家族も共倒れになりかねません。介護保険制度の補足給付の見直しは中止するよう国に求めていただきたい。区の見解を伺います。

(2)ケア労働者の処遇改善について


 次に、ケア労働者の処遇改善について伺います。政府は、新たな経済対策として介護・保育職など月収の約3%、月9,000円、看護師は救急搬送件数が年200件以上のコロナ対応医療機関などと対象を限定した上で、月収の約1%、月4,000円の賃上げ案を示しています。対象期間は今年2月から9月と短く、10月以降は来年度予算編成の過程で検討するとしています。「賃上げ額が低すぎて泣ける」「9000円って小遣いか」など現場の職員からはため息が上がっています。政府が示すケア労働者処遇改善ではそもそも金額が全く足りません。区は今回の手当で十分と考えているのでしょうか。区の見解を求めます。
 例えば、保育士の場合、1人当たり月約9,000円の賃上げとされていますが、子どもの数に応じた職員分に限られます。ある保育園の子どもの定員は30人なので、国の基準は保育士4人です。しかし、実際いる保育士は14人ですから、4人を14人で割るため、実際は9,000円を大きく下回り、9,000円を保障しようとすると、保育園側が負担しなければなりません。そもそも、ケア労働者の平均賃金は全産業の平均と比較して10万円ほど低いと言われています。「制度として園に届いたとしても本当に保育士個人に届くのか」と心配の声が多く寄せられています。裏づけも財政措置もなく、事業者任せとなっています。医療従事者・介護従事者・保育労働者等、ケア労働職員の恒久的な処遇改善を国の負担で行うべきです。対応を国に求めていただきたい。区の見解を伺います。

6 大山駅周辺のまちづくりについて


 次に、大山駅周辺のまちづくりについて伺います。
 東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業及び鉄道付属街路事業と大山駅の駅前広場計画が昨年12月20日、事業認可されました。告示に伴い、板橋区による「お知らせ看板」が大山駅の北口、臨時改札のある東口、15号踏切付近に設置されました。看板には用地取得、土地収用法に基づく権利、建築等の制限等がびっしり記載され、駅前広場などに影響する方からは「コロナ禍でも開発は粛々と進めるのか」、また、都施行の1から4号線に影響する大山金井町、大山東町等の方からは、「住民への説明を求めてきたが一切ないまま2019年12月20日に都市計画決定されてしまった。いまだに東京都からの説明もない」と驚きと怒りの声が上がっています。東京都と板橋区施行の総事業費は約569億円とされ、そのうち約13%、約74億円が区の税金で支払われる見通しです。高架化による線路の急降下、勾配による事故への懸念、工事による騒音や振動など住民からの不安や要望について何ら説明が果たされていません。
 今回の事業認可は、区による駅前広場計画、側道5・6号線のほか、東京都による東上線大山駅付近の高架事業や鉄道付属街路事業も一体のものです。東京都の事業とはいえ、区民の暮らしや財産に関わることであり、区は関係ないとは言えません。都施行の1から4号線に影響する住民はこれまで東京都に対し、事業の説明を求めてきましたが今も説明されていません。そうした状況を区は把握しているでしょうか。また、事業の進捗、合意の進捗はどうなっているでしょうか。区として把握すべきです。見解を伺います。
 1月20日の都市建設委員会で、区施行の駅前広場や鉄道付属街路5・6号線に影響する土地所有者は計81者とし、用地取得に約7年、工事期間に約3年かかると答弁しました。都施行に影響する権利者についても区として把握すべきです。何がどこまで進捗したら工事に着手されるのでしょうか。見解を伺います。併せて都施行の鉄道付属街路第1から4号線にかかる土地所有者、借地人など権利者はどれくらいいるのかお答えください。借家人などを含めると影響する多くの住民が事業の説明も受けておらず、事業認可したから粛々と進めていくという姿勢は許されません。住民合意が図られない限り、着工すべきではありません。

7 加賀2丁目の携帯基地局について


 次に、加賀二丁目の携帯基地局について伺います。
 昨年9月、加賀二丁目の5階建てマンションの4階屋上にKDDIの携帯電話基地局アンテナが突如2本設置され、近隣住民から「住宅街のど真ん中、しかも低層階のマンションに建てられるなんて」と不安や懸念の声が寄せられています。基地局設置工事の際、業者からは電気工事だと伝えられ、設置後に携帯基地局と分かったそうです。2020年3月から運用が開始された第5世代移動通信システム、5Gは、現在利用されている4Gと比べ、通信速度10倍、遅延1ミリ秒、端末の同時接続10倍が可能とされています。総務省は自動運転や遠隔医療など様々な分野での導入を見込んでいますが、5Gの電波は数百メートルから1キロメートル程度しか飛ばず、4Gの100倍もの基地局が必要とされています。外国では、5G電磁波による健康被害が懸念され、スイスは5G使用禁止、ベルギーは首都で5Gの導入禁止、サンフランシスコ市は5Gの設置禁止など、国の方針とは別に自治体が基準や規則、ルールを設けているところも出ています。総務省は安全性を強調していますが、欧州連合機関の1つである欧州議会科学技術選択評価委員会(STOA)は昨年7月、「電磁波はヒトに対して、おそらく発がん性がある」と報告しています。
 周辺住民からは、「ペースメーカーが入っている人は命の危険を感じている」「5Gが安全だという証拠はなく、健康被害との因果関係が証明できないのが電磁波問題の恐ろしさだ」「一度稼働されたら24時間、365日、強い電波を至近距離で浴び続けることになる」と不安を募らせています。そこで区長に伺います。電磁波によるヒトの健康への影響についてどのように認識されていますか。
 健康被害などを心配する住民は、会を立ち上げ、周辺住民に「携帯電話基地局の撤去」を求める署名を268名分集め、専門家による勉強会を3回実施、またKDDIに住民説明会を求めるなど運動を広げています。区は、現行法を理由に携帯基地局の設置に関する説明や規制について、関与しない姿勢をとっています。しかし、住民からは、接近した場所に設置されることや災害などでアンテナが倒れた際の補償について、「区として問題意識を持つべきだ」と怒りとやり場のない思いを募らせています。神奈川県鎌倉市は平成22年、事業者が近隣住民に対し事前に基地局の設置などについて説明する責任を明確にし、紛争を未然に防止することを目的とした「携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例」を設置しています。東京では国立市、多摩市でも周辺住民への事前周知、市への事前報告などが制定されています。
 新たな携帯基地局は、KDDIだけで今年夏までに区内65か所に設置される見込みです。住民への説明も合意もないまま今後も広がっていきます。健康への影響は否定されていない基地局の設置が何の規制もなく設置されていくことは重大な問題です。携帯基地局の設置に際し、住民説明のルール化を求めます。区の見解を伺います。

8 日米地位協定の見直しについて


 最後に、日米地位協定の見直しについて伺います。
 新型コロナウイルスのオミクロン株の急速な感染拡大に伴い、沖縄県など全国各地の米軍基地でクラスターが発生し、基地周辺での市中感染の引き金となり、国民の命と暮らしを脅かす事態となりました。この間の報告で、韓国では行われている米兵の出国72時間前のPCR検査が日本では昨年9月から12月まで除外されていたことが分かりました。しかも、政府は米軍の「検査なし入国」を知りながら国民には知らせていなかったことも明らかになっています。新型コロナウイルスの水際対策の大穴を放置し、米軍由来の感染拡大を招いたことは重大な問題です。日本と同じく米国と軍事同盟を結ぶドイツでは、米軍人・軍属に対する検疫権はドイツにありますが、日本の場合、日米地位協定によって旅券、ビザ、外国人の登録・管理に関する全ての権限が米国側にあり、日本の法令から適用除外されています。日本政府が、世界最多の感染者を出している米国からの入国を原則拒否する措置をとっても米軍関係者は自由に出入国し、検疫も米軍任せになっているのです。こうした不平等な日米地位協定が全国の米軍基地での感染拡大、市中感染が広がった原因だと考えますが、区長の認識を伺います。
 全国知事会も日米地位協定の見直しを求めています。自治体の長として当然の立場です。区長も連帯を表明していただきたい。併せて日米地位協定を見直すよう区として求めていただきたい。区長の見解を求めます。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)

◎区長 それでは、山内えり議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、第6波に向けた対策と対応の検証結果についてのご質問であります。区は、第5波での経験を踏まえ、第6波に向けて業務の効率化や患者発生数を指標とした全庁的な保健所支援体制の構築を行ったところでございます。1月初旬からのオミクロン株による急速な感染拡大は、患者数、増加速度共に区の想定を超えたものでありましたが、感染拡大の兆候を捉え、迅速に体制強化を行っているところでございます。さらに来年度は組織改正を行いまして、保健所に感染症業務に特化した組織を新設し、長期化する新型コロナ感染症対策に取り組んでいく決意であります。
 次は、自宅療養者数等についてのご質問であります。区内の自宅療養者数は、約5,000人であります。これは2月9日現在のデータであります。区は、入院が必要な方は、東京都の入院調整本部に入院エントリーを行っておりまして、緊急性が低い場合においては、入院までに約3日を要する状況でございます。感染の急拡大に伴いリスクの高い患者への対応を優先して実施しているため、濃厚接触者の特定は患者となった本人にお願いしておりまして、保健所からの連絡は実施していないところでございます。
 次は、感染状況に関する情報発信についてのご質問であります。新型コロナウイルス感染状況に関する情報発信は、各主管課において行っております。宿泊療養は、陽性者が東京都へ申し込み、入院は東京都が調整しているため、区がリアルタイムで陽性者の状況や自宅療養者数等の人数を把握することが難しい状況であります。新型コロナに関しましては、対応が国により頻繁に変更されているため、ホームページでの情報提供が極めて重要であり、分かりやすい情報発信にこれからも努めていきたいと考えています。
 次は、ワクチン接種率の目標値についてのご質問です。新型コロナワクチンの接種は任意である点を踏まえて、板橋区では、当初から接種率の目標値は設定せずに、希望する全ての方が接種できるように配慮してまいりました。3回目接種につきましても、これまでと同様に希望する全ての区民が速やかに接種できるよう事業を進めていく考えであります。ワクチン供給量の点から、1、2回目接種を区内の会場で実施することが難しいところでありますが、東京都の会場を案内するなどして丁寧な情報発信を継続していきたいと考えています。
 次は、みなし陽性者への対応改善についてのご質問であります。国は、1月24日の改正通知において、感染者の同居家族などに症状が出た場合、検査をせずに臨床診断において医師が感染者とみなす「みなし陽性」を認め、東京都はこれを採用しているところでございます。しかし、みなし陽性は、ウイルスの存在を確認していないことから、陽性者と同じ病室に入院できない、就業制限をかけられないなど、混乱の原因となっているところでもございます。新型コロナウイルス感染症は、感染症法による制限も多く、対象となる方の納得を得るためにも、検査に基づいて届出がなされるように改善されることが望ましいものと考えています。
 次は、PCR検査についてのご質問です。これまでも説明してきておりますとおり、PCR検査には課題もございまして、区の認識に変化はなく、医師が必要と判断した方、あるいは濃厚接触者が検査を受けられる体制の確保が重要と考えます。現在国の方針による感染拡大期に期間を限った無料PCR検査が東京都の事業として行われておりまして、区は公共施設を貸し出しているところでございます。PCR検査を含め、新型コロナの検査方法や体制については、引き続き国や東京都の取組を注視していきたいと考えています。
 次は、区の業務継続計画(BCP)の策定状況等についてのご質問であります。感染症に関する業務継続計画(BCP)は、平成22年に新型インフルエンザ編として策定しておりまして、現在は新型コロナウイルス編と読み換えて運用しております。このBCPは、感染した職員の増加等不測の事態に備えて事前対策を講じ、限られた人員・資源の下でも区の業務を継続させる計画でありますが、所管事務の優先順位の見直しを行うなど、実効性の向上に努めてきたところでございます。この間保健所への人的支援強化を目的としたBCPの発効には至っていないところでございますが、区が区民の健康と命、生活を守り抜くための取組として、引き続き全庁的な応援体制をしくことを基本に、保健所の体制を強化していきたいと考えています。
 次は、医療従事者不足による病棟閉鎖、診療閉鎖の可能性についてのご質問であります。東京都は、都立病院・公社病院の独立行政法人化の目的を環境が変化する中においても、質の高い医療を安定的・継続的に提供し、地域医療の充実を図ることとしております。地方独立行政法人においては、医療現場の実情に応じた勤務制度などの仕組みを構築することによりまして、機動的な医療人材確保が可能となるとしております。そのため医療従事者不足による病棟閉鎖や診療閉鎖は生じないものと考えております。
 次は、地方独立行政法人化の中止要望についてのご質問であります。東京都は、都立病院及び公社病院は、地方独立行政法人への移行後も、感染症医療や救急医療などの行政的医療を提供する重要な役割を果たしていくとしております。地方独立行政法人移行後は、東京都の財政措置の下、医療ニーズに適切に対応した医療が着実に継続的に提供され、地域医療への貢献が図られるものと認識しております。したがいまして、区として計画の中止を求める考えは持っていないところでございます。
 次は、公的・公立病院の病床削減計画の見直しについてのご質問であります。国は、公立・公的医療機関の診療実績データを分析し、都内でも9病院を再検証が必要としましたが、この分析結果をもって対象病院のダウンサイジングなどの方向性を決めるものではないとしております。東京都においては、国の分析だけでは判断し得ない機能を検証し、対象の各病院においては、それぞれの特色を生かし、地域における役割を果たしていることを確認したと聞いております。地域医療体制の充実に向けた検討が進められていくと認識しておりまして、区としても国へ意見は伝える意向はないところであります。
 次は、福祉事務所の相談窓口は土日祝日も開設すべきとのご質問であります。福祉事務所においては、土日祝日・年末年始を除く平日の午前8時30分から午後5時まで総合相談窓口を開設しております。土日祝日は、関係機関の窓口も休みとなり、宿所提供などの支援が難しい状況にあるため、区単独での相談窓口開設においては、問題の解決や有効な支援は困難なものと考えております。関係機関との速やかな連携によりまして、相談者を支援につなげることができる現状の総合相談窓口の周知に取り組みまして、相談者に寄り添った支援を実施していきたいと考えています。
 次は、一時滞在場所の確保についてのご質問であります。生活に困窮し、帰来先や宿泊先がない場合においては、特別区人事・厚生事務組合が設置する自立支援センター、宿所提供施設、更正施設のほか、特定非営利活動法人が運営する無料低額宿泊所を一時滞在先として案内しているところでございます。また、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言に係る対応について、東京都が独自に協議し、確保したビジネスホテルなどの宿泊場所への案内も行っているところでございます。現在、以上の案内によりまして、需要は満たされているものと考えておりまして、新たに区独自の一時滞在場所を確保する予定はないところでございます。
 次は、住宅情報提供支援についてのご質問であります。区では、賃貸住宅物件を探すことが困難な生活保護受給者を対象に、委託事業者である住宅相談支援専門員により、入居可能な物件の情報提供から転居後の見守りに至る居住安定化支援事業を行っております。本事業におきましては、援助方針やご本人の意向を踏まえた上で、適切な賃貸住宅物件を紹介し、ご本人によって賃貸借契約を締結するものでございます。支援に当たりましては、所管で個々の状況を十分に踏まえまして、適切な対応に努めていきたいと考えています。
 次は、最低生活居住面積水準についてのご質問であります。生活保護制度上1人世帯の住居の床面積に係る住宅扶助の基準は、15平方メートルを超えるものとしておりまして、区におきましてもこの基準を遵守しております。生活保護基準については、国による定期的な検証結果を踏まえた改正が行われていることから、現時点において住居の床面積に係る住宅扶助基準については、生活保護法を踏まえた適正なものと考えているところでございます。
 次は、転居指導時の支援についてのご質問であります。生活保護受給者の転居に当たりましては、床面積など住宅扶助の基準に則った住宅への転居を指導しているところでございます。居宅が狭隘なため、最低限度の生活や自立を阻害する場合においては、住宅扶助の基準の中において可能な限り広い住居への転居など、居宅生活の安定を促す支援を行っているところでございます。
 次は、区からの支援金・給付金に対する課税免除についてのご質問であります。地方税法第6条において、その地域社会における社会経済生活の特殊事情を考慮して、その自主性に基づき課税を免除することが認められております。区が行う支援金や給付金への適用については、コロナ禍の影響が全国レベルとなっていることから難しく、国による各種支援策の動向に今後とも十分注視していきたいと考えています。
 次は、保険料の独自軽減措置についてのご質問であります。新型コロナウイルス感染症に起因する収入減少に伴う各種保険料の減免措置につきましては、国の通知等に基づいて対応しておりまして、区独自での要件拡大は考えていないところでございます。この保険料の減免実績については、令和4年1月末時点において、延べ5,067件となっておりまして、今後十分に活用されるように周知に努めていきたいと考えています。
 次は、消費税5%への減税についてのご質問であります。長きにわたるコロナ禍は、区民生活に対して計り知れない影響をもたらしていると感じています。一方で、その影響は全国レベルであり、消費税の減税につきましては、今般の情勢を踏まえて、国レベルで議論すべきものと考えております。今後とも国の動向を十分注視していきたいと考えています。
 次は、国民健康保険料の引下げについてのご質問であります。国民健康保険料の料率算定の基礎となる医療費については、年々増加しております。一方で、被保険者数は減少傾向が続いていることから、国民健康保険料は毎年上昇しております。このため特別区長会においては、令和3年12月21日、小池東京都知事に、翌22日には後藤厚生労働大臣に対し、特例的な財政措置を強く求める緊急要望を行ったところでございます。
 次は、後期高齢者医療の窓口負担についてのご質問であります。全世代対応型社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部改正によりまして、後期高齢者の医療機関での窓口負担が、一定所得以上の方について2割となります。板橋区におきましては、後期高齢者医療制度の被保険者のうち、約20%の方の負担増が見込まれております。今回の制度改正は、全ての世代で広く安心を支えていく全世代対応型の社会保障制度を構築するための法律改正であることから、ご理解をいただきたいと考えています。
 次は、補足給付の見直しについてのご質問であります。今回の制度見直しにつきましては、所得の状況に応じて段階的に負担額を変更しておりまして、応能負担に基づく制度の見直しであります。所得が低下した場合においては、年度内であっても補足給付の利用者負担段階を随時見直せるため、制度のさらなる周知と窓口等の相談で対応していきたいと考えています。
 次は、ケア労働者の処遇改善についてのご質問です。ケア労働者は、社会生活の根幹を支える重要な職種であり、今回の3%相当の賃上げは、経済対策として一定の効果があると認識しています。この処遇改善は、令和4年9月までを補助金の交付で対応する予定であり、10月以降につきましても、報酬や運営費等に含めて賃上げ相当分の支払いを継続する見込みであります。今後も国や東京都の動向を注視し、処遇改善の内容について連絡があった際には、事業者周知等を適切に行っていきたいと考えています。
 次は、大山駅周辺のまちづくりに関連いたしまして、東京都施行の鉄道付属街路に係る事業説明と進捗状況についてのご質問であります。東京都はこれまで、説明会や測量の立会時、また、求めに応じまして個別に対応していると聞いております。事業や合意の進捗につきましては、事業主体である東京都が責任を持って対応していくものと考えています。
 次は、東京都施行の鉄道付属街路に係る工事着工時期と権利者数についてのご質問であります。工事につきましては、事前に工事説明会を開催し、時期をお知らせしていくものと聞いております。鉄道付属街路第1から4号線に係る土地所有者等の権利者数につきましては、事業主体である東京都が把握するものであると考えています。
 次は、電磁波による健康への影響についてのご質問です。電磁波の中においても、通信や放送に使用される電波の健康に対する影響につきましては、50年以上にわたり世界で研究がされておりまして、一定の知見が得られております。国は、これに基づきまして、電波が人体に影響を及ぼさないよう、十分な安全率を適用した電波防護指針を策定し、法令で事業者等に遵守を義務づけております。また、WHOは、国際的なガイドラインの下での健康への悪影響を否定しておりまして、区としましても、基地局の建設によりまして、直ちに健康に影響が及ぶものとは考えていないところでございます。
 次は、設置時の住民説明のルール化についてのご質問であります。建築基準法上、高さ15メートル以下の携帯電話基地局などの工作物を建物の屋上や外壁などに設置する場合、確認申請は不要となります。したがいまして、携帯電話基地局の設置を区が把握することは現状困難でありまして、また事業者による住民説明を一律にルール化する考えは持っていないところでございます。今後も住民の不安の声や意見に寄り添い、国や関係機関と連携して、電波・電磁波について適切な情報提供を図っていきたいと考えています。
 最後のご質問になります。日米地位協定の見直しについてのご質問であります。基地周辺での新型コロナウイルス感染者数の推移から、米軍関係者を起点として感染が広がったのではないかという疑念があることは認識しております。また、日米地位協定や日米合同委員会合意は、国の防衛施策に係る極めて重要な取り決めでございます。入国時の検疫に係る事項も含めて、適時適切に協議が行われ、改善されるものと期待をしておりまして、その動向への注視を続けていきたいと考えています。
 頂きましたご質問の答弁は以上となります。

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