ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、 陳情第97号 国に対して「消費税インボイス制度廃止を求める意見書」提出を求める陳情および陳情第98号 国に対して「消費税減税を求める意見書」提出を求める陳情を採択することを求めて討論をおこないます。
本陳情は、板橋区議会として、[消費税インボイス制度の廃止」と「消費税減税」を政府に対して意見書提出を求めるものです。
陳情に賛成する第一の理由は、97号が求めるインボイス制度の廃止が必要だからです。
2023年10月にインボイス制度が導入され1年半が経過をしました。新たな税負担、免税事業者の排除、複雑な制度による膨大な事務など恐れていたことが、小規模事業者やフリーランスなど中小零細企業のみなさんにのしかかっています。国税庁の調査結果では、100万を超える免税事業者がインボイス登録をおこないましたが、昨年よりも消費税分の新規滞納が2割増えていることが明かになっています。また、東京商工会議所の調査結果では、インボイス制度導入を機に、免税事業者からインボイス登録した事業者のうち54.9%が減収したと答えています。さらに、「インボイス制度を考えるフリーランスの会」の実態調査によると、インボイス登録事業者の約4割が消費税などの支払いを「所得や貯蓄」から捻出し「借金」をしてまで支払った登録事業者が1割を超えている実態が明らかになりました。
板橋区内の事業者からも「売り上げは、コロナ禍前に戻ったが、仕入れの物価が上がり、値上げしないと利益が上がらない」という声が複数の事業者から上がっています。特に板橋区は、中小零細企業が多く存在する自治体のひとつであり、板橋区議会としてインボイス制度の廃止を政府に求めることは必要不可欠です。埼玉県議会では、自民党県議団の提案によりインボイス制度廃止の意見書が賛成多数で可決しています。意見書には、「エネルギー価格や原材料費などの高騰が長期化し、人材不足が深刻化する中で、経営状況が一層の厳しさを増しており、インボイス制度に係る負担を小規模事業者に求める状況ではないこと」と合わせて、「小規模事業者などの経営の持続化や地域経済の活性化の重要性を考えると今、インボイス制度そのものを廃止することが最良の策であること」が指摘されています。板橋区議会からも同様の声をあげるべきです。
第二の理由は、消費税減税で、全ての国民へ負担軽減が必要だからです。
先日の報道各社の世論調査で「消費税の減税・廃止」「消費税減税の財源示せ」の声がそれぞれ7割を超えていることが明かになりました。
「消費税減税を求める意見書」提出を求める陳情審議の中で、区は、「帝国データバンクのアンケートによると現在、消費税をはじめとする税や社会保障の負担に耐えられなくなり、公租公課倒産件数が、令和6年には140件まで増え増加傾向にある」と答弁しました。公租公課倒産が令和2年以降、3倍以上に増えていることは、消費税10%増税直後のコロナ感染拡大に続く、急激な物価上昇が、経営を苦しめていることの現れです。同時に、消費税減税を求める世論が、国民世論はもちろん、与野党を問わず国政においても強まっています。陳情に不採択を主張した委員からは「消費税減税による税収減を補うための、赤字国債の発行などにもつながり、日本の国債の信頼を失うような結果になる」との発言がありました。しかし、消費税減税の財源は、国債ではなく、恒久財源をあてるべきです。最も効果的なのは、法人税率の引き上げなど大企業と富裕層への減税・優遇を見直し、税の不公平を正して、恒久的財源を確保することです。政府は消費税を社会保障財源と述べていますが、大企業と富裕層の減税の穴埋めに使われたのが実態です。まず緊急に消費税5%への減税をおこなうべきです。
世界では、110ヵ国で、国民の購買力を高め、暮らし、営業を支える経済対策として付加価値税の減税が行われています。
そもそも、消費税は、所得が低い人ほど負担が大きくなり、生活に与える影響が大きくなることは避けられません。だからこそ、多くの国民への負担軽減につながる消費税減税に踏み切るべきです。 以上の理由から本陳情の採択を求めて私の討論を終わります。
