発言日: 2019年06月21日
ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、議案第55号「東京都板橋区立学校施設開放条例の一部を改正する条例」の委員会決定、原案可決に反対して討論を行います。
本議案は、区立学校の施設開放使用料に、体育館及び柔剣道場に設置された冷暖房設備の使用料を追加するためのものです。今回追加する冷暖房設備使用料の金額は、体育館は1時間につき460円、柔剣道場は1時間につき220円、暖房設備については1時間につき1,340円と設定されています。
本議案は、中学校5校での冷暖房設備設置に当たり、5校だけではなく、全ての小・中学校で、施設開放の際に、これまで設置されてきた冷暖房設備についても使用料を設定するというものです。料金の算出根拠は、各機器のカタログデータから、冷暖房機については消費電力量と従量単価から、既に設置されている暖房機については、ガスの消費量と従量単価から算出した費用の平均値とのことです。
反対する第1の理由は、中学校5校での冷暖房設備が実際に地域開放で利用できるかどうか、検証ができていないという点にあります。
そもそも教育委員会は、今回の冷暖房設備設置はモデル実施で、効果について、夏季、冬季を含めて検証するとしています。教育委員会の説明によれば、新しい冷暖房設備は電気式のスポット型で、各校に6台設置することになっています。機器は、通常、工場や倉庫、農業用ビニールハウスなどで使うことを想定している機器で、稼働音や風量もかなり大きなものになるのではないかとのことでした。風の影響を受けるバドミントンや卓球などのサークルが使えるのか、その他の団体も含めてどの程度使えるのか、どれくらいの時間で適温になるのか等々、利用に際して心配されるさまざまなことが検証されていません。
検証するために冷暖房を使用するには、事前の申し込みが必要です。条例の施行規則では、施設の申し込みは7日前まで、使用料の還付は、使用する日の10日前までで、相当の理由がある場合に全額返還となっています。区は、今回の冷暖房設備に関しても、当日、例えば東京の気温が24度を下回った場合などは、団体の責によらないとして返金もしくは変更を検討するとしています。さらに、今回の中学校5校での冷暖房設備設置がモデル実施であるということは、今後機種変更もあり得るということです。まずは、登録団体の皆さんにも試験的に利用していただいて、意見や感想をいただくこと、さらに、申し込みやキャンセルの期限、設備の管理の仕方などについても、意見や感想を寄せていただくことが先ではないでしょうか。そうした検証が行われないまま料金設定をするのは、料金設定先にありきの姿勢であり、利用者の立場に立っていないと言わざるを得ません。
反対する第2の理由は、学校の施設開放は無料であるべきと考えるからです。
学校の施設開放の目的は、スポーツ・文化活動及び地域活動による学校教育への支援を推進するというものです。学校を場所貸しに提供するためのものではなく、地域で活動している団体に学校施設を開放して、活動の場を提供し、学校を支え、子どもたちを地域で育てる力を充実させるという目的を持った事業です。受益者負担という考え方で使用料を徴収することは、ふさわしくないと考えます。
2015年の条例制定の際に、それまで免除されていた障がい者や高齢者団体、PTA団体に新たな負担が生まれており、さらに付帯設備の使用料においても負担がふえることになるのは問題です。
よって、本議案に反対して、私の討論を終わります。