2021年第4回定例会一般質問 荒川なお区議

引き続き、日本共産党の一般質問を行います。

1、公共施設のあり方について

 初めに、公共施設の在り方について質問をします。
 新型コロナウイルスによるパンデミックという未曽有の経験から得た教訓を、これからの公共施設の整備や運営に生かしていく必要があります。コロナ発生直後は、初めての感染症に不安が広がりました。行政としても、初の緊急事態宣言下には、集会所や地域センターなどの施設を一斉閉鎖しました。しかし、流行は収まるどころかむしろ広がり続け、長期化しました。地域では、自粛生活が続く中で交流できる場所を求めて、日中の飲食店などへ貸切での利用を求める声もあったそうです。人と会って話すことが減り、高齢者うつなどの症状も社会問題となりました。区が、集会所・地域センターの貸し施設を昨年4月8日から6月16日まで一斉閉鎖したことにより、区民や施設利用者にどのような影響があったのか、区の認識を伺います。
 2度目以降の緊急事態宣言の際には、公共施設も定員の半数とし、マスク着用、消毒や換気を行うことなどの感染対策の上で利用が可能となりました。そのことで、利用ができるようになったことに安堵の声が出ると同時に、公共施設の持つ住民の福祉を向上する機能について見直される機会となりました。集会施設は、地域コミュニティの場としての機能に加え、地域の防災や福祉をはじめ地域の拠点として役割を果たしてきました。感染症が広がる下でも持っている機能をどう活用するのか検証が必要です。公共施設だからこそ担える役割があると考えます。区の見解をお答えください。
 区の集会施設は、現在利用定員は通常どおりとなりましたが、利用者同士の距離を保つことや大声での会話・発声・歌唱は、飛まつ感染リスクが高いため、声量を落とすことなどを利用者に呼びかけています。さらに、コロナ前よりも換気を行う必要がありますが、地下にある音楽練習室など、窓を開放して利用できない施設もあります。区は、休憩時間を取り、換気を行うよう呼びかけていますが、利用者にとっては活動できる時間を減らさなければなりません。18か所の地域センターのうち4か所に空気清浄機が設置されていて、利用者が希望すれば貸出しが可能になっています。しかし、それは現場が必要と考えて、消耗品として購入したものに過ぎず、残る14の地域センターには設置されていません。とりわけ、施設や設置場所の事情で換気しづらい施設においては、区としての新たな換気対策を行うべきと考えます。そこで伺います。私の地元にある坂下二丁目集会所は中山道沿いにあるため、車などの交通量が多く、窓を開けると集会所利用者の声がよく聞こえないために換気しにくいのが実態です。板橋区としての対策を求めます。
 区は、公共施設の老朽化による施設管理や建て替え、修繕によるコストの増加と人口減少を理由に公共施設等の整備に関するマスタープランと個別整備計画を策定しました。その方針に基づいて、児童館12館・集会所13か所の廃止や福祉施設の民営化や公共施設の集約・複合化などの検討を進めています。そうした一方で、廃止されてきた施設が未活用のままとなっていることは問題です。例えば、東新ベビールームは3年以上も閉鎖したままです。閉鎖された児童館のうち半分以上が、保育園が雨の日の対応などの暫定的な利用にとどまっています。住民が利用する貸し施設は、宣言下のときには利用定員が半数となり、1つの団体の利用回数が増えるなど、今まで以上に借りづらくなっている現状が生まれています。宣言が解除されたものの、引き続き予防対策が必要です。そのためにも利用できる貸し施設をもっと増やす必要があります。コロナで利用人数が制限されているときだからこそ、一時的な活用も含めて廃止された施設を活用することを検討するべきです。区の見解を求めます。
 区が進めてきた公共施設整備による施設の廃止・縮小・集約化や統廃合によって、住民福祉の向上は大きく後退しています。児童館や集会所の廃止では、遠くまで通わなければならなくなったという声が寄せられています。学校の統廃合によっては、学校の大規模化が懸念されています。区営住宅と高齢者住宅の統廃合では、高齢者住宅としての機能を失い、高齢者が住み慣れた地域から転居を迫られる結果を生んでいます。また、公共施設の総量が減るということは、その施設の修繕などを仕事としてきた地域経済への影響も懸念されています。公共施設の総量を減らすことのデメリットについて、区長の認識をお示しください。
 区は、原則として新規整備は行わないという方針を掲げ、区有地を活用するよりも売却することばかりを優先してきました。結果として大山の公有地も、不足する学校や保育施設・公営住宅についても検討することなく再開発に活用される予定です。また、まちづくり推進住宅は小規模な施設としての有効活用ができたにもかかわらず、需要が終わったとして売却となりました。収入確保のために売却が優先され住民要求や新たな需要に応える検討すら行わない姿勢は、住民にとっての貴重な資産の有効な活用とは言えません。現在の公共施設整備の計画は、新型コロナウイルスが流行する前につくられたものです。コロナを経験した今、その教訓を生かして今ある計画を抜本的に住民参加で検討すべきです。改めて、公共施設等の整備に関する基本方針の見直しを求めます。

2、子どもの声を活かした遊び場づくりを


 次に、子どもの声を生かした遊び場づくりについて質問をします。
 近年、子どもの体力、運動能力の低下が社会問題となっています。その背景には、運動量の低下や体を動かして遊ぶ時間・空間・仲間が減少していることが影響しています。空き地など自由に遊べる空間は減り、公園でもボール遊びなどの禁止ルールによって子どもたちが遊ぶことができる場所は限定されてきました。板橋区でも小学生の放課後はあいキッズに押し込められ、児童館では体を動かして遊ぶことができない状態です。さらに、新型コロナウイルスの流行により学校が臨時休校となり、部活動やクラブ活動の自粛や休止で子どもたちの体を動かす機会はさらに減少しました。楽しみにしていた運動会や学芸会、移動教室や修学旅行まで相次いで中止になり、子どもたちは我慢する日々にストレスを抱えています。私たち区議団は、公園で遊んでいる子どもたちへ聞き取り調査を開始しました。この調査では、公園でボール遊びがしたい、ドッジボールをやりたい、大きな声を出したいという切実な声が寄せられています。子どもたちのバスケットゴールが欲しい、スケボーができるところをつくってほしい、サッカーボールで遊びたいなどの遊び場を求める声に、区長はどう答えますかお示しください。
 区が進めているいたばし子ども未来応援宣言2025実施計画(素案)は、妊娠・出産から社会的自立に至るまで、誰一人取り残すことなく切れ目のない支援を実施するための実施計画としています。重要なことは、計画が必要とする人たちの声を十分に酌み取っているかということです。計画策定の過程で、対象世代の抱える現状や求めていることを把握することが必要です。そこには子どもの権利条約第12条で定められている意見表明権の視点が欠かせません。意見表明権の「自由に自己の意見を表明する権利を確保する」は、子ども自身が自由に意見を伝える仕組みや環境を大人が確保するということです。区が計画策定の過程で新たに行った実態調査の、貧困対策としてのひとり親家庭を対象にした調査とみどりと公園課が行った公園・緑地・植物園に関するアンケートは、公園としての利用の在り方を聴取したもので子どもの遊び場という視点で行ったものではありません。子どもたちの声を直接聞いて計画に反映すべきです。なぜ計画策定に当たって子どもたち自身の声を聞かなかったのですか。区長の考えをお答えください。
 今回示された実施計画は、板橋区子ども・若者計画を統合した上で形成されているため、対象は30代まで広がる計画です。現在、中・高生の主な居場所は、区内2か所の生涯学習センターで実施するi-youthや図書館などで行われている学びiプレイスです。しかし、もっと身近な場所に欲しい、夜間利用できるところが欲しいといった声は少なくありません。子どもから若者の居場所づくりは、量も内容もまだまだ需要に応えるものになっていません。また、中学校卒業後から子育て期に入るまでの支援が少ない状況は否めません。切れ目のない支援という目標からも、この世代への支援策を強化する必要があります。そこで伺います。中・高生や若者の声を聞き、いたばし子ども未来応援宣言2025実施計画に10代から30代に向けての事業を充実させることを求めます。
 次に、こどもの池の存続を求めて伺います。こどもの池は、夏の一定の期間、気軽に水の中に入ってじゃぶじゃぶ遊ぶことができる場所として、子どもたちにとっても家庭にとっても、我が町の魅力の一つとして役割を果たしてきました。区は、施設の老朽化とコスト削減などを理由に、2015年に29か所あったこどもの池を8か所廃止してきました。しかし、2015年に区が行ったこどもの池に関するアンケート調査では、タウンモニターとeモニターで37%、こどもの池管理運営協力会で49%、こどもの池利用者では95%がこどもの池として存続が望ましいと答えていて、区が進める噴水広場など、水遊び施設への移行が望ましいと答えた割合を大きく超えています。なぜアンケート結果の声を無視して、8か所のこどもの池を廃止したのですか。区長の考えをお答えください。
 区は、こどもの池について、残る21か所も廃止し、噴水やミストなどの施設とする方針です。しかし、今年度もコロナの感染対策を理由に、こどもの池の実施が見送られた際、21か所の管理運営協力会のうち11か所は、今年は運営できると回答しているように、こどもの池は地域では求められています。また、管理運営協力会を主に担っている町会や自治会の高齢化などから、運営することが厳しいということが言われてきた一方で、関わっている人からは、しんどいけど子どもたちが喜ぶ顔が見たい、子どもたちと触れ合える活動と思っているという声も寄せられています。このように、地域の活性化としてもこどもの池の役割は大きくなっています。残る21か所をこどもの池として存続することを求めます。

3、生活困窮者対策を


 次に、生活困窮者支援について質問をします。
 新型コロナウイルスの流行から1年半以上がたち、生活が厳しい状況に陥っている人は少なくありません。様々な支援や蓄えでぎりぎり保っている人たちがますます追い詰められることがないように、その支援策は待ったなしです。家賃支援の住居確保給付金は、コロナ禍によって利用条件が緩和され、利用者が急増しました。板橋区でも昨年8月には677件の支給がありました。仕事の再開や新たな就職につながった人が出てくる中でも、今月の支給は209件です。現在の課題は、支給が最長で9か月であることと、人生で1回しか受けられないという条件です。厚生労働省がコロナ対応の特例として再支給受付を11月まで延長していましたが、ようやく来年3月まで再延長される見通しが報道されました。コロナの収束が見えない中で、期限が来るたびに再延長がされるかどうか、不安を抱えながら過ごしています。1回しか受けられないなどの仕組みそのものの見直しが求められています。住居確保給付金が生活に困窮したときに受けられるよう、制度の改善を国に求めていただきたいが、いかがでしょうか。
 先月、愛知県で経済的に困窮し、自分を殺してほしいと頼む母親の首を絞めて殺害するという事件が起きました。母親を殺害した男性は、コロナの影響で昨年2月に解雇され、失業保険や生活保護などの制度を知らず、誰かに相談することもできなかったとのことです。この間、寄せられている相談でも、「生活保護は持家だったら受けられないのか」「若い人や仕事をしている人は受けられない」といった誤解があるように、生活保護制度については正しい情報が知られていません。とりわけ、これからを生きていく若い人たちが社会に出て生活に困窮したときに利用できる制度があることを、その受けられる条件も含めて知っていることが重要です。そこで伺います。学校教育の中で、生活保護制度を知ることができるように取り組んでいただきたいが、いかがでしょうか。
 また、どこに相談したらよいのか分からないという声も少なくありません。区のホームページで生活保護のしおりを掲載することやネット・ファクスで生活保護の申請ができるようにすること、同時に、気軽に相談できることや分かりやすいQ&Aを掲載したパンフレットを図書館や地域センターも含め、区のあらゆる窓口に設置することを求めます。
 食品ロスの削減から行われているフードバンクの考え方がコロナ禍で注目されました。ボランティア団体などが家庭で不用となっている食材などを集めて無償で配付する活動や募金を集めて、マスクや洗剤、生理用品などを配付する取組が全国に広がりました。区内でも各地で様々な団体が実施しています。しかし、利用したい人からは、次にいつ、どこであるのかを知る方法がないという声が寄せられています。中には携帯電話を持っていない方もいるため、情報を得ることに苦労をしていると言います。また、実施しているボランティア団体などからは、続けていくには場所の確保が課題になっていると言います。板橋区内で民間団体などが行っている食糧支援事業などの情報を収集し、利用したい人に届くよう提供していただきたいが、いかがでしょうか。また、支援活動を支えるため、公共施設を支援団体へ無償で貸し出すことを求めます。
 昨年度、区はコロナが区民の生活を直撃していることを受けて、年末年始特別電話相談を実施しました。臨時の電話相談で、生活保護をはじめとする支援制度の案内や居場所を失った方にはTOKYOチャレンジネットで確保している緊急宿泊施設の利用方法などを説明しています。今年もコロナの影響で厳しい暮らしの実態は続いています。生活困窮に陥っている方が区役所が閉まったときに相談できないという状況にならないよう、今度の年末年始も福祉事務所の相談事業を行ってください。
 昨年度の臨時電話相談は、実施決定から実施日までの期間が短かったことで利用件数が少なかったことが健康福祉委員会で答弁されています。また、周知は、健康福祉センター・区民事務所・福祉事務所への掲示のみであったと聞いています。今年は実施を早く決め、周知を開始すること。周知は、公共施設が年末年始に閉まっていても案内が届くように、町会の掲示板やコンビニ、商店街やスーパーなどにチラシやポスターを掲示していただきたい。区の考えをお示しください。
 今度の年末年始も住まいがない人への支援が必要です。相談に来た人が暖かい部屋で年を越すことができ、居住確保につながる対応が求められます。路上生活者などへの支援として、食料の提供と同時にホテルなどを確保し、宿泊できる場所を提供することを求めます。
 岸田内閣は、19日、新しい経済対策を閣議決定しました。コロナ対策として、子育て世帯への給付金は対象を児童手当と同じ基準としたため、世帯合算でなく主な稼ぎ手の収入で線引きすることが不公平だと指摘されています。住民税非課税世帯への給付や学生への支援も準備されていますが、年収100万円を超える世帯は、ひとり暮らしや子どものいない世帯は各給付金の対象から外れます。コロナで困っている全ての人に届く給付金を求める声が高まっています。子どもがいない現役世代や高齢者などにも生活が厳しい実態は広がっています。幅広く現金給付が必要と考えますが、区長の認識をお答えください。
 コロナ禍の生活支援は、今困っている世帯への緊急支援はもちろん、中長期的に見た生活環境の改善も必要です。保育などの福祉施策の充実や日常的な負担の軽減は欠かせません。とりわけ小さな子どものいる家庭は仕事量も限定され、生活費への不安も尽きません。現在乳幼児を子育て中の方から、おむつかぶれがひどく、多いときでは月におむつ代だけで1万円近い出費になった、ミルク代も月に5,000円以上かかり、大きな負担だと聞いています。ミルクもおむつも乳児を育てるのに欠かせないものです。高齢者に紙おむつが支給されているように、子育てをしている家庭にも支援が必要です。乳児を育てる時期に必ず必要となるミルクやおむつ代への助成を実施していただきたいが、いかがでしょうか。

4、区立体育館における水泳教室などについて


 最後に、区立体育館における水泳教室について質問をします。
 板橋区は、昨年度まで区主催で開催していた水泳教室や水泳ワンポイント指導を廃止しました。これまでもコスト削減として検討していたものを、緊急財政対策の名の下に都合よく廃止したものです。区の財政がコロナ禍でも健全だったことは、昨年度の決算を見ても明らかです。これまで体育協会へ委託して区として実施していた水泳教室は、水泳連盟の水泳教室が代替となるとして廃止しましたが、水泳連盟の独自事業になって利用料は大幅な値上げとなりました。幼児では3,200円から5,500円に、小学生は3,700円から6,050円への値上げです。区として実施していたときは、定員の8割近い利用で人気のある事業でしたが、現在は、会費が高過ぎて水泳教室を利用できないという声も少なくありません。区の施設で実施されているのにもかかわらず、区が削減したコストを利用者負担として押しつけることはとんでもありません。水泳教室が区主催のときと同様の利用料金になるよう、水泳連盟への財政支援を板橋区として行うことを求めます。
 水泳のワンポイント指導は、区立体育館プールの一般開放をしている時間帯に、専門的な知識と経験を持った指導員が希望者に丁寧に指導してくれる事業です。初心者から水泳経験の長い人まで、気軽に声をかけやすく、教え方も分かりやすくて短時間で上手に泳げるようになると評判でした。また、一般利用料金以外は無料であることも魅力の1つでした。区は、類似の事業として、指定管理者による泳法教室などを実施しているとしていますが、泳法教室は、決められた時間に決められたプログラムを行う事業であり、会費も必要となります。緊急財政対策であったと言うなら、改めて必要な事業は実施を再開するべきです。廃止した水泳ワンポイント指導を復活させてください。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)
 

 

◎区長 それでは、荒川なお議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、公共施設の在り方に関連いたしまして、施設の休館についてのご質問であります。令和2年4月7日に国の緊急事態宣言が発せられまして、東京都からは、生活や健康の維持に必要な場合などを除きまして、外出自粛の徹底を図るよう要請を受けておりました。区は感染拡大防止に全力を尽くし、区民の生命を守ることを最優先に考え、行政機関である地域センターの機能は維持しながら、集会施設については休館といたしました。施設の休館によりまして、会議や集会ができないというご不便はおかけしたものの、感染拡大防止を図り、区民の皆様の安心・安全な日常を確保することができたものと認識をしております。
 次は、公共施設の役割についてのご質問であります。緊急事態宣言下における利用制限や自粛の要請は、区民の生命・健康を守ることを第一に、感染拡大防止の観点から苦渋の決断でありました。公共施設は、それぞれの設置目的のほか、災害時における機能など、住民福祉の増進のために重要な役割を果たしていると考えております。
 次は、坂下二丁目集会所についてのご質問であります。区立集会所におきましては、建築基準法に基づく技術的基準に従いまして換気設備を設けていることから、設備上の問題はないと考えます。ただし、ご利用いただく際におきましては、感染拡大防止対策として、適宜換気を行うよう協力を依頼しているところでございます。利用者からは、窓を開けると虫が入ることから網戸を求める声を頂戴しておりますが、これまで車の騒音に関してのご相談は受けていないところであります。今後、利用者のご要望をお聞きしながら、必要に応じて快適にご利用いただけるように対応してまいりたいと考えています。
 次は、廃止施設の集会施設への活用についてのご質問であります。廃止施設の活用は、公共施設跡地活用方針に基づき検討しておりますが、コロナ禍における緊急対応等も考慮し、現時点において集会施設へ転用する予定の未利用施設はないものと考えています。一方、廃止を予定しておりますいこいの家のうち、前野、中丸、仲宿、成増の4か所は、今後集会施設として活用する予定であります。
 次は、施設総量抑制のデメリットについてのご質問であります。公共施設の更新・再編に当たりましては、現状の施設全てのライフサイクルコストを負担することが困難なため、改めて施設の在り方を見直し、総量を抑制しながら、集約・複合化によって機能とサービスの向上を目指しているところであります。デメリットとしましては、集約・複合化によりまして、場合によっては施設までの距離が遠くなる不便などが考えられますが、コスト面も含め、サービスや機能、魅力の向上などによるメリットの方が大きいものと考えています。
 次は、公共施設整備方針の見直しについてのご質問であります。公共施設等の整備に関する基本方針は、総量抑制と収入の確保だけではなく、安心・安全で魅力ある公共施設を次世代へ継承していくため、集約・複合化による充実を目指しておりまして、見直すことは考えていないところであります。新たな需要への対応につきましては、広く区民や区議会の意見を伺いながら、既存施設の集約や機能再編、統廃合、複合化による有効活用を図ることで対応していきたいと考えています。
 次は、子どもの声を活かした計画づくりに関連いたしまして、遊び場を求める声についてのご質問であります。令和元年に板橋区議会に提出されました子どもの遊び場についての陳情等を通じまして、スポーツができる場所を増やしてほしいなどの声があることは認識をしております。それらの声を受けまして、学校施設でボールを使用できる時間帯を設けるなど、区施設の利用方法の工夫に取り組んできておりまして、様々な声に耳を傾けることが重要であると考えています。
 次は、子どもの声の計画への反映についてのご質問であります。計画の策定に当たりましては、子ども・子育て会議やパブリックコメントを通じまして、区民の声を反映するように努めております。一方、(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センターの開設を契機に、子どもの権利を保障する仕組みや周知啓発に取り組む予定でもあります。その中におきまして、子どもの視点を計画や施策に反映する仕組みについても考えてまいりたいと思います。
 次は、こどもの池を廃止した理由についてのご質問であります。こどもの池の利用者は、ピークの昭和53年には子ども、これは2歳から12歳でありますけれども、子どもの総数の約4倍となる33万人余りでございましたが、令和元年には総数の約半分の2万3,000人弱まで減少してまいりました。平成27年度の見直し計画は、こうしたニーズの変化を背景に、運営組織の移行や施設の老朽化等を総合的に勘案し、8か所の施設形態を変更することにしたものであります。平成26年のアンケートは、子どものうち、現に池を利用している子どもたちの意向として、見直しの過程において存続させる池の配置や運営を検討する資料とさせていただいたところでございます。
 次は、こどもの池の存続についてのご質問です。こどもの池の在り方につきましては、今後、各施設が順次更新時期を迎えるのを契機としまして、その望ましい在り方を検証することは不可欠なものと考えています。利用の主役である子どもたちの嗜好も多様化しており、利用する子どもの割合が大きく減少している一方、利用期間の拡大やスペースの多目的利用へのニーズが拡大する傾向にございます。こうした中、運営の主役である地域の方々の意向や地域ごとの特徴を生かした新しい水施設の提案も含めて、見直しの方針について第4回定例会に報告をする予定でもあります。
 次は、住居確保給付金の支給についてのご質問であります。生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金につきましては、コロナ禍により申請期間の延長や求職条件などの要件が適宜緩和されました。今年度も特例的に再支給が求められるなど、時勢に合った対応を実施しておりまして、直ちに国に制度改正を求める段階ではないと考えています。
 次は、生活保護制度の周知と申請の改善についてのご質問であります。生活保護のしおりにつきましては、今年度「分かりやすさ」を目指して改訂を行い、ホームページで公開をしております。生活保護の申請は、ご本人の意思と居住の確認ができれば、申請書を福祉事務所より郵送し、返送いただく方法でも申請の受理をしております。パンフレットにつきましては、年末年始、大型連休の電話相談会におきまして、区民事務所・健康福祉センター・地域センター等の窓口において配布を行っております。今後につきましても、機会を捉えて、生活保護制度の周知に取り組んでいきたいと考えています。
 次は、食糧支援事業についてのご質問であります。区と社会福祉協議会が主催する食品配付会につきましては、ホームページのほか、福祉事務所など区内施設でチラシを配布するなど、事業周知に努めているところでございます。一方、食糧支援事業を行っております民間団体につきましては、自主的に活動しているため、区がタイムリーに情報収集し、周知することは課題であるとも認識しています。民間団体の食糧支援事業に対する公共施設の無償貸出しにつきましては、地域との協働による事業効果や公平性の観点から多角的に研究をしていきたいと考えています。
 次は、年末年始の相談事業の実施についてのご質問であります。福祉事務所におきましては、年末年始の閉庁期間のうち特定の日を設けまして、コロナ禍により生活が困窮している区民の相談を受け適切な支援につなげるため、特別電話相談を実施する方向で検討を現在進めています。
 次は、年末年始の相談事業の周知についてのご質問であります。年末年始の特別電話相談を実施するに当たりましては、チラシを作成し、関係各課の窓口で事前に配布をするほかに、区のホームページやTwitter、Facebookに掲載をして、必要な方に情報が届くように努めていきたいと考えています。また、生活にお困りの際には福祉事務所へご相談をいただくように促すポスターを作成し、来月12月16日から区設掲示板においても掲出する予定であります。
 次は、路上生活者の対応についてのご質問であります。住居がない方への支援につきましては、東京都の事業スキームであるTOKYOチャレンジネットによる一時住宅の提供を基本に考えております。年末年始につきましては、東京都と特別区人事・厚生事務組合が共同で設置する自立支援センターにおきまして冬季特別対応を実施しておりまして、こうした制度を活用し、支援をしていきたいと考えています。
 次は、現金給付についてのご質問です。生活困窮者への支援として、これまで緊急小口資金等の特例貸付け、住居確保給付金の支援要件の緩和のほか、子育て世代や生活困窮者を対象とした給付事業を行ってまいりました。今後も、国の新たな給付事業を的確に実施することによりまして、生活困窮者を支援していきたいと考えています。
 次は、ミルクやおむつ代の助成についてのご質問であります。区では、妊婦面接の際に、1万円相当のこども商品券を育児パッケージとしてお渡ししておりまして、出産や育児を応援し、乳児を育てる家庭への支援を行っております。また、コロナ禍による家庭支援の観点から、本年8月に開催いたしましたひとり親相談会におきまして、食材のほか、紙おむつの配付も行いました。ミルクやおむつ代にかかる直接的な経費助成につきましては難しいところでありますが、食品配付会でのメニューを拡大するなど、乳児を養育する世代への支援を検討していきたいと考えています。
 次は、水泳連盟への財政支援についてのご質問であります。区主催の水泳教室は、各体育館温水プールで年1回実施をしてまいりましたが、指定管理者や板橋区水泳連盟などが行う水泳教室との類似・重複を総合的に勘案し、緊急財政対策の一環として廃止をいたしました。今年度の板橋区水泳連盟主催の教室の会費につきましては、コロナ禍を考慮した定員設定の上、自主的に事業を継続していくための金額を設定したと聞いております。区としましては、今後も水泳連盟や体育協会と連携をしながら、実施会場の確保や周知、広報などの面で支援をしていきたいと考えています。
 最後になります。水泳ワンポイント指導の復活についてのご質問であります。水泳ワンポイント指導は、プール指導員が個別に上達のポイントをアドバイスし、利用者の泳力向上に寄与する事業であります。一方、一般公開時に行うために、指導を受けていないほかの利用者の妨げになる場合があることなどの課題もございました。本事業は、水泳に関する教室やプログラムなどを勘案した上で廃止したものでありまして、今後も様々な事業を通じまして、水泳を含めたスポーツの振興に努めていきたいと考えております。
 残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

◎教育長 それでは、荒川なお議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、10代から30代向けの事業の充実をということについてのご質問ですが、平成28年に、大原、成増の両生涯学習センターに、中高生や若者の居場所としてi-youthを開設して以来、利用者が年間3万人を超え、居場所の必要性がさらに高まっていることを実感しているところです。i-youthでは、中高生や若者の声を聞きながら、利用者の意欲に寄り添う学びや活動の機会を提供し、彼らの主体的な活動を支援しております。ここで得た声や知見、経験を生かし、現在策定中のいたばし子ども未来応援宣言2025実施計画2025で計画している若者の居場所づくり事業を中心に、生涯学習センターでの中高生や若者向け事業の着実な実施を図ってまいりたいと思っています。
 次に、生活保護制度を知る機会についてのご質問ですが、小学校では第6学年社会科で社会保障について学習し、中学校では社会科公民で、日本国憲法第25条の生存権の保障に基づく社会保障制度について学習しております。生活保護制度につきましては、地方自治体が窓口になり運営されていることを学習しており、実際の板橋区の制度とも関連させながら学んでいる現状があります。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。

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