令和4年度東京都板橋区一般会計補正予算第3号に反対する討論

討論日:2022/10/11

 ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、議案第53号 令和4年度東京都板橋区一般会計補正予算第3号に反対し、討論を行います。

 本議案は、新型コロナウィルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策、緊急かつ必要性の極めて高い事業、国・都支出金等の返還金、基金への積み立ての5項目の経費として120億円余を歳出に追加する補正予算です。歳入は、各種特定財源及び前年度の歳計剰余金です。

 議案に反対する第1の理由は、志村小改築の設計変更が、志村四中との一貫校化を前提としているからです。志村小の改築については、現地での建て替えが可能であることの十分な検討が行われないまま、志四中との統合、一貫校化が進められています。志村小・志四中ともに、現地で建替え、存続させることが、関係者の強い願いです。小中一貫校設置については、区民や関係者の合意が得られているとは言えず、大規模化への懸念も払拭できていません。

 今回の議案は省エネ化を目指すとし、ZEB化を含めた設計にするための増額補正ですが、一貫校を前提とした増額は容認できるものではありません。

 第2の理由は、会計年度任用職員の給与について、最低賃金以下になる職員の単価だけを引き上げるもので、会計年度任用職員全体の賃金の底上げがなされていないことです。

 官製ワーキングプアについては、かねてより指摘されてきました。議案の考え方は、最低賃金を下回る賃金だけを是正するもので、官製ワーキングプアの固定化そのものです。会計年度任用職員の給与は、区の裁量で実現可能であるため、最低賃金の引き上げが行われた以上、全体の給与を引き上げるべきです。

 第3の理由は、コロナ禍からの回復が見通せない中で、原油価格・物価高騰に苦しむ中小企業への対策が全く不十分だからです。電気代、ガス代の高騰が深刻であることは、補正予算で公共施設の電気代等の予算が1.4倍に増額されたことからも明らかです。電気代などの高騰で困っているのは何も公共機関だけではありません。区内中小企業も同じです。しかし、議案では、公衆浴場への支援以外、中小企業への支援は何もありません。緊急事態宣言が発令されていないことを理由に、中小企業への支援は、融資と経営体質改善にシフトするというのは誤りです。電気代高騰、物価高騰に苦しむ中小企業への直接支援を行うべきです。

 基金への積み立ても問題です。繰越金は105億円で過去最高額であるにも関わらず、区は財政調整基金に42億円余を積み立てました。この積み立てで、財政調整基金残高は276億円を超えました。基金に積み立てた42億円を使えば、高齢者施設だけなく、学校施設へのコロナの感染対策の拡充ができます。現在抗原検査キットは各学校に3セットしか配備されていません。改善すべきではないでしょうか。さらに、全国では昨年の2倍のペースで介護事業所の倒産が進んでいます。区内介護事業所などへの減収補填を行うべきではないでしょうか。基金にため込む姿勢を改め、官製ワーキングプア解消に向けた取組み、物価高騰に苦しむ中小企業や介護事業所などへの直接支援、そして第8波防止のための検査の拡充に踏み出すべきです。

 以上述べてきた理由により、議案第53号東京都板橋区一般会計補正予算第3号に反対し、討論を終わります。

一覧へ

検索