2022年第4回定例会 山内えり区議 一般質問

質問日:2022年11月29日

引き続き、日本共産党板橋区議会議員団の一般質問を行います。

1、新型コロナ第8派への対策強化を求めて

 初めに、新型コロナ第8波への対策強化を求めて質問します。
 新型コロナの第7波は、感染者数1,200万人超、死者数1万4,000人余りと過去最悪の事態となりました。7月下旬には都内の新規感染者数は4万人を超え、板橋区では1日当たりの自宅療養者が第6波の約3,000人を大きく超えて約4,000人となるなど、医療機関も検査機関も保健所もかつてないほどに逼迫し医療現場は崩壊状況でした。第7波では、「発熱しても発熱外来の予約が取れずどこも診てもらえなかった」「電話がつながらなかった」「医療機関の職員が感染したり濃厚接触者となり、通常医療を回すのも大変だった」など、医療にアクセスできない事態が広がりました。区はこうした状況に対しどのような対策が取られているのですか。お答えください。
 11月中旬、1日当たりの感染者数は、およそ2か月ぶりに東京都で1万人を超え、全国で10万人を超えました。北海道では連日、過去最多を更新し、新たな変異ウイルスも徐々に増えており、第8波に入ったと報じられています。第7波の教訓から、発熱外来や入院にたどり着けない方、薬をもらえない方を出さない、誰一人置き去りにしない対応こそ取り組むべきです。区独自で区内の発熱外来の強化、例えば、オンライン診療や調剤薬局との連携など、症状のある方が診てもらえる仕組みを整えるべきです。併せて、診療・検査機関等、現場から聞き取りを行った上で、人件費の補助も含め、区として財政支援の実施を求めます。いかがでしょうか。
 次に、保健所体制について伺います。区は1日当たり感染者数2,000人までの計画を策定したと言いますが、保健所自体が全ての感染者の状況を把握できないだけでなく、母子保健の事業をストップして感染症対応に当たらなければならない事態でした。保健所の予防対策課は、2021年度に超過勤務が月80時間を超えた人数が37人と断トツです。中でも、ワクチン接種において、温度管理と保管、運搬に携わる衛生管理職の残業時間は月97時間となるなど、過労死ラインを超える異常な状況で、不足する職員を兼務で賄うことは、もはや限界です。区には職員に対する安全配慮義務があり、職員が健康に働き続けられる環境をつくることこそ区の責務です。決算総括質問のいわい桐子議員への答弁で、今後の必要な教訓とするとありますが、具体的にはどのようにしていくことですか。改めて保健所体制の抜本的な強化を求めます。見解を伺います。

2、物価高騰対策と生活支援について

 次に、物価高騰対策と生活支援について質問します。
 食料品や光熱費などの物価高騰が暮らしを直撃しています。総務省が11月18日に発表した10月の全国消費者物価指数は前年同月比で3.6%上昇し、40年8か月ぶりの高い上昇率です。電気やガス代は20%以上、食パンなどの食品は5.9%の値上げとなり、平均的な2人以上の世帯で、前年比年間13万円の負担増になるとの試算もあります。シングルマザーサポート団体全国協議会が10月に実施した、ひとり親家庭の物価高による影響調査によると、「靴が買えず、子どもは足が痛いと言っていたが我慢して履かせている」「修学旅行に行くお金を準備できず、行かせてあげられなかった」「トイレの水を流すのは3回に1度」さらに、物価高とコロナ禍のどちらが家計への影響が厳しいかという問いには、61%が物価高騰と答えるなど、ひとり親家庭ではコロナより深刻な実態が浮き彫りになりました。高齢者からは、「物価が上がっているのに1か月6万円の年金までも引き下げられ、生活するのがやっと」「あと何を削ればいいのか」と悲鳴が上がっています。区長は、物価高騰による区民生活への影響についてどのように認識していますか、お答えください。政府は物価高騰対策として、住民税非課税世帯など1世帯当たり5万円追加の給付や、電気代、都市ガス料金の負担軽減策や子育て支援などを盛り込んだ総合経済対策をまとめました。しかし、内容は来年1月から9月まで、標準世帯で電気代・ガス代など家計負担を月5,000円軽減するというもので、物価の高騰に追いつくものにはなっていません。東京商工団体連合会の副会長は、「資材高騰の影響で、電線の仕入値が見積りを出した後に1.4倍に跳ね上がった。労務単価を下げているがそれでは生活が成り立たなくなる。あらゆる業種に厳しい状況が広がっており、消費税減税が一番の対策だ」と訴えています。コロナ禍になって3年、傷んだ経済を元気にするため、既に99の国と地域で消費税の減税が実施されています。暮らしと営業の現場に直接届ける支援として、消費税を5%に引き下げることが最も有効な対策と考えますが、区の認識はいかがですか。
 この間、区が独自で物価高騰対策として実施したのは、住民税均等割のみ課税世帯に対する1世帯当たり10万円のいたばし生活支援臨時給付金、区内中学3年生までの全ての子育て世帯に対する児童1人当たり2万円のいたばし子育て支援臨時給付金です。財源の約半分が国の特定財源です。区の財政力から見れば、給付対象を広げることは可能と考えます。給付対象を拡大し、区独自の給付金などの支援策を求めます。併せて、地方創生臨時交付金などの財政措置を拡充するよう国に求めるべきです。区長の見解をお答えください。
 区は2020年度から年末年始の電話相談を実施していますが、昨年12月は実績が少なかったため、今年は年末のみ臨時の相談窓口を検討しているとしています。実施が少なかった要因を分析し、本当に困っている方に支援が届くための手立てを講じる必要があります。年末年始に相談窓口を開設してください。また、そのための周知期間を拡大し、広報いたばしや区ホームページのほか、周知方法に区設掲示板や町会掲示板を加えるなど、周知を徹底すべきです。併せて、相談から食料支援まで一連で行えるよう検討いただきたいがいかがでしょうか。
 児童手当法の改正で、今年6月分より、夫婦いずれかの年収が1,200万円を超える世帯を対象に、児童手当の特例給付が廃止されました。全国で61万人、区内では3,700人に影響が出るとされ、「所得制限を撤廃してほしい」という声が広がっています。そもそも子ども手当は、全ての子どもを対象に、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的に創設されました。親の収入によって支援が打ち切られることはあってはなりません。千代田区、愛知県みよし市では、独自で特例給付相当分を支給しています。区として、児童手当の特例給付を支給するよう求めます。見解を伺います。


3、マイナンバーカードの取得を強制しないことを求めて


 次に、マイナンバーカードの取得を強制しないことを求めて質問します。
 政府は10月、マイナンバーカードと健康保険証を一体化させ、2024年秋に、現行の保険証を廃止すると表明しました。そもそもマイナカードは秘密とすべきマイナンバーが記載されていることから、本来それを保険証として持ち歩くことは予定されていません。カードに記載された性別は、性同一性障がい者に対して、その取得強制により激しい精神的苦痛を与えるという問題などもあります。こうした手続を強制できないということからも、これまでマイナカードは、いわゆる番号法17条1項等で、本人の申請により交付するとされ、任意としてきました。しかし、マイナ保険証となれば、皆保険制度の下では、マイナンバーカードの取得を事実上強制することになりませんか。区の認識を伺います。
 国民が望まないものを強制するなと怒りの声が広がり、マイナンバー制度反対連絡会が呼びかけた保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化することに反対する緊急署名は11月17日時点で13万人を超えています。さらに政府は、2023年3月末までに、マイナンバーカードを健康保険証として使うオンライン資格確認システムの原則義務化を医療機関に求めています。全国保険医団体連合会が取り組んだ医療現場の実態意識調査によると、10月14日から31日までに回答した医療機関1,721件のうち、保険証の廃止に反対する医療機関は73%に上り、医師、歯科医師の約8割が反対しています。オンライン資格確認システムを導入した医療機関のうち41%でトラブルが発生するなど、懸念や混乱が広がっています。システムを導入しない、できない理由に、「情報漏えいやセキュリティ対策が不安」「電子カルテなどの改修で多額の費用が発生する」「災害で停電になったとき保険証の資格確認ができない」などが挙げられ、義務化に対応できないために廃院を検討している医療機関もあり、地域医療にも影響が出かねません。医療機関のこうした意見表明に、区としてどのように対応するのでしょうか。併せて国に中止するよう声を上げるべきです。見解を求めます。
 もともと個人番号制度は、税や金融情報などをひもづけ、国民の収入・資産状況を把握し、徴税強化と社会保障の給付削減を狙って導入されました。将来的には、個人が負担する税・保険料の範囲内に給付を抑える社会保障個人会計の導入も検討されており、政府が国民一人ひとりの人物像をプロファイリングして監視社会化が強まることへの懸念が指摘されています。政府は来年3月末までに全国民にカードが行き渡ることを目指していますが、今年9月末時点の交付率は49%、板橋区の交付率は11月1日時点で53%です。カードを読み込むためのリーダー専用機を設置した医療機関や薬局は約3割にとどまっています。区民にマイナンバーカードの交付が広がらないことについて、区はどう受け止めていますか。また、個人情報がひもづけされることに対する区の認識を伺います。
 政府はマイナ保険証に切り替えることで手続の手間がなくなり、継続して使えるなど利便性を強調しますが、本当にそうでしょうか。例えば、お薬手帳の機能はレセプト情報に基づくため、マイナ保険証への反映は1か月ほど遅れます。直近の情報なら今のお薬手帳のほうが正確です。また、マイナカードの電子証明書を利用することから、3回続けてパスワードを間違えるとこの機能が使えません。カードを紛失してしまったら、再発行しないと保険診療を受けられないなどの問題もあります。最大の問題は、このカードが本人確認が厳格なため、役所等で対面で確認をしないと交付されないことです。また、その後も電子証明書は5年ごとの更新のため、そのために役所などへ行かなければなりません。これまでの保険証は郵送で届きましたが、マイナ保険証は申請・更新などの手間がかかるのです。寝たきりの方や認知症の方などは、そもそもカードの取得自体が困難です。国に対し現行制度を残すよう求めるべきです。また、区として、保険証などの発行を従来どおり実施するよう求めますがいかがでしょうか。

4、高齢者施策について
⑴ 介護について


 次に、高齢者施策について質問します。
 高齢者の生活を支える命綱の年金は、今年0.4%も減額されました。厚生労働省が示す標準的な例では、国民年金では年3,108円、厚生年金では、夫婦2人で1万836円もの減額です。「物価がこんなに上がっているのに年金を減らすのか」と怒りの声が広がっています。食品も電気、水道も大幅に値上がりしているさなかの減額は、高齢者の暮らしにとって大きな痛手です。高齢になっても安心して暮らせる社会にするために、政治の役割は重要です。まず、介護についてです。厚生労働省が10月31日に社会保障審議会介護保険部会に示した介護保険制度の第9期に向けた給付と保険の見直しに関する論点では、「一定以上所得、現役並み所得の判断基準」「要介護1・2の生活援助サービスなどに関する給付の在り方」など7項目にわたる内容が提示されています。利用料負担では、利用料2割負担、3割負担の対象が拡大されると指摘されています。「今でも、年金だけでは足りず介護者が負担している。利用料が2倍になれば、サービスを利用できなくなり、自宅では見れないことになる」「年金は下げられているのに、物価が上がり、利用料まで引き上げられれば、生活はさらに厳しくなる」などの切実な声が寄せられています。区長はこうした声にどう応えるのでしょうか。利用料2割、3割負担の対象拡大をやめるよう国に求めると同時に、区として負担軽減を図るよう求めます。
 また、要介護1・2の生活援助サービスを総合事業に移行させる案が示されていますが、提供されるサービスの量・質は低下し、これまでの在宅生活を維持できなくなる事態が広がることが予測されます。要介護1・2の方は認知症の方も多くいます。保険料を払っているのに必要なサービスが受けられなかったり、介護報酬より単価が低いため、介護事業所の経営悪化、撤退に追い打ちをかけるなど、問題につながります。要介護1・2の保険給付外しはやめるよう国に求めると同時に、保険外給付を区として行うよう求めます。

⑵ 医療について

 次に、医療についてです。政府は今年10月から、これまで1割負担が原則だった75歳以上の医療費の窓口負担を単身で年収200万円以上、夫婦で320万以上の世帯を対象に2割負担に引き上げました。板橋では約24%に当たる1万4,213人に影響が出ています。収入が限られ、病気やけがの頻度が高い高齢者にとって、1割負担も決して軽くはありません。今でも経済的理由で受診をためらう高齢者が少なくない中、2倍化による深刻な影響は計り知れません。「75歳になりようやく1割負担と思っていたのに、先日2割と記載された保険証が届き、自分が該当していてショック」「車両は廃止できても、人間は使用を重ねて修理するところが増える。医療費がかさむのは自然の成り行き、それを目の敵にされてはたまったものではない」と、不安や怒りの声が寄せられています。こうした声や影響を区長はどのように受け止めていますか。併せて区として、医療費を助成するよう求めます。区長の見解を求めます。
 健康の保持・増進、生活習慣病などの重症化予防、並びにQOLの維持・確保、フレイルなどの高齢者の特性を踏まえて、健康状態を総合的に把握する目的で、後期高齢者医療健康診査が実施されています。基本的な検査項目は問診、身体計測、血圧、診察、検尿、血液検査、追加で心電図などを検査することができますが、74歳まであった視覚、歯科検診はなくなります。高齢化率が上がる中、より健康で文化的な生活を送るためには、聴覚、視覚、歯の悪化を防ぐことが大切です。区として75歳以上の高齢者にも74歳までと同様に聴覚、視覚、歯科検診を実施するよう求めます。いかがでしょうか。
 認知症は誰もがなり得るものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。政府は高齢化に伴い、3年後には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症となり、その数は700万人にもなると推計しています。国は2019年6月、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指すため、認知症施策推進大綱を取りまとめ、普及啓発や予防、支援、認知症バリアフリーの推進や社会参加支援、研究開発・産業促進など、5つの柱に沿った施策が盛り込まれています。高齢化社会の中で、認知症との共生をどう実現するかが問われます。埼玉県草加市では、草加市に住所がある60歳と65歳以上の方を対象に、認知症検診を実施しています。認知症に対するハードルを下げ、より早期に医療につなげることが期待できます。板橋区でも認知症検診を実施するよう求めますが、いかがでしょうか。

⑶ 居場所について

 次に、居場所についてです。高齢者の孤立予防、介護予防の視点からも、居場所の重要性は増しています。しかし、区は、今年3月末で13か所あった全てのいこいの家を廃止しました。いつでも身近に立ち寄れ、コミュニケーションを図る場として親しまれてきた場所を奪った責任は重大です。「ふらっと気軽に1人で立ち寄れる場所はなくなってしまった」と、今も不満や怒りの声が寄せられています。区は、介護予防優先施設としてウェルネススペースへ転用するなどしましたが、5人以上の団体で65歳以上の区民が過半数で構成されていることなどの登録要件があり、二、三人のグループでは登録さえできない、区内4か所しかウェルネススペースがないなど、そもそも通うことさえできない方がいる状況です。区は、通いの場として、介護予防施設を中心に、区内全域へ、介護予防活動を広げていく必要があるとしています。区はこの間、高齢者の居場所は必要と言ってきましたが、具体的にどのように居場所を確保していくのでしょうか。区内各地域ごとに高齢者の居場所の設置計画をつくるよう求めます。
 中丸いこいの家は、廃止後、中丸集会所へ転用されました。以前、調理室だった場所は中丸児童遊園内集会所の廃止に伴い町会関係の倉庫となっているために使えません。集会室は有料になっています。いつでも気軽に立ち寄れる高齢者の居場所が必要です。中丸町・南町地域に高齢者の居場所を設置するよう求めます。見解を伺います。

5、安心して使える公園公衆トイレを求めて

 次に、安心して使える公園・公衆トイレを求めて質問します。
 区内には公園・公衆トイレが230か所あり、今年度末時点での洋式化率は64.3%です。いまだ整備されていないところが82か所ありますが、改修の基本は老朽化し40年以上を経過したトイレとしています。区は、昨年4月に組織改正し、和式から洋式化は土木サービスセンター、だれでもトイレの改修はみどりと公園課、区内全体のオープンデータは管理課が対応するなど、トイレの洋式化に何年かかるのか、情報が一元化されてされていないために、全体像が見えにくくなっています。自然災害が多発している近年、緊急時に公衆衛生を保つという面でも、いつでも誰もが利用できる公園・公衆トイレへ早急に設置することは欠かせません。区はトイレの洋式化について、100%設置を目指すと言いますが、いつまでに何か所、和式を洋式化するかの整備計画がありません。洋式化方針に沿った具体的な整備計画をつくるよう求めます。併せて、いたばし№1実現プラン2025で、年2か所とするだれでもトイレの改築計画をさらに引き上げるよう求めます。見解を伺います。
 せっかく設置されていても、汚れていたり、使いやすくなっていなければ意味がありません。6月に提出された陳情審議の中で、清掃が行き届いていないため使用をちゅうちょする方、そもそも使用しないという声が紹介されました。区は清掃業務を委託し、場所によって清掃頻度を変えています。例えば、板橋駅前公衆トイレ、区役所前駅ナカトイレなどは、1日2回清掃する一方、週に1回のところもあり、清掃回数が異なっています。いつでも誰でも気持ちよく利用できるトイレにすることは、公衆衛生の視点からも欠かせません。各公園・公衆トイレの清掃回数を増やし、誰でも気持ちよく使用できるよう求めます。見解を伺います。
 次に、災害時のトイレについて伺います。水や食料の備蓄・支給を行うことのみならず、災害時における快適なトイレ環境を確保することは、命に関わる重要な課題です。国土交通省は、2016年、災害時に快適なトイレ環境を確保し、被災者の健康を守るため、被災者が使いたいと思えるマンホールトイレを整備するための配慮事項などを取りまとめたマンホールトイレ整備・運用のためのガイドラインを策定しています。地域防災計画や下水道管理者が策定する下水道BCPにマンホールトイレの整備方針などが位置づけられている場合は、その内容に基づき方針を作成するなど、マンホールトイレの整備推進を図ることが望まれると指摘されています。区も災害時に避難所となる全小中学校などに災害用トイレの整備を進め、避難場所となる公園では、いわゆるマンホールトイレの貯留型43か所、流下型の2か所、合計45か所の整備を進めたとしています。主に貯留型ですが、区としてバキュームカーを持っていないことも課題です。災害時の避難場所とされる公園において、災害対応型トイレはどこに何か所必要と考えているのでしょうか。併せて整備計画をつくるべきです。見解を求めます。

6、大山駅周辺のまちづくりは住民参加で
⑴ ピッコロ・スクエア市街地再開発事業について

 次に、大山駅周辺のまちづくりは住民参加で、を質問します。
 大山駅周辺では、都市計画道路補助第26号線、市街地再開発事業、駅前広場、東武東上線鉄道立体化事業など、様々な事業が一体的に進められています。いつ頃できるのか、何がどのように進められているのか、住民への周知や情報公開がなく、住民合意も図られずに、粛々と進められている状況に不安の声が寄せられています。まず、ピッコロ・スクエア市街地再開発事業について伺います。補助第26号線道路事業の西側で進められているピッコロ・スクエア市街地再開発事業は、事業区域約1.3ヘクタール、最高限度107メートル規模の高層マンション計画です。区は今年3月に都市計画決定し、今年度末の組合設立認可、2023年度末の権利変換計画認可を予定しているとしています。これまで地域住民からは、「公有地の活用について区民に経過を説明してほしい」「地域住民の合意と納得が得られるまで強引に計画を進めないでほしい」との声が多く寄せられています。そこで伺います。区は、地域住民への情報公開をどのように行ってきたのでしょうか。答弁を求めます。
 11月の都市建設委員会で、区は事業地の16%を占める約2,000平方メートルの区有地について、床を取得せずに転出するとする報告を行いました。区はこの区有地を平成16年、日鉄ライフより36億円で購入しました。これまで区有地の活用について検討しているとしてきましたが、初めて権利変換に伴い、転出を予定しているという新たな考えを示しました。転出するということは36億円もの高額で購入した区有地を売却するということでしょうか。現在の路線価などで試算した場合、価格は幾らになると見込んでいるのか、お答えください。併せて約2,000平方メートル、全ての区有地を手放すのでしょうか。せめてこれまで地域住民が要望してきた図書館や保育所、学校、集会施設などへの活用を求める声に応える気持ちはないのでしょうか、見解を伺います。

⑵ 駅前広場について

 次に、駅前広場についてです。住民合意が図られないまま、2019年12月に都市計画決定、2021年12月に事業認可され、用地測量や立会いが進められていると聞いています。しかし、コロナを理由に、9月開催予定の用地補償説明会は書面開催となりました。区は11月の都市建設委員会で、立会通知を10割の地権者へ送付、7割の地権者と立会いを済ませたと報告しました。駅前広場計画は道路としての計画です。今、住んでいる方、この地で長い間営業してきた方、区外からも多くの患者さんが通うクリニックなど、自分の住まいや土地がどうなるのか、不安を抱え続けています。区や東京都への不満の声が多く寄せられ、この間29本もの陳情が区議会へ出されてきました。3割もの方が立会いを拒否しているということは、納得が得られていないと考えます。納得していない地権者がいる間は、事業が進捗しても強制収用すべきではありません。区長の決意をお聞きします。

⑶ 東武東上線高架化に伴う区道の認定について

 次に、東上線高架化に伴う区道の認定についてです。第3回定例会に東上線大山駅連続立体交差事業などによる鉄道付属街路事業、駅前広場事業、上板橋駅南口駅前地区市街地再開発事業の実施のため、合計11路線を区道に認定するという議案が提出され、可決されました。区は、区道に認定する理由について、この事業でつくられる区道の将来管理者は板橋区だと宣言し、各事業の用地取得や移転の補償などに係る費用を国に請求するためと言います。しかし、どの場所も、今現在、多くの方が居住し、飲食店を経営するなど、人が生活している場所です。立ち退きや移転を迫られ、このまま住み続けられるのか、営業を続けられるのかと不安を訴えています。東上線高架化については、地元の商店街・町会は、繰り返し地下化を要望してきました。景観、日影、振動、騒音、プライバシーの侵害などへの懸念もいまだ払拭されていません。住民の思いは置き去りにされています。そうした中で区道に認定するという手続は権利侵害と言わざるを得ず、許せません。東上線の高架化に伴う側道の地権者には、区道に認定することについて、いつ了解を得たのですか。一軒一軒地権者に了解を得て進めているのでしょうか。区の認識を伺います。

7、公共施設の再配置(エリアマネジメント)について

 次に、公共施設の再配置、エリアマネジメントについて伺います。
 2021年度予算編成に向けて実施された緊急財政対策において、いたばし№1実現プラン2021に基づき、2021年度から2023年度までに着工する予定の公共施設整備・更新は、原則先送りするとしました。2020年9月から10月に行った計画検討開始の住民説明会は、区役所周辺、大山駅東、常盤台、前野、富士見の各地区で実施されてきましたが、参加者は少数な上、参加者が納得するものとはなっていません。例えば、旧保健所の跡地活用について、「民間事業者の活用よりも区民要求を聞き、行政機能を充実するために活用すべき」という声が上がり続けています。しかし、旧保健所跡地は、当面の間、駐車場になるという区の計画すら多くの区民や住民には知られていません。改めて、公共施設の整備計画を2024年度以降へ先送りした理由をお答えください。また、住民に説明する機会をつくるべきです。見解を伺います。
 区は人口が減っていないにもかかわらず、全体として施設数や面積を縮小する方針です。本来、住民要求や需要をつかみ、必要な公共施設を整備することが求められており、区の縮小方針は見直すべきです。同時に、エリアマネジメントのエリアだけでなく、区内どこでも、行政の機能や利便性を高めることが必要です。中丸町・南町地域には図書館がありません。図書館設置は長い間の住民要求です。比較的近いとされる氷川図書館までは、中丸町から歩いて20分以上、高齢の方は30分ほどかかる上、長い坂を登る必要があるため、「氷川図書館まで行くのは厳しい。豊島区の池袋図書館を利用している」などと言っています。公立図書館は、区民の生活・職業・生存と精神的自由度に深く関わる機関であり、住民の知る自由を保障することは重要な責務と考えます。中丸町・南町地域に図書館を設置するよう求めます。少なくとも、当面の間、熊野地域センター、中丸集会所などの公共施設に加えてコンビニなどの民間事業者に協力を求めるなど、本の検索や予約・貸出・返却ができる仕組みの構築を求めますが、いかがでしょうか。

8、自衛官募集対象者情報提供について

 最後に、自衛官募集対象者情報提供について伺います。
 政府は、2020年12月、自衛官等の募集に関し、必要な資料の提出を防衛大臣から求められた場合、区長が住民基本台帳の一部の写しを提出することが可能であると閣議決定しました。これを受けて、今年1月、区に防衛大臣から入隊適齢者情報を防衛省自衛隊東京地方協力本部へ提供するよう依頼が来ました。区は、これまでも住民基本台帳法第11条第1項に基づき、自衛官などの募集に関し、年度中に15歳、18歳、22歳になる対象者情報を区の閲覧専用端末で閲覧を可能としてきました。しかし、今後は年度中に18歳、22歳になる対象者の住所、氏名、年齢、性別の4情報を住民記録システムから抽出し、紙媒体で東京地本に外部提供することに変更しました。全国では紙媒体での情報提供は半数の自治体にとどまっています。なぜ、今回、区は紙媒体での情報提供を行う判断をしたのでしょうか。区の認識を求めます。
 区は、提供対象から除外してほしい場合は申出によって除外できるとし、10月22日付けの広報いたばし、ホームページ、Twitterで周知を行いました。少なくない方から「なぜ、区は対象者の個人情報を自衛隊に提供するのでしょうか。除外を希望する方でなく、情報提供を希望する方を募ればいいのに」と不安や心配の声が区議団にも寄せられています。区議団の申入れによって除外申出期間を12月26日まで延長したことは重要です。しかし、除外するには申出期間中に本人や保護者などが区役所に来て申し出なければなりません。しかも、2023年度中に22歳になる肝心な対象者5,157人への通知はしていません。広報いたばしもホームページもTwitterも見ていない、自分が対象者なのか分からないなどの場合は、自己決定権が守られないことになります。除外できることの周知が全く足りません。区が、個人情報の自己決定権を擁護するのであるなら、対象者一人ひとりに確認することが必要です。対象者に対し、自衛隊への個人情報提供を許可するか一人ひとりに確認をとること、また、個人情報の提供を拒否することができることを周知徹底すること、併せて、区役所に来所しないと拒否することができないとする方法を改め、郵送や電話等での申出も対象者情報から除外できるよう変更すべきです。見解を求めます。
 以上で、私の一般質問を終わります。

◎区長 それでは、山内えり議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、発熱外来逼迫への対応についてのご質問であります。この夏の第7波においては、感染者数が増加し、発熱外来が逼迫し、区民が医療機関を受診できない状況があったことは承知しております。この状況を受けまして、東京都は、令和4年8月3日から検査キットで自己検査ができる体制を整えまして、東京都陽性者登録センターを設置いたしまして、有症状者の療養支援と発熱外来の負担軽減を図っているところであります。区では、この日からホームページ等で東京都陽性者登録センターの周知を行っているところであります。
 次は、区独自での発熱外来の強化についてのご質問であります。東京都は、この冬の新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備えまして、患者数のピークを1日9万3,000人と想定し、発熱患者への診療体制強化を計画しております。既に東京都は、医療機関への指示や呼びかけ、診療時間の拡大や年末年始の協力金の予定も示しているため、区として人件費等の財政支援は予定をしていないところであります。なお、区では、今後の発熱患者の増加に備えまして、医療機関で使用する検査キットの購入費の支援を行ったところであります。
 次は、保健所体制の抜本的な強化についてのご質問であります。令和4年9月26日付けで、ウィズコロナの新たな段階への移行に向け、オミクロン株の特性を踏まえた全数届出の見直しが行われまして、全国一律で発生届の提出対象を重症化リスクの高い方に限定することとなりました。これを受けまして、区内発生届の件数を目安とした職員体制の最適化を改めて行いまして、今後想定される第8波のピークを見据え、保健師が職場に居ながら兼務先の業務に従事する体制や派遣による看護師等の増員準備に着手しているところでございます。令和4年度から保健所の保健師の実働人数を9名増の78名とした効果もございまして、第7波での時間外実績は、従前と比べ着実に減少してきておりまして、今まで培った経験から事前の対策を講じ、職員の負担軽減を図っていく考えであります。
 次は、物価高騰による区民生活への影響についてのご質問であります。総務省による本年9月の家計調査によりますと、勤労者世帯の実収入に比べ消費支出は大幅に増加し、全国消費者物価指数の上昇と同様、家計支出の負担が重くなっている実態であると認識しています。今後とも長引くコロナ禍に加えまして、世界的な原油価格や物価の高騰に伴う区民生活への影響や実態を注視していきたいと考えています。
 次は、消費税5%への減税についてのご質問であります。我が国における消費税は、社会保障の安定財源として位置づけられておりまして、減税については慎重であるべきと考えております。物価高騰への対応は、減税のみならず様々な視点からのアプローチが必要と考えます。今後とも物価の高騰が企業や家計に及ぼす影響と国の動向について十分注視していきたいと考えています。
 次は、区独自の給付金等についてのご質問です。物価高騰の影響に伴う給付事業につきましては、一義的には国の実施が基本と考えますが、区民生活の実態に即し、区独自の給付事業等の必要性に関しましては、慎重に検討していく必要があると考えます。また、区独自の給付事業を円滑に実施できるよう、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの財源措置のさらなる拡充を今後とも国に求めていきたいと考えています。
 次は、年末年始の相談窓口についてのご質問です。コロナ禍を契機に取り組んでまいりました年末年始の電話相談は、関係機関の休務日に当たりまして、連携をとることが難しいなどの課題もございました。今年度は、12月24日に対面型の相談会を実施する方向で調整をしておりまして、必要に応じて年内に福祉事務所につなぐなど、支援体制を強化していきたいと考えます。相談会の実施に当たりましては、広報、ホームページ、町会掲示板での周知に努め、食料支援も併せて行うことによりまして、利用者が安心して年が越せるように働きかけをしていきたいと考えています。
 次は、児童手当の特例給付支給についてのご質問であります。区独自の給付金として、児童1人当たり2万円のいたばし子育て支援臨時給付金を、児童手当の所得制限を上回り特例給付が廃止された世帯に対しましても支給するなど、子育て世帯への支援に努めているところでございます。区独自で特例給付を行う場合、6分の1でありました区の負担割合は、国、東京都の負担金が廃止され、全額負担となることから、恒常的な事業の実施は検討していないところであります。
 次は、マイナンバーカードに関連いたしまして、取得強制の懸念についてのご質問であります。健康保険証とマイナンバーカードの一体化は、マイナンバーカード交付申請件数を増加させる動きではありますが、申請に基づくカード交付という制度に変更はないと考えます。今後も国の動向を注視してまいりますが、現段階においてマイナンバーカードの取得は強制されるものではないと認識しています。
 次は、オンライン資格確認システムの義務化についてのご質問であります。オンライン資格確認は、令和3年10月のマイナ保険証運用開始と併せて開始されましたが、システム導入等の対応が完了していない医療機関等も多いことを認識しています。医療機関等の懸念事項やシステム普及等の課題には、国が真摯に対応すべきでありまして、区として中止を求めるものではありませんが、区民に不利益等が生じないように、状況を見守っていきたいと考えています。
 次は、交付率や個人情報のひもづけについてのご質問であります。マイナンバーカード交付率は、着実に上昇しておりますが、カード上の個人番号から情報が連鎖的に流出する不安を感じ、申請を控える場合もあるものと推察しています。マイナンバーで連携する情報は分散管理されておりまして、情報照会にはマイナンバーを直接用いるものではなく、複数の暗号化された符号が必要な仕組みとなっております。マイナンバーカード活用の場面は、今後も拡大が見込まれることから、不安感を払拭できるように正確な情報を周知しつつ、交付率の向上に努めていきたいと考えています。
 次は、保険証の発行についてのご質問です。国は本年6月に、令和6年度中に保険証発行の選択制を導入した上で、最終的に保険証をマイナンバーカードへ一体化する方針を示しました。現在のところマイナンバーカードを所有していない方への具体的な対応などは明らかになっていないところでございます。区といたしましては、マイナンバーカード所有の有無によって医療機関を受ける際に不都合が生じることがないように情報収集に努め、適切に対応していきたいと考えています。
 次は、介護に関連いたしまして、負担割合の拡大についてのご質問であります。ご指摘の負担割合の拡大など、保険制度の安定的な適用に必要な見直しにつきましては、国で継続的に検討を行っておりまして、その動向に注視し、情報の収集に努めていきたいと考えます。また、区独自の負担軽減の考えは持っていないところでありますが、介護保険制度の中において、適切な対応を図っていきたいと考えています。
 次は、要介護認定者の総合事業移行についてのご質問であります。総合事業化につきましては、介護保険制度全般を通じまして国で議論を進めており、区としましては、持続可能な制度となるように改善が行われることを期待しています。また、介護給付費増により財政状況は厳しく、区による独自の保険外給付については、難しいものと考えています。
 次は、後期高齢者の窓口負担割合についてのご質問であります。本年10月から一定所得以上の方には2割の自己負担をお願いしております。国民皆保険を維持し、全世代対応型の社会保障制度とするために必要な制度改正でありましてご理解をいただきたいと考えます。また、区独自の医療費助成を行う考えはございませんで、医療制度の仕組みの中で対応していきたいと考えています。
 次は、後期高齢者の歯科検診等についてのご質問であります。各種の検診事業につきましては、生活習慣病予防の一環として年齢を区切って実施しておりまして、今のところ対象年齢の拡大は考えていないところであります。一方、歯科検診については、フレイル予防、健康寿命の延伸に資するものとして、東京都後期高齢者医療広域連合が推奨していることもございまして、検討を進める必要があると考えています。
 次は、認知症検診の実施についてのご質問です。区では、区内在住の65歳以上で認知症が心配な方に向け、本人やご家族が気軽に相談できるもの忘れ相談を行っております。特定の年齢層全体を対象とした認知症検診につきましては、他の自治体の取組やその効果を研究していきたいと考えています。
 次は、高齢者の居場所の設置計画についてのご質問です。高齢者の居場所としましては、ふれあい館に加え、各地域の集会所等の利用を見込んでおります。介護予防活動を行うウェルネス活動団体が、無料で利用できるウェルネススペースを設けたこともございまして、具体的な高齢者の居場所に関する計画は予定をしていないところであります。
 次は、中丸町・南町地域の高齢者の居場所についてのご質問です。この地域への新たな居場所を設置する予定はございませんが、中丸集会所は、ウェルネス活動団体に登録することによって月2回まで無料で利用できるので、ぜひご活用いただきたいと考えています。
 続いて、公園・公衆トイレの整備計画についてのご質問です。区の全ての公園・公衆トイレのバリアフリー化には、まだ相当の時間を要することから、その間の応急対策として、便器の洋式化を年に4基を標準に進めています。トイレという性質上、利用者の客観的データが把握しにくいため、年次計画化をせず、要望に迅速に対応することを主眼に、周辺のトイレの状況も勘案の上で前年度に対象を選定しております。一方、トイレの改築整備数を増やすため、他自治体の例なども参考に、整備コストの縮減や新たな財源確保の手法などを次期実施計画に向けまして、調査・研究を進めている最中でございます。
 次は、公園・公衆トイレの清掃回数等についてのご質問であります。トイレの汚れは、使い方のほかに砂やごみなどの吹込み、いたずらによる破損や設備の劣化など、様々な要因から発生し、その対策についても様々な手立てを講じなければならないとなっております。現在のトイレの清掃は、主に使い方に起因する汚れや消耗品の補充を中心に、立地条件や利用頻度などを勘案して決定しておりまして、必要に応じて追加などを行っております。今後もこの精度を高めるように工夫を重ねるとともに、不定期に発生する汚れの把握方法の研究や最も効果的な対策を的確に判定する方法論の確立など、改善に努めていきたいと考えています。
 次は、災害対応型トイレの整備についてのご質問です。過去、公園内で整備しました災害対応型トイレは、地下の貯留槽と便器を直結することによりまして、水道や下水道が使用できない場合にも一定期間使用できるようにした施設であります。平成9年度から43施設を整備いたしましたが、近年バキュームカーが確保できないことやマンホール型仮設トイレが普及していることなどで、平成31年度を最後に新設を中止しております。今後公園・公衆トイレとして災害対応型の設置をするかどうかにつきましては、避難場所としての位置づけや避難所内のトイレの補完の必要性など、個別に判断して決定していきたいと考えています。
 次は、ピッコロ・スクエア市街地再開発事業に関連いたしまして、地域住民への情報公開についてのご質問であります。ピッコロ・スクエア市街地再開発区域内の公有地につきましては、都市計画の説明会や意見書等を通じまして、公共施設の設置や公有地の活用を求める声があることは認識しております。地域住民からのご意見につきましては、板橋区都市計画審議会に報告した上で、区のホームページ等で公開をしています。今後ともピッコロ・スクエア再開発に対する地域住民からの理解が得られますように、再開発準備組合とともに情報発信に努めていきたいと考えています。
 続いて、区有地の売却や価格についてのご質問であります。再開発事業における転出は、新しく建設される再開発ビルの床に権利変換を希望せず、権利者の持つ権利に応じた評価額を再開発組合から金銭補償されるものであります。再開発区域内の区有地につきましては、他の権利者と同様に、組合設立認可後の権利変換手続において再開発組合が従前の資産評価を行いまして、価格の提示を受ける予定となっております。
 次は、区有地の活用についてのご質問であります。板橋区基本計画2025においては、公共施設の新規整備は行わない方針でありまして、区は、地権者として、権利変換によって再開発ビルに公共施設の床を取得する予定はないところであります。再開発準備組合からは、施設建築物の計画に関しまして、住宅や店舗等にとともに民間の保育所の導入を検討していると聞いています。
 次は、駅前広場についてのご質問であります。令和2年度から、事業に必要となる用地の範囲や面積等を明らかにするため、用地測量に着手をし、個別に土地境界の立会いを行っています。取得する面積が確定できている箇所から順次土地評価や物件調査を経て補償費の算定などを行いまして、個別に合意形成を図っているところでございます。用地取得に当たりましては、関係権利者に対しまして丁寧な説明に努め、個々の権利者の状況にも十分配慮しながら、理解と協力の下に進めていきたいと考えています。
 次は、東武東上線高架化に伴う区道の認定についてのご質問であります。区道の認定につきましては、道路法に基づき議会の議決を経て公示し、道路管理者を定めるものでありまして、関係地権者の同意は必要としていないところであります。一方、鉄道の高架化に伴う側道は、都市計画法等の規定や手続に基づき事業に着手しております。引き続き、事業区域内の関係権利者の対応につきましては、個別に土地境界の立会いや用地折衝を行いまして、合意形成を図っていきたいと考えています。
 次は、公共施設整備計画の延伸理由についてのご質問であります。令和2年度当時、令和3年度から5年度にかけまして厳しい財政運営が想定されたため、区民生活への影響を最小限にとどめる観点から、緊急財政対策を実施することといたしました。その中で、公共施設の整備にかかる実施計画事業については、令和3年度からの3か年における新規の工事着手を原則先送りし、スケジュール等を見直すことといたしました。来年度、№1プランの改訂に当たりまして、公共施設の整備スケジュールを改めて見直し、集約・複合化を推進していく中において、適宜住民説明会の開催を検討したいと考えています。
 次は、自衛官募集対象者情報提供に関連いたしまして、募集対象者の名簿提供についてのご質問であります。これまで防衛省自衛隊東京地方協力本部は、区の住民基本台帳を閲覧、書き写すことによって情報を収集し、募集説明会などの案内の送付を行ってまいりました。令和2年の閣議決定と令和3年の防衛省及び総務省からの通知によりまして、住民基本台帳の一部の写しを提供できることが明確化されたため、自衛隊法令に基づく防衛大臣の求めに応じまして、板橋区個人情報保護審議会の答申も踏まえて、紙媒体で適切に情報を提供することといたしました。なお、名簿の作成に当たりましては、情報提供を望まない人の意向を尊重し、除外を申し出る仕組みを設けるとともに、個人情報の厳格管理に関する覚書を締結した上で実施することとしたところでございます。
 続いて、最後のご質問です。対象者への周知徹底などについてのご質問であります。募集対象者の情報提供は、自衛隊法令に基づく適法な依頼であることから、除外申出について個々の対象者への許可を確認する必要がないものと考えています。対象者への周知については、広報いたばし、区ホームページ、SNSによる情報発信や周知用チラシの公共施設への配付、区内専修学校、各種学校への通知等様々な方法によって着実に実施しております。除外申出の申請は、個人情報が記載されました本人確認書類を窓口で直接確認し、受け付けることが不正な申請の防止と個人情報の厳格管理に資する方法であるため、郵送や電話での受付は予定していないところでございます。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

◎教育長 それでは、山内えり議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 中丸町・南町地域の図書館の設置についてのご質問ですが、区立図書館につきましては、ボローニャ絵本館を併設する中央図書館のほか10の地域図書館があり、11の施設で圏域を設定し、配置しているところです。区立図書館の配置数として、板橋区の人口や面積等に対して11館は妥当な数であると考えております。各図書館の圏域から離れた地域に対しましては、本年11月に導入した電子図書サービスや小さな絵本館事業の推進など、新たなサービスの活用に努めてまいります。
 次に、図書館機能の仕組みの構築についてのご質問ですが、区立図書館の圏域から離れた地域における図書館サービスについては、課題の1つとして認識しているところです。公共施設や民間事業者との連携による本の予約・貸出・返却機能の仕組みを新たに構築することにつきましては、図書資料の管理に要する人的対応やコスト、輸送経路、他の地域とのバランスなど様々な課題があります。圏域から離れた地域に対する図書館サービスの在り方につきましては、他の自治体等も参考にしながら、引き続き検討してまいりたいと思います。
 頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。

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